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くじけないで ★★★★

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八千草薫と『神様のカルテ』などの深川栄洋監督がタッグを組み、柴田トヨのベストセラー詩集「くじけないで」「百歳」を基につづる感動の物語。90歳を迎えて以降に詩を書くようになった主人公の山あり谷ありの半生や、彼女を取り巻く家族にまつわるドラマを優しく見つめる。主人公の一人息子を武田鉄矢、その心優しい妻を伊藤蘭が好演。心が浄化されるような温かくて優しい詩人の言葉に勇気をもらう。
あらすじ:夫に先立たれたトヨ(八千草薫)は一人で生活していたが、小説家を目指して就職もせずにふらふらしている一人息子の健一(武田鉄矢)のことがいつも気がかりだった。嫁の静子(伊藤蘭)は黙って健一を支え、トヨにも精いっぱい尽くしていた。ある日、白内障の手術を受けて元気のないトヨに、いきなり健一が詩を書くように勧める。

<感想>明治、大正、昭和、平成と、日本の激動の100年を見つめ続けた詩人・柴田トヨ。彼女の詩集として、98歳で刊行された処女詩集「くじけないで」と第2詩集「百歳」は、200万部を超えるという異例の部数を記録した。
作者・柴田トヨさんの人生は、しかし平坦なものではなかった。それなのになぜ、あんなにもささやかな幸せをみいだせたのだろうか?・・・。緑内障の手術を機に、落ち込んでいたトヨさんに、詩を作る事を勧めたのは、絵に描いたようなダメ息子の健一だった。
毎日働きもせず、ギャンブル三昧の遊び呆けている馬鹿息子だ。そんな息子を叱りもせず、妻の静子も子供がいないせいか、働きながら生活を支えている。夫の健一が知能遅れのような、そんな感じもしないわけでもない。小説家志望だなんておこがましい。息子夫婦には、武田鉄也と伊藤蘭が扮して、さすがにベテランなので、違和感なく上手いですよね。

そんな息子の懸命さに心を動かされ、日々の小さな気づいたことや、喜びを言葉に綴るトヨさんの姿が、なんともチャーミングなのだ。トヨさんが生き生きと輝き始める過程は、年を経ても挑戦を恐れず好奇心を忘れないのが、彼女のエネルギーの源なのだ。
「人生は、いつだってこれから」という思いを、軽やかに体現するさまに勇気づけられます。
それは、彼女が生み出す言葉と相まって、みずみずしく輝いて見える。そう、90歳を超えてからなおのこと初々しい姿を見ると、幾つになっても人生はこれからだと気づかせてくれる。

幼少時代の奉公や、戦争を生き抜いてきたことなど、過酷な経験を重ねてきたトヨさんは、生きる大切さ、日々を楽しむ贅沢さを知っているから。辛いことがあっても、気持ちの持ち方ひとつで、未来は変えられることを教えてくれる。
ちなみに、幼少時代のトヨさんには芦田愛菜ちゃんが、戦争時代は、20歳のころ親戚の紹介で最見合い結婚するが、夫は家にお金を入れず半年余りで離婚。

戦火の激しさを増した昭和19年、飲み屋で働きながら客だった貞吉に見初められ再婚。健一が生まれ幸せな日々を過ごす。檀れいが演じているのだが、相変わらずの美人で、ちょい役とはもったいないですよね。
そして、老年時代が八千草薫さんのトヨさんは、本当に実物と変わらないようなヒロイン像を演じているのが素晴らしい。
奉公に出た少女時代の苦労、最初の夫との離婚。「私、辛いことがたくさんあったけれど生きていて良かった」という言葉が、そっと寄り添う優しい言葉が、ぽっと心を温かくしてくれる。それが、説教臭くなく心に沁みるように入ってくるのだ。

誰だって辛い時がある。それをくよくよせずにバネにして、どんなに辛くてもうつむかずに、他人を責めない。そんなトヨさんの生きる姿勢に、凛と生きるトヨさんに、勇気と希望をもらいました。
女性は強い、それに母親ならなおのことだ。与えられた命を、自分の人生を前向きにくじけずに、あまりいきまないで頑張らないこと、そうすれば寿命が延びて、残りの人生をゆっくりと歩んで行ける。
2013年劇場鑑賞作品・・・325  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

ねぇ、不幸だなんて溜め息をつかないで、陽射しやそよ風はえこひいきしない。夢は、平等に見られるのよ。私、辛いことがあったけれど、生きていてよかった。あなたもくじけずに


マラヴィータ ★★★★

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監督を務めるリュック・ベッソンが、マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロの黄金コンビをそれぞれ製作総指揮と主演に迎えて贈るクライム・ドラマ。原作はトニーノ・ブナキスタの『隣りのマフィア』。FBIの証人保護プログラムによってフランスに移住した元マフィアの男とその家族、というワケあり一家が巻き起こす大騒動を描く。共演はミシェル・ファイファー、トミー・リー・ジョーンズ。
<感想>スコセッシ×デ・ニーロ×ベッソン!?まさかの組み合わせでよる快作である。泣く子も黙る製作総指揮のマーティン・スコセッシとデ・ニーロの最強コンビが、フランス勢力のヨーロッパ・コープ社長、リュック・ベッソン(監督・脚本)と組み、米・仏の両雄を繋げてしまったのが、原作「隣のマフィア」のトニーノ・ブナキスタである。

フランスのド田舎に都落ちした元マフィア一家のドタバタ喜劇を、あり得ない豪華キャスト&スタッフで描いたのが本作なんですね。驚異的な腕っ節の強さと団結力で観客を魅了してきた最強ファミリーの数々を振り返り、映画における家族の強さを考察します。
ところどころでフランス語の台詞、でも英語の台詞の方が多い。ド田舎でもフランス人気質というか、「アメリカ人は全員バカで無教養で味覚音痴だ」という地元民たちの冷ややかな視線を、ぐっとこらえてホームパーティを開き、自慢のパスタ料理を振る舞う母親役のミシェル・ファイファーの腕前には賞賛の声も。
アメリカ人というと、ホットドッグにハンバーグ、コーラとピザが定番メニューと思っている地元民。しかし、「あいつら濃い味が好きだから、バターさえ入っていれば何でもいいのよ」と言い切る姉さんには、プッツンと切れるとプロパンガス爆発でドッカンですからくれぐれもご注意を。

面白いのが父親役のデ・ニーロが、かつてブルックリンでブイブイ言わせていたころの回想シーンでは、まさにスコセッシのギャング映画を彷彿とさせる空気感が再現されていて最高。ブルックリン高架下を我が物顔でかっぽするデ・ニーロ親分の勇姿が、いまの時代に観られるとは感動しきり。
そして物語の中盤で、スコセッシ監督の傑作「グッドフェローズ」(90)が、慈善活動の映画鑑賞会で上映されるシーンで、本当はヴィンセント・ミネリの「走り来る人々」をやる予定が、フィルムが間違って届いたという設定になってます。そこで映像こそ見せてはいないが、隣の席にFBIのトミー・リー・ジョーンズが座り、デ・ニーロが「グッドフェローズ」の映画の解説をする場面があります。もちろん地元の人たちにはヤンヤの大喝采でした。

この地でのフレッド・ブレイクはもちろん偽名で、本当の名前はジョヴァンニ・マンゾーニである。かつてはイタリア系マフィアを率いていたボスだが、殺し屋から狙われる身となり、FBIの証人保護プログラムを適用され、フランスの地でごく普通のアメリカ人を装っている設定なわけ。原作者のブナキスタも名前で分かるようにイタリア系なのだ。タイトルの「マラヴィータ」とは、イタリア語で裏社会の意味だそうで、この作品の中では飼い犬の名前になっている。

しかしだ、素性を隠しつつ慣れないフランスでの生活に、ブレイク一家はアメリカとのカルチャーギャップでストレスを溜めたり、地元民からはナメた扱いをうけたりする。だが、妻のマギーはクソ店員や常連客のいるスーパーを即刻爆破し、長女ベルは数学教師を誘惑。小柄な長男ウォレンは、学校内の人間会計を把握してパワーゲームの制覇者となるなど、それぞれ最強ファミリーぶりを発揮するのだが、・・・。
父親の血の気の多さを引き継いだ娘役のディアナ・アグロンは、帰り道の分からない彼女を騙して遠くへ連れ出したスケベ野郎を、テニスラケットが折れるまで殴打して、自分で彼らの車を運転して家へ帰るのだ。その他にも、怠け者の癖に口だけは一丁前なフランス人野郎どもを、父親のデ・ニーロが配管工事に来た職人を野球バットで滅多打ちにするシーンなどが満載です。

そこへアメリカからギャングの殺し屋たちがやって来るのだが、田舎町の警察に行き警察官を撃ち殺し、消防署の人間も撃ち殺し、デ・ニーロの家を見つけてロケットランチャーを発射!・・・ドッカンという凄まじい音とともに家が木端微塵。幸い家の中にいたデ・ニーロ親分は犬と一緒に外へ逃げ出していた。
迎えの家に張り込んでいたFBIの捜査官たちも撃たれてしまい、そこにいた妻のマギーはピンチに。そこへ助けに来たのがデ・ニーロ。子供たちもヤワじゃない。銃を手に戦うのだ。もちろんFBIのトミー・リー・ジョーンズも助っ人に来ますよ。
主人公一家を監視するFBI役のジョーンズ星人とデ・ニーロは、本作が意外にも初共演だそうです。
最近のベッソン監督は、「96時間」シリーズで、“アクション+家族愛”に活路を見出し、全米でも大成功。しかし、忘れてはならないのがNYを舞台にしたイタリア系の殺し屋を描いた「レオン」が最高だった。それにプロデューサーとしては、「TAXI」や「トランスポーター」シリーズなど娯楽アクションもよかった。
2013年劇場鑑賞作品・・・326 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

ルームメイト ★★★

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北川景子と深田恭子が初共演し、「オトシモノ」「Another アナザー」の古澤健監督が手がけたホラー。今邑彩の同名小説を原案に、ルームメイトの奇妙な行動をきっかけに奇怪な事件に巻き込まれていく女性の恐怖を描く。
あらすじ:派遣社員として働く23歳の萩尾春海は、交通事故に遭い入院した病院で、看護師の西村麗子と出会う。患者と看護師として知り合った2人だが意気投合し、春海の退院をきっかけに麗子がルームシェアを提案。2人は一緒に暮らしはじめる。順調な共同生活を送っていたある日、春海は麗子の奇妙な言動を目撃し、それ以降、周囲で不可解な事件が続発。ついには殺人事件まで起こってしまう。そして、春海の前に麗子とそっくりなマリという女性が現れ……。
<感想>友達同士で一緒に暮らすのって一見楽しそうですが、最近、若者の間でもルームシェアが流行っているけれど、本作を観たら絶対に考え直したくなるかもです。決してオカルト・ホラーものではありません。

そう、北川景子と深田恭子という今をときめく美女2人がキャスティングされた友情物語ではなく、怖〜いサスペンスドラマなんです。同じ家で暮らす相手を疑う怖さといったら、・・・姉妹ならともかくも、友人は他人でいくら仲がいいからといっても、始めはお互いに気を使って上手くいっているようでも、暫くすると自分のエゴとかわがままが出て来て、それにプライバシーもないし、掃除、洗濯、料理など2人で分担してやればいいのだが、仕事の都合とか恋人が出来たとかいっている内に仲違いをしてダメになると思う。

別々に暮らしていて、たまに食事とか映画を観に行くのだったらいいけれどね。
ところが、この作品はちょっと違うんですよ。最初のシチュエーションから観客を欺く仕掛けが満載なんです。
主人公の病気、多重人格という自分が嫌なことがあると別の人間になって行動する。そして、その成り代わりの人物のことは一切覚えていないという特殊な病気。
だから、一軒家で2人で暮らしているように見えますが、どこか変な感じもするでもなしに、後ろをスス〜ッと誰かが通り過ぎる。そんな気配がしたらあなたも要注意ですよ。

麗子役の深田恭子の白衣の天使から豹変し、悪女のような恐ろしげな演技が最高です。それにもうひとり、クラブで働く麗子そっくりのマリという女が、最高の悪魔のように妖艶な笑みを浮かべる深田恭子もなんですね。「おお、そう来るか」と、新たな驚きが次へとつながる起承転結のうまさに、思わず目が釘付け状態になりますから。
しかも二転三転を繰り返し、たどり着いた衝撃の事実とは、それまで観ていた春海と麗子への考えや感情をひっくり返され、最後の真実にはかなりエグく辛い現実だったとは。だからそれを変に煽るわけでもなく、現実が露わになるラストに、「やっぱりそうだったのか」と思ってしまった。

確かに春海役の北川景子は、シリアスな演技がからっきしダメみたいで、だれより信じたい親友を疑わなければならない苦悩や、葛藤を一人芝居していたわけで、恐怖に顔を引きつらせながら演じる彼女。
でも仮面は剥される。それは交通事故の加害者である工藤を演じた高良健吾が、衝突した時に目にした春海の何通りもの姿だったのです。

いやいや騙されませんでしたよ。なんか変だと気づき、これは多重人格障害者だと、それも三重人格者かと、ところが高校生のコーラスを見て、中に一人歌を歌っていない生徒がいると気づき、その女子生徒が4人目だったのですね。
つまり春海の本当の名前はエリで、子供のころから母親が売春をして生計を立てていて、子供のエリを客に提供して金を稼いでいた。つまり幼児虐待というあまりにも唐突すぎて冗談かと思った。そんな生活にエリという人格が春海という人格を作り、逃避して別人格となって母親を殺して床下に埋めて家を出る。それからは、派遣社員で春海と名乗り母親の残した預金で生活をした。

交通事故で、病院で見た看護婦の麗子も、春海がまたもや麗子という別人格になり、その次がマリというクラブに勤める女に変貌する。そして、幼いころに性虐待を受けた彼女が、高校生のエリに自分と同じ姿を見つけて匿っていたようだ。その男を殺そうと市長選挙の演説会場で、ナイフを手に男を刺し殺そうとするエリを止めるマリ。自分と同じ過ちを繰り返すようになるのが恐ろしく思ったのか?
高良健吾もただ出ているだけという、演技を見せる出番がなかったのが惜しい。
気弱な春海が、だんだんと悪女に変身していっているようで、と思って見ていたが、別人格に変貌する時は北川景子から深田恭子に代わるので、もし、北川景子が変装して三役を演じたら、また違った作品になっていたのかもしれませんね。
2013年劇場鑑賞作品・・・327  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

四十九日のレシピ ★★★

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NHKでドラマ化もされた伊吹有喜の人気小説を、「百万円と苦虫女」「ふがいない僕は空を見た」のタナダユキ監督が映画化。母が残したあるレシピによって、離れ離れになっていた家族が再び集い、それぞれが抱えた心の傷と向き合いながら再生していく姿を描く。
あらすじ:妻の乙美を亡くして生きる気力を失っていた良平のもとに、夫の不倫で結婚生活が破たんし、離婚を決意した娘の百合子が戻ってくる。そして、そんな2人の前に、派手な服を着た不思議な少女イモが現れる。イモは、乙美から頼まれていた四十九日までの家事を引き受けにやってきたと言い、乙美が残したというレシピの存在を伝える。百合子役で永作博美が主演。父・良平役の石橋蓮司、イモ役の二階堂ふみらが共演。

<感想>主人公役の永作博美さん、嫌いじゃないけどなんか影があるような、何だかミスキャストのような気がした。別に華のある女優さんじゃなければというわけでもないが、作品的にチマチマとした感じが、永作博美の生真面目なオーラのせいに思えてしまうのだ。父親の石橋蓮司は、オロオロとして何だか頑固親父には見えなかった。でも、お風呂で二階堂ふみに背中を流してもらっている映像には、つい吹き出してしまった。

確かに主人公の百合子は、夫との関係に問題を抱えて実家に戻ってきているのだが、実家で出会う様々な若者たちとの、ぎこちない距離感が最後まで消えない。
料理の映画だと思って、たくさん美味しそうな料理がテーブルに並ぶのかと期待したのだが、確かにコロッケパンなるサンドイッチとちらし寿司、それにいろんな料理が並んでいたが、レシピもそんなに画面には出てこないのだ。つまり、生活や料理に関する知恵が書き込まれた「暮らしのレシピカード」
母親が遺した肝心のレシピも、作劇上不可欠なお宝としての役割は与えられず、最後の娘婿にあげてしまう程度のものにすぎない。

この映画、子供が出来ないなんてたいした問題じゃない。というのをこんな大げさに扱うしかなかったのは大失敗である。というのも、49日の大宴会を家でするために、部屋を飾る母親の生きた明かしの年表を作る娘。そこで、空白の部分が目立って、子供がいなかった亡き母親のことを、自分も不妊症で子供が産めないことを涙していう。「出産をしない女の人生は空っぽだ」という百合子。これって、女の人が見たら怒り心頭なんじゃないの。

そもそも、亡くなったお母さんは後妻で、育ての親なわけで、子供が出来なかった。「どうでもいい仕来たりやシガラミを笑い飛ばしなさい、そのために美味しいレシピを残します。」という企画なんだから、そっちを強調してくれないと、旦那がくだらない愛人が出来て、妊娠までさせちゃって、という部分にこだわったせいで、その旦那が土下座までして「帰って来てくれ、やり直そう」と百合子に赦しを乞う下りで、仕上がりが汚らしくなってしまった。

それに、どの人物の行動も一貫性がなく、前後のシーンで感情が繋がっていないことに気付く。母親が生きている間に働いていた養護施設の子供たち。イモ役の二階堂ふみが可愛らしく演技して、岡田将生のブラジル人二世役の片言日本語の台詞の違和感など、それと淡路恵子の叔母さん、啖呵を切って49日の法要の席を出て行ったのに、何故か仲間を連れて戻ってきてフラダンスを踊り出すシーン。これは、演出的な飛躍があれば際立つシーンも、支離滅裂な行動に見えてしまって残念です。
タナダ監督の前作「百万円と苦虫女」「ふがいない僕は空を見た」同様、あれこれの話を盛り込んでいるが、今回はちと作品の開放感が希薄になっているように見えました。
2013年劇場鑑賞作品・・・328  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

キッズ・リターン 再会の時 ★★★

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北野武監督が1996年に発表した「キッズ・リターン」の10年後を舞台に、主人公マサルとシンジのその後を描いた物語。高校卒業後、プロボクサーとヤクザという全く別々の人生を選択し、その道の頂点を目指したシンジとマサルだったが、大きな壁にぶつかり挫折。ボクシングへの情熱を失ったシンジは、アルバイトをただこなすだけの日々を送り、刑務所から出所したマサルも、ヤクザ生活に戻るしかなかった。しかし、そんな2人が偶然の再会を果たしたことから、再びそれぞれの人生をかけた勝負に出ることを決意する。シンジ役を平岡祐太、マサル役を三浦貴大が演じ、多数の北野監督作で助監督を務めた清水浩がメガホンをとった。
<感想>先週で終了だというので、駆け込みで15日に鑑賞。どちらかと言うとバイオレンス映画のイメージが強かった北野武監督作品だが、「キッズ・リターン」は青春映画の名作として男女を問わず幅広く支持されてと思う。主演の金子賢と安藤政信もたちまち人気俳優になったようだし。
前作が「その後」を描く必要のない終わり方だっただけに、今回の企画は大いに疑問を感じた。無理を承知でいえば、金子賢と安藤政信に、17年後のシンジとマサルを演じて欲しかったと思います。

北野監督の「キッズ・リターン」といえば、シンジとマサルの自転車に二人乗りして「まだ始まっちゃいね〜よ」と呟くシーンが有名なのだが、再び自転車に乗り、ハンパな青春にオトシマエをつける二人が見れる。
シンジ役に挑んだのは平岡祐太。若手でもベテランでもないという自身の立場を役に投影して、3ヵ月に及ぶボクシング練習を重ねたそうです。前作の評価が高いだけに、難しいハードルとなったが、平岡や北野作品で助監督を務めてきた清水浩監督らが、意地を見せた熱いクライマックスに仕上がっている。

物語は、高校を出たシンジはプロボクサーになったものの、噛ませ犬的な試合ばかり組まれ、闘う意欲を失っていた。そんな時に、悪友のマサルが5年の刑期を終えて出所するも、組はもう解散寸前状態だった。仁義を欠くようになったヤクザの世界に不満を募らせていくマサル。「見返してやろうぜ」という言葉に励まされ、シンジは半端なフリーター生活を止めて、トレーニングに打ち込むことに。

「各上の相手でも倒してしまえばいい」というマサルの言葉にシンジの闘志に再び火が点くのだが。トレーニングを重ねていくうち、シンジにかつての切れ味が戻ってくる。再びリングに上がったシンジは、勝利を重ねていく。
一方、シンジの復活劇にマサルは大喜び。だが、マサルが昔から世話になっていた組は解散寸前。マサルは一大決心をしてケジメをつけることにした。
そして、その10年後の物語ということで、高校生の同級生だった落ちこぼれの二人が、10年後に偶然再会する設定は悪くない。

しかしだ、配役に関しては、シンジ役の平岡祐太は新人王を取りながら、挫折したボクサーに見えないし、一応、安藤政信の雰囲気はあることはあるのだが。
マサル役の三浦貴大は、さすがに金子賢と比べたら背丈が縮みすぎ。刑務所を出所したばかりのヤクザには見えないのだが、いっぱしになれない青春の名残の感じはする。
終盤のボクシングシーンは、かなりの興奮度マックスでした。ですが、マサルが敵討ちに行くも反対に撃たれてしまい、そのままシンジの試合を見に行こうと後楽園ホールへ辿り着くシーンも、二人が現実の厳しさに直面するのは、北野監督作品の繰り返しで、挫折した若者のリターンマッチとしては物足りなかった。
なにかと白黒つけなければならない年齢になった者たちの、ほろ苦さを描いた別個のドラマとしてみれば、極めてまっとうな作品だと思う。
2013年劇場鑑賞作品・・・329  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

42〜世界を変えた男〜★★★★

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黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの伝記ドラマ。白人の世界だったメジャーリーグに飛び込み、偏見や差別に屈することなく奮闘した彼の姿を描く。監督は、『L.A.コンフィデンシャル』の脚本家としても知られるブライアン・ヘルゲランド。テレビドラマ「FRINGE/フリンジ」などのチャドウィック・ボーズマンが、ジャッキーを快演。親身になって彼を支えたドジャースの重役ブランチ・リッキーを、名優ハリソン・フォードが徹底した人物リサーチと特殊メイクを施して演じ切っている。
あらすじ:1947年。ブルックリン・ドジャースのゼネラルマネージャーを務めるブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、黒人青年ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)と契約、彼をメジャーリーグ史上初の黒人メジャーリーガーとして迎える。だが、白人以外には門戸を開かなかったメジャーリーグにとって彼の存在は異端なものでしかなく、チームの選手たちはもちろん、マスコミや民衆からも糾弾される。そんな状況ながらも、背番号42を誇るようにプレーするジャッキーの姿は次第に人々の気持ちを変えていく。

<感想>みなさんの評判がいいようなので、終わらないうちにと鑑賞した。
メジャーリーグ全球団で永久欠番となっている唯一の背番号「42」。この背番号を背負っていたのが、近代メジャーリーグ初の黒人選手となったジャッキー・ロビンソン。ウィキペディアで調べて見るとたくさんの選手の番号が載ってましたね。
そうはいっても、余りメジャーリーグに興味がない私には、初めて耳にすることばかり。日本の野球界で知っているのは、王貞治の1番と、長嶋茂雄の3番、沢村栄治の14番、川上哲治の16番、金田正一の34番くらいなものです。
いや、ここ数年の映画に出演した中でハリソン・フォードの演技がすこぶる良かった。球団職員には、「すべてお金のためさ」とビジネスマンとしての顔を貫き、ベンチ裏でロビンソンと2人きりになると、元野球少年の素顔をのぞかせ擁護してくれる。
それに、彼が演じたオーナーのバックアップにより、第二次大戦直後のアメリカ野球界の黒人選手差別の問題を、声高に叫ぶことなく忍耐と努力で乗り越えたジャッキー・ロビンソンの姿が神々しく見えました。

人種隔離制度が廃止されるのは1964年になってから。ロビンソンが球界入りしたのは、人種差別バリバリの時代で、黒人は白人と一緒にホテルに入れず、トイレも使用できなかった。野球場の中でも別に設置したトイレを使用した。これは以前に観た「ヘルプ 心がつなぐストーリー」でも、黒人差別で酷かったですよね。
400人もいたメジャーリーガーたちは全員白人選手で、彼のメジャー挑戦がいかにどれだけ画期的なことだったかが分かります。天才興行師として鳴らしていたブランチ・リッキー会長の「1ドル紙幣は白でも黒でもない、緑色だ」という言葉が最高に奮っています。だから、ロビンソンを入団させることでチーム力がアップし、黒人層の観客動員が見込めることも頷けますね。そして、人種差別のない社会づくりに野球界が率先して取り組んでいることをアピールしているようでもあります。
実は、リッキー会長と契約を結ぶ前に、ロビンソンが所属していたのは黒人のリーグ。時速170キロの豪速球を投げた超人級のスター選手がゴロゴロしていたが、ロビンソン選手の温厚な性格も考慮しての抜擢だった。

UCLAにに在籍し、陸軍将校も務めたロビンソンなら、球場内外で起きるトラブルに絶えうる理性を持っているだろうと。実際に、フィールドに足を踏み入れたロビンソン選手は四面楚歌状態になる。対戦チームに観客は「ニーガ」の大連呼。デッドボールを投げられ、審判は不利な判定を下す始末。
チームメイトもファンもマスコミまでブーイングをする孤立無援のなかで、彼はみんなが、自分にも納得する結果を残さなくてはならないのだ。
一挙に盛り上がりそうなところを、ぐっと抑えて淡々と描いていくところなど、知的な脚本と、10年ぶりのブライアン・ヘルゲランド監督の演出が素晴らしいですね。
しかし、実際の差別はこんなものではなく、それは今日まで延々と続いていると言われていることで。永久欠番の「42」こそ、彼らが犯した行為がいかに罪深いかを示している証なのです。

野球映画独特の快楽もちゃんとあるのだが、「偉人伝を見た」という印象を受けた。人種差別をするのは悪人だし、差別に負けず地位を築いていく人は偉いし、差別心なく支える理解者は善い人。そういうズバリな演出で描かれている。
人種差別主義者は憎々しげに卑劣な行為をして、偉人の主人公は怒り返すこともなく、強い精神力で乗り越え理解者を増やしていく。忍耐と努力の人ですね。
ジャッキー・ロビンソン選手の得意技がリード、というところに目を付けたのが、何より成功の鍵になったのだろう。差別や迫害があり、打席では危険球を投げつけられるが、塁に出てしまいさえすればルールに守られ自由を謳歌できる。彼のガッツはその不敵な走塁術に託して表現されたのだ。
球場の外で描かれる彼の偉人伝的物語は、教科書的な再現映像として見えてしまうリスクもあったが、感動するシーンの方が断然強く印象に残ってしまった。
2013年劇場鑑賞作品・・・330  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

劇場版 SPEC〜結(クローズ)〜 漸(ゼン)ノ篇 ★★★

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戸田恵梨香と加瀬亮がW主演を果たし、“SPEC”こと特殊能力を保持する犯罪者と対峙(たいじ)する特殊捜査官の奮闘に迫る人気シリーズ完結編2部作の前編。宿敵との死闘を終えた未詳と呼ばれる未詳事件特別対策係所属の名コンビが、新たに立ちふさがる敵に向かうさまを活写する。メガホンを取るのは、テレビドラマシリーズから劇場版までを手掛けてきた堤幸彦監督。あらがえない流れに翻弄(ほんろう)される登場人物たちが体験する壮大な展開に息をのむ。
あらすじ:時を止められる無敵の超能力者ニノマエ(神木隆之介)との激しい戦いに勝利し、当麻(戸田恵梨香)と瀬文(加瀬亮)は虫の息で病院に搬送される。一瞬二人の距離は近づいたかのようにも思えたが、同じ頃、ある人物は着々と世界の終息に向けて準備を進めていた。やがて特殊能力者たちが世間を騒がせ始め、当麻の中のSPECがついに覚醒し……。

<感想>警視庁の地下21.5階にある小さな部署。通称、未詳。主に科学捜査では説明のつかないSPEC絡みの事件を扱う部署。連続ドラマで一度となく無くなりかけたが、その後無事に復活した。捜査一課のエリートからはお荷物部署として見下されている。
はっきり言って、ハードルの高い作品です。何故って、これまでのシリーズを観ていること、しかもかなり熱心にが必要最低条件だなんて、初めて今回観る方はもちろん、前回の作品も見直すと尚のこと分かり安いですよ。

でも、3年に亘って「SPEC」を追って来たファンにとっては相変わらず凄まじい伏線と視覚効果の数々といい、意味不明なタイミングでインサートしてくる寒いギャグといい。
そして、急転直下のシリアスな展開のカタルシスといい、それと、気付かなければ気付かないまま終わっていく細部に至る徹底した設定の作り込みである。だが、つい引き込まれて行くあの「SPEC」の中毒性といい、それらが全てノンストップで味わえること文句なしの映画である。
今回は、多様な要素が絡み合う、難解な出来なんですよ。パラレルワールドだったり、時系列が関係していたり、その中で人間模様だったり、とにかくややっこしいのだ。作品全体としては、社会に対する強い反発心がいろんな方から表現されているので、ギャグなどの笑いが少ないと感じた。
それに、当麻と瀬文の関係にも変化が訪れ、これまで互いの気持ちを押し殺してきた感があったが、今回はコンビ愛でもないし、単なる男女の愛でもない。いろんなものを超えた究極の愛情関係になっているようですね。
しかも、2人の出会いは決して偶然だったのではなく、必然だったことが分かってくる。「結」では当麻が中心の話で、役割的にも心情的にも瀬文のやることといったら、どう当麻をサポートするかってこと。「天」の終りで体を張って当麻を守ったことで、瀬文の当麻に対する想いみたいなもうバレているし、ここで当麻への思いを隠す必要なんてない。

しかし今回は、未詳の責任者である野々村係長が殉職という悲しい出来事がある。それでも野々村の愛人で、相変わらず元婦警の雅といちゃいちゃして、有給休暇を利用してハワイ旅行を企てていたが、その前にやらなくてはならない仕事をと、引き継ぎ書を当麻と瀬文に残していく。しかし、その死にざまはしつこくてウザイ。
もちろんギョウザロボットも出てきますが、壊れて使えない。それを野々村係長が足で蹴ったり叩いたりと、直してしまった。
スカイツリーの上で、白い服の大島優子扮する謎の女と向井理扮するセカイ。青池の娘潤を伴って「天」のラストで意味深に現れた謎の男で、一のクローンたちを瞬時に消し去ったほどのパワーは無限大?ってことなの。

そして、元組織犯罪対策本部の刑事吉川(北村一輝)が、「翔」の事件を解決後に、ミイラ化されたはずが、野々村係長がお湯をかけて甦らせたという設定で現れる。もう、うるさいのなんの、時間が経つとフリーズ化するし、お湯をかけないとダメ。活躍シーンってあったっけ?。その他にも捜査一課所属の、意外に頼れる雑魚トリオの3人。

それに、煌びやかな衣装に身を包み、「東西、東西」って、水を自在に操り拳銃の役目があるSPECの水芸人・香椎由宇。その他にも能面をかぶった人物も現れ、当麻と瀬文が対峙する。そしてプロフェッサーJの正体は?・・・。

シンプルプランとは、日本を陰で操る御前会議の面々がSPECホルダー抹殺を計画。5つのパーツに分けてあり、実は一部を野々村係長が隠している。
当麻や瀬文ほかSPECホルダーを持つ人間を皆殺しにするワクチンを手に入れる当麻なのだが、今回は封印していた当麻の左手が伸びて活躍する。珍しくビビル当麻が、「瀬文さん、私が道を誤るようなことがあったら、その時は撃ち殺して下さい」と感情的になる。

このウィルスでワクチンを作りって言っていた当麻が、ウイルスの入った瓶を割ってしまいシンプルプランはどうしたの?、「わしら死ぬ」いや、当麻がウイルスに感染してしまったので、後編はどうなるの?・・・楽しみですよね。
後編の予告で、SPECホルダー抹殺計画、シンプルプランに感染するSPECホルダーたち。強力なSPECを宿しながら、それを自ら封印した当麻。しかし、「天」では彼女の中の何かが暴走。両眼は黒く沈み、相棒である瀬文に銃弾を放った。もし「結」で再び同じ状態に陥ってしまったら、彼女は今度こそ旧人類と敵対するSPECホルダー側についてしまうかもしれないのだ。当麻の刑事魂は“黒”に勝るのか?・・・人類の命運を託されたヒロイン当麻の最後の戦い“結”「爻ノ篇」に期待しようではないか。
2013年劇場鑑賞作品・・・331  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
「天」で提示されたファティマ第三の予言:カトリック教会が長く極秘にしてきた予言。「天」では世界を滅ぼそうとする“左手に火の剣を持つ天使”と、それを止める聖母の物語として語られた。

劇場版SPEC「天」  

監禁探偵 ★.5

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一世を風靡(ふうび)したゲーム「かまいたちの夜」のシナリオなどで知られる我孫子武丸が原作を手掛けたコミックを実写化したサスペンス・ミステリー。殺人現場となったマンションの一室で出くわした男と女が、お互いに疑いの目を向けながらも事件解決に挑んでいく姿を描く。主演は、『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』の三浦貴大とテレビドラマ「純と愛」の夏菜。メガホンを取るのは、『シャッフル』などの及川拓郎。先読み不可能な展開はもちろん、主演二人が見せる息の合ったコンビぶりも魅力だ。
<感想>興味はあったんだけど、劇場へは見に行かなかった。やっぱDVDで正解だった。というのも、殆ど密室劇で主人公の三浦貴大君と夏菜ちゃんが、二人で部屋の中で殺された女の犯人は「お前じゃないの?」とか、お互いに疑ってかかって、映画の冒頭で三浦君が殺された女の部屋を盗撮している様子が分かる。だから犯人は三浦君じゃないことは分かっている。だが、その部屋へ突然入って来たアカネが犯人かと思ってしまう。

それでも、驚いて三浦くんが、って名前が無いんですよ。最後の方で明かされるけどね。しかし、アカネを殴って気絶させて自分の部屋連れてきて、ベットに両手、両足を縛りつけるってどういうこと。
殺された女はモデルで、その他にもコールガールの仕事をしていた。相手をしていた客は、有名なお金持ちばかり。何者かに殺され、顧客のデーターが盗まれたとすれば、組織が動いてくる。ですが、実は三浦君もコールガールの組織の人間で、だから女を見張っていたというわけ。その顧客データーが入っているスマホを、殺された女の部屋から持ってきた三浦君。それからが、その三浦君の部屋で真犯人探しをあれこれと推理するお話で時間稼ぎですか?・・・つまんない。

だから、主人公の二人って言ってもね、夏菜ちゃんは可愛いし、シャワーシーンとか、ブラとショーツ一つにもなるしで、女って得ですよね。それに、PCで殺された女の交遊関係を探すプロでもある。だから、三浦君のドジさ加減が余計に目立って、目を剥きだし怒る演技と棒立ちで喋る演技しかないって、これはもう大根役者でしょうに。

脇役のコールガールの事務所の人間で、刑事という設定の甲本雅裕のベテランの演技が光っていて、もの凄くいい感じでした。この俳優さん、結構映画に脇役で出て来るんだけど、あんまり目立たなくってぼんやりとしたイメージしかない。でもこの映画の中ではさすがに光っていた。あっ、でも北川景子と共演した藤沢周平作の時代劇「花のあと」での朴とつとした侍の演技は良かったですよ。

それに、突然部屋に鍵開けて入ってくるオバサン。黒いサングラスに黒のコート着て、出刃包丁を左手に持って三浦のいない留守にしか来ない。怖いよね、コンビニのオバサンなのに。三浦の部屋にいた夏菜を見て逆上して殺そうとするのだから、冒頭のレナを殺したのもこのオバサンだった。
自分の息子が女と心中して、息子は死に女は助かったようだ。コンビニで働いている時に、若者に万引きされ注意をすると殴る蹴るの乱暴をされ、その時助けてくれたのが三浦君。だから、自分の息子が生き返って来たと思い込み、三浦君を可愛がり、彼に近寄ってくる女たちから守ろうとしたというのだ。オバサンは頭が狂っている設定だが、こういう人は精神病院行きでしょう。
それにしても、最後にオマケの映像で、コールガールの女たちがクルーザーの機関室に閉じ込められている情報を受け、駆け付ける三浦くん。黒いレザー服着てかっこよくキメているけど、今度の仕事は探偵なの、それとも刑事かな?・・・船の機関室の奥に夏菜ちゃんがいたから、きっと二人で探偵稼業でもしてるのかもしれませんね。こんな内容で、盛り上がりに欠けていて、ミステリーってほどでもなし、TVドラマで十分な気がしました。
2013年DVD鑑賞作品・・・43  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ


ヨンガシ 変種増殖 ★★★.5

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変異した寄生虫ヨンガシ(ハリガネムシ)の大量発生による混乱と、それを食い止めようとする者たちの奔走を活写したパニック・ムービー。テレビドラマ「ベートーベン・ウィルス 〜愛と情熱のシンフォニー〜」のキム・ミョンミンが、家族を殺人寄生虫から守ろうとする主人公を熱演。『ごめんね、ありがとう』のムン・ジョンヒや『まわし蹴り』のキム・ドンワンら、実力派たちが脇を固めている。スピード感あふれる展開もさることながら、ハリガネムシの生態をめぐるリアルな描写も見ものだ。
あらすじ:製薬会社の営業として、多忙な毎日を過ごすジェヒョク(キム・ミョンミン)。ある日、各地の川辺で変死体が次々と発見され、ジェヒョクの弟である刑事ジェピル(キム・ドンワン)が捜査を始める。やがて、一連の変死事件の原因が寄生虫のヨンガシ(ハリガネムシ)が突然変異して人間の体内に入ったことが原因と発表される。政府は緊急対策本部設置などの事態収拾に当たるが、パニックはとどまる気配を見せない。慌てて家族のもとへ戻るジェヒョクだが、妻と子どもたちが必要以上に水を欲する姿に彼らのヨンガシ寄生を疑う。
<感想>これもTVDでレンタル。とにかく異様な冒頭から引き込まれました。川に飛び込んだ人間が、なぜか川の水をカブ飲みし、まもなく痩せて骨と皮だけの変死体になってしまう。こんなの有り得ないですよ。
その川の支流で次々と変死体が浮かびあがる一方、水を飲み続ける感染者たちが病院に溢れて、事態の収拾に追われる政府や危機管理センターの慌てぶりが描写されます。
徐々に広がっていく感染パニックを捉えつつ、製薬会社勤務の主人公ジェヒョクとその家族の暮らしぶりが映し出され、ですが、妻と子供2人もまた、パニックの渦中に巻き込まれ、小市民の視点から感染系パニックの恐怖をあぶりだします。

まもなく原因が昆虫(カマキリ)に寄生するハリガネ虫の変異体と判明し、それが人の肛門や口から体内に侵入し、成虫になるまで小腸の内壁に付着して栄養を吸収。成虫になると宿主の中枢神経を刺激して、宿主を水中に飛び込ませせる。ハリガネムシが体外へ出て水中で交尾し、1度に数10万の卵を産むというのだ。
さすがに口や肛門から寄生虫の変異体が飛び出すというエグイ描写はないが、それでも研究室や隔離された体育館の中で、細いワーム状の寄生虫を見ただけでも思わず身震いがしますから。赤黒いミミズのような、キモイです。
しかしながら、本当に恐ろしいのは寄生虫ではなく、水欲しさに、特効薬欲しさに、狂人のごとく迫りくる人間の方だろう。本当だったら政府が世界中の保健機関に働きかけて、薬なりワクチンなり何らかの対処の方法があると思ったのだが。
冒頭からいくつもの伏線を張りめぐらせ、感染パニックを引き起こした陰謀が明らかになるまでは、見事な緊迫感と人間の集団意識の怖さ、おぞましさに目を逸らしたくなります。冒頭で、何者かがレジャー用の河川の上流に実験用の寄生虫を流し込、そこへ季節的に夏休みが入ったこともあり、家族で川遊びやキャンプに大勢押し寄せてくる。だから、主人公のジェヒョクは仕事が忙しくて、家族と一緒にその汚染された川へは行っていなかったのだ。

製薬会社に勤務の主人公、家族が感染していることが分かり、薬を探して歩くのですが、裏ルートで高額な虫下しを手に入れるシーン。折角手に入れたのに、門前にいた母子に分け与えたのがアダになり、大勢の人たちが寄ってたかってその貴重な薬を取り上げる。まぁ、自分の家族だけ助かってもと思いました。
隔離された体育館では、水欲しさに騒ぐ人々。ジェヒョクの奥さんが天井の防災スプリンクラーを見て、その赤いボタンを押そうとする瞬間に、男が電気のレバーを下げて難を逃れる。体内にいる寄生虫が、外へ出たいと水を欲しがるけれど、我慢するしかないのだ。
問題は、倒産寸前の製薬会社がハリガネ虫を変異させ、犬に寄生させて川に死骸を放つところから100万人以上の死者を含む感染者が発生するという。この製薬会社は虫下しの特効薬をすでに生産していて、会社の株を上昇させ、特効薬を政府に会社ごと売って儲けようとしたのです。普通はあり得ない事件ですが、こういった人体に影響を与えて、金儲けを企む製薬会社という設定はなかったので、話の展開が面白かったです。
しかし、感染の特効薬を生産する下りは、あまりに簡単になっていて残念ですよね。お約束とはいえ、不気味な余韻を残したラストが恐ろしいですから。
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コロニー5 ★★★★

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温暖化の果てに訪れた氷河期の中で、氷河期が訪れた世界で人々はコロニー<居留地>を作り、生き残るための「生存ルール」を自らに課した。迫り来る“奴ら”との戦い、凍てつく世界で繰り広げられる生存を賭けた争いを大スケールで描いたSFパニックアクションが登場!
あらすじ:世界は氷河期に入り、人々は生き抜くため地下にいくつかのコロニー<居留地>を作り生活をしていた。ある日、コロニー5からコロニー7へSOSを知らせる信号が入り、コロニー7のリーダであるブリッグス(ローレンス・フィッシュバーン)とサム(ケヴィン・ゼガーズ)たちはコロニー5へ救援に向う。しかし、彼らを待ち受けていたのは何者かに襲われ壊滅した悲惨な現場だった。
命からがらコロニー5から逃げ出したサム。しかしリーダー不在のコロニー7は仲間のメイソン(ビル・パクストン)によって支配されてしまっていた。迫り来る危機を伝えるものの聞き受けてもらえず、サムは拘束されてしまう。そんな時、コロニー7に凶暴化した“奴ら”がやってきた…。

<感想>面白そうだったのでレンタルした。異常気象の脅威と極限状況下で展開する人間模様を壮大なスケールで描いた『デイ・アフター・トゥモロー』(04)や、未曽有の爆撃により壊滅したニューヨークを舞台に、地下シェルターに避難した極限状況の人々の姿を描いた『ディヴァイド』(12)を思わせる作品。
コロニーのリーダにローレンス・フィッシュバーンが扮していて、一応リーダーをみんなは立ててはいるが、中には反逆者のように面白く思ってないメイソンがいる。その男は、コロニーは医薬品の乏しい閉鎖空間で、ひとたび風邪が発生すると1週間で20人が死ぬこともある。ゆえに、咳をしただけで隔離され、数日のうちに回復しなければ、当人の選択で銃殺か追放になるという掟が定められている。
なのに、このメイソンという男は掟を破り、感染者を勝手に銃殺してしまう。
リーダーのブリグッスは、メイソンを叱るが罰を加えるわけでもなく、コロニー5からのSOSに応えるべく、勇者を募って雪の中をひたすら歩いていく。

コロニー5の中は、まるで人食いゾンビのようになった軍団が占拠していた。食い物がなくなり、弱い人間を殺して生のまま食べる恐ろしい光景が、まるで吸血鬼やゾンビが人間を喰らう姿に背筋が凍りつきます。
そんなゾンビ軍団を相手に頑張るのですが、なにせ強いのなんの、排気口からやっとのことで外へ這いだし、崩壊寸前の橋まで追いつめられのですが、ダイナマイトを持っていたローレンス・フィッシュバーンが、ライターで火を点けたのはいいが、直ぐに消えてしまい戻ってまた火をつけ直す。もう自分も一緒に自爆ですよこれは。でも橋は寸断されて、これで自分たちのコロニーには襲って来ないと思ってました。

しかし、こいつら人間じゃないから、どうやって橋を渡ったのか襲ってきたのです。みんなは鉄の防火扉を閉めて、奥へと非難するのですが、通気口から侵入してきて襲い掛かります。狂暴化した彼らは、なんてったて、強いのなんの、その中のボスが化け物的なキャラでインパクト大で大盛り上がりです。
リーダーのいない留守に、あのメイソンがボスになって威張り散らして仕切ってます。そのメイソンでさえ叶わぬ狂暴な敵だったのが、やっぱりってこと。

住人たちは銃を手に必死で応戦するが、弾は無くなり、もはや逃げ場はなくなり、ホールの厚い扉もこじ開けられてしまう!どうするの、サムが提案する。プロパンガス?違うかダイナマイトか?どっちか分からないが、とにかく爆破して、ヤツラが入って来た通風口から逃げようと、命からがら数人だけ助かります。

彼らが目指すのは、地球上の中で一つだけ赤く染まっている地帯。そこへ生き残るために植物の種を持って向う人たち。果たして、彼らは猛吹雪の中を歩いてたどり着けるのだろうか。この作品を観て思ったのは、極限の中で人間は一致団結して生きられるのか?・・・しかし、人間の理性をなくし本性を剥き出しにした人間の怖さをこれでもかと見せつけられ、情けなくて、人間の弱さを思い知らされた気分でした。
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かぐや姫の物語 ★★★★

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数々の傑作を生み出してきたスタジオジブリの巨匠、高畑勲監督が手掛けた劇場アニメ。日本で最も古い物語といわれる「竹取物語」を題材に、かぐや姫はどうして地球に生まれやがて月へ帰っていったのか、知られざるかぐや姫の心情と謎めいた運命の物語を水彩画のようなタッチで描く。声優陣には、ヒロインかぐや姫にテレビドラマ「とめはねっ! 鈴里高校書道部」などの朝倉あき、その幼なじみを高良健吾が務めるほか、地井武男、宮本信子など多彩な面々がそろう。
あらすじ:今は昔、竹取の翁が見つけた光り輝く竹の中からかわいらしい女の子が現れ、翁は媼と共に大切に育てることに。女の子は瞬く間に美しい娘に成長しかぐや姫と名付けられ、うわさを聞き付けた男たちが求婚してくるようになる。彼らに無理難題を突き付け次々と振ったかぐや姫は、やがて月を見ては物思いにふけるようになり……。
<感想>日本人の誰もが知る「竹取物語」しかし、かぐや姫がなぜ地球に来て、なぜ月に帰ることになったのか、その理由は知られていない。その謎を解き明かしたのが、78歳の巨匠・高畑勲監督の14年ぶりとなる新作アニメ。製作期間が8年、総制作費50億円を要したが、その期待に十分答える渾身の大作に仕上がっている。
予告編で見た“姫の犯した罪と罰”十二単を脱ぎ捨ててひたすら走るかぐや姫。今まで観たことのない、躍動感あふれる線画の衝撃。

幼い日のかぐや姫が翁たちと暮らす山での、愉快な生活は「アルプスの少女ハイジ」を彷彿とさせるなど、これまでの高畑監督作品の集大成的な映画となっているようだ。高畑監督が作りだしたかぐや姫は、生まれながら自由奔放で、自主独立の精神を体得している現代人である。
ところで、かぐや姫のキャラクターが、あまり古風ではなく、どちらかというと奔放な現代女性に近いのは何故なんだろう。つまり、この映画は平安時代の女性ではなく、平安時代のモチーフや風俗を借りて、そこに現代の女の子がポンと放りこまれたらどんな反応をするのか、といった考え方を一方では描いているようですね。
これでは極楽浄土らしい月の世界にいても、そこでの強制された快楽か何かにあきあきして、反抗したのかもしれない。そこで、彼女は地球という未開の地に島流しのように追放されたのではないか。しかし、地球の人間という、愚かで滑稽な、だが、それぞれになにか純なる愛すべき生き物たちに、何とも言えない可能性を感じたのだろう。

月から来たかぐや姫は、この地球に対して何の常識も持っていない。そんな子が山里から都に行ったときの、一瞬一瞬の反応は、現代人から見たら当たり前のもの。かぐや姫だけが自然に振る舞っている普通の人間で、その彼女を取り巻く当時の大人たちの常識が彼女をどんどん追い詰めていく構造になっていて、だから現代の人が、女性だけでなく男性も、かぐや姫の感情に寄り添って、彼女のことを思いやって見る事ができるんですよね。
それでは、何故月に帰るのか。人間よりはるかに高い文明らしい月の天女たちは、地球など一撃のもとに滅ぼす武器だって持っているのかもしれない。だから、彼女は愛した地球の人間たちのために、嫌な月へ帰るのか。月からの使者たちの長として雲の上に立つお釈迦様が。かぐや姫は、月世界の極楽浄土になかった生命の喜びを見つけたのであろう。
まず見惚れたのが、普段の見慣れた商業アニメチックな絵とは異なり、墨絵のような和風絵巻ものの世界。日本アニメの原点とも言われる鳥獣劇画を思わせている。淡く滲む水彩画の背景がスクリーンに映えて美しく、2時間の長編を透明水彩で描くという前例にないことをやってのける。何だか懐かしい気持ちにさせてくれます。
かぐや姫が一人の女性として描かれているほか、登場キャラクターは物語を動かすための駒ではなく、生きた人間としてそれぞれ描かれていて、みんな人間味が感じられます。中でも捨て丸の存在感がこの作品には欠かせないですね。翁の家の近くに住む炭焼き職人の息子。幼いころのかぐや姫と毎日のように森や川を駆け回り遊んだ楽しい思い出。
くどくどと描き込まなくても、どんどん省略していく。でも見たこともない不思議なものは克明に描かねばならないはず。都に引っ越して大きな館に住み、美貌を聞きつけた大勢の貴族に求婚され、結婚を望まない姫だったが、翁に論されて仕方なく5人の公達と対面する。

そこで彼女は、結婚の条件として入手困難な宝を要求するわけです。かぐや姫の求婚の場面で、それがたとえば、阿部の右大臣の火鼠の皮衣の場面。絹糸で織り上げてそれは見事にキラキラと輝いてました。でもその皮衣を火で燃やしてしまう姫様。驚き慌てる右大臣。大金をかけて作らせまだ代金を支払ってないというのだ。中には、ツバメの巣を取るために崖に登って命を落とす人もいる。貴公子の一人が死んだことを聞いたあと、感情に駆られて鎌で草をなぎ倒し、立ち尽くしている顔がすごくいい。
でも、一番のお気に入りはやはり竹林の中で翁が光る竹を見つけて驚いて切るところですね。竹の中から小さな可愛い十二単の人形のような子供が、翁の手の平の中で産声をあげて、赤ん坊になりすくすくと育っていくところですかね。
まるで魔法でもかけられたような、人間じゃないのに人間の赤ん坊に見えてしまう。不思議なことに、媼は高齢なのに乳が出て赤子に飲ませる。それに、育つのが速いということ。
そして、映像に台詞を当てるアフレコに対し、先に収録したセリフに合わせて映像を作るというプレスコを使用。だから人物の声、役者さんの声の実感が全面的に映像と相まってスクリーンに映えるわけですね。中でもこの映画の公開を待たずに亡くなった故・地井武男さんの翁の声が素晴らしかった。そして、物語の語り手と媼の声を演じた宮本信子の巧さに感服し、もちろんかぐや姫の朝倉あきの台詞回しもよかったし、この声優さんたちの巧さがこの作品を一段と盛り上げているのだと確信しました。
2013年劇場鑑賞作品・・・332   映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

ザ・エンド ★

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突如世の中から生物が消えていく中でサバイブする人たちの姿をスリリングに描いた世紀末スリラー。山のキャビンで休日を過ごす友人同士が不思議な現象に襲われ、外部とのコミュニケーションが不可能な中で繰り広げる戦いを映し出す。製作に『28週後…』のエンリケ・ロペス・ラビニュ、脚本に『永遠のこどもたち』のセルヒオ・G・サンチェスなどが参加。出演は『パンズ・ラビリンス』などのマリベル・ベルドゥ。人類滅亡という危機的状況における彼らの行動に注目。

<感想>12年のスペイン映画で、9月7日に公開されていた。地方では未公開である。原題は「FIN」。つまり最期や終りを表す終幕ということ。始めは、スペインのどこか都会の地下鉄に、一人の男がスケッチブックに動物やいろんな絵を描いている。そして、電車のホームで一人の男に声をかける。それが主人公のフェリックスで、声をかけてきたのが友達のアンヘルという統一障害の男で精神病院へ入っていたらしい。
サラが20年来の友達を集めて、週末に山小屋へ行こうと彼らを集める。このサラはマザーテレサと呼ばれている女で、いちいち文句というか口煩いデブ、ブス女。この女がいうには、アンヘルの誘いで親友が集まればという提案をしたと言うのだ。
山小屋に着いた男女8人からなる旧友。突然電気が消え、ケータイも電話も通じず、車も自動ロックなのでダメ。手動ロックのトラックの男が車に行くも、エンジンがかからないのだ。サラが叫ぶ、きっとアンヘルの仕業よと。問題児だった男だ。
そして、一番先に消えてしまうのがラファ。この男は会社が倒産して、焚火の前で素っ裸になって騒ぎヤケクソ気味で、次の朝には消えていた。まるで神隠しにでもあったように。みんなは車もエンジンがかからないし、電話も通じないので歩いて下の家まで行く。

主人公が連れてきた女エヴァは、もしかしてコールガールなの?、「いつでもいいから帰れ」と邪険に言うフェリックス。彼には元カノのユリベルがいる。キツイ顔の女。女は4人、サラ、エヴァ、ユリベル、コヴァ。男はフエリックスとコヴァの夫ウゴ。途中で、コヴァが夫と喧嘩をしている。「私たちお終いなんでしょ」切り立った崖が、断崖絶壁というのはこれのこと。そこへ前から山羊の群れが押し寄せてくる。二人は何とか避難したのかと思ったのだが、妻のコヴァがいないのだ。それに夫のウゴも、今にも谷底へ落ちそうになり、皆で助ける。

登山というほどでもないが、ハイキングコースでもなく危険な道が多い。山頂に誰か人の気配がする。それを見てサラが、きっとこれはワナね、山頂にいたのはアンヘルよ。警告のために山羊を放したのよ」と、また余計なことを言い喧嘩の材料を作るのだ。このブスブス女、サラ。この女も消えるのだが、犬が好きで家で飼っていたという。鎖に繋がれていた子犬を放してやり、そこへ大きなシェパードが来て、サラがお腹が空いているからとエサを上げる。すると、その匂いを嗅ぎつけたのか、10頭以上のシェパードと大型犬がやって来る。その犬から逃げようと、自転車で皆は逃げるのだが、サラが犬に襲われたのか知らないが、跡形もなく消えてしまう。
夜になり、ここで野宿をしようと焚火をする。夜空に輝く満天の星が綺麗ですが、一つ一つと消えていく。何かの暗示なのか。

朝になり、また一人セルビオという男が消えてしまう。残ったのは男が2人と女が3人。車道に出て山羊が積んであるトラックを発見。運転席には誰もいない。山羊をトラックから放してやるサラ。そこには、アンヘルの絵が、船の絵で、男と女の2人が。それはフェリックスとユリベルなのだ。
崖の下に車を見つけて、降りて行くとアンヘルが運転席で死んでいた。画集があり、今までの山羊の群れとか畑の中の黒煙、ヨットなど描いてある。
サラがアンヘルの行った通りになったわ。連れて行くと言う。下の川の中へ飛び込むユゴ、女たちはアンヘルを埋葬する。ユゴが川から上がってこない、つまり消えたのだ。エヴァが川の中へ飛び込んでユゴを探す。

「ラファが消えた時から分かっていた」とサラが言う「一人ずつ消えていくのね」何だかしらないが、ダラダラと進んでいき、どうしてこうなったのかとかとかの真相解明がないのだ。最後には見せてくれるのか?・・・空に浮かぶUFOとか。
自転車で走る3人、とうもろこし畑の向こうに黒煙が立ち上る。アンヘルの描いた画集に描かれている絵のように、まるで予告でもしているかのように。3人はそこへ行ってみると、旅客機がたくさん墜落していて、何処にも人の気配がない。消えてしまったのだ。

また自転車で城壁の所へと、そこで子供の泣き声を聞き、追い掛けるユリベル。ライオンに追い掛けられているようだ。港に停泊しているヨットの中へ逃げる女の子。ユリベルが助けようとするのだが、目の前で女の子が消えてしまう。
海へ出ようと3人が船を出そうとするところへ、ライオンが来る。ユリベルがそれを見て、自分の番だと確信してライオンに向かって行く。フェリックスは、寄りを戻そうとユリベルに嫉妬をさせようとエヴァを連れて来たようだ。だが、彼女はもう彼のことは愛していない。最後はフェリックスとエヴァの二人がヨットで大海原へと、発煙筒を上げるエヴァ。靄が立ち込めて船も見えなくなる。
「人は生まれて生きて、ある日消えていなくなる。限られた時間をどう生きるのか」
何も説明もなく93分の間に、人類滅亡のカウントダウンが。しかし、スリリングや恐怖というよりも、頭の中のモヤモヤ感が否めなくて、詰まらないです。
もう一つ、終末期の映画「ラスト・デイズ」も借りてきた。こちらの方がまだ内容がいい。
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ラスト・デイズ ★

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デヴィッド・パストール&アレックス・パストールがおくる、隔離生活を描く戦慄の感染パニックスリラー。スペインボックスオフィス初登場第3位。
出演はキム・グティエレス、シホセ・コロナドら。
あらすじ:アメリカ・ニューヨークで、3ヶ月もの間部屋から出ることができなかった少年が自殺した。オーストラリアではオペラハウスで数百人の観客が外へ出ることを拒否、スペインでは外へ追い出された男が心臓発作で死亡…。外に出るだけで発作を起こす“広場恐怖症”というパンデミックに陥った世界。人々が外へ出なくなったこの世の中で、愛する妻と再会するために一人の男が下した命がけの決断に迫る。
<感想>「フェーズ6」の監督と「REC/レック3ジェネシス」の製作者によるスペインのスリラー・サスペンス映画。これも未公開で終末世界の作品である。地球の各地で火山が爆発し、火山灰の影響で空港は閉鎖。地球の終りが近づいている。
広場恐怖症が蔓延し、“外へ出られない”というそれだけで人類が破滅へ向かうという設定なのだが、よく分からない?印の作品。未知のウイルスが流行し、建物の外へ出られなくなった人々の行く末とは?・・・ジワジワと迫りくる恐怖。しかし、こんなことで世界が終るということなのか?、人間とはなんと愚かな生き物なのだろう。

屋外へ出ることを恐れる広場恐怖症に似た、原因不明の病が蔓延する。とにかく外へ出ると、急に目まいや息苦しくなり心臓発作で倒れそのまま息絶えてしまうのだ。だから、ビルの中はゴミの山で埋め尽くされている。
主人公のシステムエンジニアのマルクは、職場で発症した人々が、家へ帰れないでいる。会社に寝泊まりしている社員たち。店は閉店して街の中が閑散としている。このままではダメだ。何かが起きているのに誰も気づかない。ここにいては危険だと思い、移動に地下道を使おうと地下の壁に掘っていた穴を貫通させる。
マルクは恋人のフリアが妊娠したと告げると、こんな時に子供なんてといって喧嘩してしまい、彼女は子供を産みたいと出て行く。その恋人フリアを探すため地下道に入るマルク。

薄暗い地下道で、何処からともなく人が出て来て持ち物を盗む。もちろん拳銃もバンバン撃つし、人があふれ返る駅構内では犯罪が横行。ショッピングモールでは、食料を死守する者と略奪しようとする者が殺し合いを繰り広げるのだ。
また、動物園から逃げ出したクマが教会に出没するなど、屋内空間にも危険がいっぱいなのだ。

マルクが恋人を探しに行く道連れに、病気の父親を探しに行くという上司と一緒に地下道をひたすら歩く。水道も電気もライフラインが全て機能しない。しかし、飲み水はどうするのか?・・・雨が降りその雨をビニールとかを窓の外へ出して、鍋や食器も出して飲み水を確保するわけ。
街の灯りが消えてゆく。今を生きる人間たちでこの世の人類は終わりなのか。生まれ来る命、子供たちの未来はどうなる。この広場恐怖症の原因は何も解明されてない。もしかして、空からエイリアンが人間の脳に、中枢機能をダメにする不可解な超音波とかを発信しているのでは、なんてことも考えてみたのだが、そんなことは一切なしである。

地下道を歩き、恋人の友人と出会い何処にいるのか聞いてみると、病院へいるというのだ。じゃ病院へと向かうマルクだが、向いのビルに何やら彼女らしい人影が、やっぱり恋人だった。それから恋人のところへ行きたいのだが、表に出ると目まいがして気絶してしまう。しかし、何とかヨロヨロとしながらも彼女の元へと辿り着いたマルク。もちろん、怪物やゾンビなんぞは出て来ません。
だが、そこからが大変、何がって恋人の出産を手伝うのである。無事男の子を出産して、その息子がどんどん大きく成長していき、何年か過ぎて外に子供たちの声がするのだ。つまり広場恐怖症の後に生まれた子供たちには、パニック障害が起きず外へ出られるのだ。とまぁ、ラストに未来に向かって、新しい世界が子供たちに広がっていたというのは、良かったですよね。
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キャプテン・フィリップス ★★★★★

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2009年にソマリア海域で起こった海賊船による貨物船人質事件を、トム・ハンクス主演、「ボーン・アルティメイタム」「ユナイテッド93」のポール・グリーングラス監督で映画化したサスペンスドラマ。
あらすじ:09年4月、援助物資として5000トン以上の食糧を積み、ケニアに向かって航行していたコンテナ船マースク・アラバマ号は、ソマリア海域で海賊に襲われ、瞬く間に占拠されてしまう。53歳のベテラン船長リチャード・フィリップスは、20人の乗組員を解放することと引き換えに自ら拘束され、たった1人でソマリア人の海賊と命がけの駆け引きを始める。米海軍特殊部隊の救出作戦とともに、緊迫した4日間を描く。脚本は「ニュースの天才」「アメリカを売った男」のビリー・レイ。
<感想>ポール・グリーングラス監督の本作においてリアリティ重視の姿勢は、貨物船内で展開される前半部分の緊迫したタッチも素晴らしいが、後半の、フィリップス船長と海賊4人が救命艇に乗り込むことによって、文字どおり息詰まるような状況を観客に体験させることに重点を置いていることだ。しかし、その前にも船長の働きというか彼の頭の回転の速さに驚く。

船長フィリップスは、海賊が襲撃してきたことを想定して緊急時訓練をするのだが、その時不審な小型船が近づいてくるのを発見。
すかさず、ドバイの英国海運オペレーションへ海賊の存在を報告するのだが、救助にすぐ来るわけでもなく、無防備なアラバマ号は救助が来るまで自分たちで何とか防ぐしかない。全速力で逃げるか放水をする。
海賊グループが無線を傍受していると知った船長は、無線での救援要請と、救援部隊の応答を「一人二役」で声色を変えて対応する。救助が来ると勘違いした海賊は一度撤退するのだが、海賊の2隻のボートのうち、1隻はエンジントラブルで引き返した。しかし、海賊もそんなことでは諦めない。武器を持たないアラバマ号の対抗手段は放水のみ。一ヵ所放水設備が故障しているところから、鉄のハシゴを掛けて乗り込んでくる。

ここからが緊迫感が増して見どころ満載です。ハラハラ、ドキドキの連続でした。確か、最後は船長は助かったと思ったのだが、それでも自分の目で最後まで確認しないと落ち着かない。海賊4人が船長室へ乗り込み、その前に船長は乗組員たちを機関室へ隠れるよう指示する。船長一人で海賊たちと話し合うわけだが、副船長もいたのだ。金庫の中に3万ドルあるから持って行けという。積荷のコンテナの中身は、アフリカへの支援物資だ。
しかし、海賊のボス・ムセは、船長を人質にして組織の元締めのところへ連れて行き、海運会社などと交渉して1000万ドルの身代金をせしめることなのだ。海賊っていっても、ムキムキのコワモテではない。貧乏で毎日の生活にも事欠く痩せ細ったソマリア人の猟師なのだ。地元の民兵の将軍が海賊で外国船を襲って稼ぐことを強要しているわけ。

船長だけでなく乗組員たちを探す海賊のボス・ムセ。船長はまず、金庫の金を渡す。そして上からと言いながらも船長が食堂で水を確保しようといい、食堂へ行く。食堂には、乗組員たちの一人が水を取りにやってきて隠れていた。寸でのところを見つからずに機関室へと。機関長が機転を利かして電源を切ってしまう。
海賊の一人若者が裸足なのを見て、船長が無線で機関室へ連絡。ガラスを散らばしておけと。暗闇の中、そこへやってきた海賊たち、若者が足をガラスの破片で怪我をしてしまう。増々怒り狂う海賊たち。中には血の気が多くて直ぐにライフルを撃とうとする者もいる。
しかし、機関室で乗組員たちの一人が、勇敢にもムセに飛びかかり拘束したのだ。やむなく海賊たちは救命艇を使ってアラバマ号から退去することに。船長とムセの人質交換で一見落着のはずが、事態は急展開する。それが、混乱の最中に船長が人質として連れ去られる。

そして、救命艇の中で4人のソマリア人海賊たちは皆、武装しており、フイリップスに対して数的にも優位に立っている。だが、この救命艇が船長救出のために駆け付けたアメリカ海軍の戦艦やヘリに包囲されているのがわかる。その圧倒的軍事力は、救命艇の小ささに対して滑稽なくらい不釣り合いなのだ。
ちっぽけな救命艇に乗り合わせて波に揺られるフイリップスと海賊たちは、敵対し合う立場を超えて、あたかも自分たちの力ではどうにもならない大きな状況に翻弄されているようにも見えた。ソマリアへ向かう救命艇の中は、狭さと息苦しさで最悪の状況。もはやフィリップスに残された道は、希望を捨てず粘り強く耐えるのみ。
一度はフィリップスが、足を怪我した海賊と海へ飛び込んだのだが、海軍に見つけてもらえず、その若者海賊が彼にしがみ付き離れない。仕方なくまた救命艇に戻ってしまう。手持ちカメラ多様のため、船酔い気分にもなるのが難点である。

米軍駆逐艦には、特殊部隊ネイビーシールズが数人。ヘリに乗り空から救命艇の近くに降りてロープを結び、盗聴器を船体に設置。そして、海賊のムセに長老との交渉をほのめかして駆逐艦へと連行する。その時、フィリップスが家族へのメッセージだと言いながら、自分が拘束されている座席の位置15番とさりげなく救助部隊に教える。
残された海賊は、フイリップスを痛めつけ拷問する。彼の眉間に拳銃を押し当てて、今にも撃とうとするのだ。そしてクライマックス、特殊部隊のスナイパーたちが、標的を確保して一斉に射撃開始。フイリップスは手をロープで縛られ吊るされていたのだが、一瞬のことで目の前に銃弾が飛び交う様は、自分も撃ち殺されたかもしれないと感じたに違いない。放心状態の彼を見れば分かる。

海賊の中で、米の軍艦に乗っていたムセだけが助かり、彼が言っていた「お金が入ったら、アメリカへ行って車を乗り回したい」という、その結果がアメリカの刑務所行とは皮肉なものだ。
海軍の描写には米海軍が全面協力し、実際の事件同様に駆逐艦が撮影に使用されているため、臨場感たっぷりで緊迫感を増して凄い。
2013年劇場鑑賞作品・・・333 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

REDリターンズ ★★★★

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ブルース・ウィリス、ジョン・マルコビッチ、ヘレン・ミレンらが引退したCIAの元凄腕スパイに扮するアクション・エンタテインメント「RED レッド」(2010)の続編。コードネーム「RED(Retired Extremely Dangerous=引退した超危険人物)」と呼ばれ、CIAに危険視されるフランク、マービン、ビクトリアらは、32年前に一度は失敗し、封印されたはずのミッションがきっかけとなり、再び戦いの舞台に呼び戻される。いまだ衰えない戦闘能力と情報収集能力を駆使して過去を探るうちに、一行は各国の諜報機関や殺し屋たちに狙われるはめになるが、やがて封印されたミッションに隠された真実が明らかになり……。前作から続投のウィリス、マルコビッチ、ミレン、メアリー=ルイーズ・パーカーに加え、アンソニー・ホプキンス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、イ・ビョンホンが新たに参戦。監督は「ディック&ジェーン 復讐は最高!」のディーン・パリソット。

<感想>引退スパイ大暴れアクション映画の続編である。危険な奴らが帰って来た。今度は世界を駆け巡る。豪華出演陣なので、簡単には続編が作られないかと思っていたのだが、あっさりとできてしまった。それも今回は舞台がヨーロッパにまで拡大している。
物語は、元CIAエージェントのフランクが今度こそ完全に仕事を引退して、サラと平和な日々を送っていた。フランクにブルース・ウィリス、そしてその恋人サラには、メアリー=ルイーズ・パーカーなのだが、前作で冒険を体験したサラは、平凡な日常に退屈気味。ホームセンターへ買い物に行くと、そこにいきなりマーヴィンが登場して、命を狙われているというのだ。
マーヴィンにはジョン・マルコヴィッチが演じていて、相変わらずこの俳優さん元気印で短パン姿で登場。彼は武器のスペシャリストだけあって爆弾作りが得意。演じるマルコヴィッチのハマりっぷりも見事ですから。

フランクはマーヴィンの言葉なんて無視してたら、表へ出て目の前でマーヴィンの車が大爆発。前作でモーガン・フリーマンが死んだので、今回は冒頭そうそうマルコビッチの番かと思ってしまった。この人そう簡単には死にません。
教会で葬式が行われ、本当に死んでいるのかマルコヴィッチの手にピンを刺して見るブルース。悪いやっちゃ、だが、教会を出るとFBIに捕まってしまう。しかも、さらなる敵が拘束中のフランクに襲い掛かってくる。彼らは米ソ冷戦期の秘密計画「ナイトシェード」の情報を追っていたわけ。ここでは、ブルースのパパが敵を次々と倒して「まだまだイケルよ」って思ったが、そこへ助っ人参上、マルコヴィッチ爺さんが壁を爆破して凄いのなんの。

その「ナイト・シェード」なるものは?・・・核爆弾の部品を分解してモスクワまで密輸し、現地で完成させた計画。責任者は“死のダヴィンチ”と呼ばれた天才物理学者ベイリー。アンソニー・ホプキンスが演じて、それは面白そうにコメディを演じてました。その「ナイトシェード」計画の中心人物、ベイリー博士を追ってパリへと向かう。
パリでは、フランクの元恋人だったKGBのエージェント役のカーチャ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズも出演。サラの目の前で熱いキスをする二人。ここでの見どころは、カーチャが横滑りさせるポルシェにフランクが飛び乗って、セーヌ河沿いの道路から狭い道路までをブッ飛ばすパリ市街でのカーチェイスである。

新キャラクターとして多彩な人材が加わったことで、前作よりも見どころが倍以上増えた。ビョン様ほか、ホプキンスのオトボケ演技など見せ場もふんだんに盛り込まれ、最後まで面白かった。
そして革命防衛隊の精鋭がひしめくロンドンのイラン大使館へと、ロシアの象徴にして諜報の要でもあるクレムリン宮殿へと殴り込み。冷蔵庫のドアでボコりまくり、陳列された缶詰ヲキックしてビュンビュン飛ばしまくるイ・ビョンホンと、ブルースのガチンコバトルなど、各所で見せ場を作るアクションのスリルとテンション設定も明らかに高くなっている。

超絶アクション、フランクVSハン、二人が見せる肉弾戦は迫力満点でさすがに息もぴったりでした。イ・ビョンホン扮する殺し屋ハン、「GIジョーバック2リベンジ」でも見せた鍛え上げられた肉体美をまたもや披露する。
ブルースも負けてはいられない。FBIの尋問施設で手錠に繋がれたまま複数の敵をなぎ倒し、相手のマシンガンを使って首を絞め、ポテトチップスを床に敷いて鳴子の代わりにし、ぴんを抜いた手榴弾を死体に敷いて人間爆弾を作り、残りの者を着実に仕留めていくのには腕は落ちていないのだ。
そこで、ヘレン・ミレン扮するMI6のヴィクトリアと再会。ベイリーが監禁されている精神病院への潜入を決行する。もち、白衣を着て医師にバケてね。
ところが、ベイリーが痴呆を患っている様子から、病院から連れ出しモスクワへと。だが、フランクたちの背後には“世界一の殺し屋ハン”が迫ってくる。
それに、M134ガトリング・マシンガンでフランクたちを狙うのだが、このシーンのイ・ビョンホン、今まで観たどの映画よりも弾着の数が多く、本当に撃っているみたいな迫力でした。フランクへの恨みつらみが、彼の自家用ジェット機をフランクがちゃっかりと借りてしまうのが2回もある。それに最後は、博士のホプキンスに乗っ取られて、3億ドルしたというから、怒るのも無理はない。

銃といえば、イ・ビョンホンがブルーの車を運転し、ヘレン・ミレンが豪快に二兆拳銃をぶっ放し、ビョンホンの方はトラックの下へ車を隠すテクニックなど、ヘレン・ミレンの狙撃手を演じる様は健在ですから。この女優さん、アクション映画向きですよね。
そうそう、ヘレン・ミレンの恋人で旧ソ連時代のスパイで、かつてはフランクとも因縁ありのイヴァン、ブライアン・コックスも出てますから。
今回は、サラ役のメアリー=ルイーズ・パーカーの活躍も必見、フランクたちが行った作戦に彼女ならではの隠れていた才能が開花したことで、第3作への期待も高まるってものですよね。
若くは見えるが決して若くはないスターたちに、ムチャぶりな期待をぶつけてはウン十年もスターダムに縛り続けてしまう観る側に、問題がある気がしないでもない。
それでも、アクションだけじゃない、思わず笑ってしまう爆笑ポイントがたくさんあり、突っ込みどころ満載ですから。
2013年劇場鑑賞作品・・・334 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


バトル・ハザード ★★

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ロボット×ゾンビ×人間核弾頭! ! ―― 信じるのは、己の肉体と任務のみ。
ドルフ・ラングレン主演によるSFアクション。近未来。ウイルス性のゾンビが蔓延る街に取り残された令嬢・ジュードを救出するため、マックス・ガトリング少佐が部隊を率いて街に乗り込む。ジュードを見付け出した彼は、命懸けの脱出作戦を敢行するが…。
あらすじ: 近未来・・・東南アジア某国で、大手バイオテクノロジー企業の研究所から強力なウイルスが流出。感染した人々は次々にゾンビ化、街は未曾有の混乱状態に陥っていた。
しかし軍事封鎖され、誰ひとり出入りのできない厳戒態勢に突入した街へ、一人の傭兵が部隊を率いて乗り込んできた。彼の名はマックス・ガトリング少佐(ドルフ・ラングレン)。
<感想>この映画、劇場未公開ながらWOWOWで鑑賞した。舞台は近未来の東南アジアの某国の島です。いつもながら、安上がりなB級のゾンビ映画で、主人公のドルフ・ラングレンが元デルタフオースの傭兵マックスを演じているのが見どころになっています。現実には絶対にいるわけないが、アクション映画的には合格な幼稚で力強い名前の男。監督は「装甲兵機 メタルハンター」のクリストファー・ハットン。
彼はバイオ企業の社長から「隔離ゾーンに取り残された娘を救出して欲しい」という依頼を受ける。かくして全身ダークなユニバーサル・ソルジャー風味あふれるプロテクターで武装したラングレンが傭兵部隊を率いて、ゾンビだらけの街へと潜入する。
しかし、数日後に隔離ゾーンはナパーム弾の爆撃で焼却されてしまうというのだ。それまでに、社長の娘を救出しなければならない。
隔離ゾーンに潜入した傭兵マックスは、あまりのゾンビの多さに部隊は壊滅状態になり、ピンチに陥るのだ。と思いきや、彼は襲い掛かってくるゾンビの、群れを極真カラテ仕込みの回し蹴りで次々と倒してしまう。もう、爺いなのでアクションはあまりハードではありません。それでも、彼のファンには出ているだけでも嬉しいでしょう。
あまりにも無双すぎて、しまいにはゾンビだらけの街でハーレーを乗り回す生活を始める始末。
そんなことをしているうちに、社長の娘とご対面。彼女には隔離ゾーンでサバイブする仲間がいて、そこから映画はドルフと生き残り組数人たちとの生活を、ダラダラと描いていきます。

もうここでまずい展開になってきてますからね、それが一転して監督はここで、「装甲兵機メタルハンター」に登場したロボット軍団を投入させます。ロボットたちは、対ゾンビ絶滅兵器として隔離ゾーンにやって来たのだ。
始めは敵かと思ったが、このロボット日本製だといい、東京から来たという。ドルフはこいつらを使えばここから脱出できると確信するが、デザインが微妙なので、とドルフが思ったかどうか知りません。ロボットたちのボディにマシンガンを装着したり、鋼鉄の鋲をくっつけるなどのハードコアに改造してしまう。
ナパーム弾投下まで残りわずか、果たしてドルフたちは脱出できるのだろうか。
しかし、すんなりと脱出することは出来ません。隔離ゾーンを仕切っている爺さんが、ドルフのことをあまり良く思ってなく、ここで戦うというのだ。いくらナパーム弾で焼かれてしまうと説き伏せても、頑固爺は自分が一番と思っているから。しかし、社長の娘が妊娠していることが分かり、ここでは子供は産めないと分かり、やっぱり救出することになる。
島の廃墟のビルの中へ避難して、ナパーム弾から身を護るのだが、このビルも危なくなり外へと逃げる。助かるのはモチ、ドルフと娘にロボット一体だけという有様。救助のヘリを待つのだが、無線機なんて持ってたの?・・・ただ空を見上げて終り。
まぁ、それでも、ドルフ・ラングレンと美味しい題材のゾンビに、ロボットと、ドルフが可愛い子ちゃん救出という物語だけでファンは満足でしょうね。
DVDレンタル開始は、12月4日からです。
2013年WOWOW鑑賞作品・・・48 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ

オーバードライヴ  ★★

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「ワイルド・スピード」シリーズや「G.I.ジョー バック2リベンジ」など出演作が立て続けにヒットを飛ばすドウェイン・ジョンソンが主演、実話をもとに息子を救うため戦う父親の姿を描いたアクションサスペンス。
再婚した妻とともに幸せな日々を送っていた運送会社社長のジョンは、前妻に引き取られた18歳の息子ジェイソンが友人にはめられて麻薬の包みを押しつけられ、現行犯逮捕されたと知る。最低でも10年の刑務所暮らしを課されたジェイソンを助けるため、ジョンは女性検事キーガンと交渉し、息子の代わりに麻薬密売人逮捕を請け負うことになる。運び屋を装い、売人の元締めマリークに接触したジョンだったが、その背後にはさらなる大物密売人の存在が浮上。ジョンは危険な状況へと身を投じていく。共演にスーザン・サランドン、バリー・ペッパー、ベンジャミン・ブラット。監督はスタントマン出身で本作が長編2作目のリック・ローマン・ウォー。

<感想>ロック様ことドウェイン・ジョンソンの最新作。「家族を守るためなら手段は選ばない」という父親として武装麻薬カルテルと闘うトラック野郎ムービーです。今までの殺人マシンの役ではなく、いたって真面目な普通の人の役を演じています。
それに、この物語は全て実話だというのだから、一般人が麻薬密売ルートに潜入捜査をして、息子の汚名を晴らそうとするいいパパのドウェイン・ジョンソンが観られます。監督・脚本は「プリズン・サバイブ」のリック・ローマン・ウォー。
大型トレーラーを乗り回し、麻薬密売の罪で刑務所に入っている息子のために頑張るパパ。預かるだけだからという友達の口車に乗せられて、麻薬詰め合わせギフトを開けてしまったところへ、麻薬捜査官がすかさず逮捕にやってくるというスピードに驚く。

息子の友人が麻薬売買で捕まり、麻薬犯罪者は別の売人を密告すれば罪が軽減されるというシステム。減刑が可能という司法取引制度を利用した友人にまんまとハメられた息子だった。初犯でも10年という刑務所ぐらし、なんとか息子を出してやりたいパパは、検事のスーザン・サランドンに頼みます。すると「他の麻薬ディーラーを見つけてくれば減刑が可能」というのだ。
それではと、自分の会社にいる従業員の中から、クスリ関係で刑務所出所後、更生中の男ダニエルを見つける。彼は「ウォーキング・デッド」のシェーンでお馴染みのジョン・バーンサル。

ダニエルを呼び出し半ば強制的に売人の元締めと接触することを依頼する。つまり金を払ってで、彼も妻と子供がいるので金が欲しい。
自分の知っている麻薬のボスの所へ連れて行くも、こいう素人さんが自分の方から麻薬の売人になってくれると好都合とばかりに、メキシコ麻薬カルテルの超大物であるエル・トボの存在が浮上する。エル・トボには「デンジャラス・ビューティー」でサンドラ・ブロックと共演したベンジャミン・ブラッドが扮してます。この俳優さん見かけないと思っていたら「くもりときどきミートボール2」でマニーの声優をやっていた。

そのことを知った検事のサランドンと麻薬捜査官は、是非その危ない仕事を引き受けてくれとドウェイン・ジョンソンに頼む。これで、ロック様が麻薬王を捕まえれば自分は選挙に立候補しているので?・・・判事の選挙かなんかなの?

ロック様を使って麻薬カルテルを一網打尽にしようと企む捜査官クーパーに、バリー・ペッパーが扮して渋いです。彼を逮捕した暁には、自分の息子を釈放させてくれるというのだ。願ったり叶ったりで、引き受けるパパのドウェインだが、GPSやら盗聴機などを付けられバレないか肝を冷やしたぜ。
トレーラーの中の荷物、セメント袋に麻薬を隠しての仕事だったのが、今度は札束の現金そのものを輸送する。途中でトラックを乗り換えてメキシコの国境近くへと、そこにはエル・トボが待っていたのだが、刑務所の面会受付の女が内通者で連絡。ロック様のことがバレてしまい、後半で、やる時はやる親父ロック様。トレーラーチェイスぐらいなんてことないのに、肉弾戦の格闘技とか銃撃戦はあまりないのだ。少しぐらい見せて欲しかったです。
いつもと違うアクションバリバリのロック様を期待するとがっかりします。が、家族を救うためには父親として命まで懸ける頼もしい姿が観られます。
2013年劇場鑑賞作品・・・335 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

ザ・コール [緊急通報指令室]★★★★

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緊急通報指令室のオペレーターが、何者かに誘拐され車のトランクに監禁された少女からの通報を受け、通話だけを頼りに少女の救出に奔走するサスペンススリラー。『マシニスト』などのブラッド・アンダーソン監督が普段は陰で活躍する緊急通報指令室のオペレーターに焦点を絞って、電話1本で展開する決死の救出劇をスリリングに描く。主演は『チョコレート』でオスカーに輝いたハル・ベリー、彼女に助けを求める少女を『リトル・ミス・サンシャイン』などのアビゲイル・ブレスリンが熱演。
あらすじ:911緊急通報指令室のオペレーター、ジョーダン(ハル・ベリー)は、ある女性からの不法侵入者の通報が最悪な結果に終わり、自信をなくしていた。そんな折、少女ばかりをターゲットにする連続殺人鬼に拉致され、車のトランクに監禁された少女(アビゲイル・ブレスリン)からのSOSを受ける。携帯電話の通話だけを頼りに、ジョーダンはこれまでの知識と経験、能力の限りを尽くして少女の救出にあたるが……。

<感想>電話一本で人命を救出する緊急コールオペレーターを主人公にしたサスペンス。舞台は犯罪多発都市LA。911コールセンター、アメリカの緊急通報の電話番号。日本の110番と119番機能を併せ持つこの番号が、民間人の訓練されたオペレーターによって対応する。本作の導入部で次々と流れる911への通報内容はショッキングでゾクッとくるものばかり。
オペレーターはたわいない通報の合間に、事件性の高いものや、1秒を争う深刻な電話が唐突の入り、それを見極めて的確にサジェッションしていく切り替えが必要になる。
被害者の電話に応対しつつ、被害者の身元や事件発生場所の特定、警察や緊急への指示を、同時に出す難易度の高い作業を鮮やかにこなす、プロフェッショナルな仕事ぶりに引き込まれる見事なオープニング。
冒頭で、ある少女から「今、台所のガラスを破って家の中に誰かが侵入しようとしている」との緊急度の高い通報がはいる。両親は映画に出かけて彼女一人で留守番なのだ。すると、オペレーターが二階の自分の部屋のベランダを開けて、自分はベッドの下へ隠れなさいと指示。そのまま通話状態になっていたのだが、すぐには警察官も駆け付けられなく、強盗犯人は一度はベッドの下をのぞき込み、ベランダが開いていることから外へ逃げたと判断し、部屋から立ち去ったのだ。
しかし、その後にあわてて電話を切ってしまった少女。すかさず緊急オペレーターが電話を掛ける呼び出し音で、犯人が気が付いてしまったのだ。彼女をベッドの下から見つけて、足を引きづり出して、そのまま車のトランクの中へ。その少女は翌日河原で死体となって発見された。
一瞬の判断ミスで最悪な結末を迎えてしまうことになる。ほんの些細な行為が取り返しのつかない結果を招く重さに衝撃を受け、鬱を患い現場から遠のいていたオペレーター。教官として新人オペレーターに講習しているジョーダンには、ハリー・ベリーの演技が光ります。

これは面白かった。展開のテンポがいいのだ。911のオペレーターが通話だけで少女を誘拐犯人から助けようとするというアイディアがまず面白く、プロ意識の魂のようなハリー・ベリーがとても魅力的で、話の展開といい演出といい、観ていて椅子から3回ぐらい飛び上がりそうになった。
それなりにハマってしまい、身を乗り出すような感じでのめり込んで観ていたら、通話が切れたところからまったく別の映画へと転換していく。変質犯罪者が若いブロンド娘を車のトランクへ押し込んで、・・・トランクの中からアビゲイルちゃんが911番へと電話する。受け取るのはもちハリー。
始めは犯罪者についての説明があまりないという展開が恐怖を煽る。アビゲイルを勇気ずけるために、同じ射手座という星座は共に「闘う」というコンセプトは一貫していて勇気づけられたと思う。
それに、車のトランクの内部に詳しいオペレーターの指示で、後部のランプを壊してそこから手を思いっきり振ってと言う。だが誰も気づいてくれない。そこで白いペンキを見つけた彼女がそこから流し込み、後続車に知らせる。警察もその白いペンキを追い掛けたのに。

被害者が閉鎖的な空間でできる限りの救助サインを出し、それが周囲の車のドライバーに伝わっていく過程が面白い。ですが、犯人は狂人なので、後ろからペンキが流れていると教えてくれた男性を、橋の下まで追い掛けてきたのでなぐり殺してしまう。それからトランクの中は、その叔父さんとアビゲイルちゃんの2人となります。その叔父さんが、一度息を吹き返すシーンもびっくりします。
後半では、彼女の足取りが見つからず、ハリー自ら車で検討(電話で、鉄棒に当たる音)をつけて、地面に落ちている携帯電話を見つけ、地下室への入り口を発見。そして普通だったら、警察へ応援を頼むでしょうに、一人で乗り込むのに驚いた。

カルト映画のような犯人が高校生の時の彼女が白血病で亡くなり、その彼女の髪の毛がブロンドだった。だからって、その彼女に似た少女を誘拐して、地下室で麻酔もなしに頭髪をナイフで切りとろうなんてことは、だから、オチには本当にズッコケてしまい、いま観たこれはいったい何だったのか、イライジャ・ウッド演じた「マニアック」のような皮剥ぎ生カツラの恐怖にゾゾゾっと背筋が氷つきます。
アビゲイルちゃんの大人びた体には、成長したなぁと感心して、犯人にボコボコに殴られ、顔がパンパンに腫れたまま生き延びようとする壮絶な役どころの演技も上手くて見応えがあります。それにしても、携帯電話が命の綱な現代、充電はマメにしとおこうと思った。
2013年劇場鑑賞作品・・・336 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

あさひるばん ★★.5

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『釣りバカ日誌』シリーズの原作者、やまさき十三が監督を務め、中年になった昔の仲間たちが病に倒れた当時のマドンナをめぐり奔走する姿を描く人情コメディー。かつて甲子園を目指していた中年男たちが憧れの存在だったマネージャーの娘からの手紙をきっかけに故郷である宮崎で再会し、騒動を繰り広げる。主人公の三人には、『地獄でなぜ悪い』などの國村隼、『月光ノ仮面』などの板尾創路、人気声優・山寺宏一。松平健や西田敏行、桐谷美玲などベテランから若手までバラエティーに富んだキャストにも心が躍る。
あらすじ:浅本(國村隼)、日留川(板尾創路)、板東(山寺宏一)は、宮崎県の高校の野球部で“あさひるばん”と呼ばれていた。それから30年。三人のもとに野球部のマネージャーで憧れの存在だった幸子(斉藤慶子)の娘、有三子(桐谷美玲)から「入院中の母に会ってほしい」と記された手紙がくる。故郷で再会した三人だったが、有三子の祖父で野球部の恩師・雷蔵(西田敏行)と対決することとなり……。

<感想>「釣りバカ」シリーズがなくなって試行錯誤に出来あがった映画なのか。そうか原作者は、かつては東映に在籍していて、監督デビューの本作が、昭和の匂いがプンプンする娯楽映画としてどこか懐かしいのも、そういうことだったのか。

でも、物語は少し無茶ですよね。原作を読めば納得できるとも思えず、ちょっと頭を抱えます。國村隼さんと西田敏行さんの渓流釣りですか、イワナですよね。「釣りバカ」の番外編的な要素があるのも、シリーズファンにとっては嬉しいでしょうが、どうみてもメインの3人が同級生に見えないのが難点。國村さんって年齢は?・・・年の差があり過ぎるって。
しかし、映画が始まるとそう見えてしまうのだ。これが映画の力でしょう。時代錯誤なポスターとは裏腹に、娯楽映画のツボを押さえた拾いもの。例によって撮影の鈴木達夫さんが仕切ったと思われる、父娘の和解と、孫娘の結婚式に、難病といった古めかしい設定とその合間の笑い(娘の父親は誰なのか?)も、濡れ過ぎず乾きすぎず、絶妙の距離感で映し出される心地よさがいい。

強烈な個性の喜劇俳優が不在な分、3人に役割を分担させたのも賢明でしたね。
元高校球児たちが病室で、マドンナの斉藤慶子に3人で歌う歌謡曲、題名は忘れたが「ワナワナ、ワナに落ちそう、誘惑の花」が懐かしく笑いを誘い和ませてくれる。
キャラ的に一番ひどいのは、松平健ですよね。あなたそれはないでしょうと、設定としては立派な人ということになっているのだが、父親のいない家庭に育った娘、桐谷美鈴のウェディングドレスが綺麗で、病床の母親に見せて上げたいと、娘の幸せを祈って許してあげましょう。最後まで名乗り出なかったのは、衆議員としてスキャンダルになるからなの。男ってずるい本当に。

高校野球部監督だった西田敏行さん、頑固親父で高校生の娘が妊娠して父親の名前を明かさないので、家から追い出したと言う。醤油の蔵元の親父をしているくらいだから、頭が固いのは分かるが、18歳の娘が家を出た後、一人で娘を育て上げる苦労は並大抵じゃない。それを応援したのが亡くなった母親というのもよく分かる。
娘の晴れ姿を見る母親の目に涙が、その後ろに頑固親父の姿も孫の花嫁姿を見て涙。3人の親父たちが見守ってこれからも応援していくよと、人情喜劇で締めくくる。
2013年劇場鑑賞作品・・・337 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

47RONIN ★★★.5

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世界的スター、キアヌ・リーヴスを主演に迎え、歌舞伎や映画、ドラマなどで不動の人気を誇る「忠臣蔵」を大胆にアレンジしたアクションファンタジー。非業の死を遂げた主君の敵を討つべく集まった47人の浪士と異端の混血のサムライが協力し、数々の試練を乗り越え決死の戦いに臨むさまを描く。監督は、CMなどを手掛けてきた新鋭カール・リンシュ。共演には国際的に活躍する真田広之、浅野忠信、菊地凛子のほか、本作でハリウッド作初出演の柴咲コウに加え、赤西仁も名を連ねる。
あらすじ:将軍綱吉(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)が赤穂の城へやって来た夜のこと、吉良の家臣で妖術使いミヅキ(菊地凛子)の妖術にかけられた浅野内匠頭(田中泯)は、眠っている吉良上野介(浅野忠信)に斬りかかってケガを追わせてしまう。その事実を知った将軍綱吉は、浅野内匠頭に切腹を命じる。

君主を失った浅野家の娘ミカは、吉良への嫁入りを迫られる。浅野家の君主、大石内蔵助(真田広之)らも浪人の身となり、地下牢での生活が始まった。
浅野内匠頭の恨みを晴らしたい内蔵助は、仇討を決意。内蔵助に恩のある混血青年カイ(キアヌ・リーヴス)も加わり、47名の志士たちは吉良の城に向かう。しかし、旅の途中で様々な危機に襲われる。
ようやく城に着いた一行は、監視の敵兵を倒して城壁から侵入。仮装までして吉良の祝言の宴に忍び込むのだが、無数の敵やミヅキの妖術に対して、壮絶な戦いが始まった。

<感想>キアヌ・リーヴスと日本人スターたちが共演し、毎年12月になると「忠臣蔵」が必ずといってくらいTVで観られる。映画では高倉健さん主演の「四十七人の刺客」が印象深かったです。それが、赤穂浪士の討ち入りで有名な「忠臣蔵」の物語をベースに、VFXを駆使し、奇抜なキャラも登場させ摩訶不思議の世界に案内してくれる。
舞台は徳川幕府が支配する時代なのだが、雄大な自然にカラフルなファッションは、日本の時代劇の常識を覆していると思う。VFXで再現された武家屋敷や城は、アジア各国のテイストも含まれている斬新なビジュアルで完成されたようだ。
そして、驚かされたのが浅野内匠頭を熟年の田中泯に配役したこと。対する悪賢い爺さんの吉良上野介を若い浅野忠信に演じさせていることで、つまりは年齢的に逆転の設定になっているのだ。
これは、二つの勢力争いであり、一度滅びた側の復讐劇であると。そう考えれば古今東西どこの国でも置き換えられるたぐいのものであると。しかし、最終的に考えると、復讐を果たした者たちが、全員見事に切腹して果てるというところに、海外のお客さんには納得できないのではと思った。

前半の山場は、キアヌVS真田に、巨大な3メートルはある鎧の兵士も加わる日本刀バトルで、迫真そのもの。そして後半の見せ場はもちろん「討ち入り」ですよね。吉良の城に侵入する戦いは、ハリウッド作品ならではの超スケールでした。
それでも、赤穂の国の君主、浅野内匠頭が死に追いやられ「RONIN」となった家臣たちが復讐を遂げようとする。忠義と自己犠牲といった忠臣蔵のテーマをまっすぐ受け継ぎつつ、ド派手なアクションバトルが繰り出される展開になっている。

ここでの主人公は英国人水夫と農民の娘の間に生まれた混血児カイのキアヌ・リーヴス。彼は少年時代に行き倒れていたところを浅野内匠頭に助けられた。藩内では「鬼子」と虐げられていたのだが、ミカ姫(柴咲コウ)とは相思相愛の仲に。そんな赤穂藩と美しいミカ姫を吉良が我が物にしようと狙っていた。これは「里見八犬伝」から頂戴したものでは?・・・。
そして、事件が勃発して赤穂藩は壊滅状態になる。ミカ姫は浅野と強制結婚をさせられる運命に。ここまで観ていると、赤穂藩のほうには妖術使いがいない。そうだったら、ミカ姫を予知能力のある姫とか魔法使いに仕立て上げた方が面白かったのではと思った。
冒頭での狩のシーンで、巨大なイノシシと思ったのだが、鹿とは。それを仕留めたのがキアヌなのに、赤穂の家来が手がらを横取りするという。なんだか「モンスターハンター」のゲームになっていた。
長崎の出島の地下闘技場で、怪物と戦っているキアヌ。出島の様子もヤバイやつばかりいて、中には全身ドクロ・タトゥー野郎もいた。異国情緒が炸裂する出島に、サムライ姿の真田広之はカッコよかったです。

そして、キアヌが育った樹海の奥地で天狗から名刀をもらうシーン、天狗の坊さんがまるで怪物ボルデモードみたいな風貌で、天狗の面を付ければ良かったのに、それにワイヤーアクションなんだもの。この天狗も仲間に入れば鬼に金棒ってものなのにね。その名刀なんだけど、エクスカリバーのような感じがしないでもないのに、最後の乱戦では普通に使っているのも変ですから。
そして、四十七士が吉良とミカ姫の婚礼日に、その挙式で余興をやる旅芸人に変装して城内に潜入。その他のメンバーは忍者スタイルで石垣をよじ登って潜入と。しかし、吉良家の3メートルはあるボディガードが立ちはだかる。ここでキアヌが対戦するのかと思ったのですが、四十七士が仕掛けた爆薬で爆死してしまうなんて、これはつまんなかった。

一方では、キアヌに妖怪ミヅキが竜になって襲い掛かる菊池凜子。真田広之と浅野忠信の執念の対決。真田広之と浅野忠信の殺陣のシーンが観たかったのに、それがないなんてね。
そして真逆のヒロイン役で魅力を発散させる柴咲コウの美しいこと。キアヌと柴咲コウ演じるミカ姫とのラブロマンスも良かったし、日本の「忠臣蔵」という史実を描いているには違いないが、これはダーク・ファンタジーですよ。
日本が舞台で、日本人俳優が演じているのに、台詞はすべて英語になっている違和感。でも、真田広之や、菊池凜子らがアメリカを中心に活躍する彼らの英語が流暢でナチュラルで、観ているうちに独特の世界へと吸い込まれてしまう。
そして、キアヌがアジアの血が流れているだけあって、浪人姿の衣装に違和感がない。長い髪に髭ズラも似合っているが、刀を振りかざすポーズなど、時代劇アクションも見事にこなして惚れ惚れさせます。
斬新な意匠や美術も含め、日本文化とハリウッドの新たな融合を劇場でご覧ください。
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strong>四十七人の刺客:四十七人の刺客:池宮彰一郎の同名小説を、池上金男(池宮彰一郎のペンネーム)と竹山洋と市川崑の三人が脚色し映画化。赤穂浪士の討ち入りを描いた時代劇であるものの、従来の「忠臣蔵」と異なり、討ち入りを「情報戦」「経済戦」「暗殺」という視点で描いた意欲作。監督、市川崑
あらすじ:播州赤穂藩筆頭家老・大石内蔵助と上杉藩江戸家老・色部又四郎の戦いは、元禄14年3月14日江戸城柳の間にて赤穂城主浅野内匠頭が勅使饗応役高家・吉良上野介に対し刃傷に及んだ事件から始まった。内匠頭は即刻切腹、赤穂藩は取り潰し、吉良はお咎めなしという、当時の喧嘩両成敗を無視した一方的な裁断は、家名と権勢を守ろうとする色部と時の宰相柳沢吉保の策略だった。
赤穂藩は騒然となり、篭城か開城かで揺れるが、大石は既に吉良を討ちその家を潰し、上杉、柳沢の面目を叩き潰す志を抱き、早速反撃を開始した。事件発生後直ぐに塩相場を操作し膨大な討ち入り資金を作った大石は、その資金をばらまき江戸市中に吉良賄賂説を流布させ、庶民の反吉良感情を煽り、また赤穂浪士すわ討ち入りの噂を流して吉良邸付近の諸大名を震え上がらせ、討ち入りに困難な江戸城御府内にある吉良邸を外に移転させるなどの情報戦を駆使した。
思わぬ大石の攻勢にたじろいだ色部も、吉良を隠居させる一方、仕官斡旋を武器に赤穂浪人の切り崩しを図り、討ち入りに備えて迷路や落とし穴などを完備した要塞と呼ぶべき吉良屋敷を建てさせるなど、反撃を開始する。京都・鞍馬で入念な準備に忙殺される大石はその傍ら、一文字屋の娘・かるとの恋を知る。
かるはいつしか大石の子を身籠もった。追い詰められた上杉家は最後の策として吉良を米沢に隠居させようとする。その惜別の会が開かれた12月14日、運命の日。雪も降り止み誰もが寝静まった子の刻、大石以下47名が集まり、要塞化した吉良邸にいよいよ突入した。迷路を越え、上杉勢百数十名との壮絶なる死闘の末、遂に大石は吉良を捕らえる。追い詰められた吉良は大石に、浅野の刃傷の本当の理由を知りたくはないか、と助命を請う。だが大石は、知りとうない、と答え、吉良を討つ。吉良の死に重なるように、かるの腹から新しい生命が生まれた。
出演: 高倉健 大石内蔵助 、 中井貴一 色部又四郎 、 森繁久弥 千坂兵部 、石坂浩二 柳沢吉保、 岩城滉一 不破数右衛門 、宇崎竜童 堀部安兵衛 、井川比佐志 奥田孫太夫 、
山本學 吉田忠左衛門 、松村達雄 堀部弥兵衛 、神山繁 小野寺十内 、中村敦夫 原惣右衛門 、浅丘ルリ子 りく 、 黒木瞳 きよ 、清水美砂 ほり 、 宮沢りえ かる 、古手川祐子 瑤泉院 、西村晃 吉良上野介 、 橋爪淳 浅野内匠頭 、今井雅之 高田群兵衛 、 石橋蓮司 小林平八郎、 石倉三郎 瀬尾孫左衛門 、小林稔侍 進藤源四郎 、小林昭二 大野九郎兵衛 、 尾藤イサオ 山添新八、 尾上丑之助 大石主税 、 板東英二 天川屋儀兵衛 、永妻晃 前原伊助 、塩屋俊 神崎与五郎 、横山道代 わか 、 佐藤B作 一文字
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