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プルーフ・オブ・ライフ ★★★

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愛し合ってはいけない男女が危険な冒険を繰り広げるサスペンス。監督・製作は「ディアボロス/悪魔の扉」のテイラー・ハックフォード。脚本・製作総指揮は「アルマゲドン」のトニー・ギルロイ。出演は「ユー・ガット・メール」のメグ・ライアン、「グラディエーター」のラッセル・クロウ、「ハート・ロッカー」、「16ブロック」のデイヴィッド・モース、「ビーン」のパメラ・リード、「ボディ・カウント」のデイヴィッド・カルーソーほか。
あらすじ:国際的な人質事件を専門に扱うプロの交渉人テリー(ラッセル・クロウ)は、会社の要請で南米の国テカラへ飛び、反政府ゲリラに誘拐されたアメリカ人技師ピーター(デイヴィッド・モース)に関する事件を扱うことになる。だが身代金の交渉を進める前に、経営危機に陥ったピーターの会社が保険をキャンセルしていたことが発覚。テリーはいったん事件を離れるが、ピーターの妻アリス(メグ・ライアン)の哀願に心を動かされ、交渉人仲間のディーノ(デイヴィッド・カルーソー)と共にピーターを救い出すと誓う。そして無線による身代金の交渉が始まった。持久戦が続く中、やがてテリーとアリスの間に愛が芽生えはじめる。むろんそれは許されない感情。燃え上がる恋の情熱をストイックに抑えながら、テリーは不屈の粘り強さで人質交渉にあたり、自らの責任をまっとうするのだった。...
この当時、この映画の共演がきっかけでこのお二人さんが、お付き合いするのがマスコミで報道された。たいてい映画の宣伝によるでっち上げのラブロマンスなのだが、当人同士は本気で付き合っていたらしい。この後、メグは夫のデニスと離婚して、クロウとの仲は破局に終わった。

<感想>正月に、家に購入していたDVDの中から観賞したもの。この映画はというと、南米の反政府ゲリラに身代金目的で、夫を誘拐されたメグ・ライアン側の動きを軸にして描きながら、一方ではゲリラたちの金ずるとして殺されはしないものの、長期にわたってゲリラたちにジャングル中を引っ張り回される夫側のサバイバルも描かれ、つまり二本立て形式で進行するサスペンスである。

その間の接点となるのは当然、愛する夫を取り戻したいという願うメグ・ライアン。
夫の方も、愛する妻の元へ何としても帰るのだという強い意思で、過酷な扱いに耐えながら、逃亡する機会をじっと待っていた。
だが、異郷の地の南米で誰一人頼る人もいないメグ・ライアンは、人質交渉人を買って出てくれたラッセル・クロウをいつしか愛してしまう。国際的な人質事件のプロの交渉人ラッセル・クロウも、彼女の夫を救出するために行動を共にするうちに、メグ・ライアンを愛おしく思うようになるというわけ。

夫が誘拐されて取り乱している彼女に、当初、ラッセル・クロウは、「このゲームは強制的に参加させられる。だから感情は必要ない。あくまでもビジネスなのだ」と、いかにも私情は無縁という態度だったのに、・・・。でも男と女、一緒にいる時間が長くなれば、心も通うし、愛も生まれる。ましてや極限状態の妻の立場となれば、優しくしてくれる身近な男性に恋もするかもです。
この辺の二人の関係は、何者かに命を狙われるスターのサスペンスに、彼女を護衛するボディガードの恋を絡めて描いた、ケビン・コスナーとこの間亡くなったホイットニー・ヒューストンの「ボディガード」に似てもなくない。でもあのラブサスペンスの場合は、どちらも独身だった。互いにその気になりさえすれば、愛の障害になるものはなかった。
だが、本作では違う。メグとラッセルがどれほど愛しあっていても、二人の間にはゲリラに誘拐されたままの夫がいるのだ。二人の出会いもそもそも夫を助けるため。平常時に出会って恋をしたのであれば、たとえどちらかに配偶者がいたとしても結ばれることは可能だが、今はムリ。人道的にも許されないことだ。
二人が今やらなければならないのが、何をさておいても所在の分からない夫の救出。自分の本心を隠し、夫の救出に命を賭けるラッセルも、無事救出に成功してアメリカへと去っていくメグたちを、ラッセルが見送る空港でのラストは、まさに現代版の「カサブランカ」のように見えた。でも、クロウとボガードでは比較にならないよね。

デイビット・モース扮する夫が、南米で過酷な状況にあって、ラッセルに救出されたのだが、一瞬でも妻とラッセルの別れのシーンで、妻の視線の中に何事かを察知するという表情も見逃してはいけない。
しかし、夫が無事に戻ってくれば、大人の分別でそれも終わりとなるエンディングに、なるほどいつもラッセル・クロウにはドラマチックな悲劇が似合うイメージがある。だから今回もひよっとしたら夫を助けて自分は死ぬのかも、と思ったりした。
実際、この作品は、誘拐、身代金犯罪と戦うプロフェッショナルの交渉人、ラッセル・クロウの活躍と、交渉のスリル、いかに事件が解決されるかが題材の作品。なのですが、私には愛し合ってはいけない二人の純愛劇、夫の命を救うべき人物に惹かれていくメグと、彼女に思いをよせながら人質交渉をという任務を全うすることに命を張るラッセル。何だかサスペンス・アクションではなくただのラブロマンス劇になっているのが惜しいですね。
2015年DVD鑑賞作品・・・17映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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