2015年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリに輝いたアイスランド発の異色ドラマ。40年間も不仲の老兄弟が、大切な羊たちに訪れた絶体絶命の窮地を前に思わぬ行動に出るさまを、雄大かつ過酷な大自然をバックにユーモアとペーソスを織り交ぜ力強いタッチで描き出す。監督は、これが日本初紹介のグリームル・ハゥコーナルソン。
<感想>アイスランド、酪農大国の力強く雄大な自然を舞台に、過酷な状況下におかれた人間の意地と覚悟、かけがえのない羊との絆がおかしくも切なく綴られている。北欧ならではのドライなユーモアとヒューマニズムを見事に融合させたのは、アイスランド期待の新鋭グリームル・ハゥコーナルソン監督。長編2作目にして、2015年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリに輝いた映画であります。
キディーとグミーの老人兄弟、独身であり偏屈で頑固者だが、羊を何よりも愛し、品評会では毎年弟のグミーと優勝を争っているのだが、その品評会で優勝した自慢の羊が疫病に侵されてしまう。
弟のグミーは国内随一の優良種の羊の世話に明け暮れていて、酪農家仲間との関係は良好なものの、兄のキディーとは絶縁状態でまったく口をきいていない。兄のキディーとの連絡には、手紙を書き兄の愛犬に加えさせて届ける。羊をまとめるだけでなく、伝書犬としても活躍するワンコには感心しました。家はすぐお隣同士なのに、お互いに独身で羊の世話に明け暮れているが、兄の方は偏屈親父で酒ばかり飲んで、羊が疫病に感染していることもまったく知らなかったのだ。
弟のグミーが品評会の後に、兄貴の優勝した羊を調べたところ、背中と頭がぶよぶよしているのに気づいて、獣医の女性に調べるように頼む。そうすると、まさか、本当に伝染病(スクレイピー)に感染しているのだ。この村の人たちは、殆どが羊を飼って生活している。だから、飼っている羊を全頭殺処分してブルドーザーで穴を掘り埋めるということになってしまう。
村の人たちの中には、羊を殺処分してしまい、2年間も羊を飼育出来ないと分かると、村を出てゆく家族もいるのだ。日本でも鶏インフルエンザで、何万羽の鶏が殺処分になり、その後も牛も口蹄疫という疫病で、殺処分ということで、酪農家、養鶏場で生計を立てている人たちには、過酷な作品となっていることでしょう。
羊を愛する兄弟に訪れた人生最大の危機。窮地に追い込まれた二人の選択は?・・・。グミーは自分が言いだしっぺなのだが、言われたとうりに自分の飼っている羊を拳銃で殺処分してしまう。ところが、隣の兄貴キディーは、弟が品評会で優勝しなかったから、嫌がらせでそんなことを言ったといいながら、喧嘩を仕掛けてくるのだ。困った兄貴は、自分の飼っている羊を殺処分することも拒み続けるも、村役場の人たちがやって来て羊をトラックに積んで連れて行ってしまう。それから、その羊の小屋の消毒もしなければならないのに、弟はすでに消毒を澄ませてしまっていた。仕方なく弟が羊小屋を掃除して消毒してやる。
困った兄貴で自暴自棄になり、酒を飲んで雪の降る外で寝転んでいるのだ。そのままにしておけば、凍死してしまうと、弟が自分の家へ連れて来て温かい風呂へ入れてやる。
しかし、弟は疫病に感染していない自分の羊6頭を、地下室に閉じ込めて血統の延命のために奔走するわけ。そのことが村の人たちにバレてしまい、兄貴の家に匿ってもらうも、それでもダメで、山の上まで羊たちを避難させようと試みるのだ。
その行程では、雪が降る寒い地方であり、夕方近くで吹雪が凄いのに、兄弟が珍しく力を合わせて、その羊たちを何とか匿おうと山の上まで追い立てて、山の上には火山があり温かいというのだ。自分たちはバギーカーで先導する。しかし、途中で余りにも酷いブリザードになり前が見えない位に吹雪で、これでは凍え死んでしまう。暗くなり羊の姿も見えなくなり、何処へ行ったのだろうか、羊6頭中には妊娠している羊もいる。そうこうしている内に2人は遭難してしまう。
それに、弟のグミーが吹雪で寒さに倒れ込んでしまう。兄貴は、シャベルで雪穴を掘り、そこへ弟を潜り込ませて、濡れた服を脱がせて自分も裸になり、抱き合って弟の身体を摩りながら、兄弟仲良く生きることに邁進する。そこで映画は終わってしまうのですが、喧嘩をして絶縁状態の兄弟でも、何かを成し遂げるには力を合わせてしなければならず、きっと兄弟は生きており羊もきっと固まっていて助かっているのではと、勝手に解釈しました。
ですが、どうにも疎遠であるという距離感が、些細な、ユーモラスな描写から少しづつ伝わって来て、性格は異なるもやはり兄弟、似ているところもあり血の濃さがクライマックスに向けて切なく迫って来て良かった。
2016年劇場鑑賞作品・・・33映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
<感想>アイスランド、酪農大国の力強く雄大な自然を舞台に、過酷な状況下におかれた人間の意地と覚悟、かけがえのない羊との絆がおかしくも切なく綴られている。北欧ならではのドライなユーモアとヒューマニズムを見事に融合させたのは、アイスランド期待の新鋭グリームル・ハゥコーナルソン監督。長編2作目にして、2015年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリに輝いた映画であります。
キディーとグミーの老人兄弟、独身であり偏屈で頑固者だが、羊を何よりも愛し、品評会では毎年弟のグミーと優勝を争っているのだが、その品評会で優勝した自慢の羊が疫病に侵されてしまう。
弟のグミーは国内随一の優良種の羊の世話に明け暮れていて、酪農家仲間との関係は良好なものの、兄のキディーとは絶縁状態でまったく口をきいていない。兄のキディーとの連絡には、手紙を書き兄の愛犬に加えさせて届ける。羊をまとめるだけでなく、伝書犬としても活躍するワンコには感心しました。家はすぐお隣同士なのに、お互いに独身で羊の世話に明け暮れているが、兄の方は偏屈親父で酒ばかり飲んで、羊が疫病に感染していることもまったく知らなかったのだ。
弟のグミーが品評会の後に、兄貴の優勝した羊を調べたところ、背中と頭がぶよぶよしているのに気づいて、獣医の女性に調べるように頼む。そうすると、まさか、本当に伝染病(スクレイピー)に感染しているのだ。この村の人たちは、殆どが羊を飼って生活している。だから、飼っている羊を全頭殺処分してブルドーザーで穴を掘り埋めるということになってしまう。
村の人たちの中には、羊を殺処分してしまい、2年間も羊を飼育出来ないと分かると、村を出てゆく家族もいるのだ。日本でも鶏インフルエンザで、何万羽の鶏が殺処分になり、その後も牛も口蹄疫という疫病で、殺処分ということで、酪農家、養鶏場で生計を立てている人たちには、過酷な作品となっていることでしょう。
羊を愛する兄弟に訪れた人生最大の危機。窮地に追い込まれた二人の選択は?・・・。グミーは自分が言いだしっぺなのだが、言われたとうりに自分の飼っている羊を拳銃で殺処分してしまう。ところが、隣の兄貴キディーは、弟が品評会で優勝しなかったから、嫌がらせでそんなことを言ったといいながら、喧嘩を仕掛けてくるのだ。困った兄貴は、自分の飼っている羊を殺処分することも拒み続けるも、村役場の人たちがやって来て羊をトラックに積んで連れて行ってしまう。それから、その羊の小屋の消毒もしなければならないのに、弟はすでに消毒を澄ませてしまっていた。仕方なく弟が羊小屋を掃除して消毒してやる。
困った兄貴で自暴自棄になり、酒を飲んで雪の降る外で寝転んでいるのだ。そのままにしておけば、凍死してしまうと、弟が自分の家へ連れて来て温かい風呂へ入れてやる。
しかし、弟は疫病に感染していない自分の羊6頭を、地下室に閉じ込めて血統の延命のために奔走するわけ。そのことが村の人たちにバレてしまい、兄貴の家に匿ってもらうも、それでもダメで、山の上まで羊たちを避難させようと試みるのだ。
その行程では、雪が降る寒い地方であり、夕方近くで吹雪が凄いのに、兄弟が珍しく力を合わせて、その羊たちを何とか匿おうと山の上まで追い立てて、山の上には火山があり温かいというのだ。自分たちはバギーカーで先導する。しかし、途中で余りにも酷いブリザードになり前が見えない位に吹雪で、これでは凍え死んでしまう。暗くなり羊の姿も見えなくなり、何処へ行ったのだろうか、羊6頭中には妊娠している羊もいる。そうこうしている内に2人は遭難してしまう。
それに、弟のグミーが吹雪で寒さに倒れ込んでしまう。兄貴は、シャベルで雪穴を掘り、そこへ弟を潜り込ませて、濡れた服を脱がせて自分も裸になり、抱き合って弟の身体を摩りながら、兄弟仲良く生きることに邁進する。そこで映画は終わってしまうのですが、喧嘩をして絶縁状態の兄弟でも、何かを成し遂げるには力を合わせてしなければならず、きっと兄弟は生きており羊もきっと固まっていて助かっているのではと、勝手に解釈しました。
ですが、どうにも疎遠であるという距離感が、些細な、ユーモラスな描写から少しづつ伝わって来て、性格は異なるもやはり兄弟、似ているところもあり血の濃さがクライマックスに向けて切なく迫って来て良かった。
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