人気芥川賞作家の北杜夫が自身をモデルにした冴えない“おじさん”を主人公に綴る同名ユーモア児童文学を、「天然コケッコー」「もらとりあむタマ子」の山下敦弘監督が「舟を編む」「モヒカン故郷に帰る」の松田龍平を主演に迎えて映画化。兄夫婦の家に居候する自称・哲学者のおじさんが、しっかり者の甥っ子・雪男とともに意中のマドンナを追ってハワイで繰り広げる珍道中の行方をハート・ウォーミングに描く。共演は雪男役の大西利空のほか、真木よう子、戸次重幸、寺島しのぶ、宮藤官九郎。
<感想>おじさんと小学生のバディムービーであり、主人公の「ぼく」は、春山雪男、小学4年生。身の回りの大人についてというテーマの作文に頭を悩ませていた小学生の雪男は、お父さんでもお母さんでもなく、居候している父の弟、自称哲学者の“おじさん”を選んだ。そして、松田龍平扮するおじさんは、大学で非常勤講師をしているが、授業は週に1度で1コマだけ。家では万年床でゴロゴロしている怠け者。しかもケチで運動音痴でケチで貧乏なくせにやたら理屈っぽい男なのだ。そんなおじさんは、屁理屈ばかりこねているから、雪男の母からはあからさまに毛嫌いされていた。
このお母さん役には、寺島しのぶさんが扮しており、お父さんには宮藤官九郎が口髭を付けている。それに、学校の先生には戸田恵梨香が、ハワイのコーヒー農園をしている娘エリーには真木よう子が扮している、その恋人には、老舗の和菓子屋の若旦那に戸次重幸が、その他にもキムラ緑子らベテラン陣が顔を揃えている。
面白いのが、働く意欲のなく甲斐性のないおじさんに、ある日のこと縁談が持ち込まれる。せっかちで世話好きな智子おばさんの強引な誘いによって、ハワイに住んでいる日系四世の女性カメラマンの写真展を見にいくことになる。
都内のギャラリーで、写真展に行くのだが、母から言われた手土産を買いに、中々手に入らない人気の和菓子(もの凄い行列でした)を持参したおじさんと雪男くんが、画廊の経営者である智子おばさんを見つける。
このキムラ緑子さん扮する智子おばさんは、みんながちょっと苦手なやり手の親戚のおばさん像を完璧にこなしているのだ。おじさんの手土産を目ざとく見つけて、すかさず有名店の袋をパット取ってしまう、その動きの素早さもさることながら、実はこの有名和菓子屋の若旦那が後々の展開で絡んで来るのだから。
そのギャラリーで、ハワイでコーヒー農園をやっているエリーの真木よう子と出会い、おじさんは一目惚れしてしまうんですから。ハワイに行くために、懸賞が付いているビールにコーラをたくさん買い込んで、毎日飲んではハガキで応募するという途方もないやり方。何もしてないのだから、小説を書くとか、どこかアルバイトに行くとかすればいいのに。
いつになったらハワイへ行けるのだろうと思っていたら、雪男の書いた作文を先生が全国作文コンクールに出してくれて、それが金賞を取ったのだ。それに副賞としてハワイ旅行が付いて来たというわけ。
ルンルン気分でいざ、ハワイへ行くも、コーヒー農園へ行くのに英語が話せない頼りないおじさんでは、エリーさんのところへ行けないね。クスッと笑ってしまうような“おじさん”の絶妙なリアクションの松田龍平に癒されます。
コーヒー農園では、おじさんが自分から率先してコーヒー豆の収穫に奮闘するのかと思いきや、熱射病で倒れてしまう。それに、たばこが欲しいとあちこち尋ねるも、ハワイの人が勘違いをしてマリハナを渡してしまい、そこへ警察が乗り込んできて逮捕されてしまう。
まったく、戦力にならないおじさんを見かねて、こりゃエリーさんとの恋も実らないと察してしまう雪男。それに、エリーさんの寝室には、あの和菓子屋の若旦那と一緒に仲良く撮った写真が飾られていたのだろう、伏せてあった。
その若旦那の青木伸介が、自分の店を弟に任せて、自分はエリーと結婚したいとハワイへやって来るのだ。そして、おじさんと恋人の伸介との喧嘩とか、しかし、エリーと伸介は愛し合っているので、仲直りというか目出度しで終わってしまう。
それでは、おじさんが可愛そうだと思うでしょうが、学校の山田先生の戸田恵梨香が、おじさんに興味を持ち始めて付き合いたいと言ってきたんですからね。こちらも、良い感じな終わり方でしたね。
子役の雪男役の大西利空くんの演技の巧さと、松田龍平の、のほほんとした優しさを満面に浮かべた顔に、想像を遥かに超える楽しい作品でした。
2016年劇場鑑賞作品・・・237映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
<感想>おじさんと小学生のバディムービーであり、主人公の「ぼく」は、春山雪男、小学4年生。身の回りの大人についてというテーマの作文に頭を悩ませていた小学生の雪男は、お父さんでもお母さんでもなく、居候している父の弟、自称哲学者の“おじさん”を選んだ。そして、松田龍平扮するおじさんは、大学で非常勤講師をしているが、授業は週に1度で1コマだけ。家では万年床でゴロゴロしている怠け者。しかもケチで運動音痴でケチで貧乏なくせにやたら理屈っぽい男なのだ。そんなおじさんは、屁理屈ばかりこねているから、雪男の母からはあからさまに毛嫌いされていた。
このお母さん役には、寺島しのぶさんが扮しており、お父さんには宮藤官九郎が口髭を付けている。それに、学校の先生には戸田恵梨香が、ハワイのコーヒー農園をしている娘エリーには真木よう子が扮している、その恋人には、老舗の和菓子屋の若旦那に戸次重幸が、その他にもキムラ緑子らベテラン陣が顔を揃えている。
面白いのが、働く意欲のなく甲斐性のないおじさんに、ある日のこと縁談が持ち込まれる。せっかちで世話好きな智子おばさんの強引な誘いによって、ハワイに住んでいる日系四世の女性カメラマンの写真展を見にいくことになる。
都内のギャラリーで、写真展に行くのだが、母から言われた手土産を買いに、中々手に入らない人気の和菓子(もの凄い行列でした)を持参したおじさんと雪男くんが、画廊の経営者である智子おばさんを見つける。
このキムラ緑子さん扮する智子おばさんは、みんながちょっと苦手なやり手の親戚のおばさん像を完璧にこなしているのだ。おじさんの手土産を目ざとく見つけて、すかさず有名店の袋をパット取ってしまう、その動きの素早さもさることながら、実はこの有名和菓子屋の若旦那が後々の展開で絡んで来るのだから。
そのギャラリーで、ハワイでコーヒー農園をやっているエリーの真木よう子と出会い、おじさんは一目惚れしてしまうんですから。ハワイに行くために、懸賞が付いているビールにコーラをたくさん買い込んで、毎日飲んではハガキで応募するという途方もないやり方。何もしてないのだから、小説を書くとか、どこかアルバイトに行くとかすればいいのに。
いつになったらハワイへ行けるのだろうと思っていたら、雪男の書いた作文を先生が全国作文コンクールに出してくれて、それが金賞を取ったのだ。それに副賞としてハワイ旅行が付いて来たというわけ。
ルンルン気分でいざ、ハワイへ行くも、コーヒー農園へ行くのに英語が話せない頼りないおじさんでは、エリーさんのところへ行けないね。クスッと笑ってしまうような“おじさん”の絶妙なリアクションの松田龍平に癒されます。
コーヒー農園では、おじさんが自分から率先してコーヒー豆の収穫に奮闘するのかと思いきや、熱射病で倒れてしまう。それに、たばこが欲しいとあちこち尋ねるも、ハワイの人が勘違いをしてマリハナを渡してしまい、そこへ警察が乗り込んできて逮捕されてしまう。
まったく、戦力にならないおじさんを見かねて、こりゃエリーさんとの恋も実らないと察してしまう雪男。それに、エリーさんの寝室には、あの和菓子屋の若旦那と一緒に仲良く撮った写真が飾られていたのだろう、伏せてあった。
その若旦那の青木伸介が、自分の店を弟に任せて、自分はエリーと結婚したいとハワイへやって来るのだ。そして、おじさんと恋人の伸介との喧嘩とか、しかし、エリーと伸介は愛し合っているので、仲直りというか目出度しで終わってしまう。
それでは、おじさんが可愛そうだと思うでしょうが、学校の山田先生の戸田恵梨香が、おじさんに興味を持ち始めて付き合いたいと言ってきたんですからね。こちらも、良い感じな終わり方でしたね。
子役の雪男役の大西利空くんの演技の巧さと、松田龍平の、のほほんとした優しさを満面に浮かべた顔に、想像を遥かに超える楽しい作品でした。
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