『わたしはロランス』『トム・アット・ザ・ファーム』などで注目を浴びるカナダの鬼才、グザヴィエ・ドランが主演を務めたスリラー。ある人物が行方不明になった事件の鍵を握る青年と精神科医が対峙(たいじ)し、隠されていた意外な事実が浮き彫りになる。メガホンを取るのは、「合衆国崩壊の日」などのチャールズ・ビナメ。『カポーティ』などのキャサリン・キーナー、『メメント』などのキャリー=アン・モスら、実力派が共演する。息詰まる展開に加え、俳優としても非凡な才能を発揮するグザヴィエの熱演も必見。
あらすじ:謎の失踪を遂げた同僚を捜そうとする、精神科医のグリーン(ブルース・グリーンウッド)。彼は同僚の姿を最後に見たという患者マイケル(グザヴィエ・ドラン)から、詳しい話を聞くことにする。象に異常な執着を見せる彼と対面し、失踪事件を解決する手掛かりをつかもうとするグリーンだったが……。
strong><感想>グザヴィエ・ドランが主演の心理サスペンスである。ニコラス・ビヨンが自作の戯曲を脚色。シャルル・ビナメが監督を務めた。共演には、グリーン医師に「デビルズ・ノット」のブルース・グリーンウッド、「はじまりのうた」のキャサリン・キーナーが、看護師師長ピータソンに扮して、「ポンペイ」のキャリー=アン・モスが、グリーン院長の妻を演じている。
舞台は精神病院で、そこの医師が姿を消したということで、最後に患者として一緒だったのがマイケル、グザヴィエ・ドランだったというので、グリーン医師はマイケルに事情を聞く。看護婦長がマイケルに初めて接する医師なのに、はっきりと病状を詳しく話さないし、ナッツアレルギーだと言うことも話していない。カルテを見ても詳しいことは全部看護婦長が把握しているのに。
このマイケルという患者は、母親は有名はオペら歌手で、アフリカへ行った時に遊びでガイドの密漁をしている男と寝て、マイケルが誕生する。幼い頃から母親の舞台のそでで、歌を聴き、個室の控室では一人寂しく眠る。
金持ちなので、子守やお手伝いには不自由しないが、母親の愛情に飢えて、父親にも6才くらいの時にアフリカへ訪ねて行き、目の前で象を銃殺するのを見てかなりショックを受ける。父親としての責任はない。
グリーン医師と看護婦長は元夫婦で、幼い娘の事故死が原因で離婚していた。マイケルは、医師のグリーンの質問に看護婦長の事を持ち出し、彼女は必ず生理休暇を取るなどといい、さらには、消えた医師の性的虐待をほのめかし、机の引き出しの中のマイケルの少年時代の裸の写真を見せる。
一方、看護婦長は、食事を抜いたマイケルの態度に異変を感じていた。事情聴収を辞めてマイケルを病室へ戻すように懇願するが、頭に血が上ったグリーン医師は、頑なに質問を続けるのだ。机の写真を見つけて、疾走した医師がマイケルに性的虐待をしていたと勘違いをしてしまったからだ。
看護婦長が、マイケルのことを一番良く知っているからである。そういう性的虐待などなかったのに、マイケルのでっち上げなのに、何故全部話して置かなかったのか。部屋の外の廊下でじっと待つ看護婦長。
やがて、マイケルが消えた医師への愛を告白する。さらには、オペら歌手だった母親を殺したとさえ言い出す始末。自殺を試みた母親を、助けも呼ばず最期まで傍で見ていたというのだ。
望まれぬ子供だった彼に、母親は最後まで愛情を見せなかった。そしてマイケルは、部屋のクロ-ゼットに疾走した医師を殺して隠したと言うのだ。グリーン医師は、クロ-ゼットの中を調べると、そこには象のぬいぐるみが入っていた。マイケルが大事にしていたもので、そのぬいぐるみを大事そうに抱きしめるマイケル。
実にグザヴィエ・ドランは、このような精神的にダメージのある役を演じるのが上手い。知能遅れではないが、親の愛情を知らない子供、それでも、孤児院で育った子供たちに比べれば金持ちだし幸せな暮らしもできたのに。彼の生い立ちに関係が少しはあるのかもしれませんね。
徐々に問い詰めていくグリーン医師、だが、マイケルが疾走した医師のことを知っていると言うのだ。それには条件があると。つまり疾走したのではなくて、その医師の姉が脳梗塞で倒れて急いで駆け付けたということなのだが、そのことを書いた手紙をマイケルが持っていたのだ。チョコと引き換えにという取引で、何も考えないで引き出しの中のチョコ1箱を差し出すグリーン医師。手紙を読むのに夢中になり、マイケルがチョコのナッツアレルギーだということも知らないで。
マイケルは、この疾走事件を利用して、自分の自殺を決行しようと計画していたのだろう。看護婦長がもっと早くにグリーン医師にそのことを伝えてさえいればこんなことにはならなかったに違いない。
最後に、雪が一面の公園で、ベンチに座ってマイケルの死を悲しむ二人の姿に、自分たちの子供が亡くなったようにさえ見受けられた。
それにしても、グリーン医師のダウン症の姪っ子、その世話をやく再婚相手にキャリー=アン・モスが、始終電話をかけてきたり病院まで押しかけて来る態度は病的でもある。彼女が、やけに老け込んでババァになっていたのにがっかりし、「マトリックス」ではあんなに美しく飛躍していたのに。美しく年を取るというのは難しいのかもしれない。
2015年劇場鑑賞作品・・・174映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:謎の失踪を遂げた同僚を捜そうとする、精神科医のグリーン(ブルース・グリーンウッド)。彼は同僚の姿を最後に見たという患者マイケル(グザヴィエ・ドラン)から、詳しい話を聞くことにする。象に異常な執着を見せる彼と対面し、失踪事件を解決する手掛かりをつかもうとするグリーンだったが……。
strong><感想>グザヴィエ・ドランが主演の心理サスペンスである。ニコラス・ビヨンが自作の戯曲を脚色。シャルル・ビナメが監督を務めた。共演には、グリーン医師に「デビルズ・ノット」のブルース・グリーンウッド、「はじまりのうた」のキャサリン・キーナーが、看護師師長ピータソンに扮して、「ポンペイ」のキャリー=アン・モスが、グリーン院長の妻を演じている。
舞台は精神病院で、そこの医師が姿を消したということで、最後に患者として一緒だったのがマイケル、グザヴィエ・ドランだったというので、グリーン医師はマイケルに事情を聞く。看護婦長がマイケルに初めて接する医師なのに、はっきりと病状を詳しく話さないし、ナッツアレルギーだと言うことも話していない。カルテを見ても詳しいことは全部看護婦長が把握しているのに。
このマイケルという患者は、母親は有名はオペら歌手で、アフリカへ行った時に遊びでガイドの密漁をしている男と寝て、マイケルが誕生する。幼い頃から母親の舞台のそでで、歌を聴き、個室の控室では一人寂しく眠る。
金持ちなので、子守やお手伝いには不自由しないが、母親の愛情に飢えて、父親にも6才くらいの時にアフリカへ訪ねて行き、目の前で象を銃殺するのを見てかなりショックを受ける。父親としての責任はない。
グリーン医師と看護婦長は元夫婦で、幼い娘の事故死が原因で離婚していた。マイケルは、医師のグリーンの質問に看護婦長の事を持ち出し、彼女は必ず生理休暇を取るなどといい、さらには、消えた医師の性的虐待をほのめかし、机の引き出しの中のマイケルの少年時代の裸の写真を見せる。
一方、看護婦長は、食事を抜いたマイケルの態度に異変を感じていた。事情聴収を辞めてマイケルを病室へ戻すように懇願するが、頭に血が上ったグリーン医師は、頑なに質問を続けるのだ。机の写真を見つけて、疾走した医師がマイケルに性的虐待をしていたと勘違いをしてしまったからだ。
看護婦長が、マイケルのことを一番良く知っているからである。そういう性的虐待などなかったのに、マイケルのでっち上げなのに、何故全部話して置かなかったのか。部屋の外の廊下でじっと待つ看護婦長。
やがて、マイケルが消えた医師への愛を告白する。さらには、オペら歌手だった母親を殺したとさえ言い出す始末。自殺を試みた母親を、助けも呼ばず最期まで傍で見ていたというのだ。
望まれぬ子供だった彼に、母親は最後まで愛情を見せなかった。そしてマイケルは、部屋のクロ-ゼットに疾走した医師を殺して隠したと言うのだ。グリーン医師は、クロ-ゼットの中を調べると、そこには象のぬいぐるみが入っていた。マイケルが大事にしていたもので、そのぬいぐるみを大事そうに抱きしめるマイケル。
実にグザヴィエ・ドランは、このような精神的にダメージのある役を演じるのが上手い。知能遅れではないが、親の愛情を知らない子供、それでも、孤児院で育った子供たちに比べれば金持ちだし幸せな暮らしもできたのに。彼の生い立ちに関係が少しはあるのかもしれませんね。
徐々に問い詰めていくグリーン医師、だが、マイケルが疾走した医師のことを知っていると言うのだ。それには条件があると。つまり疾走したのではなくて、その医師の姉が脳梗塞で倒れて急いで駆け付けたということなのだが、そのことを書いた手紙をマイケルが持っていたのだ。チョコと引き換えにという取引で、何も考えないで引き出しの中のチョコ1箱を差し出すグリーン医師。手紙を読むのに夢中になり、マイケルがチョコのナッツアレルギーだということも知らないで。
マイケルは、この疾走事件を利用して、自分の自殺を決行しようと計画していたのだろう。看護婦長がもっと早くにグリーン医師にそのことを伝えてさえいればこんなことにはならなかったに違いない。
最後に、雪が一面の公園で、ベンチに座ってマイケルの死を悲しむ二人の姿に、自分たちの子供が亡くなったようにさえ見受けられた。
それにしても、グリーン医師のダウン症の姪っ子、その世話をやく再婚相手にキャリー=アン・モスが、始終電話をかけてきたり病院まで押しかけて来る態度は病的でもある。彼女が、やけに老け込んでババァになっていたのにがっかりし、「マトリックス」ではあんなに美しく飛躍していたのに。美しく年を取るというのは難しいのかもしれない。
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