シルヴェスター・スタローンが演じた『ロッキー』シリーズのロッキーが、ライバルのアポロ・クリードの息子と再びボクシングの世界に身を投じるさまを活写した話題作。アポロの息子アドニスが、トレーナーとなったロッキーのもとでボクサーとして成長する姿を見つめる。メガホンを取るのは、『フルートベール駅で』で注目を浴びたライアン・クーグラー。スタローンと『フルートベール駅で』などのマイケル・B・ジョーダンが、師弟となるロッキーとアドニスにふんする。熱いドラマはもちろん、ボクシングシーンも必見。
あらすじ:アドニス・ジョンソン(マイケル・B・ジョーダン)の父親は世界的に有名なボクシングのヘビー級チャンピオンだったアポロ・クリードだが、彼が生まれる前に死んでしまったため、父のことを何も知らない。それでも、明らかにアドニスにはボクシングの才能が受け継がれていた。アドニスは、父がタフな無名のボクサー、ロッキー・バルボアと死闘を繰り広げた伝説の戦いの地フィラデルフィアへ向かう。フィラデルフィアに着いたアドニスは、ロッキー(シルヴェスター・スタローン)を捜し出し、トレーナーになるよう頼む。。ロッキーは、ボクシングからは完全に手を引いたと断るが、かつての宿敵で、のちに親友となったアポロと同じ強さと決意をアドニスの中に見出し、トレーナーを引き受ける。若いボクサーを鍛え始めるロッキーを味方につけたアドニスは、タイトル戦への切符を手に入れるが……。
<感想>「ロッキー」シリーズの最強の宿敵といえば、もちろんアポロ・クリードである。第1作で世界ヘビー級チャンピオンとして登場したアポロは、その後の「ロッキー」シリーズ3では、ロッキーの良き友人となるが、シリーズ4でソ連の殺人マシーンドラゴ(ドルフ・ラングレン)にリング上でボコボコに倒され、そのまま還らぬ人となった。
本作ではそんなアポロに、実は息子がいたという設定で幕を開ける。9年ぶりの新作であり、事実上の「ロッキー7」になっていると思う。冒頭の少年院に入っている愛人の子供アドニスを、アポロの妻が迎えに行き白亜の豪邸で愛情を注いで育てる。
それが過去作とは違っていて、物語の原案者がシルヴェスター・スタローンではないこと。今回の映画では「フルートベール駅で」(13年)で注目を集めた監督ライアン・クーグラーの持ち込み企画であり、いろんな意味で原点回帰の1作になっている。まぁ、過去作の「ロッキー」シリーズを見ていない人でも楽しめる映画になっている。
亡きアポロの血を受け継ぐ新人ボクサーを演じるのは、「ファンタスティック・フォー」、「フルートベール駅で」などのマイケル・B・ジョーダン。スターローンはトレーナー役で脇役に徹しているのだが、いい感じに枯れた演技にはホロリと胸に迫ってくるものがある。ロッキーは愛妻エイドリアンが眠る墓地を訪れ、隣には親友ポーリー(バート・ヤング)のお墓もある。いつものことだけれど、お墓の前に椅子を置き妻に話しかけるロッキーの姿に、愛妻家だったことを思わせる。
見所は、なんていっても臨場感と迫力溢れる試合の場面が素晴らしい。最終ランドまでリング上に立ち続けることを誓い、ここでは、生前のアポロの試合の映像が多く使われ、息子役のマイケル・B・ジョーダンの筋肉美とボクシングのワンラウンドを戦い続けるシーンには、手汗ものですから。
しかし、そんなに生易しくチャンピオン王者に勝てるはずもなく、それでも最終ラウンドまで左目が潰れても立ちあがり戦うガッツは、ロッキーと同じく不屈の精神の賜物です。
アメリカンドリームを実現したロッキーの物語が、ボクシング映画ではないことを見せるのは、試合の勝ち負けよりも主人公の愛と勇気と不屈の精神力であります。何度も打ちのめされても立ちあがるロッキーのファイトは、ボクシングに関心のないものまで胸を熱くさせてくれる。
そんなロッキーの身体にも癌という病が蝕み始め、化学療法の抗がん剤投与を拒み続け、余命宣告を受けるロッキーの姿に涙がでます。ボクサーとして強靭な身体を持っていても、老いには勝てないロッキー。
主人公の恋人、ビアンカ(テッサ・トンプソン)がネオソウル系のシンガーという設定だったり、ラッパーのミーク・ミルが新曲を提供してたりと、ファンには嬉しい「ロッキー」のフィラデルフィア繋がりにも感心しました。
ラストの「ロッキー・ザ・ファイナル」でもうこれで最後だと感慨深く思って観た、ロッキー・ステップの階段のある美術館へ2人で行き、上まで行って眺める景色にも興奮冷めやらぬという感じがします。もちろん、両手でガッツポーズをしたロッキー像も当然のように登場し、ロッキーの部屋には水槽でカメを飼っている風景も映されます。老人と若者の生き方を両立させた、力強い作品になっています。
2015年劇場鑑賞作品・・・263映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:アドニス・ジョンソン(マイケル・B・ジョーダン)の父親は世界的に有名なボクシングのヘビー級チャンピオンだったアポロ・クリードだが、彼が生まれる前に死んでしまったため、父のことを何も知らない。それでも、明らかにアドニスにはボクシングの才能が受け継がれていた。アドニスは、父がタフな無名のボクサー、ロッキー・バルボアと死闘を繰り広げた伝説の戦いの地フィラデルフィアへ向かう。フィラデルフィアに着いたアドニスは、ロッキー(シルヴェスター・スタローン)を捜し出し、トレーナーになるよう頼む。。ロッキーは、ボクシングからは完全に手を引いたと断るが、かつての宿敵で、のちに親友となったアポロと同じ強さと決意をアドニスの中に見出し、トレーナーを引き受ける。若いボクサーを鍛え始めるロッキーを味方につけたアドニスは、タイトル戦への切符を手に入れるが……。
<感想>「ロッキー」シリーズの最強の宿敵といえば、もちろんアポロ・クリードである。第1作で世界ヘビー級チャンピオンとして登場したアポロは、その後の「ロッキー」シリーズ3では、ロッキーの良き友人となるが、シリーズ4でソ連の殺人マシーンドラゴ(ドルフ・ラングレン)にリング上でボコボコに倒され、そのまま還らぬ人となった。
本作ではそんなアポロに、実は息子がいたという設定で幕を開ける。9年ぶりの新作であり、事実上の「ロッキー7」になっていると思う。冒頭の少年院に入っている愛人の子供アドニスを、アポロの妻が迎えに行き白亜の豪邸で愛情を注いで育てる。
それが過去作とは違っていて、物語の原案者がシルヴェスター・スタローンではないこと。今回の映画では「フルートベール駅で」(13年)で注目を集めた監督ライアン・クーグラーの持ち込み企画であり、いろんな意味で原点回帰の1作になっている。まぁ、過去作の「ロッキー」シリーズを見ていない人でも楽しめる映画になっている。
亡きアポロの血を受け継ぐ新人ボクサーを演じるのは、「ファンタスティック・フォー」、「フルートベール駅で」などのマイケル・B・ジョーダン。スターローンはトレーナー役で脇役に徹しているのだが、いい感じに枯れた演技にはホロリと胸に迫ってくるものがある。ロッキーは愛妻エイドリアンが眠る墓地を訪れ、隣には親友ポーリー(バート・ヤング)のお墓もある。いつものことだけれど、お墓の前に椅子を置き妻に話しかけるロッキーの姿に、愛妻家だったことを思わせる。
見所は、なんていっても臨場感と迫力溢れる試合の場面が素晴らしい。最終ランドまでリング上に立ち続けることを誓い、ここでは、生前のアポロの試合の映像が多く使われ、息子役のマイケル・B・ジョーダンの筋肉美とボクシングのワンラウンドを戦い続けるシーンには、手汗ものですから。
しかし、そんなに生易しくチャンピオン王者に勝てるはずもなく、それでも最終ラウンドまで左目が潰れても立ちあがり戦うガッツは、ロッキーと同じく不屈の精神の賜物です。
アメリカンドリームを実現したロッキーの物語が、ボクシング映画ではないことを見せるのは、試合の勝ち負けよりも主人公の愛と勇気と不屈の精神力であります。何度も打ちのめされても立ちあがるロッキーのファイトは、ボクシングに関心のないものまで胸を熱くさせてくれる。
そんなロッキーの身体にも癌という病が蝕み始め、化学療法の抗がん剤投与を拒み続け、余命宣告を受けるロッキーの姿に涙がでます。ボクサーとして強靭な身体を持っていても、老いには勝てないロッキー。
主人公の恋人、ビアンカ(テッサ・トンプソン)がネオソウル系のシンガーという設定だったり、ラッパーのミーク・ミルが新曲を提供してたりと、ファンには嬉しい「ロッキー」のフィラデルフィア繋がりにも感心しました。
ラストの「ロッキー・ザ・ファイナル」でもうこれで最後だと感慨深く思って観た、ロッキー・ステップの階段のある美術館へ2人で行き、上まで行って眺める景色にも興奮冷めやらぬという感じがします。もちろん、両手でガッツポーズをしたロッキー像も当然のように登場し、ロッキーの部屋には水槽でカメを飼っている風景も映されます。老人と若者の生き方を両立させた、力強い作品になっています。
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