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いぬやしき★★★★

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『GANTZ』の奥浩哉による大ヒット・コミックス『GANTZ』の映画版も手がけた佐藤信介監督が、主演に木梨憲武と佐藤健を迎えて実写映画化したSFアクション大作。ある日突然、謎の墜落事故に巻き込まれてそれぞれに超人的なパワーを宿した冴えない初老男性と冷酷な高校生が、人類の命運をかけて繰り広げる壮絶なバトルの行方を迫力のアクション満載に描く。共演は本郷奏多、二階堂ふみ、三吉彩花。

あらすじ:定年を間近に控え、会社にも家庭にも居場所のない冴えないサラリーマンの犬屋敷壱郎。医者から末期ガンで余命僅かと宣告されても家族にも打ち明けられないまま、ただ一人で悲嘆に暮れるだけ。そんな時、謎の事故に巻き込まれ、身体が機械化されたサイボーグとして甦り、超人的な力を宿すことに。高校生の獅子神皓もまた同じ事故で同様のパワーを手に入れるのだった。すると犬屋敷は自らの力に戸惑いつつも、その力を使って人助けに奔走する。一方、やり場のない怒りを抱えた獅子神はやがて己の悪意を人類全体に向け、手にした力で冷徹かつ無慈悲に無差別大量殺戮を実行していくのだったが…。

<感想>これ面白かったです。キレキレの高校生の佐藤健くんが悪役で、冴えないジジイのヒーローに木梨憲武が扮して、『GANTZ』での原作・奥浩哉×監督佐藤信介という二人がタッグを組んだ最新作。

周囲に疎まれながらも人を愛し続けるジジイの犬屋敷壱郎と、どんどん周りから孤立していく獅子神との対立に焦点を当てることで、漫画は未読ですが、10巻の原作がすっきりとまとめられているのも良かった。つまり、犬屋敷はアナログで、獅子神はデジタルという、キャラクターの在り方も対照的でした。

獅子神のクラスメートで、虐められている安堂に本郷奏多が扮しているし、獅子神を好きな女子高生のしおんには二階堂ふみが扮していて、初めは気づかなかったくらい演技が上手い。

その他には、刑事に伊勢谷友介が扮していて、これはもったいない使い方でしたね。

獅子神は母親を自殺に追い込んだネットの画面を通じて、ゆび鉄砲で次々と殺戮を始める。PCやスマホの見ている画面から狙って、ゆび鉄砲で殺すなんてこと出来るんだね。さらには、この世界の人々を殺すために様々な画面から人々を殺戮していくわけ。

 獅子神がゆび鉄砲を作り、空に飛んでいる鳥に向かってバンとやると鳥が落ちるシーン、まさか本当にゆび鉄砲で効力があるんだと、それに、そのゆび鉄砲が新宿で無差別殺人で活用する。さらには、学校へ行き、虐められている安堂くんに絡む、生徒の腕を握るだけで怪力を見せるシーンなど。

犬屋敷の父親は、マイホームを建てたのに、そこは奥まったところにある陽の当たらない場所。家族にも文句を言われるし、有難がらないのだ。それも、娘のまりが、新宿にある都庁を社会科見学で訪れて、獅子神に襲われ助けを呼ぶ声が聞こえる父親。

最初は自分の力を知らなくて、病院で死にそうな患者を自分の手で顔を包み込むと、なんと生き返るではないか。自分には蘇生してやる力があることを知る。それからは、困っている人を助けようと奇跡を起こす、善い人間となる犬屋敷の生まれ変わりが出来るのだ。だが、家族を助けようと頑張る犬屋敷なのだが、そこで、獅子神との対決になる。

本当は獅子神だって初めから悪党ではない。母親に引き取られた息子の獅子神が、斎藤由貴扮する母親と貧乏な暮らしをしているのに、父親は家を出て行き、若い女と再婚をして一戸建てで、子供2人と幸せに暮らしている。だから父親を憎んでも憎み切れない。それに、母親が末期がんに冒されて余命宣告を受けるのだ。そして、最後は自殺をして亡くなってしまう。

だから、佐藤健くんの“静”で人を圧する表現力と、高度なCGアクションによる“動”のメリハリが、ラストの新宿上空250メートルでのバトル合戦まで、息をつくのも忘れるくらいの緊張感を一切途切れさせないのもいい。

敵役の佐藤健くんは、筋肉美を見せつける上半身裸のシーンがあり、クランクイン前からストイックに体を鍛えていたそうです。見事な筋肉美を堪能しました。

「アイアム・ヒーロー」の監督、佐藤信介組が作ったのだから、撮影、特殊メイク、CG,格闘アクションが見事に調和したバツグンのチームワークは健在で、ロックダウン並みに全身がパカパカと武器化する映像も超ナチュラルでした。メカごころを押さえた描写で、ジジイの木梨憲武さんをヒーローに仕立て上げたのも良かった。

しかしだ、特筆すべきは、木梨憲武さんが作り上げた冴えないジジイ・犬屋敷壱郎の温かさでした。突然の力に困惑をしてまったく使いこなせない新種のヒーローですが、そんな漫画展開を漫画らしく演じてもまったくシラケさせず、小市民の日常を説得力たっぷりに演じている木梨憲武さんの存在感に拍手。

獅子神に傷つけられた人たちを懸命に救い続ける姿に、人間は救うに足る存在であると信じ続けられる心を持つことこそ、ヒーローの条件であり、その意味で犬屋敷は王道のヒーローなのだと気付かされる。佐藤信介監督、またしても新しいヒーローを誕生させましたね。

2018年劇場鑑賞作品・・・72アクション・アドベンチャーランキング

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