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gift/ギフト ★★.5

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テレビドラマ「湯けむりスナイパー」などの遠藤憲一とSKE48/乃木坂46の松井玲奈がダブル主演を務め、愛知県から東京を目指す感動的なロードムービー。妻子を捨て、友人もいない男が、愛されずに育ったキャバクラ嬢に100時間で100万円のアルバイトを持ち掛け、ある贈り物を届けるために旅をするさまを映し出す。監督は、本作がデビュー作品となる宮岡太郎。孤独な二人が旅を通して、少しずつ心を通わせる様子が印象深い。
<strong><感想>縁もゆかりもない二人が、中年の篠崎善三が若い娘に依頼して、東京に住んでいる娘の所まで連れて行って欲しいと頼む。この二人は、女の方が金に困って公園で居眠りをしていた老婆の財布を盗んだのを目撃し、今度は自分が大金の入ったカバンを、わざと盗まれるように仕組み、その娘を取り押さえる。この篠崎善三役の遠藤憲一と言うと、よく刑事役で見かける強面の俳優さん。娘の方はSKE48/乃木坂46の松井玲奈という、今流行りのアイドルを使えば客が呼べるだろうと思ったのだろう。演技の方は、台詞棒読みでイマイチだったが、客は私一人の貸切だった。

物語は、豪邸に一人暮らしでお手伝いがいて、秘書が会社会長の篠崎善三の毎日の用事をする。今回は、自分が昔、離婚した妻との間にできた娘から手紙が来て、便箋に「助けて」とだけ書いて有る。この「助けて」だけで父親は全てを知り、自分が昔捨てた娘のために東京まで逢いに行くということ。それには、脚の悪い篠崎が、金に困っている沙織に100時間で100万円のアルバイトを提案する。つまり、運転手兼お手伝いということだろう。

二人の旅が、篠崎の若き頃の思い出の地で、始めは神社でおみくじを引くのだが、どれも小吉、とか中吉ばかり。大吉が出て来るまで引く篠崎。大吉を引いた篠崎の嬉しそうな顔。
ボロい下宿屋に泊まり、食事は沙織にメモ紙に書いた品物を買ってくるようにと。それは、ソース焼きソバに、キャベツの千切りにメンチカツ、缶詰、等々。篠崎が下宿をしていた時に、美味しいと感じて食べたもの。今では金もちで贅沢な暮らしをしているので、昔は貧しくて腹が減っていては、そんな食べ物でもご馳走だったのでしょう。
そこの下宿への支払いが、何と50万円で下宿屋の男は妻に5万円貰ったと嘘をつく。そのことをバラしてやる沙織の若さが清々しい。

その後は、映画館へ入る。何故か昔上映していた古い映画を上映している。中へ入ると、チケット売り場のオバサンが、昨日までで今日からは違う映画を上映しているというのだ。金を払うからと、いつもの強引な交渉で50万円支払って、昔観た恋愛映画を見るも、すぐに飽きてしまい出て来る始末。なんて金使いの粗い男なのだろう。無駄使いもいいところだ。それもこれも、後でその意味が解るのですが、自分が成功して大金持ちになっても、結婚もしないし子供も昔の娘一人で、気が付いてみたら独りぼっちで、金があってもその金で贅沢に暮らしていても虚しいばかり。

次は昔、住んでいた河原のある風景で立ち止まる。そして、子供と遊んだ公園など、懐かしみながら自分の過去を振り返る。
沙織は、鞄の中に入っていた小さな青い箱が気になってしようがない。娘へのプレゼントだというが、金持ち親父だからダイヤモンドが入っているのかもと想像する。しかし、その沙織にも、ホストに入れあげて保証人になった300万円の借金がある。その取り立て屋の男が、付け回してくるのだ。

最後まで観なくても、この辺で何となく篠崎の娘へのプレゼントが分かってしまう。あのウィル・スミスが演じた「7つの贈り物」あの作品と同じように、篠崎が昔捨てた娘の孫娘が、心臓病で移植手術をしないと死んでしまうというのだ。血液型も一致しており、父親として娘の願いを聞いてやる初めての贈り物なのだ。だから、昔の場所へ泊ったり、思いでの地へ行ったりして心残りのないようにと、思ったのだろう。あの青い箱の中は空っぽで、つまりは自分の心臓をプレゼントするという意味なのだ。
ラストが切ない。こんな事態になろうとは想像もしていなかった。あの沙織の借金取りの男が、追い掛けて来て篠崎をナイフで刺し殺すとは。震える手で救急車に電話する沙織。
篠崎は、自分で毒薬を持参しており、飲んで暫くしたらメモ紙の病院へ救急車で運ぶようにと、沙織に頼んでいた。そのために、沙織には十分なお金を渡すことも。

最後の締め括りは、沙織が弟の勤めている運送会社で一緒に働く姿を映す。ふと道端で女学生のカバンに、「大吉」と書かれたおみくじをぶら下げている女の子を見つける。元気そうにはしゃいでいる女子学生を見て、あの偏屈親父の孫娘だと判る。強情で偏屈だったが、父親として善いことをしたと嬉しくなった。
日本版の「7つの贈り物」のようなお話でしたが、少々回りくどいようで、ボソボソと話す偏屈親父の遠藤憲一さんは、演技というよりもそのままの地でいっているようでした。衝撃的な結末にも、ウルウルくるような感じもなく、「7つの贈り物」では、主人公が見ず知らずの人々のために奔走する姿に感動し、ついエールを送りたくなってしまう。
そういう要素がないのだ、孫娘のために自分の心臓を贈るということに関しては、立派だとは思うが、絶賛する程ではない。
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