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バレット・ヒート 消えた銃弾 ★★★

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香港の人気スター、ニコラス・ツェー主演で描いたミステリーアクション。郊外の兵器工場で1人の女子工員が銃弾を盗んだとして非難される。女子工員は無実を訴えるが聞き入れてもらえず、やがて自殺してしまう。それから半年後、その兵器工場で連続殺人事件が発生。刑事の東路が現場に派遣される。被害者はいずれも射殺されているにもかかわらず、銃弾が見つからず、東路は相棒の郭追とともに捜査を続けるが、さらなる犠牲者が出てしまう。

<感想>劇場未公開作品である。しかし、ファンの熱望に答えて11月30日から限定2週間の劇場公開されたというのだ。残念ながら、地方での公開は無かった。だが、DVDリリースされたのが凄く嬉しい。
内容が実に面白くサスペンス・アクション映画になっているのもいい。香港映画界を代表するスタッフとキャストが顔を揃えた本格的ミステリー劇である。主人公の凄腕捜査官を演じているのは、ラウ・チンワン。この俳優さんは、どちらかと言うと二枚目でもなくごっつい顔して悪役でもいいような顔つきと風体。しかし、彼の今まで出演した作品では、「奪命金」、トニー・レオンが魔術師役だった「大魔術師“X”のダブル・トリック」他にも「盗聴犯 死のインサイダー取引」「MAD探偵7人の容疑者」など、遅まきの俳優さんでもある。

物語は、1930年代の上海が舞台で、警察内の不正を摘発するために送り込まれた内部捜査官の松東路は、銃殺された者の銃弾が消えている「呪われた銃弾」事件の捜査を開始する。
どの現場でも銃弾は発見されず、町では「呪いの銃弾」事件として恐れられていた。やがて、ラウ・チンワンたちは、事件と半年前に起きた女作業員の死の関連に気付くのである。
銃弾が見つからない拳銃で次々と発生する殺人事件を、松東路は頭脳明晰な早撃ちの名手、郭追と共に追うのだが。この早撃ちの名手・郭追役にニコラス・ツェーが演じて、彼の拳銃裁きは、まさにウエスタンもの映画でも見ているかのようだった。

銃弾を捜査している内に、ニコラスがもしかして氷で銃弾を作ったのではないかと、実験して見るところなど、他にも密室のような場所でもう一人殺された男の実験をしてみる松東路。呪いの銃弾の正体が思ってもみなかったものだったのも面白く、中々の名推理劇になっている。
そして名バイプレイヤーのリウ・カイチーが、極悪な弾薬工場の工場長を憎く々しげに演じているのも画になっていい。
郊外の兵器工場、この時代は兵器の銃弾を製造する工場が多くあり、日本でも鉄製品を家庭から没収して、軍需工場で弾を製造していた。

その工場で女子工員が銃弾を盗んだという嫌疑をかけられ、その女は工場長にロシアンルーレットを強要されて死亡する。松東路捜査官は、拳銃に細工がしてあったのではと疑う。そうして、検視をして見ても銃弾が見つからない殺害方法に気付くのだった。
工場へ出向いた松東路は、飄々とした反面肉弾戦もいとわないそぶりの主人公に、クールな相棒の郭追。この二人を見ていると「シャーロック・ホームズ」から影響を受けたような気もしないではない。

香港映画の場合、この手のサスペンス映画では、最後にはカンフー対決で派手に締めて、結局は謎はほとんど解決しないパターンが多いのだが、この作品では最後までサスペンス映画としての枠を超えていないという若干寂しい感じもする珍しい作品。
単なる犯人探しのサスペンスではなく、人間ドラマとしても楽しめる傑作に仕上がっていると思う。スローモーションを駆使した爆発や、銃撃戦など、スタイリッシュなアクションが謎解きを盛り上げて実に面白い。
監督は「ダブルタップ」で銃に憑りつかれる殺人鬼を描いた、ロー・チーリョン。
2013年DVD鑑賞作品・・・49 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ

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