過去に行った693回の精子提供を通して、ある日突然、533人の子どもの父親であることが発覚した男が巻き込まれる事態を、笑いと涙を交えて描くハートフルドラマ。
過去に「スターバック」という仮名で693回の精子提供を行い、その結果として生まれた533人の父親であることがわかった42歳の独身男ダビッド。ある日、弁護士を通じて533人のうち142人が、遺伝子上の父親の身元開示を求める訴訟を起こす予定だと知らされる。身元を明かすつもりは毛頭ないダビッドだったが、子どものうちの1人が、自分が応援するサッカーチームのスター選手であることを知ると、他の子どもたちにも興味がわきはじめ……。
多くの映画祭で高評価を得て、米国でのリメイクも進行中のヒューマン・ドラマ。監督はケン・スコット。出演:パトリック・ユアール、ジュエリー・ル・ブルトン、アントワーヌ・ベルトラン他。2011年、カナダの作品。
<感想>遺伝子上の子供が500人以上いるといっても、マスをかいて精子を700回近くも売った結果というのが、なんともおぞましい感じで、イマイチ素直に感動できなかった。甲斐性ゼロ、借金まみれ、それに恋人が妊娠しているという主人公だが、根はすんごくいいやつ。
脚本書いた人が保守的なのか、カナダって国が開けっぴろげな国なのかは分かりませんが、そんなふうにして勝手に子孫を増殖していいものなのか?・・・。提供した精子から生まれた142人の子供から、認知を求められる設定は面白いが、コメディならともかく、主人公が無造作に選んだ数人の子供に、ささやかな善行を施す天使気取りの物語。それを人生賛歌のごとく描いているのが不愉快です。
リストの中から抜き取った一人目が、イケメン青年でプロサッカー選手。我が息子でかしたと言わんばかりに、観戦にいき応援する束の間の父親気取り。次は俳優志望のこれもイケメン青年、アルバイトをしているバーに行き、オーディションの時間に遅れるというので留守番を引き受けるお人好し。その中にも、身体障害者の男の子の施設へ行き、食事の世話をする優しさも。
全員に均等の愛情を注げるわけもなく、自己満足の行動に過ぎない。精子を求めた母親たちの存在が不可欠のはずなのに、影もなく映さないし、子供たちの外見や仕草にも遺伝がほとんど感じられないのが不自然です。
それでも、誰も彼もが善人で、どこもかしこも慈愛満点なのだが、主人公の彼女の出産騒ぎに子供たちが駆け付けて、弟が出来たと喜ぶ顔が素敵です。
全人類的な問題を、一人の男に集約させた巧妙な作劇を、綺麗ごとで終わらせてしまったのも残念な気がしました。
2013年劇場鑑賞作品・・・77 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ
過去に「スターバック」という仮名で693回の精子提供を行い、その結果として生まれた533人の父親であることがわかった42歳の独身男ダビッド。ある日、弁護士を通じて533人のうち142人が、遺伝子上の父親の身元開示を求める訴訟を起こす予定だと知らされる。身元を明かすつもりは毛頭ないダビッドだったが、子どものうちの1人が、自分が応援するサッカーチームのスター選手であることを知ると、他の子どもたちにも興味がわきはじめ……。
多くの映画祭で高評価を得て、米国でのリメイクも進行中のヒューマン・ドラマ。監督はケン・スコット。出演:パトリック・ユアール、ジュエリー・ル・ブルトン、アントワーヌ・ベルトラン他。2011年、カナダの作品。
<感想>遺伝子上の子供が500人以上いるといっても、マスをかいて精子を700回近くも売った結果というのが、なんともおぞましい感じで、イマイチ素直に感動できなかった。甲斐性ゼロ、借金まみれ、それに恋人が妊娠しているという主人公だが、根はすんごくいいやつ。
脚本書いた人が保守的なのか、カナダって国が開けっぴろげな国なのかは分かりませんが、そんなふうにして勝手に子孫を増殖していいものなのか?・・・。提供した精子から生まれた142人の子供から、認知を求められる設定は面白いが、コメディならともかく、主人公が無造作に選んだ数人の子供に、ささやかな善行を施す天使気取りの物語。それを人生賛歌のごとく描いているのが不愉快です。
リストの中から抜き取った一人目が、イケメン青年でプロサッカー選手。我が息子でかしたと言わんばかりに、観戦にいき応援する束の間の父親気取り。次は俳優志望のこれもイケメン青年、アルバイトをしているバーに行き、オーディションの時間に遅れるというので留守番を引き受けるお人好し。その中にも、身体障害者の男の子の施設へ行き、食事の世話をする優しさも。
全員に均等の愛情を注げるわけもなく、自己満足の行動に過ぎない。精子を求めた母親たちの存在が不可欠のはずなのに、影もなく映さないし、子供たちの外見や仕草にも遺伝がほとんど感じられないのが不自然です。
それでも、誰も彼もが善人で、どこもかしこも慈愛満点なのだが、主人公の彼女の出産騒ぎに子供たちが駆け付けて、弟が出来たと喜ぶ顔が素敵です。
全人類的な問題を、一人の男に集約させた巧妙な作劇を、綺麗ごとで終わらせてしまったのも残念な気がしました。
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