『スノーホワイト』などのルパート・サンダーズが監督を務め、士郎正宗のSF漫画「攻殻機動隊」を、スカーレット・ヨハンソンやビートたけしらを迎えて実写映画化。近未来を舞台に、脳以外は全身義体の少佐が指揮する捜査組織公安9課の活躍を描く。『イングリッシュ・ペイシェント』などのジュリエット・ビノシュや『シルク』などのマイケル・ピットらが共演。敵と対峙(たいじ)する公安9課を、どのように描くのかに注目。
あらすじ:近未来。少佐(スカーレット・ヨハンソン)は、かつて凄惨(せいさん)な事故に遭い、脳以外は全て義体となって、死のふちからよみがえった。その存在は際立っており、サイバーテロ阻止に欠かせない最強の戦士となる。少佐が指揮するエリート捜査組織公安9課は、サイバーテロ集団に果敢に立ち向かう。
<感想>世界中で注目を集めてきた日本製アニメーション。押井守監督のアニメーション映画『GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊』(15)をWOWOWで観ました。本作では、それを実写化したというが、最新のCG技術をもって描かれるのは、まさにリアル・アニメーションの世界。もちろん原作コミックスやアニメへのリスペクトもたっぷりで、今やジャパニメーションという言葉は廃れ、本作はアニメの魂を宿したハリウッド映画になっていた。
日本で生まれ、その先鋭的な未来感によって世界各国でファン層を拡大し続けた「攻殻機動隊」今回のハリウッド実写化で、原作とアニメーション版では日本人のヒロイン、草薙素子を誰が演じるのか論議を呼んでいたようですが、スカーレット・ヨハンソンが選ばれたのです。もともとサイボーグの肉体なので、国籍や人種にこだわる必要はなく、役名も少佐とシンプルになっていた。それに、彼女は「アベンジャーズ」のブラック・ウィドウ役でも似たような経験をしているので、人間離れしたこれは、ハマリ役であると思った。
NYマンハッタンのような近未来都市に、日本語の看板や芸者を思わせる巨大なホログラムが並ぶランドスケープが鮮烈であった。まるで「ブレードランナー」のような背景だが、香港で撮影したと思われる。
そして、少佐へのパーソナルな愛や、まるで「ボーン・アイデンティティー」のような、基本はゴーストをめぐるアイデンティティーの危機みたいな話を、記憶を失くした主人公が記憶を取り戻す物語に置き換えたということ。
彼女が義体化されている少佐で、脳以外はサイボーグという特殊な状態に対し、これまで以上に実践レベルの戦闘能力が必要とされ、銃器のスペシャリストから細かい指導を受けたのはもちろんのこと、現役の警察官と一緒にムエタイや総合格闘技の特訓を受けたと言う。
ヒロインは全身義体により、文字どおり人間を超越した存在である、少佐の身体能力は超一級でありますから。高層ビルからの背面ダイブや窓ガラスを突き破って見せるガンアクションなど、アクロバティックなシーンの連続に手に汗を握ること間違いなしですからね。
魂はどこにあるのか?・・・肉体や脳までもが機械化され、個々の人格が巨大なネットワークに支配される近未来に、自意識の境界が限りなく曖昧になっていくことの恐怖を描いた本作。
彼女を義体化したオウレイ博士には、ジュリエット・ビノシュが扮していて、さすがに貫禄もあり綺麗で、違和感なしです。それに、公安9課の創設者・荒巻役には、さすがにハゲにはしなかった北野武が扮しており日本語で通した。
少佐の護衛のバトー役には、ビルー・アスペックが、彼は「LUCY/ルーシー」で、スカーレットの恋人役を演じたという。その他にも護衛が付いているし小さくてもカニみたいなガジェットが凄い威力を持っていて頼もしい。
物語の展開も、アニメを知らなくても観られるし、SFに馴染みのない人でもスカーレットを見ていれば物語の筋立てが分かる。だから、少佐を追っていれば最後まで観れる仕掛けになっている。
サイバーテロ集団のボス、闇の男のクゼは、絶対に少佐と因果関係があると睨んでいたが、その通りになっていて、まさか婚約者だとは。クゼもサイボーグであり、少佐も自分の本当の名前が草薙素子ということが分かり、母親が生きていることも。訪ねていく少佐が、母親に扮してたのは桃井かおりさんで、英語が上手くて感心しました。出会った瞬間に、娘は死んだと言われていたが、何処かで生きていると母は直感で思っていたと。
それでも、本作で描かれた電脳社会がそうであったように、ネットが発達し、あらゆる作品がデータとして流通し、シェアされている現在。少なくてもアートやエンタテインメントの分野において、地域性や国民性という閉鎖的な観念は希薄になりつつあるようですね。
2017年劇場鑑賞作品・・・78アクション・アドベンチャーランキング
あらすじ:近未来。少佐(スカーレット・ヨハンソン)は、かつて凄惨(せいさん)な事故に遭い、脳以外は全て義体となって、死のふちからよみがえった。その存在は際立っており、サイバーテロ阻止に欠かせない最強の戦士となる。少佐が指揮するエリート捜査組織公安9課は、サイバーテロ集団に果敢に立ち向かう。
<感想>世界中で注目を集めてきた日本製アニメーション。押井守監督のアニメーション映画『GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊』(15)をWOWOWで観ました。本作では、それを実写化したというが、最新のCG技術をもって描かれるのは、まさにリアル・アニメーションの世界。もちろん原作コミックスやアニメへのリスペクトもたっぷりで、今やジャパニメーションという言葉は廃れ、本作はアニメの魂を宿したハリウッド映画になっていた。
日本で生まれ、その先鋭的な未来感によって世界各国でファン層を拡大し続けた「攻殻機動隊」今回のハリウッド実写化で、原作とアニメーション版では日本人のヒロイン、草薙素子を誰が演じるのか論議を呼んでいたようですが、スカーレット・ヨハンソンが選ばれたのです。もともとサイボーグの肉体なので、国籍や人種にこだわる必要はなく、役名も少佐とシンプルになっていた。それに、彼女は「アベンジャーズ」のブラック・ウィドウ役でも似たような経験をしているので、人間離れしたこれは、ハマリ役であると思った。
NYマンハッタンのような近未来都市に、日本語の看板や芸者を思わせる巨大なホログラムが並ぶランドスケープが鮮烈であった。まるで「ブレードランナー」のような背景だが、香港で撮影したと思われる。
そして、少佐へのパーソナルな愛や、まるで「ボーン・アイデンティティー」のような、基本はゴーストをめぐるアイデンティティーの危機みたいな話を、記憶を失くした主人公が記憶を取り戻す物語に置き換えたということ。
彼女が義体化されている少佐で、脳以外はサイボーグという特殊な状態に対し、これまで以上に実践レベルの戦闘能力が必要とされ、銃器のスペシャリストから細かい指導を受けたのはもちろんのこと、現役の警察官と一緒にムエタイや総合格闘技の特訓を受けたと言う。
ヒロインは全身義体により、文字どおり人間を超越した存在である、少佐の身体能力は超一級でありますから。高層ビルからの背面ダイブや窓ガラスを突き破って見せるガンアクションなど、アクロバティックなシーンの連続に手に汗を握ること間違いなしですからね。
魂はどこにあるのか?・・・肉体や脳までもが機械化され、個々の人格が巨大なネットワークに支配される近未来に、自意識の境界が限りなく曖昧になっていくことの恐怖を描いた本作。
彼女を義体化したオウレイ博士には、ジュリエット・ビノシュが扮していて、さすがに貫禄もあり綺麗で、違和感なしです。それに、公安9課の創設者・荒巻役には、さすがにハゲにはしなかった北野武が扮しており日本語で通した。
少佐の護衛のバトー役には、ビルー・アスペックが、彼は「LUCY/ルーシー」で、スカーレットの恋人役を演じたという。その他にも護衛が付いているし小さくてもカニみたいなガジェットが凄い威力を持っていて頼もしい。
物語の展開も、アニメを知らなくても観られるし、SFに馴染みのない人でもスカーレットを見ていれば物語の筋立てが分かる。だから、少佐を追っていれば最後まで観れる仕掛けになっている。
サイバーテロ集団のボス、闇の男のクゼは、絶対に少佐と因果関係があると睨んでいたが、その通りになっていて、まさか婚約者だとは。クゼもサイボーグであり、少佐も自分の本当の名前が草薙素子ということが分かり、母親が生きていることも。訪ねていく少佐が、母親に扮してたのは桃井かおりさんで、英語が上手くて感心しました。出会った瞬間に、娘は死んだと言われていたが、何処かで生きていると母は直感で思っていたと。
それでも、本作で描かれた電脳社会がそうであったように、ネットが発達し、あらゆる作品がデータとして流通し、シェアされている現在。少なくてもアートやエンタテインメントの分野において、地域性や国民性という閉鎖的な観念は希薄になりつつあるようですね。
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