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ラスト・ナイツ ★★★★

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『CASSHERN』『GOEMON』の紀里谷和明監督が、ハリウッドデビューを果たしたアクション巨編。君主の誇りを踏みにじった支配者に復讐(ふくしゅう)を果たそうとする、屈強な剣士とその仲間たちの姿を追い掛ける。『クローサー』などのクライヴ・オーウェン、『ミリオンダラー・ベイビー』などのモーガン・フリーマン、『硫黄島からの手紙』などの伊原剛志ら、国際色豊かなキャストが集結。壮大なスケールの物語や重厚感とスピードあふれるソードバトル、そしてロケを敢行したチェコの荘厳な風景を生かした映像美と見どころ満載。

あらすじ:狡猾(こうかつ)な政治家が台頭し、戦士たちが追いやられようとしている帝国。ある日、強欲な大臣から賄賂を要求されるも、それを断った上に彼に刀を向けたバルトーク卿(モーガン・フリーマン)が反逆罪に問われるという事件が起きる。その後死刑判決が下され、自身のまな弟子であった騎士ライデン(クライヴ・オーウェン)の手で斬首されてしまう。1年後、ライデンは酒に溺れる毎日を送り、ほかの騎士たちも刀を捨てていた。だが、その裏で彼らは主君バルトークの敵を討ち、堕落した権力者たちへ報復する計画を進めていた。

<感想>紀里谷和明監督と言うと、宇多田ヒカルの元旦那というイメージが強いが、今回彼が5年の歳月をかけて完成させたハリウッド映画です。カナダの脚本家が日本人には馴染みの深い「忠臣蔵」を題材に書き上げた脚本に惚れ込んだ監督。ビジュアルこそヨーロッパ的だが、忠義や名誉、尊厳を重んじる騎士たちの姿に、日本の侍の魂を見て取ることができるはずです。

優れたスタッフとキャストが終結して、中世ヨーロッパ風の国が舞台となり、主君の仇討ちのため死闘に身を投じる騎士たちの姿が描かれている。中でも主人公のバルトーク卿を演じたモーガン・フリーマンの、さすがにオスカー俳優だけあると貫録ある演技に惚れ惚れしました。皇帝が支配する封建国家の一領主のバルトーク卿、高潔で思慮深い性格の持ち主で、年老いたため病いに苦しみ、ライデンを自分の後継者と決め、バルトーク家に代々伝わる名刀を授けるのだ。

それに、大石内蔵助役どころの騎士団長ライデンに扮したクライヴ・オーウェン、貧しい家に生まれ、荒れた生活を送ったこともあったが、主君バルトーク卿へ仕えて、団長となりみんなを指導する。そして、復讐というか主君の仇を取る姿に、日本の討ち入りのような感じではないが、なにせ、城が断崖絶壁の上に建っており、頑丈な鉄の門に兵士の人数も多いなか、こちらは精鋭部隊とはいえ、多勢に無勢という感じもあった。だが、家来が鍛冶屋になり弓矢を射る丸い輪っか取り付けたり、鋼鉄の丸い盾を門扉に張り付けて、自分たちが城内へ侵入した時に使うようにしているとか、とにかく敵討ちが成功したのであっぱれと言いたい。

その他、敵役の悪徳大臣のギザ・モットを演じた「ヘラクレス」「ヘッドハンター」に出ていたアクセル・ヘニーがちょっと弱弱しい感じで、護衛官の伊原剛志に守ってくれと懇願する意気地なさにピッタリ。伊原剛志のハリウッド俳優たちに引けを取らない圧倒的な存在感がいい。
「忠臣蔵」が物語の核なだけに、主君へ絶対的な忠誠心、自己犠牲や敵討ちなど日本人ならグッとくる要素がたくさん詰まっており、特に騎士たちが屈辱の中で生きながら、ついに復讐のために立ち上がる姿は、ただただ感動しますから。雪降るシーンに、城へ攻め入るのは日本と同じで、情感があっていい。

ラストに、女郎屋に売られたバルトーク卿の娘を助け出し、城の外で主君の仇討ちを遂げたことを報告する姿に、ウルウルときます。
その他にも、「忠臣蔵」とくれば47士の家来たちが活躍するお話ですから、主君バルトーク卿を崇拝している家来たちも、大臣のアン・ソンギなど国際色豊かなキャスティングにも注目したい。

何せ、騎士が主役なだけにソードバトルも充実し、スピード感あふれるソードアクションは見応え十分。様々な人種と民族が入り乱れる世界観なだけに、二刀流や逆手持ちなど無国籍系のアクションを見せる使い手も登場するのだ。

やはり見どころは、クライヴ・オーウェンVS伊原剛志の重厚かつスピーディな剣の技には惚れ惚れしますから。どちらが強いとかじゃなく、ご両人とも騎士であり、さすがにライデンも手こずり危いシーンもあり、2人で揉みあいながら2階から1回へと落ちる様にはひやひやもんで、どちらかが怪我をしてダメージを負っているのでは、なんて思ってしまう。ですが、やはりライデンの名刀が伊原の刀を折ってしまい、刀の先が伊原の首に突き刺さっていた。
それに、監督ならではの幻想的な世界観の中での、ソードアクションの数々は圧巻ですから。東欧チェコの古城や修道院での撮影を行っており、建物の雰囲気はまさかの中世そのもので、撮影中に豪雪に見舞われたそうで、本物の質感を生み出し、荘厳かつ重厚でした。監督のこれまでとは一味違う、落ち着きのある映像美は必見ですぞ。
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