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PK ピーケイ★★★

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ヒットを記録した『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラニ監督と、主演のアーミル・カーンが再び組んだヒューマンコメディー。テレビ局で働く女性が神様を探している謎の男に興味を持ったことから始まる物語を、世界中で起きている社会問題を絡めて描く。主人公のPKを熱演したアーミルが、50歳を超えたとは思えない肉体美を披露し、ヒロインを『命ある限り』などのアヌシュカ・シャルマが演じる。
あらすじ:留学先のベルギーで恋に破れ、祖国インドのテレビ局に勤務するジャグー(アヌシュカ・シャルマ)は、ある日黄色いヘルメットをかぶって大きなラジカセを持ち、さまざまな宗教の飾りを身に着け、チラシを配布する男(アーミル・カーン)と出会う。PKというその男は神様を探しているらしく、興味を持ったジャグーは彼を取材する。しかし、PKが語る話は途方もない内容で……。
「チェイス!」2014年12月5日
「きっと、うまくいく」2013年5月18日

<感想>主演をしたアーミル・カーンは、インド・ムンバイ出身。父が映画プロデューサーで、おじも監督・脚本家・プロデューサー。おじがメガホンをとった「Yaadon Ki Baaraat」(73)で子役としてデビュー。主演作「きっと、うまくいく」(2013)はインドの歴代興行収入1位を記録した。その後の「チェイス!」(14)では裏の顔は金庫破りで、サーカス団ではマジックとダンスを融合させたゴージャスなショーを披露している。

この作品の冒頭で、雲に隠れて巨大な宇宙船で地球に飛来したアーミル・カーンが、素っ裸で登場する。まぁ、顔は子供っぽいけど、体を鍛えているので、脱いでも筋肉モリモリで見ごたえがあります。地球の風習もまだ分からないままに、UFOを呼ぶのに必要な絶対必要なグリーン色したベンダントのリモコンを盗まれてしまい、慌てて車が揺れているところから洋服を失敬して警官に相談する。

すると、警官は「神様にでも頼んだら」と言われて神様探しに奔走するのだ。それが、日本も多いが、インドでは宗教が多くヒンドゥーのみならず、仏教やキリスト教、イスラム教など、ありとあらゆる神が溢れている宗教大国なのだ。
だから、そのインドの宗教をパロディ化するような大胆なプロット。インドの宗教観を様々な角度から見ることができる。

だからなのか、この映画の中でも歌と踊りに、いつものポリウッドらしい映像がいくらか入っている。だが、それほど目障りではない。この歌と踊りを楽しみにしている観客もいる分けだしね。

しかし、彼が宇宙人であることが最初から分かっているので、まばたきもせずギョロメで、だから目が充血しているし、口の中に何か入れているような、そんなに頭のいいエイリアンではない。

無知で余りのバカさ加減に、観ていてイライラさせられるし、主人公が神様探しに一生懸命なのは分かるが、PKと対立するのは、ヒンドゥー教の新興宗教的一派の導師である。インドには、宗教を商売にしている人は何千人といる。人々の恐怖心に付け込み、信仰心を利用して金を儲けている人たちですね。そういうエセ宗教者も追及したという監督。

それぞれの宗教が自分たちの神様が一番だと主張すると、そこに争いが生じてくる。宗教の名のもとに、いかに人間が殺されてきたか、ということも訴えようとしている。

「神と交信ができる」と自称する宗教家と対決するようになっていく後半の展開は、それが、その宗教家の持っている盗まれたグリーンの交信機(リモコン)を取り戻したいために、TV局の女ジャグーに頼んで宗教家と対決することになる。

人々の願いは神様に届いておらず、宗教家が伝える神様の言葉は「間違い電話」だと言い切る。創造主たる本物の神のほかに、人間が創り出して、お金を貢がないといけない偽の神がいるのだと。人間は誰しもが間違い電話を繰り返す。宇宙と神様を巡る物語が、最後には地球に住んでいる人間の物語になるということ。

この作品の中では、宗教問題に重ねて、インド人女性ジャグーと、パキスタン人青年サルファラーズの恋も描いており、インドとパキスタンの関係にも踏み込んでいるのですね。
ヒロインのジャグーが結婚しようとした彼氏が、パキスタン人で宗教も違うしで、結局は別れがきたと決めつけているヒロインのジャグー。でも、男の方は、諦めていなく、パキスタンの大使館に彼女から電話があったら知らせてくれと何度も電話が入っており、それも何年間も諦めずに彼女からの電話を待っていたなんて。

2人の恋物語は感動的なラストを迎え、PKはリモコンを取り返して自分の星へ帰るのだが、別の宇宙人(イケメンで筋肉モリモリの男性)数人を連れてまた地球に戻って来る。まるで地球へ観光旅行みたいに、ツアーを組んでいるのだ。これは続編への伏線かもしれませんね。

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