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プンサンケ ★★★

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国籍不明、言葉も名前も持たない謎の男―その無言の叫びが今、分断の歴史を揺るがす。

製作総指揮・脚本キム・ギドク! 観る者全てを震撼させる、驚愕のハードボイルド・アクション! ! 本作のシナリオは、『悲夢』から3年間沈黙を続けていたキム・ギドクによるもの。
分断という不条理な現実を常人離れした視点から眺め、辛辣なアイロニーを交えた独特の語り口で綴っている。
あらすじ:運び屋のプンサンケは、北朝鮮高官の愛人イノクを韓国へ連れ出す依頼を受ける。危険を共にして38度線を超えた2人の間には、微妙な感情が芽生える。プンサンケは依頼人に裏切られて北のスパイの嫌疑をかけられ、韓国の情報員に拘束される。(作品資料より)

<感想>ソウルとピョンヤンを3時間で往来する謎の運び屋が、北朝鮮の元高官の愛人を亡命させる依頼を無事に引き渡すのだが、約束した報酬は支払わず、ワナにはめられて韓国情報部に拘束され、激しい拷問を受ける。

全裸で身体に泥を塗り38度線を棒高跳びで鉄条網を超え、警戒中の兵士目を欺く。手紙やビデオメッセージを届ける運び屋。彼は一言もしゃべらないのだ。
闇夜に身を隠した女への想いを無言のまま抱き続ける姿が印象的です。
愛人は北の高官が自分の性処理のためだけに呼んだことがわかり、それに彼の嫉妬心からくるDVに韓国へ来たことを後悔する愛人。もう一度北朝鮮へ帰りたいと嘆く。この愛人の女は北でも裕福な生活をしていたようで、だからなのか普通では考えられない。
北の諜報部員たちは韓国の暮らしぶりに慣れ、贅沢な暮らしを捨てきれないのに。
そして、プンサンケは北のスパイだと疑われ、拷問地獄の隙を見て無事に逃れた彼を、今度は北の工作員たちが捕える。北の拷問の方が残酷です。

そこへ愛人までも捕まって、2人は縛られながらお互いを求めてキスをする。そのキスには、祖国統一を願う北の人と、南の人の姿がだぶって見え、何だかキスシーンなのに感動してしまった。
しかしだ、2人の愛は引き裂かれ、復讐に燃えた運び屋は、・・・。
後半部分で、北の諜報部員と南の諜報部員を1人づつ閉じ込め戦わせ、また一人、また3人、そして上司までもが、お互いのエゴを言い立てるだけでも、分断国家の現状のまま何も解決しないでいる北と南の指導者や、彼の下で働くものへ脚本家のキム・ギドクの怒りが向けられる。
この国は、映画を武器にして社会と戦っているのだろう。そんな感じがした。
2013年DVD鑑賞作品・・・15  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ


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