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ビッグ・ピクチャー ★★.5

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ダグラス・ケネディの同名サスペンス小説を、舞台をフランスに移し替えて映像化。出演はロマン・デュリス、マリナ・フォイスとカトリーヌ・ドヌーブ。パリで弁護士として活躍するポールには、美しい妻サラと二人の娘がいた。ある日ポールは、サラが隣に住む売れない写真家グレゴワールと不倫関係にあることを知る。隣家を訪れたポールは思わずグレゴワールを殴り殺してしまうが、自分の娘を「犯罪者の子供」にしたくないと、グレゴワールに成りすまして生きることを決意。死体を始末し東欧へ飛び立ったポールは、写真家として新聞社と契約し働き始めるのだが…。
<感想>劇場未公開作品。パリで法律事務所を共同経営し、美しい妻のサラと2人の子どもにも恵まれているエリート弁護士のポール。ところがある日、日頃からの疑いが的中して、隣に住む写真家のグレッグと妻のサラが浮気していたことを知ったポールは、ついカッとして彼を殴り殺してしまう。事態の発覚を恐れたポールは、死体を棄てると自分も事故死したことにして、グレッグに成りすまして東欧の地方都市で写真家としていきるのだが、・・・。

とまぁ、あらすじはこうなのだが、主人公・ポールを演じるのは、「タイピスト!」「ハートブレイカー」「ムード・インディゴ うたかたの日々」のロマン・デュリス。ポールのビジネス・パートナー役でフランスの大女優、カトリーヌ・ドヌーヴが出演、豪華に脇を固める。
本作は、ダグラス・ケネディのミステリをフランスで翻訳映画化したものなのですね。殺人を犯してしまった男が、第三者に化けて逃亡する内容だが、死体の処理や自らの死の偽装とか、パスポートの書き換えと。「太陽がいっぱい」の時代ならともかく、情報管理社会の先進国でこんなことが可能なのだろうか。そういう疑問とか、残念なことにストーリー展開に説得力がないのがつまんないですよね。
主人公の行動パターンに疑問が多すぎるし、何かがバレそうになる訳でもないのに、1人で勝手に焦っている描写にサスペンスはありませんですから。
それに、隠遁生活を送らなければならないのに、そもそも裕福な弁護士の上に、趣味の写真の腕前も一流っておかしいでしょうに。そんな彼が、写真家として脚光を浴びるとか、そんなこと笑い話にしかならない。
ここまでくるとミステリーとして観るにはガッカリな気がします。1人の男の逃亡劇を心象風景と共に描いたちょっと変わったロードムービーですよ。しかし、身分を捨てて別人として生きる。つまり妻が浮気した相手で、自分が殺してしまった男として生きるには、アメリカよりもヨーロッパという舞台は効果的だし、過去を失くした男の彷徨いぶりが、寒々とした風景にもハマっていてとてもいい。

贅沢なのは、主人公の勤めている弁護士事務所のオーナーが、カトリーヌ・ドヌーヴってどういうこと。それも、自分は会社を辞めて全部ポールに譲るというのだから。弁護士ならいくらでも自分が殺人を犯したことを、正当防衛とかで無罪にできるでしょうに。それを無駄にして、逃亡劇をしてバレそうになると、また他の地へと逃げるとは。
原題の「自分の人生を生きたかった男」という映画のタイトルが示すとおり、主人公ポールは、妻の不倫相手を殺してしまった後、その男になりすまして、子供のころからの憧れだった写真家として新たな人生を送り始める・・・。
何となく「太陽がいっぱい」を彷彿とさせるサスペンスフルなノワールタッチの傑作ミステリーに仕上がっている。
主人公が最後にとった行動が、写真の個展を開き脚光を浴びて、NYでも個展を開かないかというオーナーからの誘いを断って、一人南米へ逃亡するエピソードが、悪徳密航をする船で唐突な尻切れな最後には、この先どうなることやら?・・・という不穏なオチで締め括っているのがミステリーなのかもしれないですね。
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