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ミリオンダラー・アーム★★★

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野球未開の地・インドから初のメジャーリーガーを発掘したエージェントの奇想天外な実話を基にしたスポーツドラマ。キャリアのどん底にあったスポーツエージェントがインドのクリケット選手をスカウトすることを思い付き、さまざまなトラブルに遭いながらも、前代未聞の挑戦に挑む様子を描く。メガホンを取るのは『ラースと、その彼女』などのクレイグ・ギレスピー。『スラムドッグ$ミリオネア』などのA・R・ラフマーンが音楽を担当する。主演は、テレビシリーズ「MAD MEN マッドメン」などのジョン・ハム。二転三転する展開と、爽快なサクセスストーリーに驚きと感動が押し寄せる。
あらすじ:スポーツエージェントのJB・バーンスタイン(ジョン・ハム)はメジャーリーグの時代の流れについていけず、選手との契約も終了。そこでバーンスタインはインドのクリケット選手から逸材を発掘しようと、いちかばちかの賭けに出る。そして、地元のテレビ局と「ミリオンダラー・アーム」という番組を企画し、コンペティションに集まった数千人の中から2人の青年をアメリカに招くが……。

<感想>これって2008年の実話がモデルだそうです。ということは、メジャーリーグにインド人野球選手が入団したのはそれ以降のこと。最近なんですね。そういえば近年ではしばしばインドが話題に上るが、その大半は経済と映画関係で、スポーツの話なんて聞いたこともない。
このドラマのモデルで、大切な金の成る木との契約を横取りされ、財政不安を抱えたスポーツエージェントのJB・バーンスタインがインドへ行き、メジャーリーグで使える豪速球選手を発掘しようと思いつくわけ。
演じるジョン・ハムはテレビシリーズ「MAD MEN マッドメン」の主役でゴールデングローブ賞などを受賞した注目の人気俳優で、今回が映画初主演。それよりも気になるのが、まるでバートラン・カスターを彷彿とさせるタイプで、がっしりと逞しく、派手な美女をとっかえひっかえのチャラ男なのだ。お金があって傲慢なアメリカンである。そんな容姿の俳優の演じる男が、インドとの出会いでどう変化していくのかがミソ。脚本には人間味あふれる「扉とたたく人」(07)を撮った俳優出身で脚本家でもあるトム・マッカーシーをを得たクレイグ・ギレスピー監督。ライアン・ゴズリングが人形と恋におちる「ラースと、その彼女」で注目された監督であり、豊かな人情味と爽やかさが味わえるドラマを生み出した。

ムンバイの市街をセットではなく実写で生かした出だしから始まって、ロサンジェルスとインドの都市を交互に描写する内容に引き込まれてゆく。ユーモアたっぷりで、ディズニーはインドを軸とする異文化接触テーマを上手く映画に取りこみつつあるようですね。
それに、いきなり歌って踊るインド映画ではない、ハリウッド・テイストのインド映画であるのも見逃せません。
JB・バーンスタインは、クリケット王国のインドで野球なんて、と笑わば笑えよ、ボールを投げて打つのは同じゃないかと、考えたのですね。インドの人口は12億。彼らが野球に目覚めてグッズが売れたらどうなる?・・・。
そこでメジャー球団のアジア系オーナーを説得して、彼を後ろ盾にしムンバイに飛び、テレビで懸賞金10万ドルの“ミリオンダラー・アーム”というコンテスト形式のリアリティ・ショー番組を作って豪速球を投げる選手を発掘しようと、いうのであります。
英語が話せて野球が好きというお調子者のアミトをアシスタントに、いつも居眠りばかりだが選手の実力を見抜く力は抜群の、元スカウトマンである、レイ(アラン・アーキン)を協力者として、灼熱の土埃が舞うインドの各地を巡ります。

一生働いても得られない金の賞金だけに、応募者の数は限りなく多く、しかし使える者はほとんどいないという無残な結果に。現実は厳しい、それでも各地の予選を勝ち抜いた20人がムンバイの決勝大会で競いあい、独特の片足投法を見せたサウスポーのリンク・シン(スラージ・シャルマ)が優勝した。

130キロ台の快速球を投げて2位になったディネシュ・パテルと共に、賞金とメジャー球団の入団テストへの挑戦権を獲得して、ロサンゼルスへと向かったのだ。
後半では、慣れない外国へ来たインドの若者2人のカルチャーショックであり、彼らを自宅へ住まわせて知ることになるアメリカ男の異文化との出会いから生まれる驚きでしょう。
大家族の中で様々な習慣に縛られる、というよりも護られ依存して暮らしてきたインド人の、無垢な若者2人には、ビジネス優先のアメリカ人とは違う穏やかな時の流れがあり、人間関係があるのだ。
だから、そのことに気づかないJBには、まったく野球を知らない2人を半年で入団テストを受けられるまでにしなければならない焦りがあり、それが若者2人を苦しめていることに気づかないのだ。

そのことに気づいたのは、JBの裏庭の離れを借りている医学生のブレンダ(レイク・ベル)なのだ。優しい彼女は、2人の痛みを見ぬいて何くれとなく気配りをする。それに触れることで、女としての彼女のことなど眼中になかったJBの気持ちも変わっていくという。
そして、こんな仕組みになっているのかという入団テスト風景は興味をそそります。多くのメディアを集め、スカウトの数は24人。JBの知名度、レイの存在、しかし、何も知らないインド人の2人は困惑と不安で萎縮して本領を発揮できないのだ。
実話ベースだけに結末はわかっているとはいえ、出てくる人間はクセが弱くて、押し寄せる問題も小さ目で、なんともしがたいのだ。いっそのこと、インドに野球リーグを作るフィクションに変更した方がミリオン感は出たのじゃないかと思った。いくらメジャーリーグでも先が読めてしまう試合は退屈なように、メジャーの映画でも先の読めてしまう作品は退屈なものだ。
ですが、エンドロールが流れ始めると、二人の本物のインド人大リーガーが、画面に出てくるのを見て、★を一つ増やしました。

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