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天の茶助 ★★★

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『蟹工船』、『Miss ZOMBIE』などのSABU監督が、処女小説を自ら映画化したラブストーリー。脚本家たちが地上で生活している人間の“人生のシナリオ”を執筆している天界で、お茶くみ担当が地上の女性に恋するも、死ぬ運命にあることを知って地上に降り立ち、彼女を救うために奮闘する。主演は、SABU監督とは『うさぎドロップ』でタッグを組んだ松山ケンイチ。テレビドラマ「あまちゃん」などの大野いとがヒロインを務めるほか、大杉漣と寺島進、伊勢谷友介など多彩な顔ぶれが共演。

<感想>舞台が沖縄なので、祭りが多く出て来て、茶助が天界から地上へ降りて来るとすぐに、エイサー祭りで賑わう商店街に茶助が降りてくるのですね。ここから、愛するユリの運命を変えるために茶助が奮闘するわけです。

主人公の松山ケンイチ演じる茶助は、天界では脚本家にお茶を配る役。地上に降りてきて、背中に白い羽を背負っているシーンは、天使でもなんでもありませんから。あれは、商店街で捨てられていた物を拾って付けただけ。

ですが、脚本家によって、自分の生い立ち高知県の土佐生まれで、学生時代は暴走族で、その後は喫茶店のウェイター、ロック歌手に、そしてヤクザにも。パンチパーマで背中に刺青があるマツケンも面白い。

地上へ降りて、フラフラの茶助が大杉漣に助けられる。そこで、すぐにはユリが口がきけない聾唖者なので、喋れるように奇跡を起こすのかと思えば、商店街にいた車いすの少年に念力をかけて歩くようにさせてしまうわけ。

ユリを演じているのは、『愛と誠』に出ていた大野いと。ですが、この映画の中では茶助の恋人役なのに、あまり目立たないのだ。彼女は、ある出来事によって声を発することができなくなった女で、自分のため、他人のために奮闘する茶助を見て、少しずつ心を開いていく。

この少年が歩けるように茶助が、奇跡を起こすことを天界でシナリオを書いている脚本家がいるわけで、その後も次々と奇跡を起こす茶助。たちまち有名になり、日本中から難病患者たちが押し寄せて連日にぎわいを見せる商店街が映し出される。茶助は、まるで神様のように人助けをする。

有名になり、テレビ出演もすることに。みんなは、奇跡を見せろと叫ぶのだ。
それは彼なりの、人々を苦しめシナリオを書いた脚本家たちへの抵抗だったのだろう。自らを
犠牲にしてまでも押しかけて来る人々の治療を続ける茶助の前に、茶助の妹の茶子が現れて、「世の人すべてを救うことが出来ない」と手厳しい言葉を投げつける。しかし、妹の言うことは核心をついており、彼女がアニキの茶助に言う言葉で作品の内容に深みが増しているようにもとれる。妹の茶子には、可愛らしい顔した玉城ティナが扮しており、土佐弁で台詞まくし立てるのに驚いたわ。

寺島進扮するヤクザの親分に追いかけられ、沖縄の商店街の狭い路地を全速力で疾走する場面がいくつかあります。このシーンは、以前観た「カムイ外伝」(09)、のカムイのように走るマツケンのカッコ良さが映し出され、相変わらず運動神経の良さが伺えます。

もう、ここら辺から、なぁんだとつまらなくなり始め、最後はきっと茶助は殺されるのでは?・・・と思ってしまった。茶助を書いている脚本家が、きっとそうするであろうと思ってしまうからだ。元々は、人間が死んで天界へいき、ウェイターをしていることもあってか、お茶当番をすることになったのだろう。名前も早乙女茶助だしね。
天界の脚本家たちが、雲の上でもくもくとシナリオを書いている姿をみて、「ホホォーなるほどそういう手もあったか」人間の一生を天界の脚本家たちがシナリアを書いているとは、それにしても、雲の上で日本中、いや世界中の人間たちの脚本を書いていることになるということになるのだ。こりゃ大変だわさ。

地上に降りてきた茶助が、人間の大杉漣や伊勢谷友介に助けられてユリ役の大野いとと出会う。大杉漣さんは、元俳優志望だったが、骨董品屋の主人にと、伊勢谷君は元ボクサーって、名前が彦村ジョーだよ。恋人と死に別れてラーメン屋を経営している。

最後に、殺し屋のヒットマン2人に狙われて、その他にもヤクザや顔に歌舞伎メイクをした警官とかに拳銃乱射されて、ユリが殺し屋に撃たれて、茶助がそのユリを助けるのだが、自分も撃たれてしまう。やっとユリが息を吹き返すと、茶助が死んでおり、ユリが声を出して茶助の名前を呼びながら茶助を生き返らせるというシーンもある。

バカバカしい話とか、ところどころ設定に無理があったり、複雑に思える部分も出てきます。ですが、あまり細かいところを気にしたりきりがありません。この作品の世界観を楽しめればそれで満足できる作品になっています。欲を言えば、暴力的なシーンはいらないような。それでも、笑えるコミカルな描写もあり、でもそこは面白おかしく、漫画的に映画だからね。痛快ファンタジーということだ。ラストでも、琉球王国時代のお祭りが出て来て、沖縄伝統芸能の素晴らしさを観ることができるのも、この映画の特徴だと思います。
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