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オン・ザ・ミルキー・ロード★★★★

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「アンダーグラウンド」「黒猫・白猫」のエミール・クストリッツァ監督が自ら主演し、ヒロインにモニカ・ベルッチを迎えて贈るコメディ・ドラマ。戦争が終わることなく続く国を舞台に、前線にミルクを届ける配達人の男と村にやってきた美しい花嫁が繰り広げる愛の逃避行を、エネルギッシュかつファンタジックに描き出す。

あらすじ:隣国と戦争中のとある国。ミルク売りの美女ミレナは村の人気者。男たちは彼女に夢中で、ミレナ目当てにミルクを注文する。そのミルクを配達するために雇われている変わり者のコスタ。毎日兵士にミルクを届けるために、銃弾飛び交う前線へとロバで向かう。そんなコスタに想いを寄せるミレナは、兄のジャガが戦場から帰ってきた暁には、兄の結婚式と同じ日に、自分もコスタと結婚しようと考えていた。そんなある日、ミレナが兄の花嫁にと、難民キャンプで見つけてきた絶世の美女が村にやってくる。初めて出会った瞬間から互いに運命的なものを感じ惹かれ合う花嫁とコスタだったが…。

<感想>カンヌ国際映画祭パルムドールに2度も輝くなど、華々しい受賞歴を誇り、日本でも多くの熱狂的なファンを持つ鬼才エミール・クストリッツァ監督62歳が、主演しておりヒロインを演じるのは52歳のモニカ・ベルッチという。新作の舞台は、戦乱が続く架空の国──この無国籍感がたまらない!

お話の基本構造は戦火の中の恋を描く王道のメロドラマであります。セリフはセルビア語で、国境近くの村の端っこは戦場の最前線と化し、隣国との激戦が毎日のように続いている。そんな日常に、生死が隣合わせの状況で、コスタは相棒のハヤブサを右肩に従え、ロバに乗って傘で銃弾をかわしながら兵士たちにミルクを配達するのが日課となっていた。

村のアイドルとなっている娘のミレナ(スロボダ・ミチャろヴィッチ)からは結婚を迫られるのだが、そこに現れたモニカ扮するワケありの美熟女、花嫁にこころを奪われてしまう。やがて多国籍軍の兵士たちに追われて、コスタと花嫁は二人きりで雄大な大地に飛び出していくことになる。

熟年カップルによる愛の逃避行に身を投じる美しき花嫁役には、「007 スペクター」でも話題を集めたモニカ・ベルッチがキャスティング。あまりにもピユアで瑞々しい。クストリッツァ監督との初めての仕事について、「1本の映画で、これほど多くのスタントを経験したことはない」と語るように、劇中では大地を駆けずり回り、時には湖の中にも飛び込むなど、体当たりの熱演を披露しております。

その相手役を演じたのは、なんとクストリッツァ監督自身だ。いくつかの作品に俳優として出演した経歴を持つが、自身の監督作に出演するのは今回が初。情熱的なラブストーリーを体現し、自らの世界を主演俳優として体現するさまに要注目ですね。見どころが、ラストの兵士に追われて地雷原に走り込み、爆発に飛ばされて宙を舞う羊の群れは、映画史上に残る名シーンになると思いますね。

雄大な自然やバルカン音楽に彩られ、現実と壮大なファンタジーであり破天荒な恋の道行きは、まさに映画でしか描けない世界。いや映画でさえなかなか達成できない世界だと思いますよ。

 

入り混じった映像世界は、奇想天外にしてエネルギッシュでもあり、さらには戦争への痛烈な風刺、ユーモアあふれる人間賛歌が一体となり、唯一無二の愛の寓話に仕上がっている。

本作では、驚くほど多種多様な動物が登場するのですが、主人公のコスタの相棒であるハヤブサを初めとして、戦場を疾走するロバ、ミルクを飲むヘビ、ガチョウの群れ、羊の大群、などあらゆるシーンを活気づけるそれらは、ほんの一部のCGを除いてすべて本物の動物を使って撮影されたというから驚く。

クストリッツァ監督の友達だという体重300キロの熊の登場シーンにも注目されたし。

2017年劇場鑑賞作品・・・280アクション・アドベンチャーランキング


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