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死霊館 ★★★

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『ソウ』シリーズなどで有名なジェームズ・ワン監督が、アメリカで実際に起きた出来事を基に描くオカルトホラー。不可解な怪現象に悩まされる一家の相談を受けた心霊学者の夫妻が、調査に赴いた館で壮絶な恐怖を味わう。実在の心霊学者ウォーレン夫妻には、『インシディアス』などのパトリック・ウィルソンと『マイレージ、マイライフ』などのヴェラ・ファーミガ。そのほか『きみがぼくを見つけた日』などのロン・リヴィングストン、『I SHOT ANDY WARHOL』などのリリ・テイラーが共演。
あらすじ:1971年アメリカ・ロードアイランド州、両親と5人の娘たちが古びた一軒家に引っ越してくる。しかし、毎朝母親の体にあざができ、一定の時間に止まる時計など不気味な怪現象が次々と発生し、娘たちに危害が及んだことから、一家は心霊学者のウォーレン夫妻(パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ)に解決してほしいと依頼する。夫妻が現地を調査すると恐るべき歴史が明らかになり、夫妻は館に巣食う邪悪な存在に立ち向かうが……。

<感想>これ、映画館で観たかったのに地方では上映されなかった。夜に一人で見るには怖すぎです。それに、実話をベースにしているだけあって、起こる現象も薄気味の悪いものだった。朝、起きると体のあちこちに身に覚えのない痣が出来ている奥さん。家の中に入るのを嫌った犬が突然死。
子供たちと目隠した鬼を追い出すために手を叩く「目隠し鬼」で遊んでいると、人数が一人多いのだ。部屋の中が突然臭ってくる。やがて、壁に掛けてある家族の写真が勝手に床に落ちて、寝ている子供たちの足が何者かに引っ張られ、クローゼットの上に見たこともない悪魔のような老婆が座っていて、飛びかかってくる。

もう、この家がいくら安かったと言えども、毎日のように亡霊のような悪魔が出て来るのに疲労こんぱいした家族は、科学的な機材を基に、幽霊の正体を調査していることで有名なウォーレン夫妻に助けを求めることに。

この映画の冒頭では、かなり気味の悪いアナヴェル事件では、一人で勝手に動き回る不気味な人形のエピソードが恐ろしかった。その人形は、ウォーレン夫妻の家にある「心霊資料館」に展示されている。ここには、たくさんの物体に憑りついた悪魔が、まだ物体の中に潜んでいるようにも見て取れた。もちろん、ハリスヴィル家の末っ子が館で見つけた、事件の鍵となったオルゴールもここに置いてある。

さすがに、『インシディアス』でも演技が巧かった、心霊学者のウォーレン夫妻には、パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガが演じていて、この手のものはベテランの領域である。
心霊学者のウォーレン夫妻は心霊現象とは、人間の心の問題で、心理的に弱っていたりする人間に邪悪な存在がつけこんでくる時に起こると言うのだ。つまりは、世に起こる多くの心霊現象は悪魔の仕業ということなのだ。

心霊ハンターを名乗っているが宗教系であることも、つまりはエクソシズムを行えるのは、悪魔ばらいとバチカンにおける正式な職業である、ヴァチカンの認可を受けた神父だけで「ザ・ライト/エクソシストの真実」でも悪魔払いを神父が行っていたのが、アンソニー・ホプキンス。「エミリー・ローズ」でもそうだった。

そして、古びた一軒家のハリスヴィルの館に入って、「特別な才能」を持つ奥さんのロレインが、この土地で死んでいるのは一人ではないと言うのだ。けがれた恐ろしい場所だと言い切るのである。それに、自分の娘にも危害が及ぶという恐ろしい事態に。
そこでその証拠は?・・・夫のエド・ウォーレンは、事態はのっぴきならないと言いながら、もう悪魔祓いの神父なんて待ってられないとばかりに、自分で「悪魔祓い」の儀式を行ってしまう。これは、基本的には悪魔祓いの対象外であり、エド・ウォーレンが教会の認可を受けていないのに、勝手にやってしまうということ。

母親の身体に出来ているアザを見て、この母親の体の中に悪魔が憑りつき、乗り移ってしまっていることを知り、地下室で母親が暴れる回るのを取り押さえて、白いシーツを被せて椅子に座らせる。悪魔祓いの祈りが始まると、唸り狂い血を吐き暴れる母親。
娘たちを道ずれに殺してしまい、自分は悪魔に乗っ取られた身体でこの館に棲み込むつもりだったようだ。とにかくも、即刻対処したウォーレン夫妻に感謝ですよね。この手のホラー映画はたくさん観ているが、実に恐ろしく悪魔が憑りつく描写もただならぬ描き方で恐怖を煽ります。
そうそう、前に見たイーサン・ホークの「フッテージ」もそうでしたね。
2014年DVD鑑賞作品・・・24 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


ロード・オブ・セイラム ★★★

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ミュージシャン、ホラー映画監督として人気の高いロブ・ゾンビが、『ハロウィンII』以来およそ3年ぶりにメガホンを取ったオカルトホラー。1692年に、アメリカの片田舎セイラムで起こった魔女裁判を題材に、魔女の呪いが引き起こした地獄絵図がゾンビ監督独自の映像センスで展開する。主演は、ゾンビ監督作品には欠かせない妻のシェリ・ムーン・ゾンビ。共演には、『ハウリング』などのディー・ウォーレス、『悪魔の受胎』などのジュディ・ギーソンらが名を連ねる。
あらすじ:1692年、アメリカの地方にある街セイラム。「ロード・オブ・セイラム」と自らを呼ぶ7人の女性が魔女裁判で死刑を宣告され、執行間際に判事に呪いをかける。数百年後の現代、ラジオ局のDJハイジ(シェリ・ムーン・ゾンビ)のもとに、「ザ・ロード」と名乗る差出人から1枚のレコードが届く。判事の子孫にあたるハイジがレコードを再生したことで、魔女たちの呪いが解放されてしまい……。

<感想>17世紀のセイラムでの有名な魔女狩りと、現在に至る呪いを映画化。昔々の因縁がよみがえり、主人公たちを禍い事態に引き込むという点では、「ビザンチウム」と同じ話なのに、こちらはまったく他人事として傍観できてしまうのは何故だろう。
どうやら、この映画のいわゆる17世紀アメリカのセイラム魔女裁判と、現代の悪魔ロックが交錯する、流血と裸女、ブラック・メタルに彩られた魔女の末裔たちのお話らしい。それが陰々滅滅とした画面の中で語られる。

制作・脚本・監督は、世界的なロックスターであり、人気ホラー映画の監督でもあるロブ・ゾンビで、主演は奥方の美人女優であるシェリ・ムーン・ゾンビ。映画は真正面からセイラムの魔女の末裔のお話を、大真面目に珍品というか、あるいは恐ろしい呪いの映画というべきか、とにもかくにもホラー好きには堪りません。

映画は月曜日から始まり、謎のレコードのバンド「ローズ・オブ・セイラム」のコンサートが予定されている土曜日に向けて描かれています。主人公のハイジは、深夜ラジオの人気DJだが、謎のレコードを聴いてトランス状態になり、それ以来、身の回りで怪事件が頻発する。
実は、1696年に死刑になったマーガレット・モーガンと6人の魔女の呪いによって、ハイジの身体を利用した悪魔の復活が計画されていたのだ。

いやいや、魔女モーガンを怪演しているおばさんだが、正面ヌードは特殊メイクだろうと思うが、ババアの裸なんて見たくないのに、それにしても驚いた。
この映画は「ローズマリーの赤ちゃん」と何だか似ているようなところがあるのだが、悪魔崇拝とか、アパートの隣人が魔女だとか、ヒロインが悪魔の赤ちゃんを産むなど共通点が多い。
それに、悪魔のイメージが、山羊、魔女、巨人、炭化した顔、サタン、そして新生命と形を変えて、これでもかというくらい真正面から登場する。

それに、幻覚や夢の中の出来事を思わせるためらしいが、寝室、廊下、街の中まで現実にはあり得ない、左右対称の構図が見られ、非現実感が出ている。
主人公の葛藤が弱いせいなのだろうか。悪魔崇拝の肯定者である監督が、この題材で見る者の興味を惹きつけたり、スリルを与えたりするには、かなりのひねりが必要なのかもしれませんね。
それでも、根強いファンの存在には堪らないのでしょうね。あらゆる映画を見ることの出来る、日本の幸せを痛感します。様々な映画へのオマージュやパロディとあわせて、舞台はラジオ局で、下宿屋で、古い劇場で、ポイントはレコードで、とその20世紀さが楽しく、ついニヤリとしてしまった。魔女も映画の王道3人構成である。

怪奇なモチーフも、同じ演出パターンで反復されるばかりに思えて、クライマックスになるころには、もはや何一つ怖く感じられずに残念です。
まぁ、それでも、実際にロケ撮影したマサチューセッツ州セイラム。アパートの建つ十字路、街路、公園、墓地など、秋から冬にかけての寂しい風景をふんだんに見せてくれるのがいい。「悪魔の音楽」をテーマにした映画だけに、音響効果も抜群なセンスでいい。呪いのレコードの、ドローンとした効果のある音が強調されていて最高ですね。
2014年DVD観賞作品・・・25 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

アイム・ソー・エキサイテッド! ★★★

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『トーク・トゥ・ハー』『私が、生きる肌』などの鬼才ペドロ・アルモドバルによるコメディー。機体トラブルで旋回し続ける旅客機内を舞台に、オネエ系の客室乗務員をはじめとするクセあり乗務員と乗客が抱腹絶倒の騒動を繰り広げる。『気狂いピエロの決闘』などのカルロス・アレセスや『トーク・トゥ・ハー』などのハビエル・カマラら、スペインの実力派俳優が結集して怪演を披露。アルモドバル監督ならではのカラフルでポップなビジュアルに加え、アントニオ・バンデラス、ペネロペ・クルスといった大物出演も楽しい。
あらすじ:マドリードからメキシコシティへと向けて飛び立ったものの、機体トラブルが発生して上空を旋回し続ける旅客機。ビジネスクラスを担当するオカマの客室乗務員トリオは、乗客の不安を少しでも和らげようと、歌って踊り、さらには不気味なカクテルを作る。しかし、不吉な予言をするアラフォー女性、何かとクレームをつけてくるSMの女王様、泥酔状態の新婚カップルなど、クセのある乗客たちの言動が、機内をさらなる混乱に陥れていく。

<感想>予告で観て面白そうなので興味深々で観ました。いやいや、これまでの作風とは180度異なるコメディ作品。鬼才ペドロ・アルモドバル監督の傑作揃いのフィルモグラフィーの中でも史上最強にナンセンスで、オカマチックに弾けまくるおバカ映画です。
一癖もふた癖もある濃いキャラクターたちが旅客機という密室空間で繰り広げられる報復絶倒の物語は、鬼才ペドロ・アルモドバル作品のファンには異質に映るかもしれませんね。それでも、どんなにシリアスなテーマの作品であっても、常にどこか突き抜けたユーモアが入っているし、オネエ度指数も高いに決まっているのだけれど、にしてもここまであけっぴろげに攻めてくれたのは、たぶんデビュー当時の「セクシリア」以来ではなかろうかと。
だからといって本作が、後ろ向きな映画なのかというとそうではない。ご存じの通り、現在のスペインは過去最悪の経済不況に陥っていて、国民も苦しい生活を強いられている。本作の舞台が「着陸不能となり、空港の上空で旋回し続けるしかない飛行機の中」に設定されているのも、そんな母国の現状と無縁ではないと思う。

さて、本作で“国民的人気俳優の愛人”役を演じ、ただでさえ賑やかなストーリーに可憐な美の華を添えているのが、ブランカ・スアレス。現在25歳の彼女は、
アルモドバル前作の「私が、生きる肌」にも精神患者の役で出演し、かなり強烈な印象を残していた。この監督は、気に入った俳優を何度も使いたがるので有名。アントニオ・バンデラスやペネロペ・クルスのお二人さんも、ノリノリでカメオ出演している。
「トーク・トゥ・ハー」で介護士を演じていたハビエル・カマラや「オール・アバウト・マイ・マザー」の主演セシリア・ロスに、「ボルベール」のロラ・ドゥエニャスなど、アルモドバル組が再集結しているのも楽しい。
アルコールもドラッグもセックスも、何でもアリなパーティのような機内のカオスは、監督が青春を送った80年代の盛況が盛り込まれている。だから、機内で配られる媚薬入りバレンシアカクテル(シャンパンをオレンジジュースで割ったものに、麻薬を混ぜたもの)や、客室乗務員たちが歌って踊るポインター・シスターズの「I’m So Excited!」は、アルモドバルの青春時代を彩ったアイコンたちに違いない。飛行機のデザインを担当したグラフィック・デザイナーのマリスカルも当時からの仲間だという。
80年代のファッションなどアイコンが多く描かれる一方で、空港の滑走路で搭乗する、アントニオ・バンデラスやペネロペ・クルス。整備員のバンデラスが車輪止めをうっかり取り除かなかったため、車輪に付いたまま滑走。そして、ツイッターに夢中になり書き込む地上係員や、機内電話から携帯電話に電話するなど、時事性も取り入れられている。
それは、機内は監督の思い出やノスタルジーの場所で、機外では現実というコントラストを描くため。着陸の目途も立たぬまま、ぐるぐると空中を旋回し続ける飛行機は、まさに今のスペインの状況を表しているというのだ。この状況を抜け出すには、不時着も必要だと誰もが気付いている。
飛行機が不時着するシーンは、アルモドバル監督の出身地であるラ・マンチャのシウダ・レアル空港で撮影された。不景気のあおりを受けて2012年に閉鎖されてしまった空港。
それにしても、過度にエロ、下ネタ満載のコメディとは、おそらくスペイン人の気質なのだろう。そういう意味では爆笑し続ける作品だと思う。
2014年劇場鑑賞作品・・・75  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像★★★

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海堂尊原作の小説を映像化したシリーズの最終章となる医療ミステリー。死因究明システムの一大改革に取り組む主人公たちのもとに舞い込む脅迫状に、死亡事件を絡め、医学界を揺さぶる衝撃が描かれる。伊藤淳史や仲村トオル、松坂桃李、西島秀俊ら歴代キャストのほか、桐谷美玲や生瀬勝久などが共演。監督は、本シリーズやテレビドラマ「都市伝説の女」などに携ってきた星野和成。映画版ならではのオリジナルストーリーが盛り込まれていることにも注目。
あらすじ:国、自治体、東城医大が死因究明システムの改革として取り組む、日本初のAi(死亡時画像診断)センターが発足する。東城医大の田口(伊藤淳史)と厚生労働省の白鳥(仲村トオル)もこのプロジェクトに参加していたが、こけら落としとなるシンポジウムを前に、東城医大に脅迫状が届く。一方、死因が判別できない医学関係者の集団不審死事件が発生。そしてAiセンターが始動する当日、医学界を揺るがす出来事が起きようとしていた。

<感想>海堂尊の医療ミステリーを原作にしたTVドラマの劇場版にして最終章である。今回は厚労省の白鳥に仲村トオルと、心療内科の田口に伊藤淳史というコンビが、新薬の副作用による薬害問題と、画期的な医療システムの導入を巡り、厚労省を巻き込んだ事件に挑む。それに西島秀俊ら過去のTVシリーズの出演者も登場。

まるで喧嘩友達のような凸凹コンビの白鳥と田口のお二人さん。テレビシリーズの延長なので、さすがに息が合っている。ですが、集団不審死事件の謎解きよりも、国際“Ai”センター開設を巡るドタバタにパニック映画のような緊迫感がある。
テレビシリーズを見てないのだが、劇場版の前作「ジェネラル・ルージュの凱旋」を見て面白かったので今回も期待してしまった。それでも練り上げられたキャラクターの適材適所で、そのままこの世界へ入っていけた。脚本は「神様のカルテ2」と同じく後藤法子。飛び交う医学用語も、無理なくドラマに溶け込んでおり、アベレージが高いです。

それにしても、テレビ版を見ていないので、何故に唐突に西島秀俊や栗山千明が登場するのか、これが理解できないのだ。歴代キャストの総出演で顔ぶれは賑やかなのだが、無関係の同窓会に参加したような疎外感が付きまとうような感じがした。

東城医大の救命救急センターの“チーム・ジェネラル”こと速水の西島秀俊&滝沢の松坂桃李の師弟コンビが復活。この西島秀俊演じている救命医の医師が、ほぼ全篇を通して、チュッパチャプスを口に突っ込んだままでいるのは、前作の堺雅人をイメージしてなのか。
そして、アメリカ帰りの医師ということで、テンガロンハットと被ったままでいる生瀬勝久など、ベタなキャラ立てにはここまでしなくてもという感じもある。そういうのが気になってしまい、物語に夢中になれないノリと空気感にはウンザリ気味でした。

それに、取材を通じて田口と知り合った医療ジャーナリスト、別宮の桐谷美玲は積極的に真相究明に乗り出します。しかしですよ、、海辺の別荘の地下室で会議するのも変ですから。みんなが飲んだ水が重水だということも、東城医大ならすぐにでも検査をすれば分かるはず。

犯人の目的は、白鳥がMRI診断の権威である東堂(生瀬勝久)を招いて進めている死因究明システム“Ai”導入の阻止だったわけ。それが、ラスト近くで東堂が発表する寸でで、コンピュータウィルスでハッキングだって、今の時代は何でもPCに頼っているからね。
でも、最後まで犯人が女性だということは分かっていても、まさか彼女が犯人だとは気付かなかった。犯人の家族も薬害の被害者ですでに亡くなっていたという。その犯人の想いが、私的、公的という二つの線から描かれることで、何だかやりきれないような映画の印象としては薄い感じがして惜しいですね。だから、その分テーマも弱く感じられてしまった。

重水を飲んで人間を殺すことができるのか、調べてみました。
注:ウォーターサーバー大全集より抜粋
重水とは?  重水と軽水の大きな違いは、物質の溶解度や電気伝導度そして電離度といった物理的な性質や反応速度です。
軽水は飲料水としての利用が可能なのに対して、重水は飲料水には適しておらず、大量摂取においては死を招く可能性があります。
重水は生体内反応に悪質な異常を来たします。
生命を持つものは重水の中では生命を維持することが出来ません。
植物も一切発芽出来ません。
重水が主に使われるのは原子炉や放射線治療の減速材としてです。
また放射線治療の減速材としても使われています。
重水およびに軽水とは?
という質問をされて答えられる人はどれくらいいるでしょうか?
私も健康に水を役立てるようになるまで知りませんでした。
軽水は皆さんがご存知の普通の水
重水とは軽水の2倍の重さを持った水の事を言います。
化学記号にすると軽水はご存じのとおりH2O、重水はD2Oとなります。
重水は原子炉の減速材(核分裂後に放出される中性子の速度を下げる役割)につかわれます。
軽水とは?  軽水は私たちが良く知る水(H2O)です。
地球上の天然水の99%以上を占めています。 軽水は飲料水として利用可能です。
また重水同様原子炉にも使われています。 軽水は中性子を吸収しやすいという特性をもっているからです。軽水炉という言葉の軽水がこれです。
そして重水素を限りなく大きく減少させたものを「超軽水」といい、ガン細胞の抑制効果について研究が続けられています。
毎日必ず飲んでいる水、・・・これは大変勉強になりました。
2014年劇場鑑賞作品・・・76  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

サンブンノイチ ★★★.5

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人気芸人・品川祐が品川ヒロシ名義で監督を務めた『ドロップ』『漫才ギャング』に続く第3作。映画化もされた「悪夢のエレベーター」の原作者・木下半太の小説を基に、人生における大逆転を狙う小悪党3人が銀行強盗で奪った大金の分け前をめぐり、壮絶な争いを繰り広げるさまを描く。内輪もめを始めてしまう男たちには、藤原竜也をはじめ、元KAT-TUNの田中聖、ブラックマヨネーズの小杉竜一。さらに彼らが強奪した金を狙う者たちに、中島美嘉、窪塚洋介、池畑慎之介がふんする。
あらすじ:人生の一発逆転を願って企てた銀行強盗が見事成功したキャバクラ「ハニーバニー」店長のシュウ(藤原竜也)、ボーイのコジ(田中聖)、常連客の健さん(小杉竜一)。彼らは奪った数億円の大金を均等に分け合うはずだったが、自らの取り分を少しでも増やしたいという欲から壮絶な争いが始まる。さらにほかにもその金を奪おうとする者が現われ、事態は予測できない展開に……。

<感想>吉本芸人監督の中で唯一才能を感じさせるのが、品川ヒロシであることは前作の『ドロップ』『漫才ギャング』での、実直な演出と佳作ぶりで実証済みだが、今回は他人の木下半太原作、かつ時系列が思いきり錯綜しまくる展開もハデに前後するだけに、ユニークというより一人で脚本書いて撮るには手に余ったように見受ける。
このけたたましい展開は、誰かの映画に似ていると思った。そうです「地獄でなぜ悪い」だ。もちろん血しぶきも死体の山もあの作品とは全然異なるし、設定だって全く似ていない。だが、盗んだ大金を巡ってのハイテンションの繰り返しは、ただただケタタマシイだけで、途中から勝手にやってればと思ってしまった。

競馬で店の売上金400万円の入ったカバンを紛失するなんて、なんて大馬鹿者だ。店長のシュウが渋柿から借金をするはめになり、その返済にまりあの勧めで銀行強盗を計画し、決行して見事に1億6000万円を強奪する。その金を3分の1に山分けするはずが、金の分配を巡って仲間割れが勃発。さらには、その大金をかっさらおうと狙う破魔翔とか、高利貸しのババアが出て来る。

逆転劇というのか、どんでん返しがこうも続くと、やけくそゲームと同じで、メインの駒、藤原竜也の立ち位置も何がなにやら。
しかし、達也ファンにとっては、高利貸しのババアの悪趣味な脳みそズルズルには参ったね。それに、拷問の末にオカマを掘られる下りには幻滅したよ。それでも、出て来るヤツはみんなワルという話だけに、誰が勝とうと知ったこっちゃないが、なんだか、品川監督が園子監督のマネをしたようにも見受けられ幻滅しました。

舞台となる川崎も、架空の都市として構築されているらしいが、ハニーバニーの経営者であるぶっ飛んだ窪塚洋介の破魔翔とか、高利貸しのババアである渋柿多美子の池畑慎之介など、中島美嘉の誘いで銀行強盗をやらかすという。その計画を考えたのがシュウの藤原竜也である。
キャスティングはいい、運転手のバーテンのコジ役の田中聖に、焼肉屋のハゲデブの健さんに小杉竜一という顔ぶれも最高。
銀行強盗はアメリカの文化という台詞もいいが、わざわざ「GG」とって略するのも可笑しいだろうに。素人3人に、プラス女による犯罪プランは、想定外の事態でこじれていくものの、こじらせ方に仕掛けがたっぷりある。
強盗後の心理戦と、犯行までの数日間の回想を織り交ぜているも、でも本当に辻褄が合っているのか、途中から分からなくなる。いいのは、よくある騙し合いのための、騙しになっていないことで、根拠がトリッキーに描かれているのだ。

マリア役の中島美嘉の語りが、複雑な時制構造に絡むのはいい。ですが、欠点はすっきりとしない結末にある。原作と違う結末だというが、どうして、あの破魔翔が最後に出て来て、美味しいとこ取りするのか理解できません。
タランティーノ作品へのオマージュとして書き上げた同名小説の映画化だと言うが、タランティーノの多弁は無駄話の魅力にある。日本の映画で、真似ると設定やクサイ台詞へのツッコミになってしまい、言い訳に利用されてしまうのがおち。だから、本作も逃れられていないのが惜しまれる。しかし、才能に溺れず演出力を磨こうとする志向は支持したいです。
2014年劇場鑑賞作品・・・77  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

サクラサク ★★.5

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実力派俳優緒形直人を主演に迎え、さだまさし原作の短編小説を映画化した感動の家族ドラマ。父親が認知症を発症したことにより、改めて家族の大切さを痛感した主人公が、もう一度絆を取り戻そうと奮闘する姿を映し出す。『利休にたずねよ』などの田中光敏が監督を務め、妻役に南果歩、父親役にベテランの藤竜也がふんする。原作者のさだ自身による主題歌はもとより、切なくも美しい人間模様が胸を打つ。
あらすじ:妻子を顧みず仕事に打ち込んできた会社員の俊介(緒形直人)は、妻(南果歩)との仲も修復が難しいほどに冷え切っていた。次第に息子(矢野聖人)や娘(美山加恋)との関係もぎくしゃくし、一家は崩壊寸前に思えた。そんな中、同居する父親(藤竜也)が認知症になり、俊介はそれまでバラバラだった家族を取り戻そうとある提案を持ち掛け……。

<感想>いま、「家族再生」のお話はちょっとしたブームで、今まででもたくさんの作品が公開された。もちろん、崩壊するよりは、再生した方がいいに決まっている。特にこの作品は、仕事ばかりで家族を顧みなかった主人公が、糞尿まみれでほったらかしにされている父親を見て、強引に家族を車に乗せて、ある場所へと旅に出る。それが、祖父の幼少期を過ごした想いでの地である。認知症の父親がウル覚えに話す言葉。それを頼りに福井、石川県と車を走らせる。夫の取締役会議の特定日までには、東京へ戻らなければならないという縛りみたいなものも、サスペンスを生むこともなかった。

家庭の不和と認知症の老父の問題を、家族旅行で解決しようとする虫のいいお話なのだが、口当たりのいい設定がお膳立てされているだけで、老父を無視して面倒を見ない妻はいつの日からそうなったのだろうか。夫への浮気への憎しみが義父にも当て付けるのか?・・・子供二人にも無関心になり、夫が帰って来ても知らんふりする妻の態度には、これはもうダメかもという感じもしないでもない。

エリートお父さんの気まぐれ家族旅行には、それなりの覚悟もあり、これで家族再生も叶って良かったとは思うのですが、女の目線から見て、このお父さん単身赴任先で浮気をして、奥さんに謝っていなかったのね。一番大事なことじゃないの、家庭を守っている妻に対して、きちんとあやまるのが礼儀でしょうに。でなきゃ、祖父の下の世話だって、介護だってキチンとやって上げた筈なのに。謝るのが遅すぎなんですからね。

バラバラの家族をどう説得してワゴン車に乗せて、旅に出たのか肝心の場面が描かれていないのも残念。それに、二人の子供たち、反抗期みたいな親の躾けがなってないような始まりだったのが、家族旅行で明かされる長男の祖父に対する介護の優しさと、娘も今時の学生でもなく両親の不仲を気にしていたように描かれているのも良かった。

エンディングは、輪をかけたようにお説教くさい歌で、もちろん“さだまさし”さんです。いい歌なんだけれど、殆ど仏教的な世界で、ありがたがらないとバチが当たる感じが高い。
タイトルの「サクラサク」という合格電報みたいな邦題からして、先が見え見えで意外性とか新鮮さはどこにもない。それと、目的地まで辿り着いたのだが、サクラが咲く季節には早くまだ咲いてはいない。だが、その思いでのサクラの樹が老木で切られてあり、家族みんなでそこへ座り込み、目をつぶり想像力で思い浮かべるシーンが印象的でした。サクラが散った後には、この家族は果たしてどうなるのか?・・・それは観客の想像まかせということらしい。
2014年劇場鑑賞作品・・・78  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

大人ドロップ ★★★

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「さよなら アメリカ」などの人気作家・樋口直哉の小説が原作の青春ドラマ。いいようのない焦燥や不安を抱える4人の高校3年生が、思春期を脱していく姿を見つめる。監督は『荒川アンダー ザ ブリッジ』シリーズなどの飯塚健。池松壮亮、橋本愛、小林涼子、前野朋哉らが出演。彼らが繰り出す自然体の演技に加えて、観る者に青春時代を思い起こさせる切なくて郷愁感が漂うストーリーも見もの。
あらすじ:高校最後の夏休みが迫る中、親友のハジメ(前野朋哉)から彼がひそかに思いを寄せている同級生・入江杏(橋本愛)とのデートの約束を取り付けるよう頼まれた浅井由(池松壮亮)。だが、それが原因となって入江を怒らせてしまい、仲直りできないまま夏休みが始まった上に、彼女は遠くへと引っ越してしまう。スッキリしない気持ちを抱える浅井は、思い切って入江に手紙を出すことに。届いた返事から学校を辞めた真の理由を知った彼は、ハジメと一緒に彼女に会おうと片道200キロメートルの旅に出る。

<感想>男の子は、女の子の後ろ姿を追っかけて大人になる、・・・なんて大人の目線で都合良く描かれるほど醜悪なものはない。大きな事件や深刻な悩みとは無縁の作品なのだが、女の子の存在が気になる男子高校生の自意識を描いているので、何やらこっちまでちょっぴり胸がうずき、飯塚健監督の前作より遥にいいと思った。

今回は、脚本、編集も監督が担当したという。主人公役の池松壮亮くんに、いちいち独白せりふを言わせているが、確かに効果的である。ですが、ずるいような手抜きのような気がした。すでに大人側に属したような橋本愛ちゃんが、いじらしく切ないような感じがいい。それと、冒頭で出て来るスケバン教師がナイスですよね。
モノローグで進むのは観ずらいが、というか見ないと先に勧めないので。主人公のモノローグによれば、色んな感情がほとばしっていたそうだが、画面からは何も伝わらず、非モテ男子の告白という物語の間に挟まれた短い話も、彼女のどこが好きと思っているのかまるで分からない。

高校生男女のこじれたダブルデートみたいな恋愛模様。でもちゃんと達成感はあり、納まる結末になっています。好きなのに上手くいかなかった二人。という副旋律が、何となくフランス映画の「シェルブールの雨傘」みたいなラストが効果的ですよね。

自分の想いが通じないのに、じれったくて他の男に走った、というもう一人の彼女の真実にも気づかないほど、主人公はウブなんですが、そんなもんだよね、童貞って。高校生時代が懐かしく感じられ、「あの時はどうしてたんだろう」なんて思い返すのもいいもんです。
作品の中で出て来る肝油ドロップの思い出は、私も小学校時代に栄養補給の意味だと思うのですが、毎日食べさせられました。砂糖をまぶした柔かいドロップというかゼリーみたいな感触が忘れられませんね。
2014年劇場鑑賞作品・・・79  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

エンド・オブ・ウォッチ ★★★

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『トレーニング デイ』の脚本家デヴィッド・エアーが監督を務め、全米でスマッシュヒットとなったポリスアクション。世界で最も危険な街、LAのサウスセントラルを舞台に、制服警官たちのハードな日常を描く。10代をこの地で過ごし、実態を知り尽くした監督ならではの独特の空気感と容赦ないバイオレンス、熱血も悪徳も登場しないリアルな警官像が新鮮。互いに命を預ける相棒同士の絆や、家族や恋人とのドラマも濃密だ。

<感想>ロサンゼルスの重犯罪多発地区を舞台に、パトロール警官たちの死と隣り合わせの日常と熱い友情をリアルに描いたポリスアクション。サウス・セントラル地区を担当する白人巡査テイラーとその相棒であるメキシコ系巡査ザバラ。パトロール中に思いがけずメキシコ麻薬カルテルの秘密に触れてしまった2人は、組織から命を狙われるようになり……。
サウス・セントラルが舞台で、脚本、監督のエアーは、そこの出身というだけに、リアリティーの濃密なことといったらない。悪徳警官だのマッチョな刑事の話は珍しくはない。だが、これはごく普通のパトロール警官たちの、ごく日常的な話なのだが、思いのほか新鮮である。ほとんど戦争映画みたいだ。

ですが、戦場ならばむしろそこから帰ることができるけれど、戦争と日常が同じ土壌に混在している生活で、下級兵同士のような警官コンビの互いへの信頼だけが、かろうじて正気を保たせているようだ。
彼らは制服とバッジを身に付けた警備員で、スナイパーで、レスキュー隊員でもある。外のギャングと車の窓越しに世間話を交わすその内側では、窓の下のドア部分から常に銃口が向けられており、死と紙一重のスリルを敢えて挑発する自虐は狂気から身を守る究極の手段なのだろう。

ギレンホールの無鉄砲で独身の白人警官と、ペーニャの既婚者で慎重なメキシコ系警官コンビは素晴らしい。その相性の良さは、近年では目立っていると思う。彼らは、50ものストリートギャングが実在するロサンゼルスの全米最悪の危険地帯サウス・セントラルに派遣され、メキシコ麻薬カルテルのアジトに踏み込む。
この映画がこれまでの刑事ものと違うは、物語りが警官とギャングの攻防を描くのみに留まらないということ。時には退屈な警備の後でも、逆に生死にかかわる緊迫の瞬間に直面した後でも、彼らは普通に帰宅し、普通の人間関係を築き、悩み、傷つく。

しかも、その過程で相棒とは涙なしでは見られない命がけの友情も築き上げるのだ。愛や勇気に溢れる彼らのありきたりの日々が、360度浮き彫りになる
監督は常時4台のカメラを駆使してYouTube的な現実感を追求。テイラーが記録用に回すビデオや車載カメラに加え、警官が制服に身につけた小型カメラの映像が生む臨場感は、あたかも彼らのパトロールに同行しているかのようだ。
ですが、冒頭部の車載カメラの映像にアドレスや時刻が入っているので、これは編集途中のワークテープなのかと勘違いしそうになった。時刻が飛ぶのが判るので、リアリティのためには逆効果のような気がした。それと、この警官はデジカム片手に、現場をずっと記録しているのだから、どうせなら、すべてをこの映像で伝えるようにすればいいのに、警官以外の視点と混ぜるものだから、虚構の世界を強化することにしかならない。要は美術さんの努力の跡ばかりが見えて仕方がなかった。面白ければ文句はないのだけど。
2014年DVD鑑賞作品・・・26 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

パラノーマル・アクティビティ/呪いの印★★.5

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低予算の製作費ながら、世界的ヒットを記録したホラー『パラノーマル・アクティビティ』のシリーズ第5弾。腕に奇妙な印が現れたのをきっかけに、人知を超えた怪現象に襲われる青年と周囲の人々が味わう恐怖を活写していく。メガホンを取るのは、『ディスタービア』やシリーズ2作目からの脚本を手掛けたクリストファー・ランドン。ケイティをはじめとする前4作の主要キャラとは関わりのない人物が主人公となる設定に加え、次々と繰り出されるショック描写も見どころ。
あらすじ:カリフォルニア州オックスフォード。そこに暮らす至って普通の青年ジェシー(アンドリュー・ジェイコブス)は、高校卒業と同時に18歳の誕生日を迎えた。だが、その日に彼は何者にかみつかれたような歯型の印が左腕にあるのに気付く。やがて、彼の周りで理解不能な現象が頻発し始め、その映像を記録することに。次第に現象はエスカレートしていき、ついに予想だにしない事態が起きてしまう。
<感想>今週はあまり自分の好みの映画がなかったので、興味のあった本日公開の映画を朝一番で観てきました。
1作目=パラノーマル・アクティビティ
2作目=パラノーマル・アクティビティ2
3作目=パラノーマル・アクティビティ3

4作目=パラノーマル・アクティビティ4 

超常現象をフェイク・ドキュメンタリーのスタイルで描き、人気を博しているホラー・シリーズの第5弾。1作目のスマッシュヒットから毎年作られるようになった本作。回を追うごとに、各部屋にホームビデオやモバイルPCを取り付けるなど、カメラに収められた超常現象に意味づけをしなければいけないと製作サイドが考えたのだろう。

前4作から視点を変え、今回は手持ちのビデオカメラで撮影。ヒスパニック系の少年が直面する恐怖の現象を映し出しています。そういえば、2作目でメキシコ系のお手伝いのおばさんが、赤ちゃんに悪霊が取り憑いているといって御払いをするのですが、ご主人がその線香の煙が子供に害を及ぼすといって、そんなの迷信だってクビにして辞めさせてしまうんですよ。そんなこともあったっけ。いくらか関係あるんだ。
今回の主人公ジェシーくん、高校卒業するも大学に行くのも、仕事に就くこともしないで家でダラダラと暮らす主人公のジェシー。「クロニクル」の超能力少年のようにアンドリュー・ジェイコブスが演じている。
魔女と噂されていたアパートの階下の女性が謎の死を遂げる。その日に、自分の部屋の通気口から階下の物音がして、父親に誕生日プレゼントしてもらったハンディカメラで、階下の様子を覗くと、若い女性の全裸が映し出され、その女の腹に何やら描いている様子を目撃する。そして、その部屋から友人のオスカーが飛び出してくる。
そして、そのオバサンが死んで興味を持ち、彼は友人たちとビデオを片手に階下へ探検に出かける。そして、床下に地下室らしき部屋を発見。ローソクとか何かの儀式をしていたらしい。このシーンは気味の悪い効果音で、いつもの音響です。
家へ帰り次の朝に目が覚めると、ジェシーの腕に何の前兆もなく腕に歯型のような“呪われた印”の噛み傷があるんです。それからは、ジェシーの近況に想像を絶する超常現象が次第にエスカレートしていき、目の中から長い黒い髪の毛が出て来るとか、不可解な事態が起きるんですね。

これは、前作とはまったく無関係ではなく、ジェシーの友達のオスカー少年なんですが、養子だということで、やはり母親が悪魔と取引をしているらしくオスカーも腕に咬み傷があり、もの凄い念力のような力があり、人間なんて吹っ飛ばされてちょろいもんです。
2作目で、クリスティがネットで調べてみると「富や権力を求め、悪魔と契約をした者は生贄を捧げる。家系の最初の長男を。契約を破れば悪魔は、男児の魂を得るまで契約者の一族を殺す」これって一族の誰かが悪魔と契約したのだろうか?・・・恐ろしいですよね。
その一家に生まれた最初の男の子が、悪魔と取引したという代々伝わる長男を悪魔に差し出すという、誓を交わしたことと関係があるわけなんです。

この作品の主人公であるメキシコ系の少年ジェシーも長男で、母親がジェシーがお腹に入っている時に、魔女に三角形の印を描かれており、18歳の誕生日になって悪魔に憑りつかれるという。つまり、母親が悪魔と取引をしていたんですよ。

お婆ちゃんがジェシーの悪魔祓いのような、憑りついているものを追い払う浄化の儀式をするのですが、ジェシーの額に生卵を付けて祈りを捧げる。すると、ジェシーが生卵を握りつぶすと黒い血みたいな汁が出て来る。お婆ちゃんが変貌した孫のジェシーに階段から突き落とされて重傷を負うのです。
ジェシーの超常現象では、飼い犬を天井に貼りつけてグルグルと回転させて喜んでいる様子とか、もの凄い怪力というか人間を吹っ飛ばす力があるんですよ。

救急車を呼んで、その後、友人のヘクターが車で出かけようとすると、道路の真ん中に男がいる。それはジェシーなんですが、もう人間じゃないこれは、車のガラスを破ってヘクターを襲ってくるんです。女が鉄パイプでジェシーの頭を殴って難を逃れます。

アンに連れられて行った家は、古い一軒家で、何やら3作目のお婆ちゃんの家、魔女たちの集団の家のようです。ケイティ姉妹らしき幽霊も出てきます。真っ白い目をした幽霊のお婆ちゃんが出て来るんですが、彼女は悪魔崇拝者で、山羊の頭を供え丸い放射状のサークルが描かれ、ローソクの灯りで儀式をしていたらしい。

屋敷は誰も住んでいませんが、白い布を掛けられた応接セットや家具など、家の間取りなど前作で見たような家でした。しかし、キッチンのあるリビングで、階段を下りてくる女は?・・・もしかして幽霊の○○なの。この家に入った人間は、もう外へは出られないのか、出口が見つからない。取り留めのない終わり方でした。もしかして続編まだ作るつもりなのか?・・・いい加減終わりにしてよね。
2014年劇場鑑賞作品・・・80  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

少女は自転車にのって ★★★

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厳格な宗教戒律によって女性の行動が制限されているサウジアラビアを舞台に、自転車に乗る夢をかなえるため奮闘する少女の姿を描いた感動作。自転車を手に入れるためコーラン暗唱大会に挑む少女の視点を通し、因習を重んじるイスラム社会で女性が置かれた不条理な現実を浮き彫りにする。サウジアラビア初の女性監督ハイファ・アル=マンスールが全て国内で撮影した同国初の長編作で、ベネチア国際映画祭をはじめ世界各地の映画祭で絶賛された。
あらすじ:サウジアラビアに暮らす10歳の少女ワジダ(ワード・モハメド)は、男友達と自転車競走をするため自転車を買うことを決意。母親(リーム・アブダラ)にねだるも女の子が自転車に乗ることに反対され、自分で費用を工面しようとするが目標額には遠く及ばない。そんな折、学校でコーラン暗唱大会が開催されることになり、ワジダはその賞金で自転車を買おうと懸命にコーラン暗唱に励む。

<感想>サウジアラビアの映画が観られるなんて思いもしなかった。しかも、よいテイストの作品で、監督ハイファ・アル=マンスールは女性だという。
イスラム諸国で最も戒律の厳しい国と言われるサウジアラビアが舞台の映画。
実際、見える物聞こえるものすべてが興味深くてたまらないのだが、それだけで終わる映画ではもちろんないのだ。

サウジアラビアの男尊女卑の社会。家を継ぐのが男の子だけ、ワジダの家では彼女だけしか子供がいない。ということだけで、父親は男の子が産まれるまで外へ女を作る。特に女性の地位を目の当たりにできるのが素晴らしい。驚くことに、日本も昔(戦前)のことだが、似たようなものだっなぁ、と感慨深いですよね。
物語りは単純で、「透徹した目をもつ少女が、必要なお金のために努力した結果、ある強さに至り、同時に身近な人も変化する」という繊細かつ大胆に映画に構築していく。女性監督のマンスールが、一般オーディションで出会った主人公がじつに素晴らしくて、この映画を盛り上げている。

女性の地位が低いというアラビア文化圏で、生き生きと生きる女の子の天真爛漫な表情と、伸びやかさが素晴らしいと思った。足元の靴がスニーカーというのも最高。その母親と夫との関係の描き方も、一夫多妻制をめぐる母娘の涙にきちんとした含みをもって描かれているのもいい。
そして、作品の控えめな節度や含みを軽く乗り越えるような少女の明るい行動力が温かく描かれている。この少女ワジタを演じたワード・モハメドに拍手を送りたい。

子供映画としても異文化映画としても、女性映画としても強いコアを持つ秀作である。多国籍メンバーと思われるスタッフの仕事は充実していて、特に音響は素晴らしいし、そして、何と言っても人物たちが魅力的である。親の世代の葛藤を軽々と飛び越えて行こうとする主人公の少女に、自転車という乗り物の軽やかさは、何と似合うことだろう。この国に生まれて、女性にとって過酷ともいえる社会における一種の女性謳歌の映画といっていいでしょう。
映画館のない国だというのに、このような映画が世にでるとは珍しいことです。
2014年劇場鑑賞作品・・・81  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


ソウルガールズ ★★★

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オーストラリアの先住民族であるアボリジニ初の女性ボーカルグループ、サファイアズをめぐる実録ドラマ。1960年代末のオーストラリアで、人種差別などの壁を乗り越えながら音楽シーンで活躍していく3姉妹といとこの姿を追い掛ける。監督はテレビシリーズなどを手掛けてきた新鋭、ウェイン・ブレア。オーストラリアの人気歌手ジェシカ・マーボイや、『裸足の1500マイル』などのデボラ・メイルマンらが、ヒロインたちを快演する。夢を持つことの素晴らしさを描いた物語はもとより、魂の込もった歌唱シーンも必見。

<感想>アボリジニ版の「ドリームガールズ」と言ってもいいくらい、美味しいエキスをそのままに、いや、その上を行っていた。彼女たちにとって、シンガーは夢の職業である以上に、狭い世界や差別から飛び出すきっかけにもなっていたのである。
歌が上手いといっても限りなく普通の人に近いからこそ、アイドルグループの舞台裏を追ったドキュメンタリー的な親近感もある。
1968年、舞台はオーストラリア。先住民のアボリジニたちが、後から入って来た白人社会から迫害されていた。アボリジニの特別保留地に住むゲイル(デボラ・メイルマン)、ジュリー(ジェシカ・マーボイ)、シンシアは、小さな頃から歌うことが大好きな3姉妹。その先住民族に対する偏見や差別に怯えながら育った。中でも、色が白い子供は政府が連れて行って、孤児院から子供のいない白人の家に養子に出される。

3人姉妹と従姉妹のケイ(色が白い)と一緒にカントリーミュージックを歌いながらシンガーとして成功をつかもうと奮闘していたのだが、コンテストに出場しても、先住民族に対する偏見や差別から落選させられてばかり。意気消沈する四人だが、それを見ていたミュージシャンを自称する男デイヴ(クリス・オダウド)と出会い、彼からソウルミュージックのレッスンを受ける。
そして、彼女たちはベトナムでアメリカ兵への慰問団のオーディションを受ける。彼女たちのカントリーソングを聞き、デイヴは「君たちは黒人なんだ。黒人たちのために歌いたければソウルを歌え」と言われ特訓する。もち踊りも付けて。4人のグループの名前は「ザ・サファイアズ」。

だが、アボリジニは、見た目が黒人でも白人でも、いずれにしても悲しい運命が待っていた。そんな4人がソウルを歌うことで、当時のアメリカ黒人の差別との戦いであった「公民権運動」と重ねており、キング牧師の暗殺もあった時代。
ウェイン・ブレアというなじみのない監督だが、達者なもので、演出のテンッポはいいし、キャスティングが最高です。人種差別の真っただ中、という時代色を際立たせず、さらりと描いているのもうまい。

残念なのが、ベトナムへ慰問に行く下りがいかにも安直だし、よくぞベトナム戦争を再現したもんだ。この戦時下の珍道中は、50年代アメリカ喜劇の時ならぬ復活を見ているようです。
振り付けや衣裳を整えてパフォーマンスが磨かれていく過程を見ているうちに、慰問歌手として戦地に赴く危険に、ショウビズ界の厳しさが観てとれます。

マネージャー役のクリス・オダウドと、ゲイル役のデボラ・メイルマンとの恋物語も素敵です。ですが、後の3人の彼女たちのラブストーリーが、薄っぺらなような欠点はあります。
女の子の夢とか恋とか挫折とか、爽やかな青春音楽映画だと思っていたら、ベトナム戦争に飛び、銃弾が飛んで来る、・・・その展開には驚きますから。
それでも、リード・ボーカルのジュリーを演じたジェシカ・マーボイが歌う「What a Man」が力強くてソウルフル。4人+男がそれぞれ個々の強さと魅力を煌めかせていて、その輝きはサファイア以上です。
てんこ盛りのソウル・ミュージックとロマンスと笑いと、まことに元気のいい楽しい映画です。
2014年劇場鑑賞作品・・・82  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

風と共に去りぬ!?★★.5

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「猟奇的な彼女」「過速スキャンダル」のチャ・テヒョンが主演する時代劇エンタテインメント。朝鮮王朝後期、議政府高官イ・ソンホの非嫡出子ドンムは、西洋かぶれの師匠とつるんで気ままな日々を送っていた。
しかし、採氷の権利を独占しようと企むチョ・ミョンスの陰謀に巻き込まれて反逆罪の汚名を着せられた上、師匠は拷問を受けて死亡、父もドンムの放免と引き換えに流罪となってしまう。
全てを失ったドンムは、復讐のため爆弾製造のプロや伝説の盗掘犯、変装・詐欺・ひったくりの達人など、さまざまな分野の玄人を集めて、ある作戦を決行する。

<感想>韓国コメディ俳優のチャ・テヒョンが時代劇に初出演した、コミカルな歴史活劇です。正義の強盗団が、氷を独占している一族から、氷の強奪を図る姿を描き、朝鮮王朝後期を舞台にした、クライムムービー。監督キム・ジュホの堂々長篇デビュー作品。
18世紀、悪徳政治家の奸計にはめられ多くを失ったボンボンと、お堅い役人が「正義の強盗団」を組織して、歪んだ権力の失墜を目指す痛快なエンタテインメント。強盗団は、それぞれ特殊技能を持つお約束の「11人」構成。

歴史上の実在の人物も登場するけれど、ノリとしては「10人の泥棒たち」みたいな、それと「オーシャンズ」ふうのものを、なんちゃって時代劇でやりましたという感じな印象。
面白くなりそうな要素は満載なのに、なんでこんなカットつなぎをするのかとか、なんでこんな分かりにくい語り方なのかとか。何だか画面が安くないかとかね、ギャグはもっと安すぎるぞとか、いろいろ気になってもったいなさすぎですから。
それでも、氷の池がバリバリ崩れるシーンは、迫力があってさすがだと思った。ですが、ラストの地下水脈爆発のシーンは、「インディージョーンズ」のパクリだと思った。

サスペンスやスリルが物語を引き締めようかと、いう肝心なところで、笑いを狙った演出が入り込んで、せっかくの緊張感や盛り上がりをチャラにしてしまった感じがするのは否めない。
つまり、この映画は作者が仕掛けて、作者がそれをぶち壊しているのが見て取れる。明らかに、基本的なプランニングの誤算といっていいだろう。

なのに、「第7鉱区」のオ・ジホの活躍を見ているだけで、そこそこ楽しめてしまうのだから、主演のチャ・テヒョンの持ち味でもある大陸的な明るさは、韓国映画の個性だと再確認しました。正統派美男子、イケメン俳優おそるべしですよね。
お色気もロマンスも、悲劇もアクションも友情も満載の本作なんですが、一番の魅力は、その明るさですね。
2014年DVD鑑賞作品・・・27 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

パニック・マーケット ★★★

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イタリア、ロシア、アジア各国を巻き込んだ悲鳴の連鎖反応! 恐怖のスーパーマーケットから生還出来るのか! ?
洪水に飲み込まれた一軒のスーパーマーケット。密室状態の空間で、次々に襲いかかる巨大人喰いサメ! 殺人カニの大群! 高圧電線! 殺人鬼! 戦慄と恐怖の連続が見る者を恐怖のどん底に引きずり込む! !
2012年ヴェネチア国際映画祭が悲鳴の渦に! イタリア、ロシア、中国など世界中で興行収入1位を記録したパニック・アクション!
『バイオハザードIII』『ハイランダー』で有名な、オーストラリア映画界の至宝ラッセル・マルケイが製作総指揮と脚本を担当! 主演は『トワイライト』シリーズに出演し、次世代イケメン男優として注目されているゼイヴィア・サミュエル!

あらすじ:大洪水に呑み込まれた一軒のスーパーマーケット。そこに閉じ込められた13人の生存者たち。水中からは巨大な人喰いザメが、天井からは人喰いガニの大群、水上には高圧電線が垂れ下り・・・。
しかも、13人の中には強盗犯、殺人鬼が潜んでいた。次々と彼らを襲う危機また危機! いま、地獄のスーパーマーケットからの脱出を求め、彼らの生命を賭けた挑戦が始まろうとしていた!

<感想>この作品未公開じゃないんですね。それも3Dで、ですが、津波の映像はカットして映されてません。これは、3.11に配慮してのことだと思われます。ディザスター映画としては物足りなさを感じるかもしれませんが、それでもハラハラ、ドキドキの連続でしたが、普通、こういう映画だと最後に助かるのが2人ぐらいなのに、13人中8人も生き残る高生存率には良かったです。
真夏の太陽がまぶしすぎるビーチ、沖の方から巨大なサメの尾びれが近づいてくる。海岸警備隊員の若者が、ボートで沖へと行くのを見て、絶対にサメの餌食になるなぁっと思っていたら、やっぱり帰らぬ人となった。

その男を助けに行った友達が、彼の目の前で、巨大なホオジロザメに食べられる瞬間を見て唖然とする。それから何年か経ち、スーパーマーケットで働くその青年、万引き犯人を捕まえる警備員、そして警官も。万引き女は警官の娘だとは驚き。そこへ強盗が入ってくる。
ですが、大地震が発生して、巨大な津波が押し寄せてくる。マーケットの中にも海水が入り込み、棚の近くまで海水が。地下の駐車場にも海水が入り込み、車の中でお楽しみの最中に男女はパニックになってしまう。
こういう時こそ、男が機転を利かして車から脱出すること考えなければならないのに、海水の中にすっぽり入っている車。ワゴンカーじゃないから、普通の乗用車なので、車の中の空気が無くなれば二人とワンコが死んでしまう。
だが、それどころじゃない、ここにも巨大なサメがいて、車に突進して来る。窓ガラスやフロントガラスにヒビが入って、いまにも海水が入ってきそうです。
ワゴンカーに乗っていたマーケットの男が、助けに来てくれて良かったのですが、巨大サメが泳いでいるので二人の車には近づけない。

この車、サンルーフがあって上の窓が開くんです。そこから出ようとするも、巨大サメが来るので、マーケットの男にガンガン音を立ててもらい巨大サメを引きつけてもらう。その隙に車の上から出てワゴン車のところまで泳いでいくのですが、この彼氏がその時犬をサメ目がけて投げつけるんですよ。酷いことする男なんです、こいつは。だから絶対にサメに食われてしまえと思ってしまった。結局は、サメの餌食になってしまう。このワンコは、最後の方で助かっていて、必死で犬かきで泳ぎ無事保護されます。

1階では高圧電線が垂れ下り、電源を切ろうと一人の男が身体に籠みたいに金具を巻きつけ、ホースを口に海水の中を進み、あともう少しというところで空気を送るホースが切れてしまい、その男は勇敢にも空気のホースを外して電源を切り死んでしまう。

それに、上のダクトから出ようと考えロープを垂らす。体重の軽い人から、と言っているのに自分だけ助かりたいために、中国人男がロープを身体に巻き付けて、ダクトの扉を開けると、大量の人食い蟹が出て来るは出て来るは。驚いた中国人男は、ぶら下がった途端に海水を泳いでいた巨大サメの餌食になる。

肉売り場の鍵フックはどうかと思った。サメの目の前に肉をぶら下げ、食いついた瞬間にフックがサメの口に引っかかるというアイディアなのだが、そして、サメが出口まで泳いでいくロープを伝うという計画。これは無理でした。

1階の万引き女が泳いで地下駐車場へと、警官の父親のショットガンを見つけて、地下の男がサメ退治だ。1階のサメは、スタンガンでバリバリとやっつける。1階の人たちも地下へと来て、そこへまた地震が勃発。瓦礫が落ちて来るし、でもみんな無事で良かった。外へ出るとヘリが飛んでいて、津波でみな持っていかれたらしく、街も破壊され海岸が目の前にあるだけ。カモメが一羽飛んでいるも、下から巨大サメが跳びつき餌食になってしまった。
東北大地震を経験しているだけに、巨大サメは襲ってきませんが、確かにパニックになります。マーケットに居た人たちは、上へと屋上に避難して、ヘリの救助とか、下の階にある寝具売り場の毛布とか、水、食料を確保して救助が来るのを待っていたそうです。
2014年DVD鑑賞作品・・・28 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

マチェーテ・キルズ ★★★★

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鬼才ロバート・ロドリゲスと個性派俳優ダニー・トレホがタッグを組んだ、バイオレンスアクションの第2弾。メキシコ最凶の悪人と世界屈指の武器商人を相手に、大型ナイフの名手である元捜査官マチェーテが世界存亡の危機も絡んだ戦いに挑む。ミシェル・ロドリゲスやジェシカ・アルバをはじめとする前作のメンバーに加え、レディー・ガガ、メル・ギブソン、カルロス・エステベスことチャーリー・シーンといった豪華な面々が新参加。奇怪なキャラにふんした彼らの怪演に加え、破天荒を極めた見せ場も盛りだくさん。
あらすじ:アメリカ大統領(カルロス・エステベス)から、メキシコの極悪人マッドマン(デミアン・ビチル)を倒すよう依頼された元捜査官マチェーテ(ダニー・トレホ)。しかし、マッドマンは多重人格者である上に、停止すると同時にワシントンをターゲットにしたミサイルが発射されるという恐ろしい連動機能を備えた心臓の持ち主であった。それを解除できるのは、世界一の武器商人として悪名をとどろかせているヴォズ(メル・ギブソン)のみ。だが、彼も宇宙からの地球総攻撃というとんでもない計画を進めていた。

<感想>前作同様メチャクチャな展開で、それでも前作同様に結構手をかけていて、出演している大物俳優に、女優が続々出て来るが、あくまでも彼らは座興で、とにもかくにも怪優ダニー・トレホの一人舞台である。もう、これはB級ではないです。A級にして二流の娯楽バイオレンス・アクションの仕上がりである。
出だしからぶっ飛び映像満載のコテコテぶりだが、そのわりにはさほど脂っこさは無く、スッキリと爽やかに観られるのはロドリゲス監督の持ち味である。

前作では極右腕のデ・ニーロ、ドン・ジョンソン、およびセガール相手に暴れまくったマチェーテ。今回の敵はメル・ギブソン演じる武器商人なのだが、やる気があるのかないのかわからない。それに、殺し屋カメレオンのキューバ・グッディング・Jr.が変身して、レディー・ガガになり、ゴムの仮面を脱げばアントニオ・バンデラスというデタラメな変化振りには笑ってしまった。殺し屋なのに弱いしね。

だから、「グラインドハウス」の予告で観たときが一番面白かったような、印象がぬぐえない。と言うのも、登場人物が複雑で関係性が追いづらいのだ。奇想天外な設定が多く展開も早くてカオスすぎて、ギリギリ理解できない程度に破綻した物語でもある。

それでも、お色気要素も、こんなに無駄に挟まれると、話の中断になってしまって、あまり嬉しいものでもないと思った。それにしても、脚とか腕、またはオッパイにガトリングガンを仕込んだ娼館のママ、ソフィア・ベルガラ。おっぱいの機関銃化でネタが取れるのが興味深かった。

マチェーテの連絡係となるミス・サンアントニアのアンバー・ハードなど、大味美女も続々と出演しているよ。捜査官のジェシカ・アルバは、早々に殺されてしまったが、ミシェル・ロドリゲスは、相変わらずアイパッチでOK、だが、見える片目もメル・ギブソンにやられて、まるで座頭市状態。それでも、頑張る彼女が最後の方でマチェーテをヘリで助けに来るところもいい。

マチェーテの武器は大きいナタが多いのだが、マチェーテ自身がヘリのローターにロープで引っ掛かり、グルグル回って、敵の集団の首チョンパのシーンなんかは、グロかったり、胴体真っ二つなんてあったり、とにかく人が死ぬ時は派手で残酷描写がキモかった。中でも、メル・ギブのクローン用心棒のサロールを演じたマルコ・サロール、殺されても何回も出て来るので、目だってましたね。だが、スターウォーズのオマージュがたくさんあって楽しかった。

いちいち面白いし、とりわけ場当たり的にアクションを繋げてみたと言うような、ストーリー設定は味わい深いのだが、どこか物足りなさを感じてしまう。というのも、新しさを期待したわけではないが、もはやダニー・トレホの顔に飽きてきたということだろう。それにしても、よくよく見ると、「プレデターズ」のような壊れたあくどい感じがするでもなし、ファッション化しようがない絶対的なダサイところがいいのだろう。
大統領のチャーリー・シーンは、今回、本名のカルロス・エステペスを名乗っての映画出演。作品のテーマに沿って、ヒスパニックとしての出身を明確にしたかったというのだ。デタラメばかりやっているが、なかなかの社会派である。

それにしても、ワシントンをターゲットにしたミサイルが発射されるという、心臓に連動機能を備えたと言う設定に、マッドマンが死んでも心臓だけ取り出しガラスのケースに入れ心臓を動かしているとは、恐れ入りました。それでも、ミサイルは発射され、マチェーテがそのミサイルにまたがり青い線を切って解除するという。だったら回り道しないで、最初っからそうすればよかったのに。
宇宙にいくロケットには、顔を焼かれて仮面を付けたメル・ギブソンを先頭に多数の人間が乗っており、宇宙では地球を攻略する武器を作っているらしい。
本編の上映前には、さらなる続編「マチェーテ・キルズ/イン・スペース!」の予告が流れるなどして、いかにも続編がありそうな気がしてくるも、先行きは未定です。
最後までご覧ください。NG集のような映像を見られます。
2014年劇場鑑賞作品・・・83  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

17歳 ★★★

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『スイミング・プール』などのフランソワ・オゾン監督が、少女から大人へと変化を遂げる17歳の女子高生の心理とセクシュアリティーをあぶり出す青春ドラマ。不特定多数の男と性交を重ねる名門高校に通う美しい女子高生。ある事件をきっかけにその問題行動が発覚、行動の裏にある少女でも大人でもない17歳の女性の揺れ動く気持ちを描き出す。主演は、モデル出身のマリーヌ・ヴァクト。『輝ける女たち』などのジェラルディーヌ・ペラスや『まぼろし』などのシャーロット・ランプリングが共演。オゾン監督らしい繊細で鋭い心理描写に心を揺さぶられる。
あらすじ:パリの名門高校に通うイザベル(マリーヌ・ヴァクト)は、バカンス先で出会ったドイツ人青年との初体験を終え、数日後に17歳の誕生日を迎える。パリに戻ったイザベルは、SNSを通じてさまざまな男性との密会を重ねるようになっていた。そんなある日、ホテルのベッドの上で初老の男ジョルジュ(ヨハン・レイゼン)が発作を起こしそのまま帰らぬ人となってしまう。イザベルはその場から逃げ……。

<感想>「危険なプロット」からこのかたフランソワ・オゾンが絶好調である。この作品にも出ているシャーロット・ランプリングや、カトリーヌ・ドヌーヴのようなベテラン女優との相性も良い監督である。しかし、「現代の若者たちを取り上げた映画を撮りたい」という欲望が、その才能と彼にそれを求める市場とがぴったり合致したからだろう。
すごいと思ったマリーヌ・ヴァクト。この浮世離れした美貌あってこそ成立するこの映画。まったくもって期待を裏切らない人選だと思った。冒頭、双眼鏡で盗み見されるターゲットとしてスクリーンに登場する彼女は、人気のない浜辺に一人たたずみ、あたりを見計らってビキニの水着のトップレスを外す。

その体は、スレンダーだが、ほどよく陽に焼けて伸びやかな肢体は、少女とも大人ともつかない体つきで、その身体に頼りなげな紐で引っかっている素朴な水着がまた何ともアンニュイな感じがした。基本的にポーカーフェイスなのも、何を考えているのか読み取れないミステリアスな年齢を後押ししている。

インターネットのSNSを通じて見知らぬ男たちと性関係を持つようになるのだが、ベッドの上で自分の体をまるでモノのように無造作に投げ出す様が見事です。この年代の少女は、世間や異性に対して自分を極端に守るタイプか、あるいは必要以上に粗末に扱うタイプの二種類に分かれる。
後者は奔放かというとそう単純でもなく、言っていることとやっていることは反対だったりするケースもあるから何とも言えない。物語の設定が春夏秋冬になっているので、地下鉄の駅から密会場所の地上へと上がってくエスカレーターに乗る彼女も、期待と不安が入り交じったスリリングな季節を生きているのだろう。
前作が美少年だったから次は美少女というストレートな流れも嬉しいではないか。夏の浜辺で一人になるとすぐブラを外したり、ベッドで股間をこすり付けたり、これはいかにもフランソワ・オゾンなのかな、と思いつつ観ていたら、結局これは性不感症か、性飢餓症の少女のお話のように思った。
それにしても、日本ならさしずめ援助交際とでもいうのか、自分の父親と同じくらいの年齢の男とホテルで売春をして、もしかしてSMプレイなど乱暴されたり、拉致されたり、映画ではいいことばかり描いているが、大人の男は優しい人ばかりではない。
まるで犯罪映画のようなタッチで、大人たちの眼には怪物に見えそうな少女のことを、勝手に理解して見せるでもなく、突き放すでもなく描いている。結局は、お客の爺様がベッドの上で心筋梗塞でお亡くなりになり、慌てて帰るという。全部監視カメラが捉えていたことも知らずに。警察が動き家に刑事が来て、母親が全てを知ってしまう。

性の知識が溢れて、男は女を、女は男をバカにするに足る情報も十二分な現代に、フェアな関係を獲得することの困難は増すばかり。17歳の娘でいることも、その母親であることも、苦労は計り知れない。それにしても、この怖いほどの生々しさ。ひとつ屋根の下の平和とは何なのか?・・・。両親は離婚して、母親が再婚。その母親について来て一緒に住み経済的には申し分のない生活なのに。

頻繁に出て来る鏡のイメージを通じて、自分を見つめ、自分をつかまえようとする少女。若い娘のみずみずしい裸身がエロチックなのは当たり前だが、その弟も両親や姉の裸を見たりして、妙にエロく撮られているのが気にかかる。
ともあれ、シャーロット・ランプリングがサングラスを外す瞬間よ!・・・ラスボス的な登場は圧巻です。
2014年劇場鑑賞作品・・・84  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


ラン・ファットボーイ・ラン 走れメタボ★★★

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サイモン・ペッグ(『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』)、タンディ・ニュートン(『クラッシュ』)、ハンク・アザリア(『ザ・シンプソンズ MOVIE』)出演の爆笑コメディー。デヴィッド・シュワイマー(『フレンズ』)の記念すべき監督デビュー作。みそぎの激走でデニスは愛を取り戻せるのか? 観ているだけで、気分はランナーズハイ。
あらすじ:ロンドンマラソン当日。テムズ河岸通りを駆け抜ける何千本もの足、足、足。その中の頼りなげな二本の主が、デニス・ドイル。体の締まりもツキもない彼が出場する理由、それはひとえにリビーの尊敬(というか愛)を勝ち取るため。
この男は5年前、お腹に子がいる彼女を置いて、結婚目前で逃げ出したのだ。そして彼と肩を並べて走るのはリビーの新恋人。ハンサム、勝ち組、スタイル抜群のライバル相手に、どうするデニス。
サイモン・ペッグ(『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』)、タンディ・ニュートン(『クラッシュ』)、ハンク・アザリア(『ザ・シンプソンズ MOVIE』)出演の爆笑コメディー。デヴィッド・シュワイマー(『フレンズ』)の記念すべき監督デビュー作。みそぎの激走でデニスは愛を取り戻せるのか? 観ているだけで、気分はランナーズハイ。

<感想>「ワールズ・エンド酔っぱらいが世界を救う!」を観てきたので、その前に2007年の未公開作品を観賞しました。「ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-」で日本での知名度を上げた英国のコメディ俳優サイモン・ペッグ。やはり特異とするのは「ショーン・オブ・ザ・デッド」で演じたような、大人になれない自堕落な男役だ。本作でも、彼のダメっぷりの妙演が存分に発揮されていて楽しめます。
サイモン扮する主人公のデニスは、できちゃった結婚に踏み切るも、挙式直前にビビッて逃げ出したダメな男である。5年後、惰性な生活のせいで腹は突き出て、ランジェリー店の警備員として万引き犯人を追い掛けても、すぐに息が切れてしまう。万引き犯人はオカマだったが、追いつきパンティーは取り返すもブラジャーは持って行かれた。

そんなデニスが大人であることを自覚するのは、元花嫁との間に生まれた幼い息子と過ごす時だけ。生まれた息子が大好きなんですね、「だったら何故に結婚式に逃げたんだと」女として怒り心頭ですからね。一番やってはダメなことでしょうに、最低な男ですよ。
でも、息子はそんなパパが大好きなのよね。だから、ママには、パパと仲良く縁りを戻して一緒に住んで欲しいのよね。子役の息子の男の子が可愛い。元花嫁にはタンディ・ニュートンが演じていて、彼女とは「MI:2」で共演しているのよね。
ところが、元花嫁がイケメン金持ちと再婚することになり、彼の父親としての立場が危うくなる。そのイケメン男にハンク・アザリアが扮していて、確かに彼の方が断然、男前で筋肉モリモリです。

再婚相手が出場するチャリティ・マラソン大会へ出場を決意した彼は、父親の威厳を保つべく奮闘するサイモンの勇姿に応援したくなります。もち、メタボ体型のデニスは、これってお腹に何か物詰めてる、不自然な感じがするもの。
だが、これが言うまでもなく前途多難で、メタボ体型では息切れ必至で、優勝はおろか完走さえままならないだろう。
それからと言うもの、デニスは筋トレや、ジョギングなど毎日のように友達のディラン・モーランがコーチに付いて特訓をします。ですが何よりも意識面が問題で、子供への愛情はあっても責任感が伴わない。面倒なことより、仲間とポーカーをしている方が楽しいに決まっている。
そんな具合の、ついラクな方に流れる主人公像に、リアリティを覚える独身男性が少なくないはずです。ですが、サイモン・ペッグの好演は共感を呼び、クライマックスのマラソンシーンでは応援したくなること必至ですぞ。

前半に飛ばす飛ばす、先頭のランナーを追い抜く時に、元嫁の再婚相手、ハンク・アザリアに足を引っかけられて転び足首を捻挫するも、そこで棄権をせずに痛む足を引きずりながらも完走するんですから。この勇姿をTVでレポーターが応援しているのを見て、元嫁は、彼の逃げ出さない根性の強さを見て再婚を止めます。
やはり、デブッチョの相棒、ニック・フロストが出演していないのが寂しい。
一年発起した男のガッツに胸が熱くなる。自分を甘やかすな、メタボに慣れるな、そんな熱さを笑いとともに伝える傑作です。オタク男子ならずとも必見の予知ありですね。
2014年DVD鑑賞作品・・・29 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!★★★.5

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『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』などのエドガー・ライト監督、サイモン・ペッグ、ニック・フロスト主演という黄金トリオが放つSFコメディー。故郷の街でパブのはしごをする中年男性5人組が、いつしか世界存亡を懸けた戦いに身を投じるはめに。『思秋期』などのパディ・コンシダイン、『ホビット 思いがけない冒険』などのマーティン・フリーマンら、イギリスの実力派が共演。奇想天外な設定や物語に加え、サイモンとニックが繰り出す息の合った掛け合いも見ものだ。
あらすじ:ひと晩に5人で12軒のハシゴ酒という学生時代に達成できなかった挑戦にリベンジすべく、故郷であるイギリス郊外の街ニュートン・ヘイヴンに戻ってきた中年男性たち。終点となる12軒目のパブ、ワールズ・エンドを目指して、ひたすら飲みまくっては大騒ぎする彼らだったが、どこか街の住民たちの様子がおかしいことに気付く。やがて、住民が何者かによって操られていることが判明。目を光らせて青い血を流す彼らに追い掛けられながらも、五人はハシゴ酒を成し遂げようと逃げては飲んでを繰り返していく。

<感想>この映画は究極なまでにサイモン&ニック&エドガー的な映画になっている。何しろ」、約20年前に成し遂げられなかった「「一晩で12軒のパブで、1パイントずつビールを飲み干す」というミッションを、アラフォー世代となったオッサンたちが、故郷で再会して今度こそ果たそうという同窓会から、地球侵略SFの展開でお決まりの怒涛のアクションムービーになっている。しかし、今回のアクションは前2作をしのぐ爆裂っぷりですから。
そして、最終的にストーリーは、現代のアーサー王物語へと半ば強引に展開していくのである。爆笑に興奮、そして脱力の3つがヤバイ配合で、しっちゃかめっ茶化に合わさったバッドドリップ度がさらにアップしていて、遂には、やつら行きつくとこまで行っちまった感じなのである。

さてそこで思いを馳せたいのが、このサイモン&ニック&エドガーの3人はいったい、このシリーズで何をしたのかということだ。何しろ3本とも、清々しいくらいにバカバカしい映画である。しかし、ただひたすら観客を笑わそうと悪ふざけをしているのとは、全く違うのだ。
「ショーン・オブ・ザ・デッド」も「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!」も、今回の「ワールズ・エンド酔っぱらいが世界を救う!」も、本物の映画バカによる大真面目のおバカ映画としての明確なメッセージに貫かれているのである。

大人になりきれない大人たちが、大人になりきれないまま悲惨な状況に立ち向かわざるを得なくなる。それが、「コルネット三部作」のパターンであるから。途中で、酒の勢いが入る点と、いい年こいてきたからこそ濃いキャラになる男の友情を描いているという点では、「ハングオーバー!」シリーズにも共通するけれど、自業自得で面倒に巻き込まれていく展開という意味では、「ハングオーバー」シリーズの方が、もうちょっと古典的なコメディとしては気楽に観られる。

特にサイモン・ペッグ演じるキャラクターに、実はこの世はかくあるべきというこだわりと、使命感のようなものがあり、どんくさいようで実は一番それを理解して、そこについて来てくれるニック・フロストが演じる法律事務所で働くアンディがいて、その二人の意志の団結が、のらりくらりとしながらも、熱くストーリーを引っ張っているのだ思った。
これは、エドガー監督やサイモンが、映画なんかで世界は変わらないという冷めた視点は持ちつつも、悲惨な世の中を映画で笑い飛ばしてやることによって、少しは変わるのかもしれないという青臭さを、大切にしているということなのだろう。

この映画を観て思ったのが、「光る眼」や「地球が静止する日」といった侵略SF映画と類似しているように見受けられた。街の人々は、ロボットと入れ替わっていたのだ。ゲイリーたちはロボット軍団から追撃されながら、パブではしご酒をして、謎を解き明かそうとする。
前二作にも登場した英国特有の文化の象徴であるパブが主要の舞台であることに、日本人は若干戸惑うかもしれない。国際資本によって均一化していく故郷への違和感には、きっと日本人も強く共感できるはずです。
ちなみに本作は、「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!」に続く三部作の完結編とされていて、同種の映画はこれが最後となるらしい。
2014年劇場鑑賞作品・・・85  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

危険な関係 ★★★.5

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これまでに何度も映像化されてきたピエール・コデルロス・ド・ラクロの古典をチャン・ツィイー、チャン・ドンゴン、セシリア・チャンというアジアを代表する豪華スターの共演で映画化した文芸ラブ・サスペンス。舞台を18世紀のパリから1930年代の上海に移し、名うてのプレイボーイが仕掛ける危険な恋愛ゲームの行方をスリリングに綴る。監督は「八月のクリスマス」「四月の雪」のホ・ジノ。
あらすじ:1931年の上海。そこでは、富豪たちが享楽的な生活を謳歌していた。ある日、女性実業家のジユは、遊び友だちのプレイボーイ、イーファンに背徳的な提案を持ちかける。それは、自分を捨てて年端もいかない少女と結婚した男への復讐として、その少女を寝取って欲しいというもの。ところが百戦錬磨のイーファンにとって、その程度の相手は簡単すぎて面白味がない。そんな彼が目を付けているのは、亡き夫の遺志を継ぎ慈善活動に尽力する知的で清楚な未亡人フェンユーだった。そこで2人は、貞淑なフェンユーがイーファンの誘惑に負けるかどうかを巡ってみだらな賭けを始めるが…。

<感想>本日で上映終了とのことで急きょ観賞。ド・ラクロ作の小説は、今までに何度も映画になっている。この作品は中国映画らしいが、監督ホ・ジノは韓国人。出演者は中国と韓国の混成である。時代設定は、日本が中国東北部に満州国を作ろうとしていた1930年代の後半で、映画は、それなりに時代の雰囲気や気分を出していると思った。ですが、そのことと、描かれる恋の駆け引きの危ういスリルやサスペンスがうまく絡んでいるようには感じ取れなかった。
何とまぁ、ゲームのような恋の駆け引きをして、ゲームに買って勝負に負ける、という言葉もあるが、それはやはり敗者である。今回のプレイヤーは二人、銀行の女取締役であるジユをセシリア・チャンが、その元カレでプレイボーイのイーファンをチャン・ドンゴンが演じている。戦場は1931年の上海。
18世紀に書かれたラクロの原作では夫婦であるジユとイーファンの関係は、元恋人同士にして性別を超えた悪友のような同志のようなものに置き換わっている。これが事を複雑にさせる。

イーファンは賭けの報酬としてジユ本人を要求するが、本心からヨリを戻したがっているのか、単なる制服欲なのか、本人たちも分からなくなってしまっていることがややこしいのだ。
夫婦が自分たちの関係を維持するために、他人を利用する物語は多々あるけれど、それが悪趣味と呼ぶのか純愛と呼ぶかは紙一重ですよね。

恋愛の形も多種多様になってきた現代においては、ともすれば陳腐に映ってしまいがちなさや当て劇の格調を高めているのは、何と言ってもヒロインのチャン・ツーイーの存在感です。美しすぎる、チャン・ツーイー。「グランドマスター」でも輝いた凛とした美を併せて可憐さもあって本当に美しい。イーファンが狙う貞淑な未亡人フェンユーを演じた彼女は、顔をみているだけで、画面がもつという、最もシンプルにして得難い体験をさせてくれる。表情に、動向の一つ一つが、息を詰めて次の展開を見守っているようなサスペンスとなっているのだ。

しかし、ひとたびイーファンと結ばれた彼女は、一転して恋する女の無邪気な顔を見せる。その姿はまるでチャン・ツーイーの映画デビュー作であった、「初恋のきた道」で、ハニカミながら一途に山村を走っていた少女を思い出させます。あの時のツーイーが大好きな先生を思って、せっせと作っていたきのこ餃子は本当に美味しそうだった。ですが、せっかくの手料理は先生の元に届く代わりに、地面に飛び散ることとなってしまう。

そして、一人暮らしを始めたささやかな部屋で、フェンユーがイーファンのために心を込めて包んだ餃子は、またもや過酷な運命をたどるという展開になっています。
それまで、気高い女、可愛いらしい女としての一線を崩さなかったツーイーが、餃子の入った籠を手に屋敷を後にするとき、美しい顔をグシャッと歪めて苦しみを露わにするシーンが。彼女もまた敗者なのだ。ヒロイン二人を自立した女性として描く脚色が現代ふうですね。
旋回するキャメラと三拍子のテーマ音楽からすると、主演3人の力関係でくるくる変転する展開を期待したいところなのだが、この原作の以前の映画化作品にもまして、3人中一人だけが圧倒的権力を握っているように見えるため、ちょっと不釣り合い感じがした。
劇場シーンのサスペンス以外は、予想の枠内に収まる演出ですけど、1930年代の上海を再現した画面と、クローズアップだけで画面を支えることのできるスター3人の魅力で見せているのは良かった。
一方、モテル男とは何か?・・・プレイボーイとは何かを考えさせてくれたチャン・ドンゴンでした。ともあれ、繰り返される「危険な関係」映画化全作品を、この機会にもう一度観たくなる秀作でしょう。
2014年劇場鑑賞作品・・・86  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち★★★

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エルヴィス・プレスリーやザ・ローリング・ストーンズなど数々のミュージシャンを、類いまれなる歌唱力で支えてきたバックシンガーたち。彼女たちの多くは聖歌隊で歌うことを覚え、才能を開花させた。しかし、多くがソロでの活躍を夢見ながら失敗に終わっている。1960年代から活躍するダーレン・ラヴをはじめ、第一線で活動するバックシンガーがその栄光と挫折を赤裸々に語る。

<感想>音楽界のトップスターたちを陰で支えてきたバックコーラスの女性たちにスポットを当てて、その知られざる成功と挫折を捉えたドキュメンタリー。彼女たちの波乱の人生を、当時の貴重な映像や大物ミュージシャンによる証言と即興セッションなどで描いている。
ロックやソウルのスターたちのライブ映像を見ると、ステージ後方に必ずといっていいほど黒人女性のバックコーラス隊がいることに気付く。中には驚くほどの美人もいるし、たまにはスターとデュエットしたりすると、主役を喰うほど歌が上手かったりする。
黒人女性がプロデューサーから搾取され、メインストリームに躍り出ても、黒いバービーとして男の眼を惹く露出度の高いドレスを着せられること。それでも、70年代にアーティストとして迎えられたロックシーンの話しが楽しい。

デイヴィッド・ボウイとのリハーサル風景や、ミック・ジャガーと何かあった感じのする睦まじい回想などが興味深かった。だが、念願のソロデビューで失敗する経緯は、バックコーラスがプロ意識として裏方なわけではない、という悶々とする現実を見たような気がした。
登場するのはサム・クック、エルヴィス、フィル・スペクターのセッションで活躍してきたダーレン・ラヴをはじめ、ストーンズや「ギミー・シェルダー」での絶唱で知られるメリー・クレイトン。そのストーンズのツアーに現在欠かせない存在であるリサ・フィッシャー、マイケル・ジャクソンの追悼コンサートで注目されてソロデビューが決まったジュディス・ヒルら。

彼女たちが参加したロック〜ソウルの名曲をBGMに、父親が牧師の家庭がやたらと多い音楽的背景や、自分たちを正当に扱ってくれた英国白人ロッカーたちへの感謝など、興味深いエピソードが続きます。
バックとはいうものの、いずれも抜群に歌が巧く、聞いているだけで楽しくなってくる。それでも彼女たちは現状に甘んじているわけではなく、いつかはセンターに立ちたいと願望しているのだが、その過程では挫折したり、消えていったり、ショービジネスの過酷な内側が映し出され、華やかさとは裏腹の悲しさが滲んでくる。

それにしても、黒人女性が多いという点が気になった。歌が巧いというだけでなく、そこには使い捨ててもいいという裏事情があるのではと勘ぐってしまった。バックに留まる者とフロントに出る者の違いはどこにあるのか、という問いに、別にスターと比べなくてもいいじゃないの。それぞれ多少地味でも個性があるのだし、声自体は素晴らしいのだから、とは思うだけれど。

でもやはりかたわらに映るミック・ジャガーや、デビッド・ボウイやマイケル・ジャクソンたちの特別な輝きには、本当のスターが映し出されると間が持つなぁと、感嘆してしまう自分もいたりするのだ。
彼女たちは何故にあの立場に甘んじているのだろうか?・・・これまでソロデビューの話はなかったのだろうか?・・・そんな疑問に答えてくれるのが、本作の音楽ドキュメンタリー映画を手掛けてきた、モーガン・ネヴィル監督である。
2014年劇場鑑賞作品・・・87  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

ダリオ・アルジェントのドラキュラ★★★

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『サスペリア』『フェノミナ』などの鬼才ダリオ・アルジェントが、ホラー文学の古典であるブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」を実写化。吸血鬼であるドラキュラ伯爵が巻き起こす恐怖の数々を、バンパイア研究家ヴァン・ヘルシングとの対決を交えて描く。ドラキュラにふんする『ワルキューレ』などのトーマス・クレッチマンや『ブレードランナー』などのルトガー・ハウアーを筆頭に、実力派が出演。妖しさと戦慄(せんりつ)を兼ね備えた物語に加え、アルジェント監督ならではの鮮やかなビジュアルも見応え満点。
あらすじ:19世紀末のトランシルバニア。ドラキュラ伯爵(トーマス・クレッチマン)の屋敷で行う図書館司書の仕事を紹介してもらおうと、妻・ミナ(マルタ・ガスティーニ)の友達であるルーシー(アーシア・アルジェント)のつてを頼ってパスブルクという小さな村へ向かったジョナサン・ハーカー(ウナクス・ウガルデ)。だが、それは美しいミナを手に入れようとたくらむ吸血鬼ドラキュラの策略であった。虎視眈々(たんたん)と彼女を狙うドラキュラであったが、その前に吸血鬼研究者のヴァン・ヘルシング(ルトガー・ハウアー)が立ちはだかる。

<感想>吸血鬼もの、ヴァンパイアの映画が好物な私。男女問わず人の生き血を吸い、決して死なず、愛を渇望する屈折した怪物が永遠を彷徨う。ミニシアターで上映していたのだが、今週で終わりということで観賞。74歳を迎えても、無敵なダリオ・アルジェント節は本作でも健在でした。
格調高い画面に突如ねじ込まれる女吸血鬼のおっぴろげなヌードシーンや、この時代に絵の具のような真っ赤な流血の数々。特筆すべきは一人黙々と必殺ニンニク弾丸を鋳造するヴァン・ヘルシング。そのスタイルはまるで西部劇のガンマンを見ているようだった。

ミナが依頼して現れる吸血鬼研究者のヴァン・ヘルシング、ドラキュラ退治に乗り出すルトガー・ハウアーに、呆気に取られ快感がすこぶるいい感じだった。
いやはや、いかにも古典的なドラキュラで、これはこれで悪くないと思った。もっとも、同時に、ホラーファン、それもウルサ型には応えられない映像でしょう。
サイレント映画を、派手な音楽と色彩つきで観ているような、妙な感じが付きまとう。全体に漂うムードが時代がかっているせいに違いありません。異国の小さな街の醸しだすエキゾチシズムがそうだし、美形女優をそろえて、特にミナを演じたマルタ・ガスティーニの、エロチックに仕立てたあたりも中々いい。

ドラキュラは難しい。全員、吸血鬼になってしまえば怖くないと思うからだろうか。ドラキュラ伯爵は、悲劇の存在にもなるし、ポランスキーのような喜劇にも簡単に反転するからだ。
70年代に、ホラー映画の華麗な革新を成し遂げた鬼才ダリオ・アルジェントが、どう料理したか、正統派を尊重しつつも、あらゆる要素を取り込もうとしているように見受けられる。
その結果、ドラキュラ伯爵の屋敷で、図書館司書の仕事をするジョナサン・ハーカーが、早々に伯爵の毒牙を受け、吸血鬼はとんでもない変身を遂げ、善と悪の闘いにもこの映画は中立を決め込むといった設定である。

幽体離脱を誘うような音響、クラウディオ・シモネッティのいかがわしい旋律も、バルカン半島の民族音楽ふうの旋律を取り入れているそうです。
テルミンの音色とともに、ドラキュラは狼やコウモリのみならず、鼠や蜘蛛、蠅とゴキブリなど自由自在に変化して、自由自在に始終画面をさまよい、霞がかった物語がぼんやりと流れて消えてゆくような感じ。

中でもドラキュラが一番狙っていた美女、ミナを毒牙にかけようとするシーンには巨大カマキリに変身するが、これは監督のアイデアであり変身は監督自身のファンタジーだというのだ。
ジャームッシュのシニカルで、悩めるインテリなヴァンパイアとは対極をいく、私情にまみれ欲情剥き出しの肉食系ドラキュラ伯爵。演じているトーマス・クレッチマンは、タキシードにマントの定番スタイルではなく、黒のロングコートに身を包んだお洒落な紳士の印象でした。
この監督の作品で「ジャーロ」DVDで観賞してました。
2014年劇場鑑賞作品・・・88  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
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