実在の巨大詐欺事件をモチーフにイ・ビョンホン、カン・ドンウォン、キム・ウビンの豪華共演で贈るクライム・アクション。狡猾な極悪詐欺師と、天才ハッカーとともに彼を追う刑事の攻防をスリリングに描く。監督は「監視者たち」のチョ・ウィソク。
あらすじ:巧みな話術とカリスマ性で庶民から多額の資金を集める投資会社の会長チン・ヒョンピル。実態は単なる金融投資詐欺にもかかわらず、権力者に深く食い込むことで追及を逃れ、巨万の富を築いていた。そんなチン会長の尻尾をつかもうと、必死の捜査を続ける知能犯罪捜査班のキム・ジェミョン班長は、チン会長の側近で天才ハッカーのパク・ジャングンに接近、捜査に協力すれば罪を見逃してやると司法取引を持ちかけるが。
<感想>実在の詐欺事件を基にした、クライムアクション巨編。この映画の中で極悪非道なカリスマ詐欺師役を、色気たっぷりに悪役を演じているイ・ビョンホン。韓国犯罪史上最大規模の金融投資詐欺事件と言われる実在の「チョ・ヒパル詐欺事件」を題材に、「監視者たち」のチョ・ウィソク監督がメガホンをとったもの。
金融投資会社の会長をつとめるチンは、華麗なテクニックで多額の投資金を集めて裏金を増やし、権力者たちに賄賂をばらまいてビジネスを拡大してきた。チン会長の悪のマスターを演じるイ・ビョンホンは、冒頭で大衆の前で弁舌をふるうところから、フィリピン逃亡に至るまでうぃ、役者として見せ場がいっぱいあるので今回はお得な役どころですよね。
彼を追う秀才刑事の知能犯罪捜査班のキム・ジェミョン刑事に、カン・ドンウォンも、ひたむきさが出ていてアクションも相当なもの。脇役もよくて、現実の犯人が行方不明のせいか、物語の展開も自由にできていて、マニラのロケ地では大聖堂からスラム街までを、効果的に使っていた。
1年後、チン会長の遺体が海外で発見されたというニュースが報道されるが……。「華麗なるリベンジ」のカン・ドンウォンがキム刑事役、「二十歳」のキム・ウビンが天才ハッカーのパク・ジャングン役を演じている。長い手足を振り回して駆けずり回る、キム・ウビンのスクリーン映えは相当なものでありますから。
韓国映画というと重圧感やジメジメ感があるというイメージですが、これはとても軽快なタッチの娯楽作に仕上がっていた。それにしても、美貌と存在感のあるスターが3人も揃うと、それだけでこんなにも画が持つのかいう発見もありました。
でもね、イケメンスターに見とれているせいか、金融にも疎いせいなのか、ボヤボヤしていると、光の速さで話が分からなくなるので要注意ですから。とにかく、頭脳戦の性格が強い戦いだが、数少ないアクションシーンも凄い充実ぶりで、観る者の気持ちを一気に解放感にする作品です。
ハラハラドキドキ 騙し騙され、フィリピンロケでのカーチェイス・アクションありの、銃撃戦ありで、火薬で割れたガラスが飛び散って、カン・ドンウォンの首や顔に大きな破片が刺さってしまい、大変なケガをしたというのだ。病院へ行き応急処置を受けて、次の日には撮影を続行したというから凄いもんです。危険は伴なうものですが、ヒヤッとしましたよね。あの美しい顔にガラスの破片で傷つけられるなんてね。
それに、天才ハッカーのキム・ウビンとの初共演では、3人共それぞれに果たしてうまくいくのかとても気になりますが、実際には、3人それぞれ、性格も趣向も演技のパターンも全然違うタイプなので、映画の中でもその違いが上手く活きて面白い化学反応を見せていると思いますね。
前半は韓国で、後半ではチン会長のイ・ビョンホンとキムママがベトナムで死亡説が流れる中で、二人はフィリピンの豪邸に住んで次のまたもやヤバイ仕事に手を付けていた。
上手い話にはオチがあるってね、騙される人も軽く金を稼げると思い込むもの。これが命取りになるってことだわね。やっぱり、汗水たらして体を使い働いたお金は、少なくても大事にするもの。一攫千金狙って話は、眉唾もんですから。最後に捕まってしまうチン会長も哀れであるが、天才ハッカーがチン会長の口座から移した大金を、被害者全員に返金したというからこれも凄いってことですよね。
2017年劇場鑑賞作品・・・281アクション・アドベンチャーランキング、