エベレストやモンブラン、マッターホルンをはじめ世界中の名峰を舞台に、登山のみならずフリークライミングやベースジャンプなど様々なスタイルで山に挑戦する命知らずな冒険者たちの姿を、圧倒的な迫力と美しさで捉えたエクストリームな映像に、オーストラリア室内管弦楽団による荘厳なクラシック音楽を乗せて贈る異色の山岳映像詩。監督は前作「Sherpa」が英国アカデミー賞にノミネートされるなど高い評価を受けた「ソロ ロスト・アット・シー 冒険家アンドリュー・マッコリーの軌跡」のジェニファー・ピーダム。
<感想>冒頭での断崖絶壁をよじ登る男の姿、それにロープを付けずに垂直の岩壁を登頂する天才クライマーのアレックス・オノルドらの姿など、どうやってこのような撮影が出来たのだろうと不思議に思われてなりません。ドローンなどの新技術を駆使して危険で孤独なロッククライミングの撮影があった。
その他にもエベレスト(ネパール)、モンブラン(フランス)、デナリ(アメリカ)、メルー(北インド)など、世界5大陸の難関峰に挑む登山家たちの姿、まさに山を愛する者にとっては最高のドキュメンタリー映画。
詩情あふれるアルプス連峰の遠景に切り変わる瞬間の映像美といい、一見、脈絡のないような編集なのだが、観終わると山岳について楽しく学べたような気分になるから不思議だ。そして、映像と一緒に流れるクラッシックの音楽も良かったです。
そして、グランドキャニオンでマウンテンバイクに乗りながらのスカイダイビング、無事に降りられたのだろうかは描かれてはいない。
時速360キロに達するといわれるウィングスーツでの山頂からの滑空やパラグライダーなど、山を舞台とした危険と隣り合わせのエクストリームスポーツをこなすアスリートたちの勇姿を記録した映画。
普通に暮らしている私には、こんな映像は目にすることのない絶景ばかりである。想像もできない命しらずの行為を、世界中からかき集められた選りすぐりの映像で観ることができた。
観ているこちら側としては、身体のいろんな部分が縮みあがりそうな映像が続くのだが、結局はフッテージの寄せ集めであり、すべてが作品のために撮られたものではないらしい。
別にそれでも構わないのだが、ナレーションでは「何故に、人間は山に惹き付けられのか?」みたいな、講釈を入れて来るあたりが釈然としなかったりする。それでも、人間は山に魅せられ、命の保障などないが、神の住む山へと登り、山頂を極めては誇らしげに佇むのである。そこを探究するために、山の映像を作品として映画化したのだろう。
それに、作曲家トネッティからドキュメンタリー映画監督のジェニファー・ピードンに、コラボレーションを申し込んで出来上がった作品なので、音楽と映像が山々の美しさと残酷さ、最近の有名企業と、ネットユーザーの介入による危険性までよく捉えていると思う。
だからなのか、クラシック交じりの音楽であると同時に、音楽映画にもなっていた。これほどまでに音楽の持つ力が左右するとは、サイレント映画でもいいのだが、ナレーションも名優ウィレム・デフォーの声もやはり良かった。
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