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花とアリス ★★★.5

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親友同士の女の子2人が、記憶喪失になった一人の青年をめぐって繰り広げる奇妙な三角関係を描いた青春ラブ・コメディ。監督は、「スワロウテイル」「リリイ・シュシュのすべて」の岩井俊二。もともとインターネットで配信された同名の短編ドラマを映画化。主演は「Returner」の鈴木杏と「リリイ・シュシュのすべて」の蒼井優。クライマックスのバレエシーンを含め、劇中幾度か訪れる映画的奇跡の瞬間に心震える。
あらすじ:おてんば娘アリスと、一見おとなしい少女ハナ。中学卒業を控えた2人は同じバレエ教室に通う親友。ハナは高校生の宮本に秘かな想いを寄せていた。宮本を尾行し隠れて写真を撮りまくるハナ。やがて彼女とアリスは宮本と同じ高校へ進学し、ハナは宮本と同じ落研に入部する。“寿限無”の完全制覇に余念がない宮本は、ある日いつものように歩きながら落語の本を読んでいると、シャッターに頭をぶつけ転倒してしまう。後をつけていたハナは慌てて駆け寄るが、宮本が記憶喪失らしいと知ると、とっさに恋人のフリをしてしまう。一方、アリスは街でタレント事務所にスカウトされるのだが…。

<感想>だいぶ前の作品ですが、今回「リップヴァンウィンクルの花嫁」を観るにあたり見直してみました。しかし、何度見ても文句なしに美しい映像、特に桜の花弁がヒラヒラと舞い落ちるシーンで、ハナとアリスがはしゃぎながら学校へ通うシーンは大好きです。それに、浜辺で波と戯れながらトランプをするシーンとか、冬の道路の端々にある霜や吐く息の白さなど、それぞれに映像から温度を感じさせるのが素晴らしいと思います。それに音楽も良かった。

ハナの鈴木杏さんの年頃の女の子という、憧れの宮本先輩を遠くから片思いで見つめるのではなく、自分から真っ直ぐに突き進んで行く。落語研究会での「寿限無」のセリフを覚えるのに必死でシャッターに激突した宮本先輩を見つけ、思わず自分が恋人だと嘘をついてしまう。挙句に元彼女はアリスだとも嘘をついてしまう。
本人の宮本先輩は、草食系男子で自分が本当に記憶喪失になってしまって、ハナとアリスのことを覚えていない。だからって、普通彼女らの言うなりになることはないのに。高校生という青春の真っただ中、自分に彼女が二人もできたことを素直に喜び、付き合う宮本先輩っていい人すぎる。
アリスの家庭事情もあるのだが、母親よりも女として好きな男と遊びたい、と思っている母(相田翔子)に翻弄されながらも、自分の青春を謳歌してバレエ教室に通い、モデル事務所にスカウトされたのを自分から生かしたいと思っているアリス。
その彼女が、オーデションに何回も落ちて、最後のシーンで大沢たかおの前で踊るバレエのシーンは、まるで時間が止まったかのように、とても美しく奇麗で本当に蒼井優ちゃんが踊ってるのかと、つい目を凝らして見てしまった。

ハナとアリスが、バレエ教室で踊る姿を写真に収めたのも、何枚も奇麗に撮れていて、文化祭での落語研究会で口座に上がる前のハナが、泣きながら宮本先輩に嘘をついたことを謝るハナのドアップの顔の鈴木杏ちゃん、この映像の撮り方も好きです。もちろん鈴木杏ちゃんの演技も文句のつけようがありませんね。
ハナもアリスも、ナチュラルな演技が素晴らしくって、特にアリスの蒼井優ちゃんがね。本当は親友ハナの好きな相手が、自分を好きになってくれたのが嬉しくて、親友の恋にちょっぴり嫉妬してちょっかいだして・・・っていう微妙な心境をとてもうまく表現してます。蒼井優ちゃんが大好きな私としては、「ハチミツとクローバー」の映画と同じくらい良かった。
それに、こんなに脇役の俳優さんたちが大勢出ているなんて、出番がほんのちょっとなのに、アリスの母親の恋人役の阿部寛に、写真家の大沢たかお、モデルの叶美香さん、とか凄いんですから、岩井俊二監督の力ですよね。

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