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カルテル・ランド ★★★・5

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キャスリン・ビグローが製作総指揮を務め、第88回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた衝撃作。メキシコ麻薬戦争の最前線にカメラを持ち込み、自ら武器を手に麻薬組織と全面抗争を繰り広げる自警団の活動に密着し、その戦慄の実態を赤裸々に映し出していく。監督はマシュー・ハイネマン。メキシコ・ミチョアカン州。そこでは麻薬カルテル“テンプル騎士団”が街を支配し、多くの一般市民が彼らの犯罪に巻き込まれ命を落としている。政府や警察は当てにならず、ついに一人の町医者ホセ・ミレレスが立ち上がった。彼は市民に呼びかけ、自ら銃を手に自警団を結成すると、カルテルに敢然と立ち向かっていった。やがてその活動は大きな成果を挙げ、組織も急速に拡大していくのだったが…。

<感想>よくぞ撮ったと思うシーンが残酷すぎて、命がけで撮影したんでしょね。物語もちゃんと完結しているし、綺麗なオチが用意されているしで。フェイクドキュメンタリーかと疑うくらい良くデキたストーリーになっていた。
まずは、オープニングから凄いんです。麻薬の製造シーンとか、真夜中の野原で作っているんですよ、これが。

ドラム缶に石油みたいな液体を入れて、白い粉を入れると暫くするとモワ~っと煙が出てくる。作っている人たちはTシャツをマスク代わりに被っているだけで、とにかくズサンなんです。それが覚せい剤になると思うと恐ろしくなってくる。
怖いのが麻薬カルテルのテンプル騎士団。悪玉そのものであり、農園に上納金を納めろって来て、収めないと子供を岩に打ち付けて、井戸に突き落として殺すとかする。他にも、バラバラ死体が散乱する穴の中で、女性を強姦したりとか。
しかも、その被害者を生き証人として生かしておくんですからね。少しの善意もない。つまりは都市伝説になっていくからなんでしょうね。

それに、麻薬カルテルに対抗するのが、町医者のミレレス。確かにカリスマ性はあるのだが、体がデカくてスピーチが上手いし、行動力がある。「殺されるのを待つか、銃を持って戦うか、決める時がきた。俺は戦って死ぬ」といい、まるで西部劇のガンマンみたいなことをいい自警団を結成するわけ。
それで、カルテルが占領した村を奪い返すために戦うのだが、自警団と村人たちが一体になる瞬間は、とにかく感動しました。ですが、そこへ騒ぎを知った軍隊が村へとやってくるが、自警団には軍隊は味方をしないのだ。
何故かと言うと、テンプル騎士団に占領された村に、自警団が踏み込んでいく。そこへ軍隊も来て、自警団たちに「武器をよこせ」と言うのだ。すると村人は、教会の鐘を鳴らし、あちこちから棒やナタを持った村人たちが集まってきて、軍隊に向かって「腐った政府のイヌが」と言い「自警団に武器を返せ」と軍隊を追い返すのである。このシーンはミレレスがヒーローになった瞬間ですから。

ですが、その後に、ミレレスは悲惨の一途を辿っていくわけ。つまりは、世間から脚光を浴びた自警団が大きくなっていくから。
そうなると、チームの統制も取れなくなり、中には盗人はでてくるし、警察と組もうとする人も出てくる。それでもミレレスは少人数でガンバッていくのですが、後半部分では切なさが感じられます。
結局は、ミレレスは麻薬カルテルだけじゃなく、警察、軍隊、そしてかつての仲間たちからも命を狙われてしまう。最後、彼は死んだのかと思っていたら、刑務所の中にいました。ですが、ミレレスの悪いところが途中で見せつけられます。医者なのに、患者を見ないし、若い女といちゃつくし、だらしない男。
それでも、これがドキュメンタリーなんだから、凄いもんてなもんじゃない。これを撮影したカメラマンが凄いと思った。それに音楽と構成かな。
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