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ゲティ家の身代金★★★・5

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リドリー・スコット監督が1973年に世界中で大きな関心を集めた実在の誘拐事件の驚きの舞台裏を映画化した実録サスペンス・ドラマ。孫が誘拐されたにもかかわらず、身代金の支払いを拒否した大富豪ジャン・ポール・ゲティのお金への際限なき執着と、そんな男と誘拐犯の間で息子を救うために必死の戦いを繰り広げる母親の執念をスリリングに描き出す。主演はミシェル・ウィリアムズ、共演にマーク・ウォールバーグ。

あらすじ:ある日、世界一の大富豪として知られた石油王ジャン・ポール・ゲティの孫ポールが誘拐される。しかしゲティは犯人が要求する身代金1700万ドルの支払いを拒否する。ポールの母親ゲイルは離婚してゲティ家から離れた一般家庭の女性。到底自分で払えるわけもなく、ゲティだけが頼みの綱だった。そのゲティににべもなく拒絶され、途方に暮れるゲイル。一方、誘拐犯もゲティの予想外の態度に苛立ちを募らせていく。そんな中、元CIAのチェイスが交渉役として事件の解決に乗り出すが…。

<感想>犯罪史上に残る誘拐事件の実話を「オデッセイ」「グラディエーター」の鬼才リドリー・スコット監督が映像化した実録ドラマ。孫を誘拐された世界一の富豪が、約50億円の金を惜しんで身代金の支払いを拒否。息子を取り戻すため、離婚により一族を離れていた息子のポールの母親ゲイルが、血も涙もない義父の石油王ジャン・ポール・ゲティに立ち向かう! 

アカデミー賞常連女優ミシェル・ウィリアムズと当初ゲティ役を配役されていたケビン・スペイシーは、公開1カ月前にまさかの降板。急きょ登板したオスカー俳優クリストファー・プラマーが鬼気迫る怪演を披露し、オスカー候補に選出された。スクリーンに映る悪鬼のごとき“怪物ぶり”に、さすがに「人生はビギナーズ」でアカデミー賞に輝いた名優クリストファー・プラマーの演技に驚いた。巨匠リドリー・スコットが仕掛ける“勝ち目のない戦い”の衝撃の結末を、是非劇場で。

石油王ジャン・ポール・ゲティの総資産は、なんと50億ドル(約1.4兆円)! “世界一裕福な個人”として、ギネス認定もされた伝説の人物だ。生涯で5度も結婚し、石油を売るためにナチス・ドイツの高官と関係を築いてFBIにマークされるなど、“なんでもあり”なエピソードは枚挙にいとまがない。

税金対策もあり、美術品の熱心な収集家として知られる石油王ジャン・ポール・ゲティ。米ロサンゼルスの観光名所であるJ・ポール・ゲティ美術館は、彼の所蔵する美術品で構成される。劇中では、誘拐事件が緊迫するさなか、われ関せずと絵画を購入するシーンが登場。“人命より芸術”の異常な価値観は、我々には計り知れない。

ホテルでゲティに初対面したアビゲイルは、部屋中に干された洗濯物にあ然。クリーニング代もケチル倹約家。何故に、もう何年生きられるというのか、墓場までは、折角築いた財産も持っていけないのに。

ゲティの究極に自分本位な“拝金主義”は、自宅においても徹底されている。携帯電話が無い時代で、来客にはタダでは電話を貸さず、なんと“客用”の公衆電話を設置。執事には両替用の小銭を常備させるなど、そのこだわりは常軌を逸している。電話ボックスのそばには、財力を誇示するように高級絵画が飾られているのだ。

大金持ちにもかかわらず、ルームサービス代すら決して払いたがらないゲティからは、単なる“ケチ”とは一線を画す底知れない恐ろしさが漂ってくる。ゲティ一族には、呪いが付き纏っている。5人の息子のうち、1人はドラッグ中毒になり、残り2人は自殺と脳腫瘍でこの世を去った。身内にも一切容赦しないゲティは、わずか12歳で亡くなった末っ子には治療費はおろか、葬儀にも参列しなかったという。そんな男が、身代金を払うなんてことはないのだ。この莫大な財産を継ぐのは、誘拐された孫のポールだけなのに。何故に彼は、ここまでして富を築き上げることに固執するのだろうか?

離婚をしてゲティ家と距離を置いている母親アビゲイルが、金も権力もないし、あるのは息子への愛だけ。畳みかける逆境にも決してめげないで、無謀な戦いに挑んでいく勇敢な母親アビゲイルが、息子を救うため編み出した“秘策”とは?。思い出したくもない笑える話で、孫に与えたお宝の美術品を、母親アビゲイルが骨董屋に持っていくと、値打ちのない土産品だというのだ。ゲティの非情な決断に打ちのめされながらも、息子を救うために必死の行動に出るのですが、 “欲望の権化”と化した大富豪を、どう説得するのか? これは、1人の女性の壮絶な戦いの記録なのだ。

誘拐犯よりも厄介で、悪らつ。この男は、あなたの“常識”を震かんさせる。アビゲイルの“真の敵”ゲティは、犯人からの身代金1700万ドル(当時の価値で約50億円)の要求をはねつけ、集まった報道陣に向かって「孫の命には高すぎる」と言い放つなど傍若無人の姿勢を貫き、そのせいで交渉は遅々として進まず、事態は恐るべき展開を迎えてしまう。自分の血を受け継いだ孫を救うためなのに、ここまで冷酷非道な人間が実在したなんて。あなた自身の目で、真相を確かめていただきたいですね。

誘拐犯のリーダーであったチンクアンタが、なかなか支払われない身代金にしびれを切らした際に、誘拐したポールを前に「息子のためならお金を借金しても、盗んででも作る」という台詞があります。貧しいイタリア人であるチンクアンタは、マフィアの端くれです。演じていたのは、「彼は秘密の女ともだち」のロマン・デュリスであり、少なくとも彼には強い絆として家族(ファミリー)という価値観があり、そこで見せる人間味は魅力的な登場人物として光っています。警察にアジトを急襲されるとポールを連れて脱出。マフィアの元に逃げ込むわけ。そして、身代金の金額を下げるマフィア。人質のポールの耳を切りきざみ、それをゲティ家に送り届ける始末。

シェイクスピア劇を思わせるスリリングな愛憎劇を、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」、大ヒットミュージカル「グレイテスト・ショーマン」などで、4度のアカデミー賞にノミネートされている実力派ミシェル・ウィリアムズが、圧巻の存在感と魂の演技で魅せる。

二転三転する事態に、衝撃の結末なので、にわかには信じがたいが、これは本当にあった実話であります。実話とエンターテイメントの融合したストーリーに、誰もが満足するはずですよ!

 

2018年劇場鑑賞作品・・・96アクション・アドベンチャーランキング

 

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