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ジェサベル★★★

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『ソウ』シリーズなどのケヴィン・グルタート、『パラノーマル・アクティビティ』シリーズなどの製作に携ってきたジェイソン・ブラムがタッグを組んで放つホラー。この世を去った母が残した不吉な予言が次々と実現するという、奇怪な現象に見舞われる女性の姿を追い掛けていく。『プリデスティネーション』などのセーラ・スヌーク、『13の選択』などのマーク・ウェバーらが出演。人気ホラーシリーズを支えてきた製作陣によって生み出される、渾身(こんしん)の恐怖描写に背筋が凍る。
あらすじ:事故によって、愛する夫と身ごもっていた子供が亡くなってしまったジェサベル(セーラ・スヌーク)。絶望に打ちひしがれる中、彼女は父が暮らしている家へと戻る。亡き母が自分のためにと残していたビデオテープを見つけ、それを再生しては母娘の懐かしくて楽しい思い出に浸っていたジェサベル。しかし、ビデオ内で母が予言していた不吉な出来事が実際に起こるようになる。次第に恐怖に駆られていく彼女だったが、その原因として過去のある事件が浮かび上がってきて……。

<感想>舞台となる南ルイジアナの、湖畔地帯にある一軒家という設定からして、いかにもなホラー映画らしいですよね。沼に淀んだ水面、住人たちのいわくありげな視線とか、ゴミ捨て場みたいな祭壇。供えられた動物の死骸など、飛び出してくる要素は悪くはないのだが、湿度と臭気がなんとも言えませんね。
米南部系のホラーは、それらが恐怖や不安とガッチリと結びついてくるだけに、少しばかり残念な気もした。

「リング」かしらと思わせるビデオテープの登場を発端に、「何がジェーンに起こったか?」みたいな身動きが出来ない状況に置かれた、ヒロインの受難が始まるのだが、途中からホラーというよりは謎解きな展開になって来ている。
登場人物が、明らかに話を進めるためだけに取らされている行動も、いくつかあって首をひねるのだけど、ルイジアナの風土を取り込んだその意味では、「ジェーン~」というよりも「ふるえて眠れ」の画面の空気が面白い。

蛇口から黒い水が出るのも「仄暗い水の底から」を思い出させます。母親の部屋で事故の後の身体を休めている娘は、実は養女で、同じ名前で「ジェサベル」と書いてある箱を発見し、内心喜ぶ娘。亡き母が残してくれたビデオテープだと思っていたら、それは大きな間違いでした。車椅子で身動きが取れないのが、怖さをいっそう引き立ててくれます。

彼女は毎夜のごとく悪夢を見てウナされ、その中に死人のような少女や焼けただれた男が登場します。このシーンはグロテスクで、怖かったです。亡き母親のビデオテープを燃やそうとした父は、ジェサベルの目の前で焼死。
そこへ、高校の同級生で元カレのプレストン登場して、プレストンは結婚しているが、まだジェサベルを愛しているのだ。心強い味方が現れて、2人で真相を探っていくうちに、あの暗い湖の沼地帯へと舟を進めていくのです。

そして、ジェサベルにたたみかけるような恐怖が襲い掛かるのです。
主人公をめぐる黒人たちとの関係は、その立場が逆である場合は、アメリカの歴史のなかではあり得なかったし、今でもそうだろうという気がします。

とはいえ、粒子の粗いビデオテープに残された美しき亡き母親の姿にゾッとくるし、「ジェサベル」という名前のヒロインが感じていた母親からの愛情がまったくの思い違いだったという展開には、無惨で悲しすぎる。

母親が、黒人の牧師モーセと不倫をして身籠った赤ん坊を、怒り狂った夫が殺して湖沼地帯に埋めたお墓が物悲しく、宗教上の呪い恨みから養女として貰われてきたヒロインが辿る運命が、気の毒でならない。
突っ込みどころはあるにはあるが、ホラーとしての怖がらせ度が満点なので最後まで観られました。主人公のジェサベルを演じた「プリデスティネーション」のセーラ・スヌークの幸の薄い演技も良かったです。
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