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ジュリーと恋と靴工場星 ★★

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郊外の靴工場で働く女性が自立していく姿をミュージカル仕立てで描いたフランス映画。主人公ジュリー役に「EDEN エデン」のポーリーヌ・エチエンヌ。監督は本作が長編デビューとなるポール・カロリとコスチャ・テステュ。

あらすじ:25歳で職なし、金なし、彼氏なしのジュリーは、やっとのことでフランスのロマン市にある高級靴メーカーの工場での仕事に就くことができたが、工場は近代化の煽りを受け、閉鎖の危機に直面していた。居場所を失うことを恐れた靴職人の女性たちが抗議のためパリの本社へと乗り込み騒動を起こし、ジュリーもこの騒動に巻き込まれ、あやうくクビになりかけてしまう。ジュリー、そして職人の意地とプライドをかけた女性靴職人たちは「闘う女」と名づけられた赤い靴を武器にこの危機を乗り超えようとする。

<感想>万年バイトの娘が正社員に採用された、その喜びが歌声になってこの嬉しい出だしで、「これはミュージカルコメディ映画になるぞ」、と心が躍ったのだが、本格的なミュージカルではなく、鼻歌程度のミュージカルでした。

どこか頼りない、それも愛嬌かと見続けたのだが、次第に単調に思えて来るのだ。やっぱり決めるところはちゃんと決めて欲しい。ミュージカルなんだから!

で、物語の方も高級靴ブランドの工場では、靴職人たちのストライキで機能不全になっていた。その破れかぶれな状況は尻つぼみであり、結末はあれでいいの?・・・どうもアイデアとセンスに作り手の身体が付いていってない印象を受けてしまう。

主人公のジュリーは、正社員になりたいと切に願い、不況の時代に仕事を探す若い女性がやっと就くことが出来たのが、田舎の靴工場。だが、そこも閉鎖寸前で、ベテラン女性職人たちが、パリの本社ビルに抗議をすべく出向くのであります。

 

しかし、その輪の中に入り切れないヒロインのジュリーの姿はもどかしく、非自覚的にスト破り的な反動に出たのに、若い女性でも車に乗る時に履く靴、赤いローヒールの靴を作るのだが。工場長からは、逆に最も過激な徒だと勘違いされてしまう。

 

パリの本社にいる社長は、靴工場を中国の安い土地と、低賃金で生産できると考え、高い労働者たちへの賃金を考えるとはるかに効率がいいと考えてしまう。しかしだ、安い中国の工場では、今の靴と同じような生産は無理というもの。昔から、熟練の女靴職人たちによる手仕事で、今の会社が成り立っていることを忘れているのではないかしらね。

 

働く女たちに焦点を当てた新感覚ミュージカルかと思いきや、いつしかセクシーな男性(バスの運転手)が、ヒロインの心を奪う物語になっていく。

中途半端に社会派の背景を出す必要があったのだろうか?・・・しかも価値観が古臭いのだ。それならいっそ、恋に恋するミュージカルとして純粋に楽しませてくれればよかったのにね。

バラバラで下手くそな踊りと歌、ミュージカル「ラ・ラ・ランド」(2017、2月)を観た後だけに、もう少し観客を楽しませて欲しかったです。

2017年劇場鑑賞作品・・・265アクション・アドベンチャーランキング


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