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ベイビー・ドライバー★★★★

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『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』などのエドガー・ライト監督のクライムアクション。音楽に乗って天才的なドライビングテクニックを発揮する、犯罪組織の逃がし屋の活躍を描く。『ダイバージェント』シリーズなどのアンセル・エルゴート、テレビシリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」などのケヴィン・スペイシー、『Ray/レイ』などのジェイミー・フォックスらが出演。主人公のユニークなキャラクター、迫力満点のカーアクションに注目。

<感想>特に踊るように赤いスバルが加速する冒頭6分間のオープニング。それを見るだけで、なぜ“カー・チェイス版ミュージカル”と呼ばれているのかも納得できるはずだ。冒頭から大活躍するスバルのインプレッサWRXをはじめ、日本車が多数登場するのも熱い。

エドガー・ライト監督による、オフ・ビートなカー・チェイス映画に、ローリングストーン誌が、アクション・ミュージカルと言う絶妙な呼び名を付けて大ヒット中の映画。カーチェイスシーンの99%が実写という無謀さが、この映画のたまらない魅力になっているようだ。

すごいことを考えたものだ。音楽が重要な役割を果たすライト作品らしく、そのビートがアクションのリズムと一体になっているのだ。排気音やギアチェンジ、ブレーキなど、すべての動きは音楽に合わせられ、ミュージカルのような感触を与える。ミュージカルみたいな映画じゃなくて、これは「ミュージカル映画」だと断言したい。

カーチェイスや銃撃戦が、音楽に合わせて振り付けられているのもご機嫌ですが、歩いているベイビーを移動撮影で追いかける“タイトルバック“が、すでに見事なミュージカルナンバーなのだ。物語面でも、名前や逃避行への主題が散りばめられており、あぁ、これはあの名曲だと、読解の欲望に掻き立てられるのもいい。

カーアクションの見事さもさることながら、主人公が絶えず聴いているiPodの曲がBGMとなり、そのビートに合わせて全てのアクションが展開していく斬新な演出も最高。
まず選曲が抜群なことに感動してしまう。耳に障害を持つベイビーが、プレイリストの好きな音楽を聴きながら、ギャングの逃走専門のドライバーをするというキャラクターも良かった。ですが、彼は音楽を人生のサントラにして、親を亡くした悲しみからサバイバルしているように見えるのだ。何よりも主人公を演じているアンセル・エルゴートが、カッコいいのだ。

本作では、カーチェイスはもちろんのこと、人や車の動きを使ってリズムを刻むミュージカルであり、みずみずしいボーイ・ミーツ・ガールのラブストーリーでありそして、ベイビーが「音楽」を共有できる女の子と出会ってから始まる、ジョン・ヒューズ映画的な甘酸っぱい恋愛も魅力的ですね。

ンショットで逃げまくり、ベイビーの頑固そうな表情の一方で、美しいウェイトレスのリリー・ジェームズには、純情を捧げるあたりの、動から静への演技も巧い。

フィルム・ノワールにも匹敵する悪の脇役に、組織のボス、ケヴィン・スペイシーをキャスティングしたところなどは、さすがに監督の確かさが伺える。

その他の脇陣に、オスカー俳優ジェイミー・フォックスが、ベイビーの運命を握る凶悪犯役で存在感を発揮しているし音楽は「テキーラ」、「エンジェル ウォーズ」のジョン・ハムが、怒ると怖い切れ者の強盗に扮している。
ド派手なカーアクションも、彼女に「好きだ!」と言いたいがための、演出であるようにすら思えてくるのがいいですよね。そして、数々の男女逃避行映画の名作の記憶を喚起しつつ、ロックからソウル、ジャズ、ラテンと幅広い年代・ジャンルで構成されたサウンドトラックと同様、犯罪スリラーをベースにした物語は、フィナーレへと続く。

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