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コンプライアンス 服従の心理 ★★

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2004年にアメリカのファストフード店で実際に起きた事件を基に、無実の罪を着せられた店員の衝撃の体験を描く問題作。店長をはじめ従業員や店長の婚約者までが自称警察官の男の電話を盲目的に信じ、女性を裸にして身体検査したり、性的暴行を加えたりした様子をつぶさに映し出す。店長役に『父親たちの星条旗』などのベテラン、アン・ダウド。犯人による人の心理を利用した功名な手口と、従順な一般人の素直さが招く悲劇に戦慄(せんりつ)する。
あらすじ:トラブル続きの金曜日の朝、アメリカのファストフード店店長サンドラ(アン・ダウド)は仕事でてんてこ舞いしていた。そこへダニエルズ警察官(パット・ヒーリー)と名乗る男性から電話が入り、店員のベッキー(ドリーマ・ウォーカー)に窃盗容疑が掛かっていると告げる。サンドラは彼の指示に従い、ベッキーの身体検査をすることになり……。

<感想>だいぶ前にレンタル。何かパッケージを見て興味があったのでレンタル。これって、公開されているんですね。裁判沙汰にまで発展した米国の実際の事件に基づく心理サスペンス。実際にあった事件を再現しているんですよ。これが実にわいせつで、女性社員をバカにしているような性的いたずらにも取れました。電話の向こうから被害者の女性が下着を脱ぐのを想像し、傍にいる男にヘンタイまがいのことを強要させる。この辺で気が付かないものか?・・・いやはやあきれ返る。

何でこうも、たった1本の電話で警察だからって騙されるのかしら。本当にイライラする映画です。顛末は小さな話なのに、なんでこうなるのって感じです。これは脚本、演出、演技三位一体の完全勝利ですよ。極めて示唆に富んだ心理的な作品で、サスペンスに満ち、ホラー映画のような怖さもある。倍賞国アメリカならではの事件で、後味がとてつもなく悪い映画だが、顔を背けず最後まで集中して観ていると、イヤな気分になるミステリーでもある。
でも、台詞が秀悦で引き込まれました。心理的なつじつまがも合っているし、ファーストフード店の裏側という舞台設定も興味深いですよね。

けれども結局のところ、これらすべては作り直されたフィクションであり、観客は設定をだいたい判った上で観るという事実を、登場人物全員が知らないふりをしていることの、カマトト感が耐え難いと思う。
不愉快な事態が延々と直視するタッチはイヤミスな映画だ。ドキュメントふうに挟まれる都市の風景も、閑散とした空気と粗さがイヤな感じを増していく。

警察だと名乗るイタ電話への妥協、鵜呑みにする、疑いつつも従う気力のなさなど、心理をこと細かく描く演出の粘り勝ちだ。
車が警察署から店へ到着するワンカット長回しも、ただ最後の演出は、事件が人格の問題に帰すようにも見える。サスペンスには目配せとユーモアが不可欠だと再認識した。しかし、この女店長サンドラが、警察官と名乗る男の話を鵜呑みにしたのが一番悪い。
注:コンプライアンス 服従の心理とは=意味は、企業の法令遵守に服従する心理。
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