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ベルリンファイル ★★★★

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ハ・ジョンウ、ハン・ソッキュ、チョン・ジヒョンら韓国実力派が共演を果たしたサスペンス・アクション。神出鬼没で出自不明な北朝鮮諜報員と韓国国家情報院の優秀なエージェントが、ベルリンを舞台に繰り広げる激闘の行方を活写していく。メガホンを取るのは、『生き残るための3つの取引』のリュ・スンワン。CIA、イスラエル諜報(ちょうほう)特務庁、中東、ドイツ政府の思惑も絡み合う濃密にして予想不可能な展開から、ひと時も目が離せない。
あらすじ:韓国国家情報院のすご腕エージェントであるジンス(ハン・ソッキュ)は、ベルリン市内で行われるアラブ系組織と北朝鮮諜報(ちょうほう)員ジョンソン(ハ・ジョンウ)の武器取引の情報をキャッチ。ジョンソンはホテルから脱出して難を逃れるものの、韓国側に情報が漏れていることに不安を抱く。さらに、北朝鮮大使館の通訳官を務める妻ジョンヒ(チョン・ジヒョン)の二重スパイ疑惑を知らされてがく然とする。韓国国家情報院の追撃を懸命にかわす中、ジョンソンは自分と妻、さらには宿敵ジンスまでもが巨大な陰謀に飲み込まれていることに気付く。

<感想>最近、よく韓流映画を観るようになった。というか、シネコンでもたくさん上映されるので、つい目玉の作品1本見るついでにといいますかね。だから出演している俳優さんの顔もだいぶ分かるようになりました。どちらかというと、ラブストリーが好きなんですが、こういうスパイ・アクション系も好きです。北と南の秘密諜報部員たちの国家の存亡をかけての攻防を描いた本作。ベルリンの北朝鮮大使館を舞台に、新型ミサイル輸出を企む北朝鮮と、それを阻止すべく韓国スパイとの駆け引きを主軸に、アメリカ、ロシア、イスラム諸国、シスラエルなど“世界の今”が絡み合ってくるという壮大なストーリー展開と、圧倒的なスピード感で魅せるアクションが見どころですね。
物語自体が、現在進行形の世相も反映されていて、知らないところで本当に起こっているんじゃないの?・・・という錯覚に陥りそうなリアリティを感じます。
始まって間もなく、ハ・ジョンウが鏡の前で傷の手当てをするシーンが、隠れ屋に戻り冷蔵庫から冷凍した魚を取りだし、洗面台で水をかけ手早く解凍し、魚のはらからビニール包装されたアンプルを取りだし自分に注射する。きっと傷口が膿まないように抗生物質の薬品だろう。傷だらけの背中は、何者かのリークによってアラブ連盟との武器商談が水の泡となり、無念な結果の彼の心情が読み取れる。

北朝鮮の特殊要員のハ・ジョンウと妻のチョン・ジヒョン。そして韓国人エージェントのハン・ソッキュの3人を中心に物語は進行する。スパイであるがゆえの性なのか、疑心暗鬼の果てに繰り広げられる人間模様を、細やかな心の動きを汲み取るというような繊細な展開はない。ダイナミックな肉弾戦でレクチャーという、まるで「ジェイソン・ボーン」を見ているかのような、画面からビシビシと痛みが伝わってくるのだ。
ハ・ジョンウと言えば「哀しき獣」に出てましたね、ハン・ソッキュは「白夜行/白い闇の中を歩く」で刑事役をしていた俳優さん。
ハ・ジョンウと北朝鮮大使の通訳美女チョン・ジヒョンが夫婦であるという設定が、首謀者の正体以上にもっとも意表をつくものではないか。独身者が主人公というこの種のジャンルで、本作は中盤以降、夫婦のメロドラマの物語へと展開していく。特に妻が南かアメリカのスパイじゃないか、という疑惑が妻を尾行する夫。ところが、妻は妊娠をしていてアメリカ大使館の近くの病院へ行っていたことが分かる。

そのことを、韓国エージェントのハン・ソッキュ話すと、「お前の子供じゃないだろう?」と言われる。それは夫婦しか分からないことなのだが、妻が大使の命令で客の慰安婦として扱われているシーンもあるのだ。しかし、妻は二重スパイの容疑を掛けられ北の仲間やアラブの殺し屋から狙われ、ベルリンのホテルでの攻防戦で、窓の外を伝って逃げるシーンもある。そして、最大の見せ場となるジョンウの、アクロバティックな次から次から電線が絡みつく落下シーンに、口があんぐり。
これでもかと言う、ハ・ジョンウの人間兵器っぷりに痺れます。電話線でも缶詰でも目に付く物はなんでも武器にしてしまう。特殊スキルに男の血が沸々とたぎり、場面によっては「これってマジで入ってるんじゃ」という、本気モードたっぷりの剥き出しの戦闘力にジャイソン・ボーンも真っ青ですわ。
この夫婦は互いに愛しており、前の落下シーンで負傷した夫を、無言で手当てする妻のチョン・ジヒョン。キスも抱擁も交わすことのない二人の視線が、洗面台のガラス越しにここでほんの一瞬、交差する。

韓国エージェントで反共産主義者のハン・ソッキュが、北朝鮮のハ・ジョンウと最後に共に闘うのも、この夫婦愛ゆえに他ならない。適役の北の暴君の息子を演じたリュ・スンポムは、監督の実弟だそうです。
しかし、何だか韓国映画らしくないのだ。背景がベルリン、欧州ということもあるが、善くも悪くも韓国映画っぽい容赦なさ、くどさ、必ず侵入ギャグというか人間臭っさいユーモアがなかったのが残念。
2013年劇場鑑賞作品・・・227 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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