秋吉理香子の同名ミステリー小説を、NHK連続テレビ小説「まれ」の清水富美加と「MARS ただ、君を愛してる」の飯豊まりえのダブル主演で実写映画化。聖母マリア女子高等学院で、経営者の娘にして全校生徒の憧れの存在である白石いつみが、校舎の屋上から謎の転落死を遂げた。彼女の手には、なぜかすずらんの花が握られていた。真相が謎に包まれる中、いつみが主宰していた文学サークルの誰かが彼女を殺したという噂が流れる。いつみから文学サークルの会長を引き継いだ親友の澄川小百合は、「白石いつみの死」をテーマに部員たちが書いた物語を朗読する定例会を開催。部員たちはそれぞれ「犯人」を告発する作品を発表していくが……。「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」など数々のヒットアニメを手がけた岡田麿里が実写映画の脚本を初めて担当し、「百瀬、こっちを向いて。」の耶雲哉治監督がメガホンをとった。
<感想>ちょっと前に世間を賑やかしていた、新興宗教に出家するために引退すると言う清水富美加の最後の作品だというので観に行きました。観客は少な目で4人でした。ですが、彼女の演技は、NHK連続テレビ小説「まれ」を見ていなかったので、何とも言えませんが、この映画の中では主役級であり、他の女優さんと比べるとダントツに上手かったと思います。
この映画の物語は、死んだ女子高生“いつみ“を巡る5人の女子高生たちの、キャラクターのアザとさは、いくらタイトルに「暗黒」とあっても笑ってしまうほどであり、次々と種明かしをされる幼稚で邪悪な脅し合い合戦になっていて、陰湿なゲームのようにもとれた。
驚愕のラスト24分の、衝撃のどんでん返しとやらを楽しみに観ていたので、やっぱりなぁという、確かに驚くべきものだったに違いないが、サークルの5人の仲間の騙し合いというか、結局は死んでしまったこの文学サークルの発起人である、セレブ女子高の経営者の娘である白石いつみが一番の「愚行」であり、後の5人の弱みを握った主催者のいつみが、先生である千葉雄大と恋愛関係になり、妊娠をしてしまい子供の名前を“すずらん”という名前まで付けていたという。
その妊娠が理事長である父親にバレてしまい、お腹の子供を中絶させられて、先生は辞めさせられてしまう。だから彼女の死は、その先生との恋愛がダメになってしまったことへの自殺なのかと思ってしまった。屋上から飛び降りるシーンも見せられるも、花壇の中に落ちたいつみの遺体が、手にすずらんを握って静かに眠るように、あまりにも綺麗で変でしたから。
女子高生5人の小説というか、作文とでもいうのか日記みたいなのを朗読する場面で、それぞれの回想シーンが盛り込まれ、その5人の「愚行録」を連想させるイヤミス映画になっているようだ。それぞれが、罪を犯している女子高生たちの、種明かしされるたびに驚く。
貧乏な二谷美礼がこの学校に入れたのは、確かに理事長の娘のいつみの介添えがなかったら入れなかった。老人ホームで爺さんをトイレに連れて行き、2万円を貰って不純な行為をしていたとは、それに、料亭の小南あかねも、自分が料亭に放火して、腕に火傷を負い気の毒な女になるのを、いつみに覗かれていたとは。その他のメンバーにもいろいろな「愚行録」がありますから。
女子高生の文学サークルのそれなりの美少女たちも、天井のシャンデリアといい、裕福な読書家の書斎を思わせる部屋も、いわばビジュアル的なコケオドシであり、正体を暴露するための仕掛けっていうのだから空々しいですよ。
ラストで種明かしされる、次期文学サークルの長になるさゆりを演じた、清水富美加の毒女ぶりにも驚かされ、いつみは自殺をしていなくて先生と結婚するため学校をやめたと言うことで、結局は“すずらん”を入れた飲み物で、さゆりがいつみを殺害したことになる。
あまりのどんでん返しで、パブリックなイメージとは異なる現実の、暗黒の女子の一面が脳裏をよぎり、物語を先読みしてしまうのも痛恨の極みであり、あらゆる意味では、今観る映画だとも言えるでしょうね。
2017年劇場鑑賞作品・・・79アクション・アドベンチャーランキング
<感想>ちょっと前に世間を賑やかしていた、新興宗教に出家するために引退すると言う清水富美加の最後の作品だというので観に行きました。観客は少な目で4人でした。ですが、彼女の演技は、NHK連続テレビ小説「まれ」を見ていなかったので、何とも言えませんが、この映画の中では主役級であり、他の女優さんと比べるとダントツに上手かったと思います。
この映画の物語は、死んだ女子高生“いつみ“を巡る5人の女子高生たちの、キャラクターのアザとさは、いくらタイトルに「暗黒」とあっても笑ってしまうほどであり、次々と種明かしをされる幼稚で邪悪な脅し合い合戦になっていて、陰湿なゲームのようにもとれた。
驚愕のラスト24分の、衝撃のどんでん返しとやらを楽しみに観ていたので、やっぱりなぁという、確かに驚くべきものだったに違いないが、サークルの5人の仲間の騙し合いというか、結局は死んでしまったこの文学サークルの発起人である、セレブ女子高の経営者の娘である白石いつみが一番の「愚行」であり、後の5人の弱みを握った主催者のいつみが、先生である千葉雄大と恋愛関係になり、妊娠をしてしまい子供の名前を“すずらん”という名前まで付けていたという。
その妊娠が理事長である父親にバレてしまい、お腹の子供を中絶させられて、先生は辞めさせられてしまう。だから彼女の死は、その先生との恋愛がダメになってしまったことへの自殺なのかと思ってしまった。屋上から飛び降りるシーンも見せられるも、花壇の中に落ちたいつみの遺体が、手にすずらんを握って静かに眠るように、あまりにも綺麗で変でしたから。
女子高生5人の小説というか、作文とでもいうのか日記みたいなのを朗読する場面で、それぞれの回想シーンが盛り込まれ、その5人の「愚行録」を連想させるイヤミス映画になっているようだ。それぞれが、罪を犯している女子高生たちの、種明かしされるたびに驚く。
貧乏な二谷美礼がこの学校に入れたのは、確かに理事長の娘のいつみの介添えがなかったら入れなかった。老人ホームで爺さんをトイレに連れて行き、2万円を貰って不純な行為をしていたとは、それに、料亭の小南あかねも、自分が料亭に放火して、腕に火傷を負い気の毒な女になるのを、いつみに覗かれていたとは。その他のメンバーにもいろいろな「愚行録」がありますから。
女子高生の文学サークルのそれなりの美少女たちも、天井のシャンデリアといい、裕福な読書家の書斎を思わせる部屋も、いわばビジュアル的なコケオドシであり、正体を暴露するための仕掛けっていうのだから空々しいですよ。
ラストで種明かしされる、次期文学サークルの長になるさゆりを演じた、清水富美加の毒女ぶりにも驚かされ、いつみは自殺をしていなくて先生と結婚するため学校をやめたと言うことで、結局は“すずらん”を入れた飲み物で、さゆりがいつみを殺害したことになる。
あまりのどんでん返しで、パブリックなイメージとは異なる現実の、暗黒の女子の一面が脳裏をよぎり、物語を先読みしてしまうのも痛恨の極みであり、あらゆる意味では、今観る映画だとも言えるでしょうね。
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