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インサイダーズ 内部者たち★★★

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2015年に「友へ チング」の記録を塗り替え、R指定(青少年観覧不可)作品の韓国歴代No.1ヒット作となったイ・ビョンホン主演のサスペンス・アクション。陰謀渦巻く韓国政財界を舞台に、政界を揺るがす裏金事件を巡って欲望に取り憑かれた3人の男たちの思惑が交錯し、激しい駆け引きが展開されていくさまをスリリングに描く。共演はチョ・スンウ、ペク・ユンシク。監督は「スパイな奴ら」のウ・ミンホ。
あらすじ:財閥と政治家が癒着する巨大な腐敗権力を巡り<策士・検事・チンピラ>3人の男たちが仕掛ける命をかけた騙し合い。二転三転する勝者――あなたもきっと爽快に騙される! かたや自分たちの自由にできる世の中を求め、かたや政治家として金と後ろ盾を必要とする。財閥と政治家の癒着は巨大な腐敗権力を作り上げていた。

<感想>久しぶりに観るイ・ビョンホン主演のハードボイルドでサスペンスふるな映画。ウェブ漫画の原作であり、財閥企業ミライ自動車の会長のキム・ホンパは、与党の大統領候補チャン・ピルに扮したイ・ギョンヨンに、金を流し政界への影響力を決定的にしようと企んでいた。

黒幕として、その仲立ちをしていた大手新聞、祖国日報主幹のイ・ガンヒを演じるペク・ユンシクは、巨大権力を陰で操る策士家であり、汚れ仕事を任せていたゴロツキのアン・サングを演じているのが、イ・ビョンホンである。彼に雇われ悪事を代行するチンピラのサングは、財閥が大統領に渡した裏金ファイルを入手し、利用しようとして失敗してしまう。
一方、裏金事件を捜査中の若手検事、チョ・スンウ扮するウ・ジャンフンは、チンピラに成り下がったイ・ビョンホンに近づく。という筋立てで、 なるほどなかなか見ごたえのある社会派ドラマである。

大手新聞社祖国日報主幹のイ・ガンヒ以外の悪役が薄っぺらでつまらないのだ。ですが、込み入ったストーリーを運ぶだけで手いっぱいになるのではとの不安を感じたが、アクションシーンにも人物のちょっとした動きにも、美術装置にも工夫が見られのが中々面白かった。

ロン毛のイ・ビヨンホンが黒い皮手袋を外して義手を見せつける。この幕開けから一気に最後まで持って行かれる130分。リンチのシーンはいつもの韓国版拷問であり、金槌に斧、鉄パイプと、若き検事の取り調べ拷問では、ノコギリで手を切られたイ・ビヨンホンが悶絶するシーンが観られる。

そんなイ・ビヨンホンが、屋上ハウスや鍋ラーメンなど、お馴染みの韓国文化もたくさん出てくる。鍋からインスタントラーメンをイ・ビョンホンが、がつがつ食べているシーンでは、私はあまり食べないインスタントラーメンでも美味しそうに見えてくるから面白いですね。
そして、韓国財閥と政治家の癒着を見せる裸の女をハベらせての乱痴気宴会には唖然とするも、キビキビとしたタッチは快調であり、ハリウッド・アクション映画の持っていたアナーキーな反体制的エネルギーを懐かしく思い出させる。

ですが、イ・ビョンホン演じるアン・サングは、ガンヒに明らかに利用されているだけなのに、なぜそこまでサングがガンヒと兄弟の絆を持ち信じているのがわからなかった。国外へ逃がした彼女まで殺されているし。

悪人どもの描き方はいつもの韓国映画と同じだが、どこまでもワルをえげつなく描く韓流固有のタッチだし、組織の犬、巨悪の犬として生きてきた検事とチンピラがふせぎ、敵同様にしたたかな作戦を立てる構図と展開は、もの凄く面白く爽快であります。

特に最後のどんでん返しというか、イ・ビョンホンが記者会見を開いたところで終わりかと思いきや、そこからの本当の逆転劇というか見どころでは、腕力で方をつけるのではなく「言葉の力」での対決の様相が良かった。

2016年劇場鑑賞作品・・・78映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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