Quantcast
Channel: パピとママ映画のblog
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男★★.5

$
0
0
伝説の大富豪ハワード・ヒューズの偽りの伝記を執筆した作家による実際に起きた詐欺事件を基に「HACHI 約束の犬」のラッセ・ハルストレム監督が映画化。出演は「アメリア 永遠の翼」のリチャード・ギア、「魔法使いの弟子」のアルフレッド・モリナ、「ローラーガールズ・ダイアリー」のマーシャ・ゲイ・ハーデン、「脳内ニューヨーク」のホープ・デイヴィス、「パリ、恋人たちの2日間」のジュリー・デルピー。
あらすじ:1971年ニューヨーク。売れない作家クリフォード・アーヴィング(リチャード・ギア)は、新作を出版社に売り込んでは却下される日々を送っていた。ある日、マグロウヒル出版のアンドレア(ホープ・デイヴィス)に、今世紀最大の作品を持ってくると言ってしまい窮地に立たされるアーヴィングだったが、変わり者で隠遁生活を送っている有名な大富豪ハワード・ヒューズのニセ自伝を書くことを思いつく。実際に彼に会ったことのある人間はほとんどおらず、表舞台にも出てこない。

早速、ヒューズの筆跡をまねた依頼の手紙を手に、アーヴィングはマグロウヒル社に乗りこみ、筆跡鑑定で本物と出たことで話を進めていく。並行してアーヴィングの親友でリサーチの腕があるディック・サスキンド(アルフレッド・モリナ)と共にヒューズの情報収集に走る。
アーヴィングはウソを散りばめた巧みな話術で、マグロウヒル社会長のシェルトン(スタンリー・トゥッチ)らを説得、ついにヒューズの分と合わせて110万ドルの報酬を得ることに成功する。ヒューズ名義の小切手は、アーヴィングの妻エディス(マーシャ・ゲイ・ハーデン)が偽名でスイスに口座を作り換金する。

同じ頃、アーヴィングの家に段ボール箱が届く。中身はニクソンらに対してヒューズが渡したワイロなどの記述だった。だが、ヒューズの顧問弁護士から抗議があったことで、アーヴィングのウソは少しずつほころびを見せていく。一方、ヒューズの自伝の話はホワイトハウスにも届いていた。資金提供などの情報が漏れることを恐れたニクソン陣営は、民主党本部が本を手にしているかを偵察させる。
これが後の“ウォーターゲート事件”である。そんな中、アーヴィングはエディスから家を出ていくと告げられ、別れたはずの愛人ニーナ・ヴァン・パラント(ジュリー・デルピー)との復縁について聞かれた彼は、妻を繋ぎとめるためここでもウソをつく。ウソにまみれた彼の精神は異常を示し始め、アーヴィングは自分がハワード・ヒューズそのものであるかのような錯覚に陥っていく……。

<感想>「ハワード・ヒューズを売った男」と副題にあるように、長い間正体が謎に包まれていた伝説の大富豪ハワード・ヒューズの、偽の伝記を執筆した男の物語なのだ。ホークス=HOAXとはでっちあげを意味するが、これはまさに偽の伝記をでっちあげた詐欺師男の実話を、ユーモアを盛り込んで描いている。

といっても、そこは映画だから事実と異なる部分も大いにあるのだが、その上でフィクション部分も含めて世紀の詐欺師男の物語を描いたのは、ラーセ・ハルストレム監督。「マイライフ・アズ・ドッグ」や「ギルバート・グレイブ」で知られるスウェーデン出身の才人である。
この詐欺師男、悪質というより笑えるから滑稽である。

何しろヒューズが正体不明をいいことに、本人に一度も会うこともなく元側近の記録を基に、自伝をでっち上げ大手の出版社に売り込んで大金をせしめたのだから。
その手口は古典的だが、嘘を嘘で固めて行く詐欺師としての転落の過程が、実にスリリングで、まるでよく練り上げられたサスペンス映画を見ているようなのだ。
肝心の本物のヒューズが出版されたこの自伝を読んで、「私の人生より面白い、傑作だ」と言ったとか。
この皮肉とブラックユーモアのセンスは、ハルストレム監督だらではのもの。全編を貫くのは風刺精神で、もちろん単なる詐欺師の物語だけでなく、「J・エドガー」にも出てきた、ニクソンの不正献金問題や、ウォーターゲート事件など、1970年代のアメリカの時代風潮をも映し出しているのも面白い。
主人公クリフォード・アーヴィングを、『シカゴ』のリチャード・ギアが熱演。リチャード・ギアが、憎めない主人公の希代の詐欺師を嬉々として演じているのが、印象的でいいですね。
2014年DVD鑑賞作品・・・59 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

Trending Articles