真鍋昌平の人気コミックスを山田孝之主演で実写化した人気シリーズの劇場版第3弾。原作の“フリーエージェントくん編”と“中年会社員くん編”を基に、違法な高金利で金を貸す闇金業者・丑嶋(ウシジマ)が見届ける、欲望に飲み込まれていくダメ人間たちの非情な運命を描き出す。共演は綾野剛、本郷奏多、藤森慎吾、浜野謙太。監督は引き続き山口雅俊。
あらすじ:今日も高金利で金を貸す金融屋「カウカウファイナンス」の丑嶋馨(山田孝之)。フリーターの沢村真司(本郷奏多)は偶然知り合ったモデルのりな(白石麻衣)にあおられて、ネットで1秒間に1億円を稼ぐという天生翔(浜野謙太)のビジネスに身を投じ、カウカウファイナンスを巻き込んだある計画を考える。一方、サラリーマンの加茂守(藤森慎吾)は妻帯者でありながら遊ぶ金欲しさにカウカウファイナンスで借金を重ね……。美人キャバ嬢・花蓮に入れあげ、ズブズブと闇金の底なし沼にハマっていく…。
<感想>ただでさえ丑嶋馨(山田孝之)の出番が少ないのに、2本もあるなんんてね。今回も変わらずの「闇金ウシジマくん」です。で、本作では派遣の仕事で食いつなぐ真司(本郷奏多)が、誰でも稼げるという塾を主宰とするネット長者の天生翔(浜野謙太)の広告を見て、半信半疑でセミナーに出席。人生一発逆転を狙って、億単位のマネーゲームに巻き込まれてゆくという。
つまりはマルチ商法に引っ掛かったバカ者です。真司の父親の大杉漣が言う言葉「地道にコツコツ働かないでどうする。」に、今の若者には解らないでしょうから。何も考えずに簡単に借金をして、没落してく様を描いた群像劇です。
借りた金は返さなければならなく、そのことを良く考えずに10日に5割の利子で、どんどんと借金が増えてゆく様がこの映画の見どころ。結局は、返せなくて自分の首を自分で絞めてしまうという愚か者のお話しです。
マネーゲームに於いては、人は「自分だけは損しない」と信じて疑わないもの。このシリーズでは、金に人生を左右される多様な人々を描いているが、観ている側もどこか他人事で「自分だけはそうならない」と信じて疑わない。現実世界でも本作と同じように、検索サイトの隅で大金獲得を謳う怪しげな広告が、人々の欲望を誘惑しているというのに。
一方では、美人のキャバ嬢を落としたいサラリーマンの加茂守(藤森慎吾)は、カウカウファイナンスで金を借りまくって、店に通い続けるが、・・・。この役にぴったりのチャラ男の藤森慎吾でした。
いつものように、お金によって踊らされる「闇金ウシジマくん」シリーズの面白さは、現実を映して鏡にした金をめぐる人間模様であり、キレイごとは一切なしで、何より闇金“カウカウファイナンス”の社長ウシジマのブレない姿勢が小気味いいんですね。
演じる山田孝之の個々とした事情などはまったく関知しないビジネスライクな冷酷ぶり。闇金に駆け込んでくる人たちが、欲に舞い上がって足元を見ない人ばかりで、そのツケで大怪我をするのも、反面教師的で納得できるのだ。最後の最後に仕掛けるウシジマの、大岡裁きは今回もスカットしますからね。
この第3作目では、高額アフィリエイトを題材に、デフレやインフレの仕組みを学べるだけでなく、金を稼ぐことのあり方に対する是非を再確認させるのも一興ですな。
それだからこそ、惜しいデキというべきか、面白くなかったと言いたいが、それは「怒り」に続いて水澤紳吾が素晴らしかった。脇役であればあるほどにそいつが場をさらって行く存在感があり、逆に中心的な人物には、観る甲斐がないということになっている。
罰ゲームの債務者の児嶋一哉や同業者の高橋メアリージュンとか、端役の方こそが描こうとする世界にシンクロして、無意識的に俳優たちに救われていると感じた。
それでも、次作の「ザ・ファイナル」は丑嶋馨の過去が観れる物語だというので、彼が何故にこんな人になったのだろう。何故にこんな人が出来上がったのだろう、という興味はありますよね。
2016年劇場鑑賞作品・・・209映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:今日も高金利で金を貸す金融屋「カウカウファイナンス」の丑嶋馨(山田孝之)。フリーターの沢村真司(本郷奏多)は偶然知り合ったモデルのりな(白石麻衣)にあおられて、ネットで1秒間に1億円を稼ぐという天生翔(浜野謙太)のビジネスに身を投じ、カウカウファイナンスを巻き込んだある計画を考える。一方、サラリーマンの加茂守(藤森慎吾)は妻帯者でありながら遊ぶ金欲しさにカウカウファイナンスで借金を重ね……。美人キャバ嬢・花蓮に入れあげ、ズブズブと闇金の底なし沼にハマっていく…。
<感想>ただでさえ丑嶋馨(山田孝之)の出番が少ないのに、2本もあるなんんてね。今回も変わらずの「闇金ウシジマくん」です。で、本作では派遣の仕事で食いつなぐ真司(本郷奏多)が、誰でも稼げるという塾を主宰とするネット長者の天生翔(浜野謙太)の広告を見て、半信半疑でセミナーに出席。人生一発逆転を狙って、億単位のマネーゲームに巻き込まれてゆくという。
つまりはマルチ商法に引っ掛かったバカ者です。真司の父親の大杉漣が言う言葉「地道にコツコツ働かないでどうする。」に、今の若者には解らないでしょうから。何も考えずに簡単に借金をして、没落してく様を描いた群像劇です。
借りた金は返さなければならなく、そのことを良く考えずに10日に5割の利子で、どんどんと借金が増えてゆく様がこの映画の見どころ。結局は、返せなくて自分の首を自分で絞めてしまうという愚か者のお話しです。
マネーゲームに於いては、人は「自分だけは損しない」と信じて疑わないもの。このシリーズでは、金に人生を左右される多様な人々を描いているが、観ている側もどこか他人事で「自分だけはそうならない」と信じて疑わない。現実世界でも本作と同じように、検索サイトの隅で大金獲得を謳う怪しげな広告が、人々の欲望を誘惑しているというのに。
一方では、美人のキャバ嬢を落としたいサラリーマンの加茂守(藤森慎吾)は、カウカウファイナンスで金を借りまくって、店に通い続けるが、・・・。この役にぴったりのチャラ男の藤森慎吾でした。
いつものように、お金によって踊らされる「闇金ウシジマくん」シリーズの面白さは、現実を映して鏡にした金をめぐる人間模様であり、キレイごとは一切なしで、何より闇金“カウカウファイナンス”の社長ウシジマのブレない姿勢が小気味いいんですね。
演じる山田孝之の個々とした事情などはまったく関知しないビジネスライクな冷酷ぶり。闇金に駆け込んでくる人たちが、欲に舞い上がって足元を見ない人ばかりで、そのツケで大怪我をするのも、反面教師的で納得できるのだ。最後の最後に仕掛けるウシジマの、大岡裁きは今回もスカットしますからね。
この第3作目では、高額アフィリエイトを題材に、デフレやインフレの仕組みを学べるだけでなく、金を稼ぐことのあり方に対する是非を再確認させるのも一興ですな。
それだからこそ、惜しいデキというべきか、面白くなかったと言いたいが、それは「怒り」に続いて水澤紳吾が素晴らしかった。脇役であればあるほどにそいつが場をさらって行く存在感があり、逆に中心的な人物には、観る甲斐がないということになっている。
罰ゲームの債務者の児嶋一哉や同業者の高橋メアリージュンとか、端役の方こそが描こうとする世界にシンクロして、無意識的に俳優たちに救われていると感じた。
それでも、次作の「ザ・ファイナル」は丑嶋馨の過去が観れる物語だというので、彼が何故にこんな人になったのだろう。何故にこんな人が出来上がったのだろう、という興味はありますよね。
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