シャドウズ・ゲート　　★★

2010年カナダ制作の未公開ファンタジー・ホラーです。原題は「NEVERLOST」製作・監督：チャド・アーチボルド
出演：ライアン・バレット、エミリー・アラタロ、ジェニファー・ポランスキー、サム・ボルスタイン、ゲイリー・フィッシャー
あらすじ：未来を約束した最愛の女性・ケイトを火災事故で失ったジョシュ。時が経ち、別の女性と結婚するも、彼女のことを片時も忘れられない彼はひどい不眠症に陥っていた。貞操なき妻から疎まれ、精神的に追い詰められた彼を救ったのは、知人に紹介で知り合った医者から渡された、未だ開発途中の睡眠薬だった。
目覚めた彼の目前に現れたのは、死んだはずのケイト。夢の世界と知りつつ、ケイトとの甘い幸せな時間を過ごすジョシュ。ただし、薬が切れると元の悲惨な現実へ―。次第に彼は、ケイトに逢いたい一心で薬を多用するようになる。
幸福な時間が流れる夢の世界と不幸極まりない現実の世界。
医者に薬を断られた彼は、研究所に侵入し薬を強奪。夢の世界に生きることを決心するのだが、そこで彼は思いがけない事実を知ることとなる。
果たして、ジョシュが選択した生き方とはー。
原題:NEVERLOST（Amazonより）
＜感想＞劇場未公開作品というと、殆どがＢ級作品で見る価値がないという残念な結果に終わってしまう。しかし、中には掘り出し物のようないい作品に巡り合うこともある。だが、この作品もその部類に入るＢ級品扱いだった。
主人公が夢の世界へ逃避行して、亡くなった元妻ケイトとの生活を楽しむことに翻弄され、現実の生活では、まるで悪夢のような状態。なので主人公の男は、始終睡眠薬を飲んでは、夢の世界へと逃げる。
物語のアイデアとしては前にも見たような内容で、かなり退屈で展開として何かアクシデントとかあるのか期待してしまう。ホラー的な要素はなく、医者が睡眠薬を出すのを止めたので、病院へ盗みに入るくらいかな。
ホラーとしては夢の中の彼女が幽霊として出てくるわけでもなく、夢の世界ばかりに行っていつも寝てばかりいる夫に不満で、現実での奥さんが浮気をしており、せっかく夢の世界で楽しんでいるのに、無理やり起こすので奥さんを殴ってしまう。
すると奥さんの浮気相手が現れて、ボコボコに殴られその男を殺してしまう。
それでも懲りずにまたもや薬をたくさん飲んで、夢の世界へと行くのですがそんなに上手くいくわけもなく幸せにはなりません。夢の世界の彼女の父親が激怒して家に火を放ち、大怪我をして死んでしまう夢の中。
目が覚めて現実の世界でも訳が分からないまま殺人で捕まり、証人の妻には嘘ばかり言われ散々な目にあいます。刑務所では夢の中でガソリンをまいて火を付けられた、恐ろしい恋人の父親が目の前にいるんです。ラストはそんな世界は耐えられないと、恋人の写真を胸にその憎き父親に見せつけながら、首つり自殺をしてしまうのです。
せっかくラストまで、夢の世界と現実の世界を描いて来たのはとても良かったと思いますね。しかしですよ、主人公の夢の中での恋人と現実の奥さんが真逆の性格と人相なので、これは現実を陰として夢の中を陽としてのでしょう。そこまでは良かったのですが、最後くらいこの男がしっかりと自分の意思を持ち、生きて行く希望みたいなものがあっても良かったのでは。
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