低予算ながら全米でサプライズ大ヒットとなり大きな話題を集めたサスペンス・ホラー。音を一切出さないように細心の注意を払い、何かに怯えながら生活する一家の戦慄のサバイバルの行方を、緊迫感溢れる筆致でスリリングに描き出す。主演は実生活でも夫婦のジョン・クラシンスキーとエミリー・ブラント。監督もジョン・クラシンスキーが自ら務めている。
あらすじ:音に反応し人間を襲う“何か”によって壊滅状態となった地球。そんな中、どうにか生き延びていた1組の家族。リーと妻エヴリン、そして子どもたちは手話で会話し、裸足で歩くなど、音を出さずに生活することで、かろうじて“何か”の襲撃を免れてきた。しかしそんな一家には、妊娠中のエヴリンの出産という最大の危機が目前に迫っていたのだったが…。
<感想>音を立てたら襲って来る“何か”のため、人類世界は荒廃している。その中で生き残った家族、アボット一家、出産を迎えようとしている母親のエヴリン、生まれて来る子供の為に酸素吸入器材や、泣き声が漏れない工夫をしているベットとか、出産の時にどうしても苦しくて大声を出してしまうのを、どうやってクリアするのか、とか。その他にもいろいろと疑問があるのだが。
「プロミス・ランド」のジョン・クラシンスキーが出演と監督・脚本・制作総指揮を務め、実生活で彼の妻であるエミリー・ブラントが母親のエヴリンを演じている。二人の子供役では「ワンダー君は太陽」のノアー・ジューブが長男のマーカスに扮して、食料調達のため、父親に連れら回されることに若干不満を抱いているが、後で父親から長男としての役目を言い渡される。
「ワンダーストラック」のミリセント・シモンズは、長女リーガンに扮して、耳が不自由で、家族の中での自分の立場を模索中であり、かつて、末っ子の息子がオモチャのロケットを欲しがり、父親がダメだと言ったのに、長女が末っ子に内緒で持たせてあげて、そのロケットをいじって音を立ててしまい怪物に襲われて死亡するという残酷な結果になる。そのことをいつまでも自分のせいだと、気にしている。
「こうすれば生き延びられる!」って、・・・コミニケーションには手話を使う。周囲に大音響(滝、川の水の流れの音)があれば話をしても大丈夫。食事は手づかみで、皿は葉っぱ。家の中でも外でも、裸足で歩く。だから、外には砂を撒いている。この砂は何処からもってきたの?・・・。
怪物の特徴は、一瞬タコみたいだと思ったが、人間みたいな二本足で、四つん這いで移動するのが素早い。光には反応しない。しかし、人間が出す音には敏感であり、物凄い速さで襲って来る。獲物は絶対に逃がさない。
本作の最も重要なポイントは、“沈黙”こそがサバイバルの絶対条件であり、音を立てたら即死を招いてしまうということ。そのために、一家が暮らす田舎の農場は常に静寂に包まれており、音響効果も控えめというか無音状態。夫婦でイヤホーンで聞く音楽を共有して、ダンスを踊る夫妻。
しかし疑問点がたくさんあるが、あまりここで詮索してもしょうがないので、映画を楽しもう。音を立てずに映像だけで長時間観られるのかって、観客は否応なく耳を研ぎ澄ませ、何処からともなく現れてくる“何か”の気配に身をすくませることになる。
だから、それが怪物が出てくる辺りから、度でかい音量で脅かすので、それが肝を冷やすのだ。最初の方は、家族も音を立てないようにと工夫をして静かに暮らす風景が描かれるも、最初の末っ子がオモチャのロケットをいじり、音を出して怪物に襲われる瞬間を目の当たりにしてから、その時の爆音といったらなかった。
後は、母親が地下室へ洗濯をしに行き、階段を洗濯物の入った麻袋を下げて登る時に、階段の板のクギに袋を引っかけてしまい、釘が3センチくらい出てしまう。その時は、麻袋を必死に持ち上げる母親の形相が怖い。
その後が、まさか階段に釘が出ていることを知らずに降りる母親が、釘を踏んでしまい”ギャア”っと声を張り上げる。血が滴り落ちて急いで階段の下へ潜るのだが、上から怪物が覗き込んで下へとやってくるも、襲われずにすんだ。
それに、母親の出産である、破水がきて子供を出産間近でなので、急いで浴槽の中へと駆け込む。お腹がキリキリと痛むし、声は上げられない。男には分からない痛みなので、出産経験の女性でないと分からない強烈な痛みが伴うのだ。
その出産の時には、父親が長男に花火をあげて怪物をおびき寄せろと計画する。そのれは、家の周りに取り付けた豆電球を照らすこと。家の屋根いっぱいに豆電球が光り、出産の知らせが父親の目に入り、長男に花火を揚げるようにと伝達する。それに間に合うかのように、母親が絶叫をして子供が”オギャー”と産声を挙げ、そして、ふろ場から地下のベットへと赤ん坊を抱き移動。すかさず赤ん坊の口を酸素呼吸器にすり替える母親。赤ん坊は防音装置付きの箱の中へと。
外では、花火をあげた長男の元へ怪物が襲い掛かるし、逃げる逃げる長男がトラックを見つけてその車の中へ。長女は、自分は父親と母親に嫌われているといじけてしまい、末っ子が亡くなった場所へお墓参りみたいに行く。その時に、トウモロコシ畑で、弟と出会い、無事を喜び抱き合うシーン。それからが、花火を挙げるシーンとか、襲って来る怪物とか、トラックへ逃げるも俊敏な速さで襲い掛かる怪物にタジタジしてしまう。
父親がそれをみて、自分が犠牲になると大声を出して怪物の目を自分に向ける勇気、と家族愛。長男には、滝の下で母親と姉、生まれて来る弟のことを頼むと、その時には、もし何かあったら自己犠牲になろうとしていたのだった。
それに、長男がトウモロコシを貯蔵するサイロの中へ落ちてしまう。そこはまるで底無し沼のようで、ズブズブと身体が沈んで首から頭まで窒息してしまう。長女がすかさず扉を落として自分も飛び降りる。そして弟を助ける。しかし、そこにも怪物が現れて、サイロの中で格闘する子供たち。
クライマックですね、それは劇場でご覧ください。とにかく始めは静かに無音で手話でと、それが大爆音でのラストなので、それに長女に補聴器を作って置いた父親の愛、少しは音が聞こえるようにと、その補聴器の「キーン」と鳴る雑音が怪物の弱点になるとは、しかし、怪物は物凄い数であり、とてもその補聴器の「キーン」だけでは追い払えなく、母親のライフル銃が必要。とても家族4人を守ることは出来ないのではと、そして終幕を迎える。極限状態下で寄り添い合う、家族ドラマにも胸を締め付けられるも、“静かなる恐怖”を是非劇場で体験して下さい。
つまり続編があると言うことです。この4人家族の生存は、続編でと。
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