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ビリギャル ★★★.5

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『ハナミズキ』などの土井裕泰が監督を務め、塾講師・坪田信貴の「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」を映画化した感動作。成績学年最下位の女子高生が、ある教師の励ましで慶應義塾大学合格というむちゃな目標に向かって突き進む姿を描く。『女子ーズ』『ストロボ・エッジ』などの有村架純が偏差値30の金髪ギャルを熱演。落ちこぼれ女子高生が、人生の一発逆転を狙う笑いと涙の物語に夢中になる。
あらすじ:名古屋の女子高に通うお気楽女子高生のさやか(有村架純)は全く勉強そっちのけで、毎日朝まで友人たちと遊んで暮らしていた。そんな娘を心配して、今の状態では大学への内部進学すらままならないと案じた母は、さやかに塾に通うよう言いつける。彼女は金髪パーマにピアス、厚化粧にミニスカートのへそ出しルックで渋々入塾面接に行き、教師の坪田と出会う。

<感想>こういう家族の話ってよくあるよね。結末が解っているいるような気がして、やや引き気味になるのだが、実際に観始めると話に引き込まれてしまった。その結果はですね、たかが大学受験の話ながら、ちゃんと青春映画になっているということであります。
家の中は、父親が息子に自分がプロ野球選手になれなかったことを後悔して、それを息子に夢を託すわけ。息子も初めはそんな父親の言うこと聞いて、一生懸命野球に専念して、野球の推薦で高校へ入学する。

そんな父親だから、家の中は息子の野球中心で、娘が2人いるのに母親に押し付けてしらんぷりなのだ。素行の悪い長女には、何も期待しておらず息子にばかり愛情を注ぐ。
野球バカとはこの父親のことを言うのかもしれない。息子のために、父親は夕食も特別待遇で、上寿司に焼肉、毎晩のように息子のためにご馳走三昧で、娘や母親にはそのご馳走を食べさせないし、毎月の給料だって息子のために使うからと、給料を入れないのだ。そんな父親と離婚をしないのかと、さやかが母親に問い詰めるシーンがあるが、それは後に書くとして、どうやら脱サラをして、車の整備工場を経営して、息子のために野球部が全員のれるバスまで購入する親バカなのだ。

それが、母親がどういうわけか、長女に慶應大学を受験させるべく塾に通わせるというわけ。塾の費用も馬鹿にならないので、母親は昼も夜もパートで働きづめ。過労が心配なのだが、ここではそんなことは一切触れていない。それに妹が、母親が夜も昼もパートに行くので、家事万端を引き受けているのが偉い。いくら姉のためとはいえ、初めは絶対に大学受験なんて無理と思っている家族にとっては、途中で投げ出して止めてくれないかとさえ思っているようだ。

有村架純さん、どうみても高校生役無理じゃないの、金髪コギャル姿は似合っているけれど、同級生の女子生徒もOL風で可愛いから許す。元々悪いのは主人公のさやかであって、実は素直な良い子なのだ。友達にも恵まれていて、塾に行くや勉強が好きになる。

塾先生の伊藤淳史さん、こういう先生がいたら勉強するでしょう。もともと、やるきのあるさやかちゃんだからだと思う。それに、家族崩壊の家の中で、母親が一生懸命に働き塾の費用を捻出することで、娘も本気を出して、父親が受験出来なかった慶應義塾大学へ入学して、父親に見返してやろうという意気込みも凄い。

高2から猛勉強するさやかに、塾の先生がさやかの頭脳に合わせての受験勉強の仕方に感心しました。偏差値が35位から47に、そして70までになるには、彼女の努力と元々ある頭脳、おバカなコギャルじゃなかったということですよね。手始めに、近畿学院大学を受験して合格してますから。

しかし、受験の日に塾の先生が、合格コーヒーをさやかにプレゼントする。それを、会場で一気飲みして、試験をしている最中にお腹がゴロゴロと、下し始めてトイレに何回も行くということに。だから、折角の慶應義塾大学の試験には、文学部が不合格になります。でも、もう一つ受けていたんですね、慶應の総合政策学部を。小論文を書くという、こちらの方が難しいと思ったのですが、お腹の下しもなく、すらすらと書けたようで見事に合格したんですからね。本当に立派ですよ。

それに、父親も息子が途中で野球をリタイヤして、グレてしまい遊び呆ける始末。これには、自分の夢を全て賭けていたのにと暴れる父親に、母親がキレてしまい、ガツンと旦那に意見をするシーンが良かった。
どうして母親が離婚をしなかったかと言うと、父親の心の優しさに惚れてしまい、本当は悪い人じゃないと信じているのだ。それが、さやかの近畿学院大学受験の日に、大雪で電車がストップして、父親が車で大学まで送って行くと言う。そして、途中で老夫婦の車が雪だまりにハマってしまい動けない。それを見て、父親が親切に車を雪の中から出してやる優しさを見て、なるほどと父親の良さを見てしまう。

しかし、学校側も主人公とお母さんにとっても、悪者にされているのもちょっと気になった。塾に通い、夜中は家で勉強という睡眠不足がたたって、学校で寝てしまう彼女に、母親を呼び出し説教するも、娘は夜中から朝までの受験勉強で、寝ていないので学校しか寝る時間がないと先生に食って掛かる母親。さやかの担任の先生に、安田顕が扮しており、もしさやかが慶応に合格したら裸で校庭一周すると言うのだ。確かに最後にスッポンポンの安田顕が見られましたから。
それにですよ、脚本が主人公のビリギャルと塾の教師だけでなく、ひたすらに娘を信じる母親と、息子に夢を託す父親の関係を通して、物語の主軸である「夢を持つことの大切さ」に、それと裏腹な「夢を持つ危いさ」という陰影をつけることが良かったのではないかと思います。
2015年劇場鑑賞作品・・・93映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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