世界的に大きな話題を集めた「シン・ゴジラ」に続き、今度は「ゴジラ」シリーズ初の長編アニメーション映画として贈るSFアクション。“ゴジラ”の出現によって地球を追われた人類が、2万年後の地球を舞台に繰り広げる地球奪還を懸けた壮絶な戦いの行方を全3部作で描き出す。本作はその第1部。ストーリー原案・脚本を「魔法少女まどか☆マギカ」「PSYCHO-PASS サイコパス」の虚淵玄が手がけ、「シドニアの騎士」のポリゴン・ピクチュアズがアニメーション制作を担当。監督は「シドニアの騎士」でもタッグを組んだ「名探偵コナン」シリーズの静野孔文と「亜人」「BLAME!」の瀬下寛之。
あらすじ:20世紀末、地球に巨大生物“怪獣”が次々と現われる。やがてその怪獣をも駆逐する“ゴジラ”が出現し、35年と36年に2種の人間型異星人「エクシフ」と「ビルサルド」が相次いで地球に飛来。
ともに故郷を失った流浪の民である彼らと、個体数を減らしつつあった人類は「地球連合」を発足させ、技術提携により進んだ科学で対ゴジラ作戦を立案します。しかし、それでもゴジラは倒せませんでした。ついに地球連合は地球外惑星への移民計画を実行。
2048年に移民船アラトラム号が出発します。自らの存亡を懸けた戦いに敗れた人類は、地球外惑星への移民計画を実行に移す。こうして2048年、恒星間移民船“アラトラム号”が“くじら座タウ星e”へと旅立った。しかし20年後、ようやく辿り着いたタウ星eは、人間が生存可能な惑星ではなかった。そんな中、4歳の時に両親をゴジラに殺されて以来、ゴジラへの復讐心を燃やし続ける青年ハルオ・サカキ。彼の執念が実り、移民船は危険な長距離亜空間航行を決断し、地球へと舵を切るのだった。しかし帰還した地球はすでに2万年の歳月が経過していた。もはやその惑星は、ゴジラを頂点とした未知の生態系へと変貌してしまっていたのだったが…。
<感想>滅びるのは、人類か、ゴジラか。超ロングランで上映された実写版の「シン・ゴジラ」は、私には余り感動というものは湧きませんでした。が、このアニメ版の「GODZILLA 怪獣惑星」は、予告を見て期待しただけの圧倒的な「ゴジラ」を感じることが出来ました。地球を追われて人類が棲む惑星を探し、どこにも地球と同じような環境であることを見つけることが出来なかった。
まずアニメということもあり、宇宙船内はそんなに凝ってない作りで、年寄りの幹部たちが、せっかく見つけた惑星“くじら座タウ星e”へと、数百人(500人くらい)を乗せて飛び立ちますが、途中で爆発事故を起こして全員死亡。まるで、宇宙船に乗っている人間が多いので人減らしでもしているような感じですから。
そこに、ハルオと言う青年が2万年後の地球に戻ろうと計画をし、ゴジラが生息している地球へ向けて帰還することになる。それは、船内に残っている人類のための水、食料も、燃料もすべてがないないずくしの土壇場に立たされているからなのだ。絶対に地球を奪還するべく、両親の仇であるゴジラを憎むハルオを先頭に、ゴジラとの壮絶な闘いを繰り広げる物語。
宇宙を彷徨い地球へ帰還するのに、ワープなるもの“アクルカン”突入と高速で太陽系の地球へと。初めは無尽偵察機を飛ばしてと、そして若い兵士600人が地球に降りたつも、ジャングル地帯の中でゴジラが引っ掻いたような傷跡が樹に刻まれ、シダのような葉が鋼鉄のような固さであり、水や酸素も食べるものも無いような地獄の地球。移住先の星がダメだったのに、期待していた地球もこれじゃ人間は住めないよね。ハルオが見つけた地面に咲く白い花には、驚きましたよ。
それに、まだ元気に生息しているゴジラ、1万年も経っているのに、何度も生まれ変わったのか、だが、その天敵たるゴジラ倒したところでどうにかなるのか?・・・もう何処へにも行けない移民船の人類。
ところが、ジャングルを偵察をしていると、飛んでくる「ゴジラ・セルヴァム」と言うゴジラと同じ細胞を持つ鳥怪獣の大群。何とか撃破したら“ゴジラ”が出てくるではありませんか。
そのゴジラは実写版で観た「ゴジラ」とは別もので、アニメでもその雄姿はまさしく知的な存在であり、神々しく、まるで金剛力士像のような出で立ちで、筋骨隆々であり、もちろん背びれが付いて、尻尾もあります。口からは電磁パルスを吐き出し、全てを焼き尽くします。
このゴジラには、ハルオたちが持っている光線銃やミサイルでは敵わない。ジャングルの谷間へと誘導して、一斉に撃破しようと作戦を立てるハルオ。上手くゴジラを谷間に引き寄せるも、その間には兵士たちが大勢死んでいく。
人類側のゴジラに攻撃をかける計画として、バイクのような空を飛ぶ乗り物にのりゴジラに向かって行くもの。まるで特攻隊のような、それに「パワードスーツ」の中に入り攻撃するもの。地表でミサイルを発射させるものと、まだまだ古い戦闘用具では、ゴジラに勝てっこありませんからね。それでも谷間に追い込んで、一斉に射撃をするとゴジラが動かなくなった。これはハルオたちの勝利かと思いきや、その下からバカでかい「キングゴジュラス」が出て来るではありませんか。このどんでん返しのような光景に、口をあんぐりと開けて、もうダメかと思わざるを得ませんから。
制作は国内有数のCGスタジオとして知られるポリゴン・ピクチュアズ。「シドニアの騎士」でコンビを組んだ静野孔文と瀬下寛之の両監督が壮大なスケールで映像化。全3部作で贈る予測不能なSFの展開であり、まだ見ぬ新たな「ゴジラ」を切り拓くという、エンドロールが終わるまで席を立たずに最後までご覧ください。
ハルオが目が覚めたところに、何と2部作目の物語に希望の灯が見える、地球に人類が住んでいることが解るんですね。来年の5月にこうご期待あれ。
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