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グリーンルーム★★・5

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小さなライブハウスで狂暴なネオナチ軍団に監禁された売れないパンクバンド・メンバーたちの壮絶なサバイバルの行方を描いた戦慄のバイオレンス・スリラー。主演は2016年6月に不慮の事故で亡くなった「スター・トレック BEYOND」のアントン・イェルチン。共演にイモージェン・プーツ、アリア・ショウカット、パトリック・スチュワート。監督は前作「ブルー・リベンジ」が世界的に注目を集めた新鋭、ジェレミー・ソルニエ。

あらすじ:安いギャラながら背に腹は代えられないとド田舎のライブハウスまでやって来た売れないパンクバンドの“エイント・ライツ”。ところがそこは、狂信的なネオナチ集団の巣窟だった。どうにかステージをやり終え、ようやく帰路につこうとしていたとき、運悪く少女が殺される現場を目撃してしまう。メンバーたちは楽屋に監禁され、口封じのために皆殺しにされようとしていた。あまりにも絶望的な状況の中、必死に脱出の方法を探る一行だったが…。

<感想>2016年6月20日 27歳の若さで事故死したアントン・イェルチン氏の突然の 死を悼みます。これが遺作となるのでしょうか。売れないパンクバンドが、仕事を求めて放浪するうちに、狂気のネオナチ集団が仕切る部隊に辿り着く。主人公には、あの事故で亡くなってしまったアントン・イェルチンがミュージシャンに扮した、スキンヘッドのネオナチ襲撃籠城系スリラーであります。

中でも助かるのが、アントン・イェルチンとイモージェン・プーツ。ド派手カーアクション映画『ニード・フォー・ スピード』に出演し、そのあまりにも美しすぎる美貌で世間を騒がせましたが、2017年2月6日公開の「聖杯たちの騎士」にも出演しているイモージェン・プーツの2人。主演男女の並びの見栄えもよろしく、アントンの死がいよいよ惜しまれます。

広大なアメリカ大陸には、あり得るような話でグリーンの色調に彩られた冒頭の部分は、これからどんなことが起こるのかと興味深々でしたね。地下室にいる殺人現場を見たバンドの仲間たちを、口封じのために皆殺しにしようとするネオナチ軍団。
やがて、タトゥー満載の肉体がぶつかり合いたくさんの狂犬まで交えて、恐怖のアクション場面が始まるのだが、これは時間がたつと共に、意外や単調になってしまうのが惜しいところ。
謎めかされている部分はあるが、プロットはとてもシンプル。それをカット割りと間合いだけでこれだけ面白く見せる演出は、中々のもの。ゾンビ襲来立て篭もりもののパターンで、この場合のゾンビはネオナチ集団だけども、その設定事態に特に重要性はなく、犯罪組織に置き換えている。つまり、ネオナチを大ぴらに前面に出すわけでもなく、ただ犯罪組織集団がネオナチ集団の巣窟だったというわけ。

その組織の親分で、ライブハウスのオーナー役のパトリック・スチュワート爺さん。2017年3月18日 「ウルヴァリン」シリーズ第3弾にして完結編となる「LOGANローガン」の全米公開を直前 に控え、プロフェッサーX役として出演する英俳優パトリック・スチュワートが扮している。その右腕なるメイコン・ブレアが味わい深い。

殺るき満々のネオナチ軍団だけでなく、俊敏で獰猛な狂犬にも囲まれ、外へ出るとすぐにその狂犬に噛まれて死んでしまう仲間たち。人間の喉をめがけて突進する狂犬の恐ろしさに驚く。そんな八方塞がりな極めた状況設定に加えて、オーナー役のパトリック・スチュワート爺さんがいとも簡単に退散させる展開も変ですから。
カッターで腹をグワーと掻っ切られるし、主人公のアントンの腕がカッターで深く刻まれて、軽く突いたら取れ落ちそうなほどに傷が深い腕、ガムテープでぐるぐる巻きに固定するも、よくぞ最後まで生き抜いたもんだと感心する。
そんな暴力描写の痛覚もかなりの高さで、仲間が次々と殺されていく展開は、観ていて辛くなる。

対立する両陣営の役にふさわしいキャラクターのパトリック・スチュワートが、ラストで二人に発見されて、すかさず撃ちまくるアントンとイモージェンが優勢にたち、はなからスキンヘッドのパトリックを、ネオナチの親分に抜擢したセンスは良かったと思う。
しかし、ケータイも通じず、警察を呼ぶにもダメで、結局は自分たちで悪人どもと戦うしかないのだ。だからなのか、脚本と構成が少し甘いので、若者の風俗コケ脅しに見えてしまったのが残念。

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