Quantcast
Channel: パピとママ映画のblog
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

388 ★★.5

$
0
0
原題は「388 APLETTA AVENUE」カナダ、監督・脚本:ランドール・コール、出演:ニック・スタール、ミア・カーシュナー

あらすじ:トロントの高級住宅街アレッタ通り388番地の一軒家で暮らす若い夫婦。夫のジェームズは、美しい妻エイミーと幸せな毎日を送っていた。ある朝、ジェームズが仕事に向かおうと車に乗り込みCDをかけると、聞いたこともない音楽が流れ始める。エイミーの仕業だと思い問い詰めるが、彼女はそんなイタズラはしないと否定し言い争いに。
ケンカ別れしたままジェームズが深夜に帰宅すると、「頭を冷やしたい」という書置きを残してエイミーが消えていた。彼女の携帯も繋がらず、姉のキャサリンや友人たちに連絡するが、誰も行方を知らない。
その日から、ジェームズが1人残されて暮らす家に不可解な出来事が起こり始める。なついていた飼い猫が突然唸り始めたり、窓ガラスが割られたり…そして度重なる無言電話。彼は事の成り行きを警察に通報するが、証拠不十分で全く取り合ってくれない。その後も、一連の出来事が止むことはなく、ジェームズの精神状態は極限にまで達していた。そして焦燥し切ったジェームズが自宅に戻ると、パソコンの電源が入っており画面には拘束されたエイミーの姿が映っていた…。

<感想>ファウンドフッテージ・ホラーは、ホラーのフィールドを超えたトレンドなジャンルだが、本作の制作総指揮を務めたヴィンチェンゾ・ナタリによると、「388」の企画開発は「パラノーマル・アクティビティ」や「REC/レック」の公開前に始まったそうです。
当時はまだジャンルとして確立されていなかった、と言う。「前から監視カメラを使った映画を作ってみたかった」と語るヴィンチェンゾだが、本作は他の「パラノーマル〜」や「レック」と大きく違う点は、他の数多くのホラーが被害者の視点で撮影されているのに対して、本作では犯人の視点のみで語られていく。

家や愛車の中の隠しカメラや、パソコンのカメラを通じ、彼らの行動は24時間録画されていたのだ。2人は異変を感じるが、その不気味な存在にまったく気づいていなかった。監視者が仕掛けたトラップにまんまとハマってお互い疑心暗鬼になり、2人の心の距離が離れ始める。そして喧嘩した翌日、エイミーが謎の失踪を遂げる。
「パラノーマル〜」と同じような現象が起こるのかと思えば、人間の手による悪戯、いやそうではない。狂気をはらんだ加害者側から、一般的な普通の家庭生活が恐怖に怯える毎日。その悲劇的な光景を我々も直観することになる。

夫のジェイムズは昔、学生時代怪物のように悪で友達を虐待したことのある人物。その中の一人ビルに対して、もしかして自分の妻エイミーを拉致しているのではないかと、疑心暗鬼になり執拗に攻め続ける。そして、彼の家まで行き、犯人の車のカメラで写した映像にビルとジェイムズが揉めて殴り合い、いつの間にかジェームズの車の後部座席にビルらしき男の死体を乗せ、その遺体を原っぱに穴を掘って埋める映像が映し出される。
これはもしかして、ジェイムズが二重人格者で妻のエイミーも殺してしまったのではないかと、そんな錯覚を覚えてしまう内容。前半部分はダラダラと主人公ジェイムズが一人でイライラでつまらない。しかし、誰が何のために、何故この夫婦の家に監視カメラを設置したのか、残酷なのはそれだけではない。飼い猫がジェイムズに懐かず、家で飼っていた黒猫とは違うと感じ、その後警察に届けるも相手にされず、ついには郵便受けに黒猫の頭がビニール袋詰めにされてあった。それも警察に見せようと冷凍庫にしまって置いたのに、警官が来た時には黒猫の首が消えていた。
それに、ジェイムズの二重人格なのかと思い違いをしていた私は、犯人からの無言電話に、それにジェイムズが仕掛けた玄関の監視カメラに犯人らしき人影が写っていたのだ。2階の寝室の監視カメラに、犯人と思う黒いフードの男?が映っている。ジャイムズが自暴自棄になり友人から拳銃を分けてもらって、リビングに監視カメラを設置して犯人を誘き出そうとするも、相手は知能犯。すでに妻のエイミーは殺されており地下室に吊るされていた。
犯人がジェイムズの車のCDや自宅のPCの映像、ダウンロードされた音楽など勝手に遠隔操作して、人間を恐怖に陥れる。犯人はこのジェイムズに恨みを持っている者か、あるいはジェイムズの知り合いがこの犯人に殺人を依頼したのか、結局最後は、ジェイムズが拳銃を持っているので、姉のキャサリンが警官と家に入って来て、地下室の妹の遺体を見て犯人が夫のジェイムズだと決めつけ、彼は拳銃を持っているし、警官が発砲してジェイムズは撃たれて死ぬ。自分の手を汚さずに、憎い人間を殺す殺し屋の計画的犯罪かもしれない。でも、妻のエイミーまで殺さなくてもいいのにと、思った。
これは本当にリアルで恐ろしいのだ。「まるで自分の存在を正当化するかのように」誰かに見られたいという潜在的欲望を満たすため、人はfacebookやほかのSNSを利用している。日々使用しているPCのカメラやiphoneの向こう側で誰も見ていないなんて、誰に言えるだろう?・・・「我々は悪魔を自宅に招き入れてしまったのだ」とヴィンチェンゾは話すのだが。アメリカ政府が合法的に市民の生活を監視し、人も自らプライベートをさらけ出し、監視されることを望むこの時代が生むリアルな恐怖を、この映画は正面から映し出しているのが今風でいい。それでも、あまりにも超常現象とか、監視カメラでの映像とか、ありふれているので面白みに欠けている。
2013年DVDレンタル鑑賞作品・・・10  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ



Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

Trending Articles