王妃マリー・アントワネットの朗読係の視点から、フランス革命勃発後の3日間を描く歴史劇。原作はフランスの権威ある文学賞、フェミナ賞に輝いたシャンタル・トマの『王妃に別れをつげて』。出演は「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」のレア・セドゥ、「イングロリアス・バスターズ」のダイアン・クルーガー。
あらすじ:1789年7月14日。バスティーユが陥落し、フランス革命が勃発したその日、ヴェルサイユの人々はまだ何も知らず、いつもと変わらぬ華やかな一日を送っていた。王妃マリー・アントワネット(ダイアン・クルーガー)だけは、予知したかのように悪夢に目覚め、早朝からお気に入りの朗読係、シドニー・ラボルド(レア・セドゥ)を呼び出す。自分に心酔するシドニーと話すうちに落ち着きを取り戻す王妃。
7月15日。バスティーユ陥落の報と286人の処刑リストが出回り、騒然となるヴェルサイユ。筆頭は王妃、3番目は王妃に最も愛され、有り余る富と特権を享受しているポリニャック夫人(ヴィルジニー・ルドワイヤン)だった。深夜。王妃からポリニャックへの情熱的な恋心を打ち明けられたシドニーは、王妃のために、呼び出しに応じないポリニャックを説得して連れてくると申し出る。(作品資料より)
<感想>フランスのベストセラー小説を基にして、フランス革命直後の王宮の4日間を、王妃マリー・アントワネットの朗読係の視点で描く歴史劇。読書係りシドニーは王妃のすぐそばにいて、もちろん本を読むのが仕事だし、きっと話し相手、相談相手になることもあっただろうに。真相は知らないが、朗読係りは年配の女性だったというのを、王妃に恋い焦がれる若い女性にしたのが、この映画の特徴だろう。
その朝、いつもと変わりないヴェルサイユの1日が始まるはずだった朝は、不穏な空気に一変する。バスティーユが襲撃されたという報が届いたのだ。この襲撃事件が自分の運命を大きく揺り動かすことを、その時はまだ知らずに、アントワネットはシドニーを相手に自分の衣装に施す刺繍の話に夢中なのだ。赤い糸で刺繍をしたダリアの花、徹夜をして刺繍をしたのはシドニーだったのだ。
映画では、バスティーユの襲撃事件から3日間が描かれる。観客は当然フランス革命がおこること、王と王妃の最期を知っているわけだから、観ているうちに息もつまる緊迫感に襲われる。どうやったら、この危機から逃れられるかが、・・・。
なんてことは考えても仕方がないこと。この作品の中では、現実に自分たちの身の上がまさか断頭台にのるなんてことは思いもよらないことで、王妃は荷物をまとめて馬車で逃げることを考えていたのだから。王妃が286人の処刑リストを観ても、現実に起きうることではないと思っていたのだろう。
その中でもこの物語の主人公の朗読係のシドニーは、心底アントワネットを慕い、憧れていた。王妃もそんなシドニーを可愛がって、金の目覚まし時計をプレゼントし、腕に湿疹ができているのを見て薬を塗ってあげるなど、それは本当に可愛がっていた。こういう立場の女性が実在したことは確からしい。
ヴェルサイユ宮殿の図書室から、王妃のリクエストに応えるべく本を選んで、その本を朗読するのである。リクエストがなければ、王妃の気分を考えて本を選ぶ。宮殿の図書室の蔵書を知り尽くし、その時どきに適した本を持ってくる。その他にも衣装の布地やデザイン、刺繍などの仕事をする女性も数人いたらしい。
その他にも宮殿には、たくさんの人たちが住んでいる。その人たちの食事風景が見られるが、宮殿の外では毎日食べるパンがないといって暴動を起こしているのに、中では毎日朝から豪華な食事が用意されているのだ。まるで江戸時代の大奥のような、それよりも贅沢三昧である。
フランス革命、マリー・アントワネットの物語と言えば、ソフィア・コッポラが監督し、キルスティン・ダンストがマリー・アントワネットを演じた『マリー・アントワネット』が思い出されるのだが、今回は ダイアン・クルーガーが情緒不安な王妃マリー・アントワネットに成りきって、それは見事なコスプレ衣装が良く似合う。だが、朗読係りのシドニーがいくら王妃を愛しているから、好きだからといってどうにもならない。それは王妃にはポリニャック夫人という、恋心を抱いている女性がいるのだ。もしかして、レズビアンってことなの。彼女のベッドに横たわる乱れた寝姿、シドニーが王妃から下された命令は、処刑リストに載っているポリニャック夫人の身代わりをしろというのだ。
ポリニャック夫人のグリーンのドレスを替え玉として、シドニーも全裸になり着替えをするシーン。王妃に口づけをされ、愛する人の役に立ちたいがため、自分の命を差し出して身代わりになるなんて。この物語の朗読係りは、有名でもないし、今も名前を知られている登場人物ではない。でも王妃のすぐ傍にいたに違いない女性で、その女性を主人公に、これまでと違ったフランス革命、ヴェルサイユ宮殿の内部を見せてくれる。
中でも鏡の間など、実際にヴェルサイユ宮殿で撮影された、建物内部は豪華絢爛ですね。閉館日の月曜日と夜間のみの撮影だったそうですが、普段目にすることがない一般非公開の場所でも撮影され、貴重な映像となっている。
2013年劇場鑑賞作品・・・43 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ
あらすじ:1789年7月14日。バスティーユが陥落し、フランス革命が勃発したその日、ヴェルサイユの人々はまだ何も知らず、いつもと変わらぬ華やかな一日を送っていた。王妃マリー・アントワネット(ダイアン・クルーガー)だけは、予知したかのように悪夢に目覚め、早朝からお気に入りの朗読係、シドニー・ラボルド(レア・セドゥ)を呼び出す。自分に心酔するシドニーと話すうちに落ち着きを取り戻す王妃。
7月15日。バスティーユ陥落の報と286人の処刑リストが出回り、騒然となるヴェルサイユ。筆頭は王妃、3番目は王妃に最も愛され、有り余る富と特権を享受しているポリニャック夫人(ヴィルジニー・ルドワイヤン)だった。深夜。王妃からポリニャックへの情熱的な恋心を打ち明けられたシドニーは、王妃のために、呼び出しに応じないポリニャックを説得して連れてくると申し出る。(作品資料より)
<感想>フランスのベストセラー小説を基にして、フランス革命直後の王宮の4日間を、王妃マリー・アントワネットの朗読係の視点で描く歴史劇。読書係りシドニーは王妃のすぐそばにいて、もちろん本を読むのが仕事だし、きっと話し相手、相談相手になることもあっただろうに。真相は知らないが、朗読係りは年配の女性だったというのを、王妃に恋い焦がれる若い女性にしたのが、この映画の特徴だろう。
その朝、いつもと変わりないヴェルサイユの1日が始まるはずだった朝は、不穏な空気に一変する。バスティーユが襲撃されたという報が届いたのだ。この襲撃事件が自分の運命を大きく揺り動かすことを、その時はまだ知らずに、アントワネットはシドニーを相手に自分の衣装に施す刺繍の話に夢中なのだ。赤い糸で刺繍をしたダリアの花、徹夜をして刺繍をしたのはシドニーだったのだ。
映画では、バスティーユの襲撃事件から3日間が描かれる。観客は当然フランス革命がおこること、王と王妃の最期を知っているわけだから、観ているうちに息もつまる緊迫感に襲われる。どうやったら、この危機から逃れられるかが、・・・。
なんてことは考えても仕方がないこと。この作品の中では、現実に自分たちの身の上がまさか断頭台にのるなんてことは思いもよらないことで、王妃は荷物をまとめて馬車で逃げることを考えていたのだから。王妃が286人の処刑リストを観ても、現実に起きうることではないと思っていたのだろう。
その中でもこの物語の主人公の朗読係のシドニーは、心底アントワネットを慕い、憧れていた。王妃もそんなシドニーを可愛がって、金の目覚まし時計をプレゼントし、腕に湿疹ができているのを見て薬を塗ってあげるなど、それは本当に可愛がっていた。こういう立場の女性が実在したことは確からしい。
ヴェルサイユ宮殿の図書室から、王妃のリクエストに応えるべく本を選んで、その本を朗読するのである。リクエストがなければ、王妃の気分を考えて本を選ぶ。宮殿の図書室の蔵書を知り尽くし、その時どきに適した本を持ってくる。その他にも衣装の布地やデザイン、刺繍などの仕事をする女性も数人いたらしい。
その他にも宮殿には、たくさんの人たちが住んでいる。その人たちの食事風景が見られるが、宮殿の外では毎日食べるパンがないといって暴動を起こしているのに、中では毎日朝から豪華な食事が用意されているのだ。まるで江戸時代の大奥のような、それよりも贅沢三昧である。
フランス革命、マリー・アントワネットの物語と言えば、ソフィア・コッポラが監督し、キルスティン・ダンストがマリー・アントワネットを演じた『マリー・アントワネット』が思い出されるのだが、今回は ダイアン・クルーガーが情緒不安な王妃マリー・アントワネットに成りきって、それは見事なコスプレ衣装が良く似合う。だが、朗読係りのシドニーがいくら王妃を愛しているから、好きだからといってどうにもならない。それは王妃にはポリニャック夫人という、恋心を抱いている女性がいるのだ。もしかして、レズビアンってことなの。彼女のベッドに横たわる乱れた寝姿、シドニーが王妃から下された命令は、処刑リストに載っているポリニャック夫人の身代わりをしろというのだ。
ポリニャック夫人のグリーンのドレスを替え玉として、シドニーも全裸になり着替えをするシーン。王妃に口づけをされ、愛する人の役に立ちたいがため、自分の命を差し出して身代わりになるなんて。この物語の朗読係りは、有名でもないし、今も名前を知られている登場人物ではない。でも王妃のすぐ傍にいたに違いない女性で、その女性を主人公に、これまでと違ったフランス革命、ヴェルサイユ宮殿の内部を見せてくれる。
中でも鏡の間など、実際にヴェルサイユ宮殿で撮影された、建物内部は豪華絢爛ですね。閉館日の月曜日と夜間のみの撮影だったそうですが、普段目にすることがない一般非公開の場所でも撮影され、貴重な映像となっている。
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