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エスコバル/楽園の掟 ★★★

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コロンビアの麻薬密売組織メデジン・カルテルの創設者であるパブロ・エスコバルの光と闇に迫る犯罪ドラマ。世界的な富豪にまでなった伝説の男が築き上げたファミリーの栄光と、その背後に隠された過酷な犯罪の実態をあぶり出す。『チェ』シリーズなどの名優ベニチオ・デル・トロが麻薬王を怪演。犯罪者でありながらもいまだに地元で人気を誇るエスコバルが見せる表と裏の顔に衝撃が走る。
あらすじ:サーファーのカナダ人ニック(ジョシュ・ハッチャーソン)は兄が暮らすコロンビアを訪問し、美貌の女性マリア(クラウディア・トライサック)と出会う。たちまち二人は恋に落ち、やがてニックはマリアが慕う叔父パブロ・エスコバル(ベニチオ・デル・トロ)に紹介される。だが、国会議員として人気を集め、資産家でもあるパブロにはもう一つの顔があり……。

<感想>実在したコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルを、ベニチオ・デル・トロが演じる犯罪アクション。カナダ人のニックという青年が姪のマリアと恋に落ちるという設定は架空の物語らしいが、何やら逃避行を企てている男女のところへ、呼び出しがかかる冒頭の暗さから、一転して3年前にさかのぼり、陽光のもとコロンビアへ働きに来たカナダ人青年兄弟と、土地の女性との出会いが語られる。

何とも愚鈍な手法だが、その分かりやすさは悪くはない。実際に、女性の伯父である麻薬王の裏表が徐々に見え初め辺りから、とりわけボニーとクライドが銃撃された車にニックを乗せてパブロがニックを仲間に入れる。もう、この辺りからして観客が虜にされていくのだ。
そして、冒頭の自制に戻り、同行者として15歳の少年が父親の代わりに現れ、洞窟まで案内をし、ダイナマイトで穴を塞ぐ手際よさに驚く。それに、運んだ荷物は、ダイヤモンドと麻薬だろう。

青年ニックが、15歳で妻子持ちという彼を不憫に思い殺すのをためらいパブロに電話をする。もうこの辺から怪しい匂いがプンプンし始めて、青年ニックは殺されてしまうと思ってしまう。15歳の少年を家まで送り届け、同業者としての父親が現れてからは不条理な銃撃が切迫感をあおる。

コロンビアの麻薬王エスコバルは、何故かしら「ゴッドファザー」の生き方に憧れていたそうだが、贅沢な暮らしぶりや生活スタイルもそれを模倣しているように見えた。
ベニチオ・デル・トロが体重を増加して熱演しているのだが、それほどに感情移入できないのが惜しいところ。家族愛を描き、美人の姪のマリアを可愛がりながら、物語の核心部分でその恋人ニックを、ファミリーに相応しい人物かどうか試す真似をするから残酷だ。

ニック兄弟が、浜辺で地元のチンピラに所場代をせびられ脅されていることを、エスコバルに話すと、たちまちそのチンピラを木につるし上げて焼いてしまうのだ。とにかく怖い人物だったのだろう。
笑っても怖いし、何をしてなくとも怖い。結果として、パブロに助けて貰っても、最後には兄夫婦も自分もパブロの子分たちに殺される運命なのだ。

エスコバルの誕生パーティでは、歌を妻に捧げるいい夫を見せつけて、そういう家族と戯れるような一面も持ち合わせていながら、普段の生活と地続きのテンションで非情な行為に及ぶことすら、一人の人間として矛盾のないように見えてしまうところが凄いと感じた。

そんな彼に、ニック役のジョシュ・ハッチャーソンが、オドオドしながらも追い詰められていくのは、いたたまれなく感じつつも、怖いもの見たさで目が離せないホラーの娯楽性も兼ね備えているようである。

ですが、子分たちのアウトローたちもパターンになり過ぎで、実在する人物と事件なら年代順にドキュメンタリータッチで観たかったと思った。
麻薬王パブロ・エスコバルの逮捕劇の陰に隠れるように、家族を逃がし匿い、子分たちの裏切りや、のし上がろうとする子分たちの悍ましさが描かれている。

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