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Channel: パピとママ映画のblog
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チェインド ★★★

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鬼才デヴィッド・リンチの娘として知られ、『ボクシング・ヘレナ』『サベイランス』と衝撃作を生み出してきたジェニファー・リンチ監督によるサスペンススリラー。9年にわたって連続猟奇殺人鬼に監禁飼育され、想像を絶する日々を過ごしてきた青年の数奇な運命を描く。非道の限りを尽くす監禁飼育男には、『フルメタル・ジャケット』の狂気をたたえた演技で鮮烈な印象を残したヴィンセント・ドノフリオ。観る者の予想を超えた驚がくのラストに息をのむ。
あらすじ:母親とタクシーに乗った少年ティム(エヴァン・バード)は連続殺人鬼である運転手ボブ(ヴィンセント・ドノフリオ)に母親を目の前で殺され、彼の自宅に連れ去られてしまう。その後、鎖につながれラビットと名付けられたティムは監禁生活を強いられる。9年に及ぶ悪夢のような毎日を過ごし青年になったティム(エイモン・ファーレン)は、何とかして脱出しようとするが……。

<感想>全編悪夢、ホラーと言いたいほど過激な映画だった。その始まりから怯えさせられる見事な映像展開に、最期まで魅せられ目が離せません。アメリカやカナダの田舎では、こんなことも起こり得るのだ、と観ていたら、ラストで一種のどんでん返しがあり、あれよあれよと、それが言いたかったのか?・・・。
と言う気になった。
久方ぶりのアメリカ、父と息子の終わらない確執を描く作品でもあったように思われました。女はみな娼婦だと思えばいい、簡単だという父親から受け継ぐ因果。ある種のフェミニズム映画とも言えますね。
私はごく普通に、単純に考えて暴行と殺人の研究といった主題の映画だと受け止めていたのだったのだが。タクシーに乗って目の前で母親が乱暴され、自分が生きるためにはこの男に従うしかない。食べ物は、彼が残したものだけ。

ティムは「ラビット」と名付けられ、足首に鎖で繋がれて地獄のような生活。
彼は、頻繁に女を連れ帰ってレイプし、殺して地下に埋める。その拉致されて殺された女たちの新聞記事を、スクラッブックにして作成したり、挙句には女の死体処理まで手伝わされるのだ。
それにしても、ベテラン俳優ヴィンセント・ドノフリオの存在感には感心しました。拉致、暴行、殺人の研究という主題と正対して欲しかったと思いましたね。

繰り返し使われる隠しカメラ的アングルからの、画面が幾つかあって、これが実際以上に室内をがらんと見せているのが、妙な雰囲気を出していて面白い。終盤に、アンジーという名の若い女性が現れることで、突然スリリングに盛り上がるのだが、それが決着した後の展開に唖然となる。
虐待の連鎖が物語のキモだったのだろうけど、伏線不足なのかどうも唐突すぎるのが否めない。

こういう幼い時に拉致されて、がんじがらめにされ、自分の命を守るために犯人に従うという反応は人間にはあるようですね。日本でも小学生が拉致された事件がありましたね。その子供もされるがままで反抗することなく、犯人の男は自分好みの女性に育てたいなどと言っていたそうです。
この事件の場合は、犯人の兄弟の確執が原因と思われ、拉致されていた子供も成長して、犯人のやっていることが当たり前なのだと思うようになっていったのですね。
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