トロント国際映画祭で上映されて反響を呼んだ、異色のアクション。大事故で損傷した肉体にマシンを組み込まれたことで超人的能力を得た男が、妻をさらった悪の組織に立ち向かう。監督はロシア出身の俊英、イリヤ・ナイシュラー。『マレフィセント』などのシャールト・コプリー、『イコライザー』などのヘイリー・ベネット、『ロブ・ロイ/ロマンに生きた男』などのティム・ロスらが出演する。主人公の視点のみの完全一人称で映し出されるビジュアルや、壮絶なシーンの数々に息をのむ。
あらすじ:見知らぬ研究施設で目を覚ましたヘンリーは、妻エステル(ヘイリー・ベネット)が、大事故によって肉体が激しく損傷してしまった自分に機械でできた腕と脚を取り付け、声帯摘出の準備を進めているのを目にする。だが、手術に取り掛かろうとしたとき、謎の組織を率いる男エイカン(ダニーラ・コズロフスキー)が乱入。すさまじいパワーで施設を破壊した上に、エステルを連れ去ってしまう。ヘンリーは機械のパーツを導入したことで得た超人的身体能力を活用し、愛する妻をエイカンから奪い返そうと立ち上がるが……。
<感想>全編一人称視点のカメラで、次々と襲い掛かって来る敵を撃って、撃って撃ちまくる。ハンドガンにライフル、ガトリングガンとあらゆる銃器をぶっ放し、人体破損も見せ場と心得て、画面を死屍累々にしていくシーンも見事。
ですが、それだけを延々と続けられると、逆に弛緩状態に陥っていき、刺激的なものでなくなる。情け容赦なく銃をぶっ放す主人公は、一言も口をきかない。だから、全編殺しのP.O.V.映画。画像だけを見ればシューティング・ゲームをそのまま映画にしたような作品のようにも思える。
それにしても、冒頭でのエステル役のヘイリー・ベネット熱演の色っぽいシーンが、ぱっとせずに、後で分かるのだが、ヘンリーの妻ではなく敵のエイカンの妻であることが分かる展開。
演じているのが、「マグニフィセント・セブン」など話題作への出演が続くハリウッド期待の若手女優ヘイリー・ベネット。場面写真は、ベネット扮するエステルが、ヘンリーの上に乗ってほほ笑むシーンを切り取っており、わずかに乱れた髪や胸元があらわな服装から色気が漂う。また、ミニスカートの上に白衣をまとったセクシーな姿も披露している。
主人公はサイボーグであり、ヘンリーの主観以外は一切排除され、ひたすらに敵を倒し、炎上するバスから脱出し、謎の組織を率いる男エイカンを倒すために失踪する。
面白いのは客観ショット抜きで次々と突拍子もないことが、起きるせいで映画全体がナンセンス・コメディの快作のようになっていることだ。これは別に間違ったことではなく、実際に笑いを意図したシーンが多くて、音楽の使い方もおかしいし、さらには謎のミュージカルシーンまであるのだから。
クローン部隊を作って戦争をする構図、まさに「スターウォーズ」的であり、そんな中でも、逆に際立つのが何度もヘンリーの目の前に現れては、その度に扮装が違っているシャールト・コプリーの存在感。コプリー扮するジミーが、
クローンとして変幻自在のたくさんのバージョンで出て来るのは、何かの映画でみたことがあるがあ、凝った映像やアクションよりも、彼の七変化と快優ぶりの方が楽しく感じられてしまった。
どうみてもゲームのまんまじゃないのかと、だが、途中でエネルギー補充もするし、良くできたゲームそのものでも、エンディングできちんとクリアできるあたりは、丁寧な作品なんですが、やっぱり、どうみてもB級止まりですかね。
それにしてもカメラワークといい、バックミュージックといい、観ていてつい引き込まれてしまう。お気に入りの音楽は、クィーンの「Don’t stopme now」のソロギターに合わせて敵のサイボーグ軍団をなぎ倒し、エンディングには「For the kill」が高らかに流れるところがかっこよかった。
2017年劇場鑑賞作品・・・76アクション・アドベンチャーランキング
あらすじ:見知らぬ研究施設で目を覚ましたヘンリーは、妻エステル(ヘイリー・ベネット)が、大事故によって肉体が激しく損傷してしまった自分に機械でできた腕と脚を取り付け、声帯摘出の準備を進めているのを目にする。だが、手術に取り掛かろうとしたとき、謎の組織を率いる男エイカン(ダニーラ・コズロフスキー)が乱入。すさまじいパワーで施設を破壊した上に、エステルを連れ去ってしまう。ヘンリーは機械のパーツを導入したことで得た超人的身体能力を活用し、愛する妻をエイカンから奪い返そうと立ち上がるが……。
<感想>全編一人称視点のカメラで、次々と襲い掛かって来る敵を撃って、撃って撃ちまくる。ハンドガンにライフル、ガトリングガンとあらゆる銃器をぶっ放し、人体破損も見せ場と心得て、画面を死屍累々にしていくシーンも見事。
ですが、それだけを延々と続けられると、逆に弛緩状態に陥っていき、刺激的なものでなくなる。情け容赦なく銃をぶっ放す主人公は、一言も口をきかない。だから、全編殺しのP.O.V.映画。画像だけを見ればシューティング・ゲームをそのまま映画にしたような作品のようにも思える。
それにしても、冒頭でのエステル役のヘイリー・ベネット熱演の色っぽいシーンが、ぱっとせずに、後で分かるのだが、ヘンリーの妻ではなく敵のエイカンの妻であることが分かる展開。
演じているのが、「マグニフィセント・セブン」など話題作への出演が続くハリウッド期待の若手女優ヘイリー・ベネット。場面写真は、ベネット扮するエステルが、ヘンリーの上に乗ってほほ笑むシーンを切り取っており、わずかに乱れた髪や胸元があらわな服装から色気が漂う。また、ミニスカートの上に白衣をまとったセクシーな姿も披露している。
主人公はサイボーグであり、ヘンリーの主観以外は一切排除され、ひたすらに敵を倒し、炎上するバスから脱出し、謎の組織を率いる男エイカンを倒すために失踪する。
面白いのは客観ショット抜きで次々と突拍子もないことが、起きるせいで映画全体がナンセンス・コメディの快作のようになっていることだ。これは別に間違ったことではなく、実際に笑いを意図したシーンが多くて、音楽の使い方もおかしいし、さらには謎のミュージカルシーンまであるのだから。
クローン部隊を作って戦争をする構図、まさに「スターウォーズ」的であり、そんな中でも、逆に際立つのが何度もヘンリーの目の前に現れては、その度に扮装が違っているシャールト・コプリーの存在感。コプリー扮するジミーが、
クローンとして変幻自在のたくさんのバージョンで出て来るのは、何かの映画でみたことがあるがあ、凝った映像やアクションよりも、彼の七変化と快優ぶりの方が楽しく感じられてしまった。
どうみてもゲームのまんまじゃないのかと、だが、途中でエネルギー補充もするし、良くできたゲームそのものでも、エンディングできちんとクリアできるあたりは、丁寧な作品なんですが、やっぱり、どうみてもB級止まりですかね。
それにしてもカメラワークといい、バックミュージックといい、観ていてつい引き込まれてしまう。お気に入りの音楽は、クィーンの「Don’t stopme now」のソロギターに合わせて敵のサイボーグ軍団をなぎ倒し、エンディングには「For the kill」が高らかに流れるところがかっこよかった。
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