Quantcast
Channel: パピとママ映画のblog
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命★★★

$
0
0
「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンがジャッキーことジョン・F・ケネディ大統領夫人、ジャクリーン・ケネディを演じた伝記ドラマ。大統領暗殺から葬儀までの4日間に焦点を当て、悲しみと混乱の中で気丈に振る舞い、自ら国葬を取り仕切るジャッキーの思いと執念を描き出していく。共演はピーター・サースガード、グレタ・ガーウィグ、ジョン・ハート。監督は「NO」のパブロ・ラライン。
あらすじ:1963年11月22日、ジョン・F・ケネディ大統領がテキサス州ダラスでのパレード中に狙撃され、命を落とす。悲しみに暮れるファーストレディ、ジャッキーを待っていたのは、新大統領に就任するジョンソン副大統領への引き継ぎや葬儀の準備、さらには幼い子どもたちに事実を説明するといったやらなければならないことの数々。そんな中、夫が後々まで決して忘れ去られることのない、厳かで立派な国葬を執り行うと心に誓うジャッキーだったが…。

<感想>本作では悲劇の大統領夫人という一面だけではなく、夫を失った混乱と恐怖の中で、ジャクリーン・ケネディが臨んだ「最後の使命」を描いている。その見どころは、何といってもジャッキーの声質や喋り方までを完璧に体得したナタリー・ポートマンの、殆どといってくらい形態模写のように見えた。

そのナタリー・ポートマンの芝居が、ふとした仕草や微妙に揺らぐ瞳の奥に込められた100位の意味や暗示を一つの逃すまいと彼女を追い続けるカメラは、時にはポートマンの一人芝居のように見せている。

暗殺の後、車の中でのジャッキー、シャネルのピンクのスーツを着こなして、スカートには真っ赤な血が滲みでており、暗殺の衝撃を国民の脳裏に焼き付けるために、彼女は血染めのスーツを着続けたのだと思う。その直後に、大統領の棺の横で、ジョンソン副大統領が大統領就任宣誓をする儀式をジャッキーも立ち会うことに。

そして葬儀や墓地に関して、閣僚やケネディ家のお墓に埋葬するのに、その意向に反してジャッキーは、アーリントン墓地に埋葬する旨を弟の司法長官ボビーに伝え、国葬にしてもリンカーン大統領と同じようにと、馬車や車に、自分も夫の棺の横を歩いて国葬を行うということになる。

それでも、彼女がケネディとの日々を「キャメロット」というレコードを大音量でかけて夫の不在とダンスを踊った思い出を懐かしみ、悲しむシーンに胸を突かれた。

ホワイトハウスをジャッキーが案内するTV番組の完全再現ぶりは、観ていて歴代の大統領官邸だった部屋を、総模様替えをすると言う浪費家というか、税金の無駄遣いをしているように思えた。ですが、後半の葬儀の模様と共に、本作の本気度が伝わってくるのが分かる。

彼女の息をするタイミングを逸するほど、彼女の芝居に吸い寄せられのは確かですが、こういう実在の人物を描いた作品としては、「クィーン」のエリザベス女王を演じたヘレン・ミレンにしても、「マーガレット・サッチャー」のメリル・ストリープにしても、その実在の人物に成りきって演技を見事にした功績で、アカデミー賞を獲得している。

ケネディ大統領暗殺前後のジャッキー夫人の物語にもかかわらず、事件の当事者であるケネディ大統領が殆ど登場しないことからも、あくまでもひとりの女性の内面の葛藤劇として描こうとしているようにもとれた。弟の司法長官ボビー役には、ピーター・サースガードが扮して、秘書のナンシーには、「フランシス・ハ」のグレタ・ガーウィグが、ジャッキーの子供たちの世話をしているのが目に焼き付いた。

そんな中で、葬式の式典の話をジャッキーと語らう神父を演じた故ジョン・ハートが、ジャッキーに温かい言葉で励まし、さすがの存在感を示しているのが良かった。

2017年劇場鑑賞作品・・・75アクション・アドベンチャーランキング

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

Trending Articles