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Channel: パピとママ映画のblog
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強奪のトライアングル★★★★

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「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズのツイ・ハーク、「友は風の彼方に」のリンゴ・ラム、「エグザイル/絆」のジョニー・トーがリレー形式で監督したクライム・アクション。出演は、「エレクション」のサイモン・ヤム。香港映画祭2007オープニング上映作品、カンヌ国際映画祭特別上映作品。
あらすじ:エンジニアのサン(サイモン・ヤム)、タクシー運転手のファイ(ルイス・クー)、骨董屋のモク(スン・ホンレイ)の3人がバーで強盗話をしていると、老人が現れ、興味があったら連絡をくれと名刺と1枚の金貨を置いていく。前妻を事故で亡くしたサンは、前妻の友人だったリン(ケリー・リン)と結婚していた。しかし毎晩謎の薬を飲ませるサンに疑惑を持ち、刑事ウェン(ラム・カートン)に相談するうち肉体関係を持つようになっていた。借金に追われるファイは、ヤクザのロンから執拗に強盗の仕事を持ちかけられている。株で失敗したモクは店をたたもうとしていた。

3人は名刺の人物チャンに連絡しようとするが、彼が肺炎で死んだことを知る。3人が名刺に書かれていたURLを頼りに調べると、チャンは政府ビルの下に古代の秘法を隠していた。政府ビルに忍び込んだ3人は、古代の棺に入った黄金の礼服を見つける。サンが怪しい行動をしているとリンから聞いたウェンは、サンが黄金の礼服を持っていることを知る。ウェンはモクの店に入ったサンを追い、礼服を奪うが、車の運転をサンに任せたため逆に人質になってしまう。借金の追いたてに焦ったファイは礼服を盗もうとモクの店に行くが、そこにモクも現れる。サンが礼服を持っていると知った2人は彼のいる場所に行く。リンもウェンの車を追ってそこに向かっていた。リン、ファイ、モクがサンの元に着くと、隙をついてウェンが礼服を奪い、車でリンをはねる。
3人はリンを病院へ運ぼうとするがタイヤがパンクし、仕方なくヤク中のデブ男(ラム・シュー)にタイヤの交換を頼む。するとパンクで足止めされているウェンがレストランにいるのを見つける。礼服の入った袋を取り戻すため同じような袋を作ってウェンに近づくが、そこに拳銃売買の取引のため金の袋を持ったロンたちが現れる。サンたちは室内を停電させて袋を奪い返すが、誰が何を持っているかわからない。そこに警察官が現れる……。(作品資料より)

<感想>香港映画界が世界に誇る巨匠、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズ『王朝の陰謀判事ディーと人体発火怪奇事件』のツイ・ハークがアイデアを出し、『友は風の彼方に』『マキシマム・リスク』のリンゴ・ラム、『エグザイル/絆』『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』のジョニー・トーという海外でも高い評価を受けうける個性の強い2人の監督と共に、3人が、独自のルールのもと、それぞれバトンリレー方式で各30分を撮影し、1本に繋げたクライム・サスペンス。彼らの熱狂的ファンであるクエンティン・タランティーノも参加を熱望したほど。
主演はジョニー・トー組の常連「エレクション」のサイモン・ヤム、香港映画で引っ張りだこの人気俳優の「コネクテッド」のルイス・クーに、そして中国本土の実力派俳優でもある「女と銃と荒野の麺屋」のスン・ホンレイと俳優が揃っている。オムニバスではなく、大まかなプロットだけを決め、あとは30分毎にそれぞれの監督が好き勝手に撮って、1本の映画に仕上げたという珍作である。

言いだしっぺのツイ・ハークは、登場人物の性格や動機つけをミステリアスに描く前編を担当している。中盤を担当したリンゴ・ラムは、秘宝の奪い合いを緊張感たっぷりに演出している。お得意のカーチェイスシーンなどはラムの本領発揮で躍動感がある。
そして前の監督たちが張った伏線を回収しなければならない後編では、ジョニー・トー監督の出番。しかし、ジョニー・トー監督は、ラム・シュー演じるヤクちゅうを狂言回しというより、ただのキチガイとして登場させ、物語をドリフのコントのようにハチャメチャに仕上げている。
真面目なトーンの中盤までをぶっ壊しながらも、娯楽映画として胴体着陸に成功させて丸く収めているのは流石としか言いようがない。ミステリー映画ならではのお遊び感覚と思えば、面白いに違いありません。
ツイ・ハークとラムが、カンヌ映画祭で初めて見て、唖然とした後、大爆笑したという衝撃のクライマックスは、是非見ては損がないはずです。
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