『釣りバカ日誌』シリーズの原作者、やまさき十三が監督を務め、中年になった昔の仲間たちが病に倒れた当時のマドンナをめぐり奔走する姿を描く人情コメディー。かつて甲子園を目指していた中年男たちが憧れの存在だったマネージャーの娘からの手紙をきっかけに故郷である宮崎で再会し、騒動を繰り広げる。主人公の三人には、『地獄でなぜ悪い』などの國村隼、『月光ノ仮面』などの板尾創路、人気声優・山寺宏一。松平健や西田敏行、桐谷美玲などベテランから若手までバラエティーに富んだキャストにも心が躍る。
あらすじ:浅本(國村隼)、日留川(板尾創路)、板東(山寺宏一)は、宮崎県の高校の野球部で“あさひるばん”と呼ばれていた。それから30年。三人のもとに野球部のマネージャーで憧れの存在だった幸子(斉藤慶子)の娘、有三子(桐谷美玲)から「入院中の母に会ってほしい」と記された手紙がくる。故郷で再会した三人だったが、有三子の祖父で野球部の恩師・雷蔵(西田敏行)と対決することとなり……。
<感想>「釣りバカ」シリーズがなくなって試行錯誤に出来あがった映画なのか。そうか原作者は、かつては東映に在籍していて、監督デビューの本作が、昭和の匂いがプンプンする娯楽映画としてどこか懐かしいのも、そういうことだったのか。
でも、物語は少し無茶ですよね。原作を読めば納得できるとも思えず、ちょっと頭を抱えます。國村隼さんと西田敏行さんの渓流釣りですか、イワナですよね。「釣りバカ」の番外編的な要素があるのも、シリーズファンにとっては嬉しいでしょうが、どうみてもメインの3人が同級生に見えないのが難点。國村さんって年齢は?・・・年の差があり過ぎるって。
しかし、映画が始まるとそう見えてしまうのだ。これが映画の力でしょう。時代錯誤なポスターとは裏腹に、娯楽映画のツボを押さえた拾いもの。例によって撮影の鈴木達夫さんが仕切ったと思われる、父娘の和解と、孫娘の結婚式に、難病といった古めかしい設定とその合間の笑い(娘の父親は誰なのか?)も、濡れ過ぎず乾きすぎず、絶妙の距離感で映し出される心地よさがいい。
強烈な個性の喜劇俳優が不在な分、3人に役割を分担させたのも賢明でしたね。
元高校球児たちが病室で、マドンナの斉藤慶子に3人で歌う歌謡曲、題名は忘れたが「ワナワナ、ワナに落ちそう、誘惑の花」が懐かしく笑いを誘い和ませてくれる。
キャラ的に一番ひどいのは、松平健ですよね。あなたそれはないでしょうと、設定としては立派な人ということになっているのだが、父親のいない家庭に育った娘、桐谷美鈴のウェディングドレスが綺麗で、病床の母親に見せて上げたいと、娘の幸せを祈って許してあげましょう。最後まで名乗り出なかったのは、衆議員としてスキャンダルになるからなの。男ってずるい本当に。
高校野球部監督だった西田敏行さん、頑固親父で高校生の娘が妊娠して父親の名前を明かさないので、家から追い出したと言う。醤油の蔵元の親父をしているくらいだから、頭が固いのは分かるが、18歳の娘が家を出た後、一人で娘を育て上げる苦労は並大抵じゃない。それを応援したのが亡くなった母親というのもよく分かる。
娘の晴れ姿を見る母親の目に涙が、その後ろに頑固親父の姿も孫の花嫁姿を見て涙。3人の親父たちが見守ってこれからも応援していくよと、人情喜劇で締めくくる。
2013年劇場鑑賞作品・・・337 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:浅本(國村隼)、日留川(板尾創路)、板東(山寺宏一)は、宮崎県の高校の野球部で“あさひるばん”と呼ばれていた。それから30年。三人のもとに野球部のマネージャーで憧れの存在だった幸子(斉藤慶子)の娘、有三子(桐谷美玲)から「入院中の母に会ってほしい」と記された手紙がくる。故郷で再会した三人だったが、有三子の祖父で野球部の恩師・雷蔵(西田敏行)と対決することとなり……。
<感想>「釣りバカ」シリーズがなくなって試行錯誤に出来あがった映画なのか。そうか原作者は、かつては東映に在籍していて、監督デビューの本作が、昭和の匂いがプンプンする娯楽映画としてどこか懐かしいのも、そういうことだったのか。
でも、物語は少し無茶ですよね。原作を読めば納得できるとも思えず、ちょっと頭を抱えます。國村隼さんと西田敏行さんの渓流釣りですか、イワナですよね。「釣りバカ」の番外編的な要素があるのも、シリーズファンにとっては嬉しいでしょうが、どうみてもメインの3人が同級生に見えないのが難点。國村さんって年齢は?・・・年の差があり過ぎるって。
しかし、映画が始まるとそう見えてしまうのだ。これが映画の力でしょう。時代錯誤なポスターとは裏腹に、娯楽映画のツボを押さえた拾いもの。例によって撮影の鈴木達夫さんが仕切ったと思われる、父娘の和解と、孫娘の結婚式に、難病といった古めかしい設定とその合間の笑い(娘の父親は誰なのか?)も、濡れ過ぎず乾きすぎず、絶妙の距離感で映し出される心地よさがいい。
強烈な個性の喜劇俳優が不在な分、3人に役割を分担させたのも賢明でしたね。
元高校球児たちが病室で、マドンナの斉藤慶子に3人で歌う歌謡曲、題名は忘れたが「ワナワナ、ワナに落ちそう、誘惑の花」が懐かしく笑いを誘い和ませてくれる。
キャラ的に一番ひどいのは、松平健ですよね。あなたそれはないでしょうと、設定としては立派な人ということになっているのだが、父親のいない家庭に育った娘、桐谷美鈴のウェディングドレスが綺麗で、病床の母親に見せて上げたいと、娘の幸せを祈って許してあげましょう。最後まで名乗り出なかったのは、衆議員としてスキャンダルになるからなの。男ってずるい本当に。
高校野球部監督だった西田敏行さん、頑固親父で高校生の娘が妊娠して父親の名前を明かさないので、家から追い出したと言う。醤油の蔵元の親父をしているくらいだから、頭が固いのは分かるが、18歳の娘が家を出た後、一人で娘を育て上げる苦労は並大抵じゃない。それを応援したのが亡くなった母親というのもよく分かる。
娘の晴れ姿を見る母親の目に涙が、その後ろに頑固親父の姿も孫の花嫁姿を見て涙。3人の親父たちが見守ってこれからも応援していくよと、人情喜劇で締めくくる。
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