Quantcast
Channel: パピとママ映画のblog
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

サクラサク ★★.5

$
0
0
実力派俳優緒形直人を主演に迎え、さだまさし原作の短編小説を映画化した感動の家族ドラマ。父親が認知症を発症したことにより、改めて家族の大切さを痛感した主人公が、もう一度絆を取り戻そうと奮闘する姿を映し出す。『利休にたずねよ』などの田中光敏が監督を務め、妻役に南果歩、父親役にベテランの藤竜也がふんする。原作者のさだ自身による主題歌はもとより、切なくも美しい人間模様が胸を打つ。
あらすじ:妻子を顧みず仕事に打ち込んできた会社員の俊介(緒形直人)は、妻(南果歩)との仲も修復が難しいほどに冷え切っていた。次第に息子(矢野聖人)や娘(美山加恋)との関係もぎくしゃくし、一家は崩壊寸前に思えた。そんな中、同居する父親(藤竜也)が認知症になり、俊介はそれまでバラバラだった家族を取り戻そうとある提案を持ち掛け……。

<感想>いま、「家族再生」のお話はちょっとしたブームで、今まででもたくさんの作品が公開された。もちろん、崩壊するよりは、再生した方がいいに決まっている。特にこの作品は、仕事ばかりで家族を顧みなかった主人公が、糞尿まみれでほったらかしにされている父親を見て、強引に家族を車に乗せて、ある場所へと旅に出る。それが、祖父の幼少期を過ごした想いでの地である。認知症の父親がウル覚えに話す言葉。それを頼りに福井、石川県と車を走らせる。夫の取締役会議の特定日までには、東京へ戻らなければならないという縛りみたいなものも、サスペンスを生むこともなかった。

家庭の不和と認知症の老父の問題を、家族旅行で解決しようとする虫のいいお話なのだが、口当たりのいい設定がお膳立てされているだけで、老父を無視して面倒を見ない妻はいつの日からそうなったのだろうか。夫への浮気への憎しみが義父にも当て付けるのか?・・・子供二人にも無関心になり、夫が帰って来ても知らんふりする妻の態度には、これはもうダメかもという感じもしないでもない。

エリートお父さんの気まぐれ家族旅行には、それなりの覚悟もあり、これで家族再生も叶って良かったとは思うのですが、女の目線から見て、このお父さん単身赴任先で浮気をして、奥さんに謝っていなかったのね。一番大事なことじゃないの、家庭を守っている妻に対して、きちんとあやまるのが礼儀でしょうに。でなきゃ、祖父の下の世話だって、介護だってキチンとやって上げた筈なのに。謝るのが遅すぎなんですからね。

バラバラの家族をどう説得してワゴン車に乗せて、旅に出たのか肝心の場面が描かれていないのも残念。それに、二人の子供たち、反抗期みたいな親の躾けがなってないような始まりだったのが、家族旅行で明かされる長男の祖父に対する介護の優しさと、娘も今時の学生でもなく両親の不仲を気にしていたように描かれているのも良かった。

エンディングは、輪をかけたようにお説教くさい歌で、もちろん“さだまさし”さんです。いい歌なんだけれど、殆ど仏教的な世界で、ありがたがらないとバチが当たる感じが高い。
タイトルの「サクラサク」という合格電報みたいな邦題からして、先が見え見えで意外性とか新鮮さはどこにもない。それと、目的地まで辿り着いたのだが、サクラが咲く季節には早くまだ咲いてはいない。だが、その思いでのサクラの樹が老木で切られてあり、家族みんなでそこへ座り込み、目をつぶり想像力で思い浮かべるシーンが印象的でした。サクラが散った後には、この家族は果たしてどうなるのか?・・・それは観客の想像まかせということらしい。
2014年劇場鑑賞作品・・・78  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

Trending Articles