革命記念日を控えたパリを舞台に、CIAのはみ出し者捜査官が、ひょんなことから天才スリの若者とコンビを組み、凶悪なテロ組織に立ち向かうクライム・アクション。主演は「パシフィック・リム」のイドリス・エルバ、共演に「シンデレラ」のリチャード・マッデン。監督は「バイオレンス・レイク」「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館」のジェームズ・ワトキンス。
あらすじ:パリ、革命記念日前夜、市街で爆弾テロが発生。容疑者として浮上したのは、スリの若者マイケル。捜査を担当することになったCIA捜査官ブライアーは、イラクで命令を無視し、テロリスト6名を射殺した当局きってのアウトロー。いち早くマイケルを確保したブライアーは、彼が無実であることを感じ取る。ブライアーはマイケルの抜群のスリテクニックを買い、自らの無実を証明するために、捜査に協力することを持ちかける。誕生した“CIAとスリ”による前代未聞のコンビは、真犯人を探すため、パリの街を疾走する!そして、「36時間後の革命記念日にパリの街を制圧する」という犯行声明が出たことから、事件はフランスの国家的危機へと発展していくー。真犯人は誰なのか?事件に隠された巨大な陰謀とはー?
<感想>冒頭からモンマルトのサクレ・クール寺院の階段の人込みの中を歩いて来る全裸の若い女、つまりこれはマイケルが呆気に取られている客のポケットからパスポートや高級腕時計、金属類など、金目のものをスルためのパフォーマンスだったのだ。
次が、凄腕のスリのマイケルが、パリで女から盗んだバックの中身が、テロが仕掛けた爆弾だったというところから始まり、すぐにパリ市警から追ってが来て、パリの古いアパートの屋上から屋根の上を駆けまわる序盤の追跡シーンの素晴らしさには、まるで「ジェイソン・ボーン」かと思うほどの迫力に大興奮でした。
パリのリアルな現在を切り取ったかのような物語にしているのもいい。屋根の上から、一歩間違えると十数メートル下に落下するスリルとともに、ハイスピードで駆け抜ける追跡劇が描かれるのだが、よくあるバディもののチェイス・アクションだが、陳腐さは感じられなかった。もうこれだけで満点を付けたくなる。
まずはCIA捜査官ブライアーの、イドリス・エルバのならず者っぷりが素晴らしい。単身で敵地へと乗り込んでいくイドリス・エルバを、武器も腕力もない若い男女2人が、援護するシーンのアイディアには、何やら猛烈に感動してしまった。CIA捜査官ブライアーがすばやく殴る、撃つ、通りすがりの車を奪う。普通ならドン引きものの悪辣さだが、次期
「007」候補なのも納得できる、イドリス・エルバのクールでワイルドな魅力を堪能できるのは良かった。相棒のスリ役のリチャード・マッデンも小物さ、情けなさと有能さ、タフさのバランスのいい感じに取れていて最高。彼のバーでの一連の動きは一見の価値あり。テロリスト犯の仲間と思われ指名手配されるし。
彼はテロリストではないと確信するCIA捜査官のブライアー。そこで二人はバディとなり、犯人を追うことになるわけ。しかしながら、パリ市警もガミュー(ジョゼ・ガルシア)を責任者として犯人を追う。ところがその部下である、警察の特捜隊ラフィ隊長(ティエリ・ゴダール)には裏の顔があるんですからね。
どうしてかって、パリの爆弾テロリストの一員となっているし、実はそのリーダー格なのである。そしてあろうことか、ここからが観ていてバレバレの最大サプライズなのだが、その頂点に立っている大ボスが、パリ市警のガミューその人なのであるからドン引きですよ。
さらには、移民問題、テロ、右翼の台頭、それに対するデモ行進の描き方など、パリ市民がどう思うかが気になるほどだが、この監督は、結局面白いものは何でも取り入れる演出が好きなのね。
とはいえ、スリであるマイケルがその技を駆使するクライマックスは、観客を存分に楽しませるし、パリ市警国立銀行の金庫に突入する。
銀行の金庫の中って、案外簡単に開くようになっているのね。金の延べ棒がずらりと棚に並んでいても、それは盗まない。それは、隊長率いる特捜隊の連中が、5億ユーロのネットマネーを略奪するのだから。だが、ブライアーらの活躍で見事阻止されるシーンでは、イドリス・エルバとのバディもばっちし決まっていて爽快でした。
敵も味方もやることなすこと他人を一切顧みないので、敵の最終目的があまりにしょうもなくてびっくりしたけれど、現実世界でも案外そんなものかもしれないと思うとゾッとする。
2017年劇場鑑賞作品・・・87アクション・アドベンチャーランキング
あらすじ:パリ、革命記念日前夜、市街で爆弾テロが発生。容疑者として浮上したのは、スリの若者マイケル。捜査を担当することになったCIA捜査官ブライアーは、イラクで命令を無視し、テロリスト6名を射殺した当局きってのアウトロー。いち早くマイケルを確保したブライアーは、彼が無実であることを感じ取る。ブライアーはマイケルの抜群のスリテクニックを買い、自らの無実を証明するために、捜査に協力することを持ちかける。誕生した“CIAとスリ”による前代未聞のコンビは、真犯人を探すため、パリの街を疾走する!そして、「36時間後の革命記念日にパリの街を制圧する」という犯行声明が出たことから、事件はフランスの国家的危機へと発展していくー。真犯人は誰なのか?事件に隠された巨大な陰謀とはー?
<感想>冒頭からモンマルトのサクレ・クール寺院の階段の人込みの中を歩いて来る全裸の若い女、つまりこれはマイケルが呆気に取られている客のポケットからパスポートや高級腕時計、金属類など、金目のものをスルためのパフォーマンスだったのだ。
次が、凄腕のスリのマイケルが、パリで女から盗んだバックの中身が、テロが仕掛けた爆弾だったというところから始まり、すぐにパリ市警から追ってが来て、パリの古いアパートの屋上から屋根の上を駆けまわる序盤の追跡シーンの素晴らしさには、まるで「ジェイソン・ボーン」かと思うほどの迫力に大興奮でした。
パリのリアルな現在を切り取ったかのような物語にしているのもいい。屋根の上から、一歩間違えると十数メートル下に落下するスリルとともに、ハイスピードで駆け抜ける追跡劇が描かれるのだが、よくあるバディもののチェイス・アクションだが、陳腐さは感じられなかった。もうこれだけで満点を付けたくなる。
まずはCIA捜査官ブライアーの、イドリス・エルバのならず者っぷりが素晴らしい。単身で敵地へと乗り込んでいくイドリス・エルバを、武器も腕力もない若い男女2人が、援護するシーンのアイディアには、何やら猛烈に感動してしまった。CIA捜査官ブライアーがすばやく殴る、撃つ、通りすがりの車を奪う。普通ならドン引きものの悪辣さだが、次期
「007」候補なのも納得できる、イドリス・エルバのクールでワイルドな魅力を堪能できるのは良かった。相棒のスリ役のリチャード・マッデンも小物さ、情けなさと有能さ、タフさのバランスのいい感じに取れていて最高。彼のバーでの一連の動きは一見の価値あり。テロリスト犯の仲間と思われ指名手配されるし。
彼はテロリストではないと確信するCIA捜査官のブライアー。そこで二人はバディとなり、犯人を追うことになるわけ。しかしながら、パリ市警もガミュー(ジョゼ・ガルシア)を責任者として犯人を追う。ところがその部下である、警察の特捜隊ラフィ隊長(ティエリ・ゴダール)には裏の顔があるんですからね。
どうしてかって、パリの爆弾テロリストの一員となっているし、実はそのリーダー格なのである。そしてあろうことか、ここからが観ていてバレバレの最大サプライズなのだが、その頂点に立っている大ボスが、パリ市警のガミューその人なのであるからドン引きですよ。
さらには、移民問題、テロ、右翼の台頭、それに対するデモ行進の描き方など、パリ市民がどう思うかが気になるほどだが、この監督は、結局面白いものは何でも取り入れる演出が好きなのね。
とはいえ、スリであるマイケルがその技を駆使するクライマックスは、観客を存分に楽しませるし、パリ市警国立銀行の金庫に突入する。
銀行の金庫の中って、案外簡単に開くようになっているのね。金の延べ棒がずらりと棚に並んでいても、それは盗まない。それは、隊長率いる特捜隊の連中が、5億ユーロのネットマネーを略奪するのだから。だが、ブライアーらの活躍で見事阻止されるシーンでは、イドリス・エルバとのバディもばっちし決まっていて爽快でした。
敵も味方もやることなすこと他人を一切顧みないので、敵の最終目的があまりにしょうもなくてびっくりしたけれど、現実世界でも案外そんなものかもしれないと思うとゾッとする。
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