グラビアアイドルとして活動し、『エレクトロニックガール』などで女優としても活躍する小泉麻耶がデリヘル嬢を体当たりで演じた人間ドラマ。在宅身体障害者向けの風俗嬢として働くヒロインが、彼らと出会うことにより新たな第一歩を踏み出す様子を描く。風俗店店長を、数々の作品に出演してきた津田寛治が好演。監督は、テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞を受賞した戸田幸宏。ドキュメンタリーとしての企画が通らなかったために、フィクションとして映画化した戸田監督の手腕に期待。
あらすじ:沙織(小泉麻耶)は、そんなに大変ではないだろうという単純な理由で、障害者専門の派遣型風俗店ハニーリップで働くことを決める。出勤初日、彼女は店長(津田寛治)がハンドルを握る車で落ち着いたたたずまいの住宅地へと向かう。そこで彼女を待っていたのは、全身に見事なタトゥーを入れた34歳の進行性筋ジストロフィー患者の水谷(管勇毅)だった。
<感想>身体障害者専門の派遣型風俗嬢という実在するとんでもない主題を取り上げた映画。先日も「セッションズ」でセックスサロゲート(セックス代理人)を演じたヘレン・ハントが、第85回アカデミー助演女優賞にノミネートされた。それならば、この作品で主演した沙織役の小泉麻耶にも、日本アカデミー主演女優賞を受賞させてあげたいほどの熱演ぶりだった。
主人公が性的サービスに出向く障害者たちの三者三様が、68分という時間の中に、過不足なく描かれている。取材の成果に違いないが、アッケラカンとホンバンをおねだりするホーキング青山のキャラクターなど、普通の客と大差ない感じである。身障者芸人として知られるホーキング青山、この男性が出て来るたび、芝居を超えたリアルなシーンとなっているのが気になる。それでも、沙織にハグされるホーキングは本気で嬉しそうな顔をする。
それでも、物語り自体は建前に始終するものの悪い気はしない。これは必要悪じゃなく必要善と断言するしかないのは、経営者の津田寛治の正論主張ぶりにある。
まぁ、小泉麻耶ちゃんの、露出はギリギリで脱がないのが条件だったのだろう。
お客さんから襲われる心配がなさそうという程度の意識で、この仕事を始めたのだろう。そんな沙織が裸になって向き合うのは、全身に刺青をした筋ジストロフィー患者。自分の障害をネタに本番行為をねだる常連といった客もいる。
戸惑いながらも汗だくになってサービスに努める沙織。ベッドの上で障害者たちと触れ合うことで、沙織はそれまでの投げやりだった自分の生き方を見つめ直すことになる。
直視しがたい非綺麗ごと。でも語るべき事柄を扱うには、静けさや穏やかさもあってしかるべき。息子がバイク事故で下半身が麻痺している男性。その母親が息子のために沙織を依頼する。彼は自暴自棄となっていて、沙織の行為を受けずに怒りって追い返してしまう。
ある日、自販機の前でその男性と出会う。友達になろうと優しく誘う沙織。これは、経営者の津田寛治にとっては違反行為になる。それでも、彼の家へ行き、元カノが男とお見舞いに来て、彼を虐める。それを見て沙織がその女を殴り追い返す。それを見て、その男は生きる勇気をもらい、就職することに。
でも、沙織の元カレなのか、ストーカーの男の出現には驚いた。これはいらなかったような気がした。本作はもともとTV放映用のドキュメンタリー番組として、大阪に実在する身障者専門のデリヘルを取材していたものが、TV局側の判断で番組自体がNGとなった企画だったそうです。「あるものをないものにはできない」と、戸田監督は自主制作の劇映画として本作を完成させたそうです。
身障者の性というタブーにひるむことなく。本作を自分のものにした戸田監督と主演女優の小泉麻耶に拍手を送りたいです。
2014年DVD鑑賞作品・・・23 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:沙織(小泉麻耶)は、そんなに大変ではないだろうという単純な理由で、障害者専門の派遣型風俗店ハニーリップで働くことを決める。出勤初日、彼女は店長(津田寛治)がハンドルを握る車で落ち着いたたたずまいの住宅地へと向かう。そこで彼女を待っていたのは、全身に見事なタトゥーを入れた34歳の進行性筋ジストロフィー患者の水谷(管勇毅)だった。
<感想>身体障害者専門の派遣型風俗嬢という実在するとんでもない主題を取り上げた映画。先日も「セッションズ」でセックスサロゲート(セックス代理人)を演じたヘレン・ハントが、第85回アカデミー助演女優賞にノミネートされた。それならば、この作品で主演した沙織役の小泉麻耶にも、日本アカデミー主演女優賞を受賞させてあげたいほどの熱演ぶりだった。
主人公が性的サービスに出向く障害者たちの三者三様が、68分という時間の中に、過不足なく描かれている。取材の成果に違いないが、アッケラカンとホンバンをおねだりするホーキング青山のキャラクターなど、普通の客と大差ない感じである。身障者芸人として知られるホーキング青山、この男性が出て来るたび、芝居を超えたリアルなシーンとなっているのが気になる。それでも、沙織にハグされるホーキングは本気で嬉しそうな顔をする。
それでも、物語り自体は建前に始終するものの悪い気はしない。これは必要悪じゃなく必要善と断言するしかないのは、経営者の津田寛治の正論主張ぶりにある。
まぁ、小泉麻耶ちゃんの、露出はギリギリで脱がないのが条件だったのだろう。
お客さんから襲われる心配がなさそうという程度の意識で、この仕事を始めたのだろう。そんな沙織が裸になって向き合うのは、全身に刺青をした筋ジストロフィー患者。自分の障害をネタに本番行為をねだる常連といった客もいる。
戸惑いながらも汗だくになってサービスに努める沙織。ベッドの上で障害者たちと触れ合うことで、沙織はそれまでの投げやりだった自分の生き方を見つめ直すことになる。
直視しがたい非綺麗ごと。でも語るべき事柄を扱うには、静けさや穏やかさもあってしかるべき。息子がバイク事故で下半身が麻痺している男性。その母親が息子のために沙織を依頼する。彼は自暴自棄となっていて、沙織の行為を受けずに怒りって追い返してしまう。
ある日、自販機の前でその男性と出会う。友達になろうと優しく誘う沙織。これは、経営者の津田寛治にとっては違反行為になる。それでも、彼の家へ行き、元カノが男とお見舞いに来て、彼を虐める。それを見て沙織がその女を殴り追い返す。それを見て、その男は生きる勇気をもらい、就職することに。
でも、沙織の元カレなのか、ストーカーの男の出現には驚いた。これはいらなかったような気がした。本作はもともとTV放映用のドキュメンタリー番組として、大阪に実在する身障者専門のデリヘルを取材していたものが、TV局側の判断で番組自体がNGとなった企画だったそうです。「あるものをないものにはできない」と、戸田監督は自主制作の劇映画として本作を完成させたそうです。
身障者の性というタブーにひるむことなく。本作を自分のものにした戸田監督と主演女優の小泉麻耶に拍手を送りたいです。
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