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クリムゾン・ピーク ★★★★

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「パンズ・ラビリンス」「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督が「アリス・イン・ワンダーランド」「ジェーン・エア」のミア・ワシコウスカを主演に迎え、古びた大きな屋敷を舞台に怖ろしくも美しい幽霊譚を描いたゴシック・ホラー。共演はジェシカ・チャステイン、トム・ヒドルストン。
あらすじ:20世紀初頭。富豪の父カーター・カッシングと2人でニューヨークに暮らす作家の卵、イーディス(ミア・ワシコウスカ)。。母は彼女が少女の時に他界するも、幽霊となって彼女の前に現われ、“クリムゾン・ピークに気をつけなさい”と謎めいた警告を残すのだった。ある日、彼女はカーターのもとにやって来た準男爵の称号を持つ英国紳士トーマス・シャープ(トム・ヒドルストン)と出会い、心惹かれていく。そんな折、不可解な死でカーターがこの世を去り、イーディスは莫大な遺産を相続することに。悲しみに暮れる彼女はトーマスと結婚し、英国にある彼の広大な屋敷へとやって来る。そこにはトーマスの姉ルシールも住んでいて、ミステリアスな彼女の態度に戸惑いを隠せないイーディスだったが…。
  注意:ネタバレで書いております。

<感想>恐怖と愛のドラマをイマジネーションに富んだ映像を配して、これはゴシック・ミステリーでもあり、幽霊屋敷でもあります。ゴシック小説からアイデアを得たというギレルモ・デル・トロ監督。「嵐が丘」と似ているような、ロマンスがあり、これにお伽噺と怪奇小説の要素を組み込んだアトラクション、「体感型お化け屋敷」ムービーなのだ。

初めから、母親がコレラで亡くなりその母親の亡霊が出て来て、娘のイーディスに忠告するのだが、娘は世間知らずというのか、あまり男になれていなくて、言い寄られた男トーマス・シャープに一目惚れしてしまう。娘イーディスのことを心配する父親は、トーマスに金を与えて追っ払おうとするが、翌朝に洗面所で何者かに頭を強打されて死んでしまう。

確かにゴシックは古びたジャンルではあるけれど、露骨なバイオレンスやエロチックな要素を加えてアップデートしたというから、なるほど姉と弟の禁断の近親相姦もありで、それがドラマの舞台となる幽霊屋敷で行われる。

その幽霊屋敷は、半ば廃墟と化しているし、今にも崩れそうな屋敷の周りには、何一つ物が置かれておらず、外界から完全にシャットダウンされているのだ。

屋敷のエントランスの中央は、屋根が損壊しておりそこから降り注ぐ枯れ葉や風、そして雪が、屋敷の中央に積もっていく様は、それだけで廃墟マニアには堪らない光景である。さらには、旧式なエレベーターと、2階へ上がる階段に廊下の壁には蛾なのか蝶々なのか分からない蠢く虫が飛んでいるのだ。

それに、広々とした地下室の大きな樽のような入れ物が何個もあり、壁は血のような粘土が沁みているショットもまた魅力的です。途中でこれはドラキュラが出てくるのかと怪しんだが、この種の映画好きには堪らないほどゾクゾクする。それだけならまだしも、姉のルシールが弟と近親相姦の中であり、屋敷再建のため、これからの自分たちの生活のために、弟に金持ちの娘と結婚させて殺して、全財産を奪うという計画を立てて、今まで4人の女と婚姻をして殺してきたのだ。

だから、イーディスもその金目当ての一人で、早くに屋敷に着くなり毒入りお茶を飲まされ、身体がだるくなり目まいがするようになる。それでも、夫のトーマスを愛しているお嬢様は、姉のことを疑ってもいないし、ロンドンへ連れていくトーマスとのホテルでの愛のHもルンルンで、姉の意地悪などどこ吹く風なのだ。

姉がロンドンでの弟とHしたことを知ると、怒り狂いだし虐めが酷くなるのに、この辺で気が付くのが普通なのに。夫と姉の近親相姦を見てしまい、ショックと絶望に屋敷を出ようとするも、姉は嫁の全財産を寄こせと迫ってくる。姉役のジェシカ・チャステインの狂気迫る悪魔のような演技も凄い。

それに、母親の幽霊も出るし、その他にも真っ赤な幽霊が出て来るし、赤ん坊の泣き声もするしで、睡眠不足である。この幽霊たちも、イーディスに自分たちの不幸な死を分かってくれと訴えているのに、怖い、怖いと目を背けてばかり。それに、夫のトーマスは、幽霊屋敷の庭で掘削機械を使い赤い粘土を掘り起こしに夢中になっているのだ。でも、まだイーディスを愛しているようで、最期には味方をしてくれて良かった。

誠実な医者のアランもイーディスが好きなのに、出遅れてしまい、それでも気にかかりイギリスまでやって来てくれた。主人公ミア・ワシコウスカの十八番が光る繊細で薄幸な女が良く似合うし、雰囲気を醸し出す演技も中々上手い。ラストの姉のジェシカ・チャステインと闘うシーンでは、2階から落ちて足を骨折し気を失い、毒を盛られて血を吐きながらもシャベルでジェシカの頭を殴る勇気はどこから出たのかと、助けに来てくれた医者のアランもトーマスに刺されて瀕死の重傷なのに、最期は2人で生きて帰ることが出来たとは信じられません。
「イノセント・ガーデン」や「マップ・トゥ・ザ・スターズ」などの異色作に相次いで出演してきたミア・ワシコウスカが、ホラー映画に初挑戦し、「インターステラー」のジェシカ・チャステインと「マイティ・ソー」のロキ役で人気を得たトム・ヒドルストンが、秘密を隠し持つ妖艶な姉弟を演じている。そんな豪華な俳優3人それぞれのキャラクターを際立たせる優美なコスチュームも見ものですね。

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